【感想・ネタバレ】会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのかのレビュー

あらすじ

会話の「普遍のルール」から人間の本性が見える
「え?」「えーと」「はあ?」……これまでの言語学が見逃してきた、こんな言葉に「人間の本性」が表れていた!?

今まで、主流の言語学が重視してきたのは常に文法や単語の成り立ちだった。
しかし、あなたが人と会話するときに、完全に文法通りの文章で話すことなどあるだろうか? 「あー」「いや」「はあ?」「え?」「で?」などなど、辞書には載らない言葉を繰り出しながら、すさまじいスピードで言葉のキャッチボールをしているのではないだろうか。

もちろん文法の研究は重要だ。だが、人間は文字より前に会話をはじめていた。現実の会話には、主流の言語学が軽視してきた本質的な何かがあるのではないか……本書は、そんな言語学の「革命」を追うサイエンス本である。

AIがまるで人間のように問いかけに答えてくる現代こそ、「会話」を考えることは「人間」を考えること。本書には、そのヒントが詰まっている。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

従来の言語の研究は書き言葉であった。言語の使用は会話にあるとして会話の研究を盛んにするところに新しい言語学がはじまると提唱している。

ヒトの会話の特徴
他人との社会関係を結ぶのに真剣に取り組む
自分の言葉について語る(再帰)
関連性の原則:直後の出来事に関連すると解釈する。

動物の会話と呼ばれるものと人の会話の違いの勉強になった。相手に否定的なニュアンスを与える応答の仕方や、質問に対して親切に答えるために質問の先を読んで答えたりとコミュニケーションの勉強にもなる。

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2025年05月05日

Posted by ブクログ

これからは「はい」「そうですね」を
200ミリ~500ミリ秒後に言おうと決めた。
喋る仕事の人におすすめ。

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2023年11月27日

Posted by ブクログ

感想
ノイズを含んだ会話。本質的には推測から成り立つ。自分が伝えたいことが必要十分に伝わることはまずない。だからこそ対話を続ける必要がある。

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2023年04月01日

Posted by ブクログ

言語学が主に「書き言葉」に注目する中、本著は「話し言葉」、さらに話者の交代・会話中の「修復」・タイミングなど非言語の部分に着目している。例えば「主語を抜く」などの文法のルールは無視するが、「会話で一度に話すのは1人」など会話のルールは守る。ここから、他の動物にはない人間の利他性が見えてくる。特に気になるのは、「日本語の応答に要する時間は世界一短い」ということ。サラッと文中に出てきて言及されていないが、日本人なので気になってしまう。話したがりなのか、利他性が高いのか、時間をかけたくないのか…。

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2025年09月19日

Posted by ブクログ

ヴィトゲンシュタインの言語ゲームや、チョムスキーの生成文法を踏まえて、本書は、それとはまた違った切り口で「会話機械」を説く。人間の言葉は会話に用いられるものだが、会話にはルールがあり、何気ない「え?」などの反応からそれを解き明かそうとするもの。当たり前のように受け止めているような反応やコミュニケーションを分析して結論付けるという発想が面白い。

発音や語彙は国や文化によって違うが、例えば会話のときの「話し手の交代に関する法則」には違いはない。本書から抜き出すと、私たちの日常の会話に関しては、たとえばすでに次のようなことがわかっている。

・何か質問をされて答えるまでにかかる時間は平均すると、瞬きの時間と同じくらい。つまり200ミリ秒ほどである。

・質問に対し「いいえ」と答えるのには、「はい」と答えるよりも時間がかかる。それは言語を問わず共通している。

・会話中に相手の返答を待つ時、私たちはだいたい「1秒間」を基準にその速さを評価している。一秒間の間に返答までが一定時間より短いか長いかで「速い」、「遅い」、「ちょうどいい」、もしくは「返答がない」と判断する。

・会話中は、84秒に一度、必ず誰かが「え、何?」、「誰が?」など、相手の言ったことを確認するための言葉を発する。

・会話では60語に一語は「えー」、「あー」といった一見、無意味な言葉になる。

「えー、あー」の意味は何なのか。これは、重複を避けるための話者交代だという。重要なのは、これらを使う場合、話者は相手が自分に協力的なはず、と無意識にでも考えているということだ。「遅延するけれど、発話は控えて待って欲しい」という信号に従ってくれるはずだと思っているのである。隙間が空いて、割り込むのは不可能ではないがあえて割り込まないでいてくれると思っている。

脳みそが働かないときに「えー」と言っているような気がするが、もう一歩踏み込めば、これは、脳みそが働かないがまだ私のターンだからちょっと待っていてね、というシグナルだというのだ。更に、こうしたルールに沿って会話を修復していくのだという。もう一歩、会話によって形成される目的を解き明かせたら更に面白いなと思いながら、しかし、先ずはこのルールの解説だけでも興味深かった。

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2024年08月05日

Posted by ブクログ

言語学研究の中で
会話中心のものは少ないのだとか。
世界には文字を持たない言語もあるのにね。

誰かから何か聞かれた時に
英会話のような本だとPardon?とか
Sorry?のように聞き返すとあるけれど
実際には日本語でも「なんですか?」より
「え?」「はっ?」のように聞き返すよね。
そういうとっさの一言が
だいたい世界中似ているなんて楽しい。

あと、質問に対する返答についても
調査されているのですが
内容がどうあれ「反応」が早いのは
日本語とのこと。
しかも正答が返せる時は
食い気味くらいの速さで返すらしい(笑)
謎です。

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2024年04月02日

Posted by ブクログ

言語学ではなく、会話の科学である
言語の世界だと大きな知見だと思うが、自分があまり言語の世界に興味がないことがわかった
得られる知見が、まあそうだろうなという感想しかない

唯一、日本語は世界一食い気味に話す言語であることが面白かった

ただ、この研究を積み重ねると、話し方やコミュニケーションの研究になるのか?
すでにありそうでもあり、なさそうでもある

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2023年07月09日

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