夏目大のレビュー一覧
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科学史、科学哲学という分野。概念的な哲学ではなく、科学からスタートする意識の探索は、ある意味分かりやすくて面白い。タコを中心に頭足類の観察からの考察だ。
他の無脊椎動物と比べても、頭足類の神経系の規模は異常に大きく、短期記憶と長期記憶に明確な区別があり、目新しいものや、食べることはできずすぐに役立つわけではないものに興味を示し、コウイカにはREM睡眠らしきものがあるなど、人間の知性との類似点も見られるのだそうだ。
「身体化された認知」というのは面白い。脳だけではなく、身体も賢さの一部を担っていて、周囲の環境がどうなっているか、それにどう対処すべきかという情報は、実は身体にも記憶されていると考 -
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ネタバレ難しかった。松尾先生の解説で、何となく全体像は見えたかも。因果関係という当たり前と思える事象に統計学が対応できたのはつい最近らしい。独自の因果モデルを作れば馬券ソフト開発に役立つか?
・相関は見られたが、因果については何も言えない 時代が続いた。
・因果について表現する言語を発明→因果ダイアグラム
・相関を解析するのには交絡因子が課題。主流はランダム化比較試験(RCT)
・RCTができない場合が多いので、交絡因子を調整して因果効果を推論する
・コライダー(結合)を調整してしまうと、元の変数が独立から従属に変わる。
・モンティホールパラドックスは司会者のドア選択がコライダーとなり新車の位置 -
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Posted by ブクログ
物理学、化学、IT、心理学、社会学等あらゆるジャンルの知者が無慈悲にも次々と登場し、一つのエッセイを読むたびに深く息をついてひと休みしなくてはいけないから、とても読むのに時間がかかる本だった。
科学者には3タイプあるように思う。この本にはその3タイプすべての人が登場する。一つめは、科学絶対信仰の信者みたいな人。ビジネスマンや宗教者が嫌いで(エッセイなんだから気軽に書けばいいのに)、見えない敵に喧嘩を売るような文章を書く人。科学は万能、証明や再現できないことはすべて愚かと考えるような人だ。こういう人は自分の正しさを証明するために科学を道具にしているんだろうなと思う。子供の視野だ。二つ目は科学が -
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Posted by ブクログ
主題はジェンダー論だと思うけど、それよりもリアルな青春小説として楽しめた。
特に幼児期の視点(世間の常識というトリックにはじめて触れる時)、ティーンの視点(世間の常識をはやく取り入れたいともがく時)をこれほどリアルに描いた作品はないと思う。
ただ、そのみずみずしい筆致は大学を卒業すると同時に色褪せていく。
これは「現実に適合していく」事へのアイロニーなのか?赤裸々に描かれた青年期と違って、仄めかすだけで伏せられている内容が多かった。
なので最終章で唐突にジェンダー論?として総括してしまったのは残念だった。
たしかに誰もが昔の事は語ることができても近しい事には口が重くなってしまう。
その繊