あらすじ
読むだけで世界を見る目が変わる科学の概念。リチャード・ドーキンス、スティーヴン・ピンカー、ダニエル・カーネマン、リチャード・セイラー、ケヴィン・ケリー、ドン・タプスコット……。一流の研究者・思想家のみ入会を許されるオンラインサロン「エッジ」会員151人が解説する、思考力を上げる科学の概念とは。
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Posted by ブクログ
ポール・サフォーの「人にはそれぞれ心地よいと感じる時間の幅がある-裁量のタイムスパン」が面白かった。
社内での立場や業務内容によって、労働の対象とする時間が大きく異なる。個人にとって自然なタイムスパンを超える仕事に就いたら大変で、それより少ない時間で済む仕事に就けば、やりがいを感じられず不満を抱く。
メモ
「週に何時間かは、表面上、自分の仕事に一切、関係のない文献を読むべきだ。」
「情報が多すぎると理解度が下がる」
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一流科学者たちが、「我々にとってこれは常識なんですけど皆さんは違うんですよね」というネタをエッセイの形で紹介する。
認識論や因果論でなるほど、というもの多数。
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いろいろな考え方に触れることができた。
印象に残ったのは、次のようなもの。
科学とは仮説と検証を繰り返し、一度立てた仮説を覆す新説の存在を常に念頭におくアプローチであるが、世間では真実を追求し、ある説が正しいことを証明するツールだと思われている。
二重性や矛盾をそのまま受容する姿勢が重要だが、人は白黒をつけたがり、ある説やアプローチのわずかなブレが明らかになっただけで極端に逆に振れる傾向がある(反ワクチンなど)。
意志力とは忍耐力ではなく、フォーカスの対象をコントロールする力である。
人は世界の乱雑な情報のうちのほんの一部を受容(人間が知覚できる光は電磁スペクトルの10兆分の1程度)して、バイアスに基づいて生成した主観的世界と受容信号を照らし合わせて補正する形で世界を理解している。
人は意思決定において左脳による論理的思考と右脳による感覚的反応を根拠とするが、自分では専ら前者によるものと思い込んでいる。
人体や「自分」というのは、無数の微少生命体が巣くう住処でもあり、一個のマシーンよりも境界が曖昧な渦巻きや川の流れのようなもので喩える方が適切な存在である。
自然選択は生存力の高い形質ではなく、繁殖力の高い形質を生き残らせるものであり、配偶者から選ばれやすい形質が残ってくる傾向がある。そう考えると、男性の方が女性よりも暴力的で徒党を組みやすいことなども興味深い現象に感じられる。
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多くの天才科学者の理論、考え方に触れられる。
もちろんその知識や考え方を直接自分で活かすことは難しいが、あらゆる場面において間接的に活かすきっかけになることはあると感じた。ボリュームが多くて、すべてを読めてはいない。ただ、目次を見て気になるトピックに関して読むだけでも、膝を打つような新しい知識や思考に出会うことができ、新鮮な気持ちになれる。
個人的には、「iPadを使ってコンテンツを作る人が少ない理由」が面白かった。我々はiPadやFacebookアカウント、自動車などを単なる道具と思っており、それ自体に偏りがあることを考えない。
ただ、似たような機能をもった道具でもそれぞれに対して、あらゆる側面で向き不向きといったバイアスがある。iPadを持っていると、コンテンツを消費することに熱心になり、自分で新しいコンテンツを作る方にエネルギーが向きにくくなる。こういったテクノロジーにもバイアスがあることを意識して利用しなくては、危険なものになりうる。
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『天才科学者はこう考える』
人々の認知能力を向上させうる科学的な概念は何か?
このテーマで、151人の一流の科学者や思想家と呼ばれる人達がエッセイを寄稿したものをまとめた本。
正直、全部理解することは到底できなかったけど、
読んでいて、面白かったし、
こんな考えがあるのかと、視点が広がったような気がした。
Posted by ブクログ
物理学、化学、IT、心理学、社会学等あらゆるジャンルの知者が無慈悲にも次々と登場し、一つのエッセイを読むたびに深く息をついてひと休みしなくてはいけないから、とても読むのに時間がかかる本だった。
科学者には3タイプあるように思う。この本にはその3タイプすべての人が登場する。一つめは、科学絶対信仰の信者みたいな人。ビジネスマンや宗教者が嫌いで(エッセイなんだから気軽に書けばいいのに)、見えない敵に喧嘩を売るような文章を書く人。科学は万能、証明や再現できないことはすべて愚かと考えるような人だ。こういう人は自分の正しさを証明するために科学を道具にしているんだろうなと思う。子供の視野だ。二つ目は科学がただただ大好きで、読者おかまいなしに専門用語や「私の造語」でひたすら自分の研究分野を熱く語る。キラキラした青年みたいな視野だと思う。三つ目は、科学は万能ではない、ただ今私たちが手にしているモノサシがこれなだけだ、私たちにはまだ知らないことがたくさんある、という哲学を持った視点から自分の研究を語る人。豊かな成熟した大人の視野だと思う。こういう人が実は一番科学を愛していて、科学の未来に希望を持っているのだと思う。人類は小さく盲目で、自分たちがどこから来て、どこへ行くかすら知らない。それどころか明日がどんな日かも分からない。そんな存在なのだ。
Posted by ブクログ
有名研究者や思想家151人の思考をまとめた一冊。スティーブン・ピンカー、ダニエル・カーネマン、カルロ・ロヴェッリなど日本でも人気の本を出版しているメンバーなどが、どのような視点で世の中を見ているかがわかる。哲学的・心理学的な視点で語られており、全体的に難解なものが多いかなと思った。「未来は予測できない」「正しいことでも疑ってかかれ」「思い込みを捨てろ」的な内容が多かった。結果を残した天才科学者の視点を知りたい人にオススメ。
Posted by ブクログ
科学者の発見したエピソードやそれにまつわる事実が膨大に書かれている。科学者の考え方が必ずしもスマートに導かれたものではなく、意外な展開があったり、さまざまな当時の常識というハードルを超えてきたかを説明している。科学者は、根気かつ緻密な再現性ある実験や証明がとても重要となる。
Posted by ブクログ
所々、この人何言ってんだろうと感じるくらい意味が分からない箇所もあり、自分には結構解読が難しかったです。
その中でも、なるほど〜と感じる箇所はたくさんありました。
思いがけない幸運や不幸が舞い込んできたとき、人は直近の過去に何かその原因になることはなかったかを考えてしまう。
ただこれはランダムに起きた事象なだけなので予測不可能であり、考えるのは無駄な事。
それを受け入れられず、運命や宿命といった言葉でつなごうとする。本来無関係な出来事を結びつけ、何か宇宙の隠された法則があるかのように思う。
だけど実際は自分たちに起こる事は予測できないし、善人にも悪人にも災難は降りかかる。
自分にもそうやって何か原因を探すクセがあるなと感じました。
とても参考になり面白いところは面白かったです。
難しいところは意味不明でした。
Posted by ブクログ
・エフゲニー・モロゾフ(編集者)人は過去の成功体験に固守する
・ヘレン・フィッシャー(研究員)3つ子の魂百までは正しい 頑固な人、秩序ある人、人当たりのいい人は男女問わずいつまでも変わらない
・アダム・オルター(心理学者)赤いシャツを着ると魅力的に見える)
赤色のシャツは男性にとっても魅力的に見える
晴れの日よりも雨の日の方が記憶が正確になる
温かいコーヒーカップを持っている人は知らない人を見ても第一印象がよく見える
アメリカ人に対して国旗を見せることも同じ態度が好意的になる
Posted by ブクログ
一流の研究者・思想家151人の考え方が垣間見れる。
もちろん少しずつ短い文章で綴られているのでその背景まで理解することができるわけではないが、それでも今世界で活躍するような科学者や思想家たちがどのようなことを考えたり、注目しているのかを教えてくれるともいえる。
身近な内容から壮大なもの、意外なもんから、当たり前だと思っている事など色々なテーマが語られている。
朧げに「そんなもんだろう」と感じているが改めて言われると「そうだな」と再認識させられる話も多く、本書のテーマの1つともいえる「見慣れている世界を、そして人間の心、感情を普段とは違った目で見てより深く理解するきっかけを与えてくれる」本である。
個人的にはダグラス・ラシュコフの「メディアとテクノロジーに潜むバイアス」というテーマがまさに上記の体験に当てはまる話であった。
Posted by ブクログ
特に面白いと思ったエッセイは
ジョナ.レーナー
4歳の頃、マシュマロを食べずに15分間待つことの出来た子供のSATスコアは、30秒しか待つことの出来なかった子供より、平均で210ポイント高い結果となった。ここで待つことの出来た子供は、机の下に隠れたり歌を歌ったりして注意を逸らした。
注意のスポットをうまく制御できれば、否定的な思考に捉われそうになっても、危険な誘惑に負けなくなる
ジョン.マクウォーター
キーボードの配列は、使用頻度の多い「A」をわざと力の入れずらい小指の位置に置いてある
(早く打ちすぎるとアームが絡まるため)
1列目に「TYPEWRITER」に含まれるアルファベットを配置した。←タイプライター販売員のが打ちやすくするため