【感想・ネタバレ】人類が絶滅する6のシナリオのレビュー

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Posted by ブクログ

人類が絶滅する6のシナリオ: もはや空想ではない終焉の科学。フレッド・グテル先生の著書。スーパーウイルス、大量絶滅、気候変動、食糧危機、生物兵器、コンピュータの暴走。どれも空想でも妄想でもなくていつ現実になってもおかしくない問題。温暖化問題や地球環境問題への対応と同じく自然や他の生物に対して傲慢ではなくて謙虚に接して、人間同士でも傲慢ではなくて謙虚な気持ちで解り合う努力なしでは、本当に人類が絶滅してしまう日もそう遠くはないのかもと思わされました。

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2019年06月16日

Posted by ブクログ

コロナウイルス、異常気象や気候変動と、人類のこれからが不安になる現象が続く中、人類のこれからに対し多角的に警鐘を鳴らす本です。

この本は「ウイルス」「生物の絶滅」「気候変動」「生態系の危うさ」「バイオテロ」「コンピュータがもたらす危機」と6つのトピックで構成されています。戦争や核といったものではなく、「バイオテロ」「コンピュータ」といったものが取り上げられているのが、より現代の危機に即した一冊という印象を受けます。

印象的だったのは気候変動の章。自分は無意識的に地球温暖化に伴う気候変動は少しずつ進行していくものだと感じていたけれど、それは間違いかもしれないという話。
気温の上昇に伴う海流や気候の変化や生態系の変化は日々進行し、一つ一つが小さい変化でも、それが複合的に合わされば専門家も予想できない急激な気温上昇はありうるかもしれない。

現に地球の歴史でも、10年間の間に気温が10度以上上昇した時期はあるらしく、今の平均気温の上昇がその予兆かどうかは正確には誰もわからない。そうした目に見えない臨界点がある中で、自分たちはどう行動しなければならないか。

リスクはウイルスや気候だけでなく科学がもたらすものもあります。コロナウイルスのワクチンはRNAという遺伝子を利用した新しいワクチンということでも注目を集めたけれど、これはワクチンではなく新たなウイルスを生み出すにも応用できるもの。

もしテロ組織がこうした技術を使って、生物兵器を生み出すことがあれば……
この本で取り上げられている、今から約20年前、911のテロ直前に行われたバイオテロのシミュレーション、そしてアメリカの高校生が行った実験は、そんな懸念も決して突飛ではないことが感じられる。

今やインフラすらも管理しているコンピュータが乗っ取られる危険性もあります。最近でもアメリカの石油パイプラインがハッカー集団に攻撃を受け、数日間ガソリンの供給が不安定になったというニュースがあったけど、6章ではそうしたコンピュータの脆弱性が多くの事例をもって語られます。

この本で語られる危機というのは、進歩した科学技術やグローバル化によるものが大きいです。しかし人類にとってもはや、科学技術やグローバル化は手放せないものになっているのも事実。著者は絶望的な事例を数多く示しながらも、それでも人類は化学技術を駆使し、研究を続けることが今ある問題を解決する道だと語ります。

現代に生きる自分たちにとって、リスクや危機というものは数多くあるものだと思います。そのリスク、危険を知ろうとする努力。そしてそのリスクや危険を避ける選択肢を選ぶこと。それが科学の恩恵を受ける自分にできる一つの手段なのかと、読み終えて感じました。

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2021年08月05日

Posted by ブクログ

著者のフレッド・グテルは、一般向け科学雑誌としては世界最古の、米「サイエンティフィック・アメリカン」誌の編集長。本書は、2011年に米国で出版、2013年に日本語訳が刊行され、2017年に文庫化された。
著者は本書を著した背景について、「この本で取りあげるのは、主として科学技術が地球にもたらす災厄である。つまり、人間が自らの利益のためにしていることが、意図に反して、非常に大きな損失をもたらし得るという話がしたいのだ。・・・この本で私はあえて、バランスを無視している。どの問題にも楽観論はあり、必ず悪いことが起きるとは限らないのだが、ここではあえて触れず「最悪の場合、「どれほどひどいことになり得るのか」に話を絞っている。・・・私がしようとしているのは未来予測ではない。・・・何が起きるかを予測するのではなく、「最悪の場合、何が起き得るか」を考えてみる、というのは良いことだと私は思う」と述べている。
そして、取り上げられている6つのテーマは、①インフルエンザ(スーパーウイルス)、②生物の大量絶滅、③気候、④生態系、➄合成生物学(バイオテクノロジー)、⑥インターネット(コンピュータ)である。
ひとつひとつのテーマはいずれも極めて重く、これまでも其々の分野の専門家たちによって分析・議論されてきているものであり、本書の中で特段の新しい材料が提示されているわけではない。
しかし、それぞれの問題が未解決のままで、何らかのきっかけで世界が大混乱に陥り、まさに「最悪の場合」人類の絶滅に繋がる可能性を否定できないことも事実であり、我々にとって、過度の楽観主義や「喉元過ぎれば・・・」に陥ることなく、人類の存続を脅かす潜在的なリスクを常に認識しておくことは必要なのではあるまいか。
(2017年10月了)

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2017年10月15日

Posted by ブクログ

世界を滅ぼすスーパーウィルス、繰り返される大量絶滅、突然起こり得る気候変動、生態系の危うい均衡、迫りくるバイオテロリズム、暴走するコンピュータ。

戦争とか核が外れて、地球環境や自然が脅威になってきた。どれも、説明を読んでいくと結構やばくて怖い。

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2019年12月18日

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