砂原浩太朗のレビュー一覧

  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    差配役だが、全然問題を解決しない。謎を解いた!とか諭して導いた!みたいな役割をしない。季節の移ろいの中で、自然にことが進んでいく。暴かれなかったことを無理に騒ぎ立てたりもしない。あるがままというか。
    でも読んでいて不快に思うことなく、逆に癒されてたりするのはなんでだろうと思う。

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    2026年06月14日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    ささくれだった心を癒してくれる砂原作品。今作も色彩、音色、味覚、皮膚感覚、五感フルに生かして四季の移り変わり感じながら、不条理な武士の世界のぞき見る。日々の営みが愛おしく、心がほわっと温められる。「若い芽の香りがあたりいちめんに満ちている。胸の奥まで濃いいのちの気配が滲みこんでくるようだった」まさに今。

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    2026年06月03日
  • 武家女人記

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    武家の女人たち。色々ままならない。
    背中合わせ…良かったです。
    縄綯い…姑のやりようが酷い。
    あねおとうと…家族っていいな。友達が思ってたのと違ってて悲しくなりました。

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    2026年05月19日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    「藩邸差配役日日控」シリーズ第2弾。

    神宮寺藩江戸藩邸の差配役・里村五郎兵衛が、持ち込まれる様々な厄介ごとを整えていく姿を描く6つの短篇。

    差配役とは総務部総務課のようなお勤め。他所がやらないことを全て引き受けるいわば何でも屋。
    決して切れ者という風情ではないが、穏やかで、思慮深く、つい面倒を引き受けてしまう人柄は頼りになる上司って感じ。

    妻を早くに亡くし男手ひとつで娘二人を育てた五郎兵衛は娘の行く末にも心配の種が尽きない。
    強面の上司の顔色を伺い、やる気のない部下を温かく見守り、気難しい同僚といつのまにか心を通わせる勤め人としての姿や、気の合う道場仲間との飲み会の様子などどのシーンも微笑ましい。

    新たに判明した収賄事件の真相と、それに打ちのめされた五郎兵衛の姿が痛々しくて胸が痛む。そしていつのまにか仲良くなった浪岡と出した結論に心が震えて泣きそうになった。

    七緒には夫の死を乗り越えて、次作では是非、進藤とご縁がありますように。

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    2026年05月17日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    架空藩の江戸屋敷で起こる細々とした事柄を担う「差配役」の責任者、現代でいえば部長あたりの40代武士が主人公の藩邸差配役日日控シリーズの第二弾。第一弾はそれなりに大きな次元というか謀が裏で動いていたが、第二弾は新たなエピソードも加わりつつ、その後日談として、より日常の細々した事柄、事件ともいえないような事件を取り扱った6編の連作短編となっている。それでは地味にすぎないかと思うが、そうならないところが砂原節の真骨頂だ。心が穏やかなままちょっとどきりとしたり、ハラハラしたり、もちろん最後にはそうきたか!とおでこをペチンとしたくなる仕掛けも仕込まれている。NHKのBSとかで映像化してくれないかしら。

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    2026年05月17日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    ネタバレ

    【収録作品】
    「波と波」
    「揺れる槌」
    「梔子日和」
    「碌々亭日乗」
    「小心者」
    「星月夜」

    『藩邸差配役日日控』シリーズ2作目。
    地味だけれどもうまいなあ。静かな筆致で描かれる、誠実な仕事ぶり。
    そして、融通の利かない石頭かと思われた波岡の人間性が表れているのもよい。最後に五郎兵衛を説得する言葉がまたいい。
    装画も静謐で素敵。

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    2026年05月10日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    神宮寺藩の江戸藩邸差配役の日々連作短編集。絵師が見張られてる、引退した親が朝から出かけてる、収賄事件など。

    義理と人情の交差点。前作と同様とても良かった。人の心の機微を絶妙に描く。

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    2026年04月27日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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     藩邸差配役シリーズ第二弾の短編集。今回は、藩内権力争い等でなく、主人公五郎兵衛の娘二人を巡る出来事等を中心に、父としての五郎兵衛の思い等が丹念に描かれている。
     今後も、著者の代表的な作品群になるものと思われる。

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    2026年04月25日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    良いですね。藩邸差配役日日控シリーズ第二作。
    舞台は神宮寺藩江戸藩邸。陰では“なんでも屋”と揶揄される差配役の里村五郎兵衛が主人公です。
    前作から続く、五郎兵衛の二女の出生の秘密やお納戸方で起きた収賄事件を背景にしつつ、主人公の身辺で起きる些細な事件の顛末を綴った六つの連作短編です。
    前作の感想に「どこか茫洋とした味わいの若手・安西はもう少し活躍させたかった」と書きましたが、本作でも相変わらずの茫洋ぶり。一方で、どこか剣呑だった江戸家老の懐刀・波岡喜四郎が意外な一面を出してきました。今後の展開が楽しみです。
    五郎兵衛は今も道場通いを続けていますが、作中で「四十も半ばとなって、とうとう真剣での斬り合いかと……」と吐露するように、派手な剣劇があるわけではありません。第2話で大工の源蔵親方が「なにも起こらないのは、起こらぬようにしているお人がいるから」と五郎兵衛の心遣いに感じ入るように、登場人物たちの日常を丁寧に描き出した、しっとりとした情感と静謐感の漂う時代小説です。

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    2026年04月22日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    里村五郎兵衛の宮仕え日誌、その2。

    武士の堅苦しさや、武士ならではの意地や気遣い、そんな中で五郎兵衛の人情が滲み出て、物語の他の人物たち、五郎兵衛の娘たち(七緒、澪)、亀千代君、ちょっと今時な下役の安西主税、五郎兵衛と新しい関係を結ぶ浪岡喜四郎など、読み進むうち、だんだん魅力を感じてくる。
    「卒爾ながら(失礼ながら)」や「ご免候え」などの細かい言葉遣いなんかも、世界観として、グッとくるんですよ。
    そして今回も、大きな謎が一つ、潜んでいる。

    エピソードでは、安西の父、惣兵衛のちょっとした秘密や、梔子(くちなし)姫の思い、亀千代の心遣い、浪岡と五郎兵衛の関係など、それぞれの心の裡が、行間から伺えて感慨深い。
    まだ続くと思われるので、楽しみ。青山文平さんの時代劇と共に、武士を描いたものとして、好きな小説になった。

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    2026年04月18日
  • 星月夜 藩邸差配役日日控

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    この作者の時代小説を読み続けていますが、今回は神宮司藩という中規模の老舗企業の部長クラスのサラリーマン日記だと思いました
    時代小説は心を癒す薬とか何とか言った人(北上次郎だったかなあ)がいたような気がするけど、年寄りは会社帰りに読むとゆったりした気持ちになれます

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    2026年04月11日
  • 藩邸差配役日日控

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    砂原さんといえば、の神山藩ではなく、
    こちらは神宮司藩という、
    こちらも架空の藩が舞台の連作短編。

    “何でも屋”
    藩のあらゆる雑用を引き受ける
    差配役を務める里村五郎兵衛が主人公。

    日常の中のちょっとした事件が繋がり、
    大きな思惑に取り込まれていく。

    砂原さんの描く日常と騒動の様子が好きで読んでいるけれど、
    大オチが一辺倒な感じがするのが惜しい。

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    2026年04月09日
  • 藩邸差配役日日控

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    7万石の神宮寺藩の藩邸に勤める差配役、里村五郎兵衛の物語。
    差配役とは、ありていに言えば何でも屋。海鼠塀の塗り直しとか、屋根の修理、書物の整理など、雑用ばかりと思いきや、事件が起こる。上野で花見の最中に、亀千代君が行方不明になったり、奥方の飼い猫探しが始まって、町中の猫を集める羽目になったり・・・。何やら権力争いの陰謀もあるようで、五郎兵衛の家族が巻き込まれる・・・。
    最後に意外なことが明かされて驚く。

    舞台と人物がしっかりしている、オーソドックスな時代ものだと思ったけれど、物語の仕掛けも面白かった。それぞれの人物もなかなか魅力的。実直だったり、堅物だったり、狸だったりするなかで、安西主税は面白い。
    続編で、さらなる謎が解き明かされそう。

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    2026年04月08日
  • 霜月記

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    またまた今回も部分的に3回ほど再読した。詳しくは前回の感想に書いてあるが、総次郎の初々しさや友人の武四郎が良い味を出している。とくに最後のほうの武四郎が面白すぎ!

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    2026年03月30日
  • 藩邸差配役日日控

    H

    購入済み

    砂原浩太朗の著作としては5冊目。藩邸の差配役と言われる「なんでも屋」の話ですが、砂原節はしっかりと出ており、安心して読めます。
    現在に引き戻すと、企業の総務部庶務課の係長の物語と言えばよいのでしょうか。

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    2026年03月26日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    ネタバレ

    続編が出ていると知り、「まずは最初の作品から」と手に取った本書。
    物語の軸となる一揆騒動は、郡奉行としての庄左衛門の矜持を示す山場だが、個人的にはこれをより後半に配置し、緊迫感を持ったまま幕を閉じる構成の方がと思ったが、しかし、それは、大きな事件(一揆)が終わっても、日常は続いていくという残酷な人生の本質が描かれているのかもしれない。
    もう一つの軸は、亡き息子の嫁・志穂との関係。息子という共通の愛する人を失った二人が、絶望の果てに見つけた「縋るもの」としての関係性がある。道は間違っていると知りながらも抑えきれない志穂の恋情の激しさには、抗いがたい魅力があった。
    庄左衛門は決してヒーローではない。理不尽な政争に巻き込まれても、「何が正しいか」を静かに問い続ける地味な男だ。一揆の収束も「被害を最小限に食い止める」という極めて現実的な解決策を選ぶ。この「足るを知る」生き方と一線を超えない矜持こそが、彼の本質だろう。
    一方で、業を背負った蕎麦屋の半次や若き弦之介との軽妙な会話は実に楽しく、殺伐とした物語の中の救いとなっている。
    本作が描くのは、大切なものを次々と失いながらも、どう立ち居振る舞うかという姿だ。理想的な英雄像を裏切り、執着や醜さを抱えながらも生きていく……
    この余韻を抱えつつ、続編も読んでみようと思う。

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    2026年03月21日
  • 決戦!設楽原 武田軍vs.織田・徳川軍

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    長篠のコトだった 知らなかった、、、(^.^))
    初めての作家先生方でしたが面白かったです
    影の功労者って!ほんとアツいです

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    2026年03月19日
  • 夜露がたり

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    目次
    ・帰ってきた
    ・向こうがわ
    ・死んでくれ
    ・さざなみ
    ・錆び刀
    ・幼なじみ
    ・半分
    ・妾の子

    著者初の「市井もの」ということだが、「人情もの」ではない。
    掛け違えた心が作り出すのは、取り返しのつかない痛みだったり別れだったり。
    そう、江戸に住む庶民のすべてがいい人のわけはないし、善人と悪人の間にくっきりと線が引かれているわけでもないのは、現在と同じなのだ。
    人間だもの。

    耐えに耐えた挙句に良い結末を迎える、なんて話ばかりではないので、カタルシスが得られるかは読者しだい。
    私は『帰ってきた』おみのの「あたしはあたしのもんだっ」が、結構好きだ。
    元夫と、その弟分の現夫が彼女をめぐって「おみのはおれのもんだ!」と争っていた時に切った啖呵。
    「――どいつもこいつも、こけにしやがって」

    『幼なじみ』も、何かしみじみよかったな。
    うらぶれた長屋住まいから飛び出して、大店の手代に上りつめた秀太郎(ひでたろう)。
    幼なじみで弟分の梅吉が小僧として同じ店で働くことになり…。
    秀太郎には明るい未来はないのかもしれないけれど、せめて梅吉は…。

    後は『錆び刀』の、逆玉の輿を断って、同じ長屋でいつも親切にしてくれるおよしと添い遂げようと心を決めた途端のどんでん返しも面白かった。
    でも、砂原浩太朗は武家ものを読みたいなあ。

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    2026年03月18日
  • 藩邸差配役日日控

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    別のシリーズよりちょっと賑やかでドタバタ感がある。
    どっちも普通の人が普通に頑張って暮らしてて、凄く良い。

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    2026年03月11日
  • 夜露がたり

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    親子の愛情や幼馴染との友情、主君への忠誠など、綺麗な物語の作り手という印象の砂原さんだが、本書は一転ドロドロとした暗部が前面に出ている。愛の裏返しの恨みや憎しみ、表に出せない悪意、殺意、欲望、自己保身など。怖い物語が8編で、読みやすいが恐ろしい。

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    2026年03月11日