砂原浩太朗のレビュー一覧

  • 烈風を斬れ

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    26年第一弾は砂原浩太郎さん。豊臣秀次(秀吉の姉の子)の隠し子が、秀吉による秀次一族抹殺から逃れ、成長したという設定。関ヶ原で大敗したものの、秀頼の成長に合わせて徳川との対立が徐々に目立ち始めた頃。豊臣側の側近から、旧豊臣側の有力大名を引き込む使者として暗躍を依頼される。世が世なら豊臣一族として大阪城にいてもおかしくない存在ながら、自身の生い立ちを踏まえ、危険な旅に出る。父や母との関係を振り返り、旅先での出会いや戦いを通じ、どう生きるかを考える。生まれる前に切腹して果てた父が、実は想像していた人物ではなかったとき、父のようになりたいとか、なりたくないとかの足場が崩れる。そんな自分は良い父になれ

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    2026年01月07日
  • 武家女人記

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    男女、身分差、家の家格、年齢など、武家社会で自由気ままに振る舞えない女性のそれぞれの立場から、精一杯生きる武家の女人を描く。

    どのような、時代背景であっても砂原浩太朗作品は、人間の心を見事に活写する。
    あまり扱われる事のない武家社会の女に焦点をあてた本作、作中の女性たちの心情に絆されてしまった。

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    2025年12月29日
  • 霜月記

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    神山藩シリーズの3作目。

    とはいえ各作品に
    物語上のつながりはないので、
    どこから読んでも問題ないです。

    内容としては、
    今回はミステリー要素強め。

    代々、藩の町奉行を務める草壁家の現当主、
    藤右衛門が失踪。
    やむなく町奉行の地位に就く息子・総次郎。
    目前で起こった辻切り。
    総次郎はかつて名判官と謳われた祖父・左太夫の元へ向かう……。

    事件の捜査を縦糸に、
    父と息子、男同士の親子を紐解く。

    シリーズ同士の時系列も明らかになって、
    これからの神山藩の物語も楽しみになる。

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    2025年12月29日
  • 霜月記

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    このシリーズの良いところは、良くある「今の人も昔の人も同じでしょ?ほら、同じことで悩んだりしてるのよ」という感じを押し出した今の時代風の時代小説ではなく、しっかりした時代小説の中に今に通じる悩みをもった人も出てくる、という所。

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    2025年12月14日
  • 黛家の兄弟

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    ネタバレ

    『高瀬庄左衛門御留書』の文章から浮かび上がる、静かなたたずまいに一読すぐにファンになった。
    「神山藩シリーズ」第二弾ということで、またそのような作品を読めるものと思ったら、またがらりと趣向を変えてきた。

    神山藩で代々筆頭家老を務めてきた黛家。
    長男は家を継ぐとして、次男より先に三男が、大目付を務める黒沢家に婿にと求められる。

    筆頭家老の座を虎視眈々と狙う次席家老。
    行き場のない次男。
    凡庸な藩主。

    歴史小説はある程度事実を踏まえなければならないが、すべてフィクションの時代小説なら勧善懲悪であってほしい。
    しかし、歯車のずれがどんどん大きくなっていき、三兄弟がただ兄弟という間柄だけで繋がる

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    2025年10月27日
  • 藩邸差配役日日控

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    江戸藩邸の差配役(なんでも屋)を主人公に描く連作中編集。藩主正室の愛猫を探す、ユーモアたっぷりの作品を挿みつつ、最後は藩主親子との意外な関わりが明かされる。後に続く作品が待たれる。

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    2025年10月17日
  • いのちがけ 加賀百万石の礎

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    デビュー作とは思えない完成度の高さに驚かされる。信長、秀吉、家康の、いわゆる「天下取り」の物語を借景にして、主人公村井長頼とその主君前田利家が周りの人間達と如何なる関係を築いていったかが丹念に描かれている至高の作品。

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    2025年10月14日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    久しぶりの時代小説
    最初から設定がわかりやすく、するすると読みやすかった。
    おゆうのお話がジーンとしてしまった。
    太一郎のお父さんのお話も好みだった。
    私が一番好きな人は、きよさんかもしれない
    縁の下の力持ちで、こんな人が近くにいて欲しい

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    2025年09月29日
  • 雫峠

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    凛とした品格のある静謐な文章と表現力。
    登場する人物もおなじだ。
    きっと作者、砂原さんも同じ雰囲気を纏った人なんだろうと想像される。

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    2025年08月27日
  • 雫峠

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    半夏生、たまたま読んでいた日とラジオで言っていた花言葉と重なり忘れられない花の名前となる。やはりこの作家の文章の雰囲気は好きだなぁ。前回の震災の話はあんまりよくなかったけど時代小説はしんみりと心に響く、

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    2025年07月04日
  • 雫峠

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    神山藩シリーズ第4作。今回は短編集。藩内の諍いをうまく丸め込む無能と言われた家老の話、若き藩主の振る舞い、士道に背きながら幼馴染との思いを遂げようとする下級武士、堤の造成に関わり命を落とす父子など、心に刺さる物語。神山の自然や土地柄が目に浮かぶようで、訪れてみたくなるほど。作者砂原浩太朗の力を感じる。今後も楽しみ。

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    2025年05月06日
  • 黛家の兄弟

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    2022年第35回山本周五郎賞

    歴史小説、時代小説から少し遠のいていましたが
    一挙に引き込まれてしまいました。

    架空の神山藩が舞台となります。
    著者の時代シリーズに共通する舞台です。
    そして、日本史ポンコツなので気楽にこの世界に入れる重要なポイントかもしれません。

    筆頭家老黛家の三兄弟の物語、その中でも主人公は17歳の三男です。
    家督は長男が継ぐ、三男は大目付の家へ婿養子へ、次男は藩政をめぐるトラブルに巻き込まれてしまいます。
    若い兄弟は望まぬも藩の政争の渦中へ。

    そして二部構成となっており、十三年後が描かれます。若者は三十歳となり藩政の中央に近づいています。

    著者は、一貫してビルド

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    2025年04月22日
  • 雫峠

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    神山藩シリーズということで少しおまけで5☆
    いずれも幸せうすい人間模様といったところか。
    とりわけ表題作『雫峠』の「この十年、だれも幸せにならなかった…」のセリフは非常に重く受け止めた。

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    2025年04月20日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    砂原さんの言葉の使い方や作品に漂う穏やかなものが好きだ。季節季節の花々や鳥たちが、たとえ緊張感あふれる場面でも、ふと目をむけた先にはそこにそんなものたちが、在る。

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    2025年04月19日
  • 雫峠

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    ほほう…そうきましたか。
    6編とも素敵な人間関係が描かれている。特に「華の面」の若き藩主と能のシテ方を修行する若者、そして「白い檻」の僻村に流された武士と百姓の関係がよかった。そこへ最後の「雫峠」。読む順番も最高だった。

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    2025年03月24日
  • 冬と瓦礫

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    2025.03.22
    阪神大震災から30年、直接に亡くなった方が出てこないからこそ、震災の惨さを伝えることができるのは筆者の力量だと感心しました。
    できそうでできないことを次々と描かれる筆者のファンになって良かったとしみじみと感じます。
    地震は怖い、起きてほしくない。

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    2025年03月22日
  • 雫峠

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    やはり砂原さんは、上手いなあと。毎日一編づつ程楽しみながら読み進めたい短編集でした。女ばかりの直木賞選考委員ではなかな選ばれないかもねえ。その前の候補になれないのは、文藝春秋がアホかな?

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    2025年03月10日
  • 冬と瓦礫

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    作者自身の体験に基づいた、ノンフィクショクションに近い小説になっている。舞台は阪神淡路大震災。(この)「作品を書いたのは、震災に見舞われた神戸市の出身だからに他ならない。東京で暮らしていた主人公が帰郷し、家族を親戚のところに避難させるという大筋は私じしんの体験にもとづいている。」あとがきより。
    さらっと読めますが、主人公や家族の心情と神戸市の被災の絡みが、丁寧に書かれており、想像を超えた想いに至ります。実際私が、そういう立場に置かれたら、何ができるのか、そういった災害に遭遇しなければ、やはりわからないでしょう。てすが、この本で、その追体験が出来るような錯覚になりました。まあ、本当になった場合は

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    2025年02月21日
  • 冬と瓦礫

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    著者が自らの体験をもとに書いた小説です。阪神・淡路大震災発生の一報を受けた圭介の一週間が描かれていました。

    こんなときでも両親の身勝手さを感じたこと、祖父に謝れなかったこと、そしてこの場から離れられることに圭介の揺れる思いを感じました。

    友人とのやり取りも、努めて普通な感じでいたことが、余計にお互いを思う気持ちを表していたように思いました。

    地元だけど、今住んでいないことが許されないことのように感じてしまうことは、震災が与えた大きな傷の一つのように思いました。

    あのときから30年経ったけれども、私自身は経験していないからこそ、いつまでも忘れないことが必要なことだと思っています。どれだけ

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    2025年02月15日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    砂原浩太朗のこれまでの作品と比べてずいぶん肩の力の抜けたものになっている。こういう路線ならこの先何作でも書き続けられるだろう。

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    2025年02月06日