砂原浩太朗のレビュー一覧

  • 高瀬庄左衛門御留書

    Posted by ブクログ

    2024.03.22
    筆者の特徴は風景の描写にあると思う。特に静かな情景を描くのが得手ではないかと思う。
    筆者の本を読んでいると心が静まる読書は多いと思う。

    0
    2024年03月22日
  • 夜露がたり

    Posted by ブクログ

    江戸下町の長屋に生きる訳ありの人々の姿を通して、人の心のうちにある昏い部分を描き出す8つの短編。
    夫婦、幼馴染、親子、友達、好いた女、昔の男。共に長い時間を過ごしても互いに明かせない思いがある。好きな相手だからこそ言えない思い。相手を思うが故に苦しむ主人公たちのやるせない思いが伝わってくる。
    どうにもならない思いを抱えながら、それでも食べて、生きていかなければならない切なさは今も昔もなんにも変わらないんだろうなぁとしみじみ。

    どれもなかなかダークな物語だけど、それでも終わりに少しの希望が見える「半分」と「妾の子」に救われた。

    0
    2024年03月17日
  • 夜露がたり

    Posted by ブクログ

    市井物の時代短編集。8編「帰ってきた」「向こうがわ」「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「幼なじみ」「半分」「妾の子」
    初期のどうしようもなく暗かった頃の藤沢周平を思い出します。
    まあ、砂原さんご自身が「デビュー直後から藤沢周平への私淑を公言していた。」とおっしゃっているので影響を受けているのは間違い無いようです。
    そうは言っても「焼き直し」ではありません。短編ながらストーリーのヒネリがやや強く、クルリと反転する感じは周平さんと少し違います。また、最後の一編を除き、主人公が闇に堕ちて行くところは似ていますが、その闇は初期の周平さんの様な漆黒ではなく、やや月明かりが差す闇の様です。
    暗転ではなく

    0
    2024年03月11日
  • 夜露がたり

    Posted by ブクログ

    冒頭の「帰ってきた」以外は粒揃いで、流石砂原作品は市井ものも面白い。ただ神山藩シリーズのような傑作とも思わなかった。武士(浪人だが)が出てくる「錆び刀」はラストの展開含めやはり面白いので、武家ものがあってると思う。短編タイトルに込められた一筋縄でいかないストーリも良い。

    0
    2024年03月04日
  • 夜露がたり

    Posted by ブクログ

    「予想外の展開と結末を堪能できます」とあるが,個人的にはやりきれない結末が多い。

    朝のラジオで紹介されていて読んでみたくなってジュンク堂書店で購入

    0
    2024年03月01日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    神宮寺藩差配役、里村五郎兵衛、差配役というのは企業で言えば総務部長といったところであろうか。若様のお世話から猫のお世話まで、果てはお家騒動まで、五郎兵衛の活躍と心労を描く。

    0
    2024年02月13日
  • 読んで旅する鎌倉時代

    購入済み

    鎌倉三代将軍家の時代の13篇の短編アンソロジー。
    タイトルは『旅する』だけど、旅自体を扱った作品はなかったような?(^_^;)各作品の冒頭に、作品にちなんだ名所の写真と説明がついています。
    前半は頼朝と政子の逸話が多く、後ろになるにしたがって時代があとになります。
    砂原浩太朗さんの「実朝の猫」が好きかも。鎌倉に行きたくなりました(^.^)

    0
    2024年02月09日
  • 逆転の戦国史 ~「天才」ではなかった信長、「叛臣」ではなかった光秀~

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作品紹介・あらすじ
    新しい戦国を伝える、英傑たち21篇の真説

    戦国時代は日本史の華である、といってよい。
    織田信長を筆頭とする「三英傑」、前田利家、明智光秀ら武将たちの活躍、北政所、帰蝶(濃姫)、芳春院(まつ)など女たちのあでやかな逞しさが、さまざまな小説やドラマ、映画などに描かれてきた。
    しかし、ここ数年、戦国史は様変わりしてきた。歴史研究の進展や新史料の発見などにより、これまでの通説がつぎつぎと覆され、まったく違った相貌を見せていたのである。
    本書は、そうした「新しい戦国」を伝えるべく編まれたものである。歴史小説家・砂原浩太朗が、小説家らしく、フィクションや逸話の面白さも尊重しつつ、近年

    0
    2024年02月15日
  • いのちがけ 加賀百万石の礎

    Posted by ブクログ

    前田利家の家臣の目線からの本。時代が駆け足で進み、読み始めは物足りなさを感じたが、気づくとそれぞれの岐路での決断に心動かされていた。武士の生き様。命がけ。に感動。

    0
    2024年01月30日
  • 高瀬庄左衛門御留書

    Posted by ブクログ

    慎ましく己の信念に従って生きること。
    日々の変化の中に幸せはあること。
    わかっていても小さな喜びだけを燃料に生きていくことは自分にはできない。憧れつつも自分の業の深さを再認識した。
    武士の矜持、日本人が忘れている日本の心を見た気がした。

    0
    2024年01月28日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    また良い感じの作家を見つけてしまった。
    時おり読む時代小説も色々だが、時代は変わっても権力や組織を巡る人々の暮らしや有り様が面白い。
    主人公は藩の秘密を抱えながらも娘二人との家族、毎日の総務的な業務に取り組みながら藩の色々なことに巻き込まれていく。ちょっと鬱屈してるけど筋を通す真面目で勤勉な僚吏という感じに好感が持てる。

    作品紹介・あらすじ
    『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』の著者による、清冽なる時代小説

    消えた若君と、蠢く陰謀
    その時、男は――。

    江戸藩邸の“なんでも屋”――藩邸差配役・里村五郎兵衛
    誰にもできぬお役を果たすのが、勤めにございます

    里村五郎兵衛は、神宮寺藩江戸藩邸差

    0
    2024年01月25日
  • 黛家の兄弟

    Posted by ブクログ

    未熟であるが故に大切なものを守れない。
    聞いた時は理解出来ていない言葉も、自身が経験することで腑に落ちる。そして、人へと引き継ぐことができる。人を理解するには時間がかかるが思いは伝わる。そんなことを感じ一冊。家族、親から子へ、人から人へ、といった人の繋がりを感じ、読後が心地よい。

    0
    2024年01月19日
  • 黛家の兄弟

    Posted by ブクログ

    この作品にも、いわゆる「悪人」は登場しない。誰もが、自分にとっての「正義」のために行動している。結果的に、勝利したものが正しいことになってしまうのは、「歴史」ってのは、そういうものだからなのかな?

    0
    2024年01月07日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    神宮寺藩江戸藩邸を舞台に何でも屋の差配役里村五郎兵衛の誠実で思いやりのある働きを描いている。登場人物も味のある面々で、物語もきな臭さはあるものの淡々と進み最後の章で一気に弾ける。読んでいてハズレのない書き手で、この本も面白かった。

    0
    2023年12月18日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    2023.12.12
    穏やかな筆致がさえているという印象が一番。主人公の役職は目の付け所が良いという印象。やはり、主人を持つサラリーマンはストレスたまるよなという印象

    0
    2023年12月12日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    神宮寺藩江戸藩邸差配役・里村五郎兵衛。陰で「なんでも屋」と揶揄されながら、人がやらない仕事を諸々引き受けるお役目。そんな里村の元には大小様々な藩邸内の揉め事が持ち込まれる。
    日日控という表題どおり、里村の業務日誌のような短編4篇に、藩邸内に蠢く謀略の行方が描かれる最終話を加えた5つの話。

    なんといっても里村の佇まいがいい。「なんでも屋」と揶揄され、中には腐るものもいる下役たちに差配役の仕事の何たるかを諭す姿。里村の仕事に対する矜持に触れることで下役たちも自然と学んでいく、正に理想の上司。

    前半の藩邸騒動記のような短編はそれぞれが気軽に読め、最終話「秋江賦」では全ての話が一つに繋がり重厚な長

    0
    2023年11月30日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    一行目:里村五郎兵衛は耳をうたがった。

    この著者の作品は全て読んているが、似た雰囲気の小説なので、どれがどれだったか分からなくなってくる。

    ただ、すごいなぁと思うのは、読むたびに、今回がいちばん面白いかもと毎度思わせられるところだ。
    あと、装丁の色がきれいで、それも今回がいちばん綺麗かもと思う。

    いつもだと、前のほうが良かったなとか、今回のほうがいいなとか割とはっきり判断できるが、ぼんやりした感じで毎度今回のほうがいいとずっと感じ続けられる、私にとっては不思議な作家さん。

    0
    2023年11月01日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    P8
    〈里村の家は代々、神宮寺藩七万石の江戸藩邸で差配役をつとめている〉
    影では「何でも屋」と・・・。
    里村五郎兵衛も障子の修繕の手配から人事まで何かと忙しい。

    この時代、ひとつの間違いから「切腹」という事態になりかねない。
    背中を冷たい汗がツーと流れる。
    緊迫した様子もページの端々から伝わってくる。

    世子・亀千代の物語でホッとひと息。
    最終章「秋江賦(しゅうこうふ)」
    亀千代はきっといい主君となるでしょう。

    0
    2023年10月26日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短編なので読みやすかった。
    あいかわらずどの登場人物も面白そうなバックグラウンドがありそうで、続編を読んでみたい。
    とくに安西主税はけっこう剣の腕がたちそうで気になる。
    それにしても「秋江賦」のまさかの結末に仰天した。

    0
    2023年10月05日
  • 高瀬庄左衛門御留書

    Posted by ブクログ

    終始穏やかな物語
    それなりに山あり谷ありの人生だが
    主人公の人柄のせいか
    あまり物語の波を感じない
    でも退屈せず読めてホッとした心持ちになれる作品

    0
    2023年09月12日