砂原浩太朗のレビュー一覧
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筆者、デヴュー時は好きで追ってきたが・・些か、手探りの状態の作品が散見してきて、ちょいと離れていた。
久しぶりに読んだこの作品、細かいところの情景描写は味を見せているものの、設定が危うい感じもあってか、迷走が続いているように思えた・・申し訳ないが失敗作と言えなくもない。
エラそうな感想を述べたのは、筆者が好きだから
でもこれは歴史というよりエンタメ、怪奇ではないモノの時代浪漫読み物。
今日の河原で末裔迄惨殺された関白・・殺生と呼び名名の真偽を語る場面はあれども。。
真田、長曾我部(柴も含め)・・土佐に向かったものの幽閉の首謀者たる柴、筋の流れに粗が目立ち一貫しない。特に梟‥存在的には納得 -
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Posted by ブクログ
郷村廻りという役についている主人公の
2年間の出来事を描いた連作短編。
息子に跡目の大部分を譲って
自分は好きな絵を嗜みつつ
静かに暮らそうとしていた庄左衛門。
しかし、任地で息子は事故死し
嫁の志穂と悲しみを乗り越えていく。
やがて、任地を巻き込んだ
藩の政争の火種がくすぶりはじめ…。
死んだ息子の影が背景につきまとっていて
死の間際のいつもと違う行動の謎が
あとあとの話で明らかになっていく
ちょっとミステリな要素もありました。
息子の地位を奪ったとも言える弦之助や
屋台の店主から助け手になる半次なんかも
いいキャラクターで、おもしろかった。 -
Posted by ブクログ
神宮寺藩江戸藩邸差配役、里村の周りで起こる些事から大事まで、藩邸の『何でも屋』の苦労を垣間見る時代小説。
神宮寺藩江戸藩邸には、様々な役職の困りごとやよしなしごと、修繕から失せ物探しなど、他のお役の方々から『何でも屋』と称される差配役がいる。季節季節の行事に関しての種々の手配にとどまらず、お花見の最中に姿をくらました若君の捜索、いなくなった猫の捜索、果ては御家の家臣の権力闘争まで、日々持ち込まれる案件に翻弄される差配役・里村。果たしてお家騒動の行き着く先は、そして里村の選ぶのはどの道か。
タイトルが『日日控』となっていたので、日々の困りごとや起きたことを淡々と記録しているような調子の