砂原浩太朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2年前に『黛家の兄弟』を読んだ以来の砂原さん。その時は強い印象を受けたが、今回はまだるっこさを感じながら読み進んでいた。しかしラストの”秋江賦”の展開で、差配役の頭として取りまとめをしていた里村五郎兵衛の存在感がぐんと増す。次女の澪の出生の秘密が明かされ、ミステリー仕立てに甘酸っぱさが加わり、終盤で本作を盛りたてたと思う。
藩主世子・亀千代の年齢設定はいったいいくつなのだろう。亀千代がおしのびで市中を出回った時『どれほど人出が多かろうと、結句、おのれ 一人いちにん であることにも変わりはなかった』と、こぼした言葉が忘れられない。亀千代が、時折り時代劇で描かれるようなぼんぼん風情でなく、藩主世子 -
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