砂原浩太朗のレビュー一覧

  • 冬と瓦礫

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    阪神・淡路大震災の一週間が設定で、著者が神戸出身ということもあり、やむにやまれず上梓したようだが、砂原作品を読みたい読者には肩透かしな印象。大きすぎる題材に主張がついていっていない稚拙さしか感じない。得意なホームグランドで勝負してもらいたい。

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    2025年01月09日
  • 冬と瓦礫

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    梅田の日常的な世界と芦屋の現状の違いに、唖然としたのを思い出しました。
    当時、梅田〜西宮間は電車が走っていました。

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    2025年01月08日
  • 冬と瓦礫

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    一気読み。テレビで見た当時の風景を思い出した。高速道路が倒壊した様子は衝撃だった。当時も関西に居てたが、中学生で何もできず震災の情報はテレビ新聞で知るしかなかったけれど、被災地で死から逃れて確かに生活してる人がいたんだ。

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    2024年12月26日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    季節の描写はいつも通り美してくていいのだが、主人公の大滝信吾が旗本の妾腹という設定はまあいいとしても起こる事件の解決策がほとんどそこに頼ってしまっているのが残念でストーリーとしてはいまひとつだった。

    【目次】
    第一話 三社祭と鬼
    第二話 紫陽花横丁
    第三話 父と子
    第四話 片陰
    第五話 秋風吟
    最終話 錦木

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    2024年12月24日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    ネタバレ

    浅草寺子屋よろず暦

    著者:砂原浩太朗
    発行:2024年9月28日
    角川春樹事務所
    初出:「ランティエ」2023年9月号~2024年7月号(隔月連載)

    この作家は初めて。人気シリーズなどを持つ時代小説家で、この作品は初物。シリーズ化するかどうかは不明だけれど、市井ものだった。江戸、浅草寺にある正顕院で寺子屋を営む大滝信吾がもめ事を解決する連作短編。信吾は旗本をつとめる大滝左衛門尉の弟。兄からは清という60歳ぐらいの下女をつけてもらっていて、寺子屋も手伝ってもらっている。寺子屋に通う子供や親たちは、信吾が旗本の家の出身であることを知らないが、普通の庶民でないことは感じている様子。

    全6編で、

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    2024年11月18日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    ネタバレ

    【収録作品】
    第一話 三社祭と鬼
    第二話 紫陽花横丁
    第三話 父と子
    第四話 片陰
    第五話 秋風吟
    第六話 錦木

    出自を秘して寺子屋を営む大滝信吾が、教え子たちの家族に降りかかる問題を解決していった結果、狸穴の閑右衛門という土地の顔役に睨まれるようになる。

    武術の達人で人のいい主人公、どこか憎めない悪役の手下、本人も知らない出自の秘密、ほぼ善人で気持ちのいい周囲の人々、と読み心地はいい。
    よくあるシリーズ連作のように主人公が超人的な活躍をするわけではないし、きれいに解決するわけでもない。自分の手の届く範囲で、できるだけのことをしようとしている主人公の等身大の若者らしい成長が描かれている。

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    2024年11月11日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    今までと作風は異なるけれど市井の様子を温かく書いた落ち着く作品だと思う。主人公のお兄さんがいい味をだす秋風吟が好き。3年後を描く続編をだしてほしい。

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    2024年11月11日
  • 夜露がたり

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    後味の悪い幸せで終わる話は1作品だけど、その話すら影がある。あんな淡々と綺麗な描写で残酷な語りをされたら気分が一層沈んでしまう。あっと言うまに読めるがあまりいい時間を過ごせたとは思えなかったけど、やはり語り口調で綺麗な言葉は最後まで読んでしまう。
    全作品影が充満していた。

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    2024年10月16日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    標準的な作品だが、砂原作品としては物足りない。上梓作が段々と面白くなくなっているのが気になる。「高瀬庄左衛門御留書」のような大傑作を毎作品期待はしていないが、それにしても右肩下がりは残念。何か新境地が必要なのかもしれん。

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    2024年10月16日
  • 夜露がたり

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    時代小説短編集
    苦い人生を描いた作品で、これがむしろ現実的だと思う
    『妾の子』が良くて救われた

    自分は矢張り小説から、何某かの幸せを感じたい

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    2024年10月06日
  • 夜露がたり

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    「帰ってきた」「向こう側」「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「幼なじみ」「半分」「妾の子」の8編。
    (2021年~2023年の小説新潮)
    あまり目新しさはなかった。無難な感じ。
    砂原さんには長編を書いてほしいかな。。。

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    2024年10月01日
  • 夜露がたり

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    砂原氏の描く懐の深い老武士が好きなので、市井物もなんとなくじんわりと余韻を味わえる作品を想像していた。見事に救いのない結末を迎える作品ばかりで呆然としてしまったが、「市井物だからこそこうなのか」という他の方のコメントを読んで納得した。最後の作品は砂原氏から読者へのお詫びなのではないか、と思ってしまった。

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    2024年06月05日
  • 夜露がたり

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    長屋住みの人たち。産まれも育ちも貧しくて、抜け出せない。貧しさが人を蝕む。岐路に立っても、ダメな方の選択肢を選んでしまう。

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    2024年05月17日
  • 夜露がたり

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    ネタバレ

    暗くなる話ばかりで途中で読むのをやめようと思ったが、書き手の上手な話の運びについつい読み進めてしまった。
    そして最後の「妾の子」がハッピーエンドで本当にほっとした。繁蔵が良い奴でよかった。るい、幸せにねー!

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    2024年05月02日
  • 夜露がたり

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    勧善懲悪ではなく、江戸の暮らしの中で「人間の業や理不尽な運命」に翻弄される庶民の姿。醜い心持ちにげんなりだけど、そこは砂原さん、最後はなんとなく肯定。後味はそれほど悪くない。

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    2024年04月29日
  • 夜露がたり

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    ネタバレ

    【収録作品】帰ってきた/向こうがわ/死んでくれ/さざなみ/錆び刀/幼なじみ/半分/妾の子

    生まれや環境からは逃れられないのか。救われない、これが現実。人の悪意や自分の努力だけではどうにもならない事実をつきつけられる。

    これは江戸時代だから、ではない。今も変わらぬ現実である。確かにうまいけれど、辛い。

    「あたしはあたしのもんだっ」と叫べたおみのに希望を見るけれど。

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    2024年04月27日
  • 藩邸差配役日日控

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    時代小説なんだけど、気苦労が絶えないお仕事小説の一面も強かった。最後まで安心感のある流れ。もっと各キャラクター達との会話を見てみたかった感はあるかな。

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    2024年04月16日
  • 夜露がたり

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    江戸の市井の
    決して裕福ではない人々の営みを
    ありのまま描きながら
    奇をてらうでもなく
    誰にでもあるような気持ちの裏側を
    さらっと見せるのがうまい。
    情景や人物たちの様子が
    淀みない言葉によって
    ありありと浮かび上がってくるから
    その中へ入り込んでいるような気になる。
    いつまでも過去を引きずってしまう男より
    気持ちだけでは生きてはいけない
    と突っぱねられる女の方が
    昔も今もしたたかでたくましいものだなー。

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    2024年03月24日
  • 藩邸差配役日日控

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    既刊神山藩3作のような新鮮さはなかったかな。
    隠居と若嫁、三兄弟、祖父・父・孫と、
    それぞれの関係性の静けさが面白かったが、
    今作は、どこか急ぎ足な気がした。
    何でも屋というところが、やや気にかかる。
    ミステリーとかサスペンスとかの方向へ行かないでほしい。
    砂原浩太朗と同時に、
    乙川優三郎と藤沢周平を見比べてみると、
    自分の好き嫌いがわかってくるような気がする。
    砂原浩太朗は追っていきたい作家なので、
    次も読んでみたいと思う。

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    2024年02月13日
  • 黛家の兄弟

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    神山藩シリーズ第二弾
    藩の相続が絡んだ派閥争い
    雌伏する兄弟
    策略に策略が重なる。
    長い時間をかけて発現した策略
    どんな状況の中でも信頼して行動できる兄弟の絆が鮮やかに描かれる。

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    2024年02月03日