砂原浩太朗のレビュー一覧

  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    「差配役」って今で言えば会社の総務に当たるんやろうか。「何でも屋」らしい。理不尽な仕事やお家騒動に巻き込まれながらも、季節の移ろいやふと見える路地の佇まい、居酒屋でのちょっとした酒の肴などの描写が静かに染み渡りリアルに感じる作品だ。砂原さんのこのシリーズはかなり好きだ。

    0
    2023年11月25日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    失礼ながらよくある武士の連作短編集かなと読んでいたけど、終盤の展開がとても面白く全体の印象ががらっと変わり輝いた。登場人物たちが魅力的だったので是非続きが読みたい!

    0
    2023年10月21日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    移り変わる季節の情景のもと藩邸差配役の五郎兵衛を中心に様々な事件が描かれる。
    「人が死ぬのは好みませぬ」という五郎兵衛はじめ登場人物もみな人間くさくていい。
    清々しい物語であった。

    0
    2023年09月05日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    この作家の小説は、読んでいて心が温かくなる。
    「何でも屋」と蔑称される江戸藩邸の左配役、里村五郎兵衛。それこそ、正室の飼い猫の行方探しから、世子の行方不明の捜査まで。

    いくつかの事件や出来事を通して、藩の中の事情が明らかになってくる。

    結末には、藩主と抱えた秘密が明らかに。

    人となりが美しい。

    0
    2023年08月30日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    時代小説家はそれぞれ架空の藩を作り上げ、自らの想像力で登場人物たちを自由に羽ばたかさせ、独自のシリーズを構成する。
    藤沢周平氏の海坂藩、葉室麟氏の羽根藩や扇野藩しかり。
    著者の場合は神山藩、そして本書では神宮藩。
    5編の短中編からなり、それぞれ独立した話であるが、全編に通奏低音の如くお家騒動の兆しが漂う。
    神宮寺藩江戸藩邸の差配役里村五郎兵衛は、なんでも屋の異名があり、様々な揉め事が持ち込まれる。
    その対応に追われるうち、最終編で、江戸家老と留守居役の対立が表面化する。
    主人公にも絶体絶命の危機が訪れ、苦渋の決断を迫られる。
    そして最後に、予想外の秘事が明かされ、読み手も思わず唸ってしまう。

    0
    2023年08月20日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    江戸の藩邸で差配役(何でも屋)を務める里村に持ち込まれる難題の数々。藩主の息子が行方不明になる。出入り商人の入札不正疑惑。邸の厨房に妙に色っぽい女が入ってきた。藩主の正室の飼い猫行方不明など。

    すごく良かった。中間管理職小説としても江戸時代小説としても人間ドラマとしても素晴らしい。

    0
    2023年07月31日
  • 高瀬庄左衛門御留書

    Posted by ブクログ

    まず、大変面白かったです。
    舞台は神山藩、北陸あたりか?架空の藩です。
    老年に近づく高瀬庄左衛門の周りで起きる事件や藩の闘争、多彩な伏線が物語の終わりに回収されて行きます。恋心、友情、剣と学問などを絡めてサスペンスのごとく物語は進む時代劇となっていましす?

    0
    2023年07月26日
  • 高瀬庄左衛門御留書

    Posted by ブクログ

    庄左衛門さんは、反省したり、悩んだり、忖度したりする凄く普通の人。それが凄く良かった。

    「人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの」
    「されど、ときには助けとなることもできましょう……均して平らなら、それで上等」

    0
    2023年06月29日
  • 高瀬庄左衛門御留書

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    架空の藩、神山藩で役人を勤める主人公。いきなり息子を事故で亡くすところから始まり重たいなあ、と読み進める。
    独り暮らしの生活が始まるが、息子の嫁や夜鳴き蕎麦屋、藩の同僚など人が集まり、得意の絵を嗜んだりして穏やかな日常に戻りつつあるが、事件に巻き込まれていく。
    普段は落ち着いた様子である庄左衛門であるが、上司に詰問され凄く緊張したり、剣術がそれほど大した腕前でないところなど、平凡な部分に親近感を覚える。現代のサラリーマンの様。
    が、昔の友に言い出せない事、江戸に送り出した息子の嫁への思い、思い通りに描けなくなった絵、胸に秘めた多くの思いを抱えこれからも生きていく姿に強さを感じた。
    それでも最後

    0
    2023年06月29日
  • いのちがけ 加賀百万石の礎

    Posted by ブクログ

    長頼と利家の繋がりの強さ、読みごたえがあった。長頼が主と強く繫がる以前からのふたりをずっと追いかけていくのが楽しかった。長頼の成長が分かるのもまた楽しい。読み進めるにつれ、主従の絆が強まっていくのが分かる。

    0
    2023年06月26日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    一捻りもふた捻りもしてある著書であった。さらにもう一つ草木や魚の名前随所に出てくる虫の名前の多いことが瞼の裏に素敵な情景を浮かばせてくれました。それぞれの短編も続いて展開があり最後にはニヤリとする実に楽しい小説でした。

    0
    2023年06月11日
  • 藩邸差配役日日控

    Posted by ブクログ

    最後のどんでん返しはビックリ。それぞれの短編で引っかかりを感じていたのですが、「そうきたか」と。
    何故直木賞の選考スタッフはこれを無視したのだろう?

    0
    2023年08月26日
  • 読んで旅する鎌倉時代

    Posted by ブクログ

    「13人」の小説家が「鎌倉」時代について書いた作品集。どの作品も面白いし、最新研究や資料を読み込まれている感じがして、興味もそそられる。
    この本片手に鎌倉を歩きたい。

    0
    2022年04月09日
  • 読んで旅する鎌倉時代

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     歴史小説が苦手な人にも読みやすいと思います。
     
     様々な思惑がうごめく武家のはじまりの時代。その時代背景がよくわかりますし、素敵な話もたくさん。

     そして、何より出かけたくなる。あー、修善寺の温泉でゆったりしたい~。

    0
    2022年02月17日
  • いのちがけ 加賀百万石の礎

    Posted by ブクログ

    前田利家の忠臣・村井長頼が命を懸けて貫いた武士の本分。名だたる戦場を駆け抜け、利家の危難を幾度も救う。主君の肩越しに見た、信長、秀吉、家康ら天下人の姿。

    0
    2021年10月15日
  • 武家女人記

    Posted by ブクログ

    武家の女人を描いた短編7篇。
    雪が大好きな武家娘の「深雪花」が好き。木内昇の『雪夢往来』で出てくる書物も登場。
    小太刀をたしなむ奥方の「背中合わせ」もいいなぁ。貧しい足軽一家の「縄綯い」も読んでいて辛いけど死に物狂いで縄を綯う未亡人がいい。

    0
    2026年02月17日
  • 武家女人記

    Posted by ブクログ

    p246
    〈武家は家を伝えるもの〉
    〈家とは結局ひとの集まりでしかない気がする〉
    『あねおとうと』より

    引き継がなくてはいけない名がある。
    それぞれの顔を持つ者が集まり家族として成り立っている。
    ときに窮屈で、守ることの意味を考えてしまう。

    静謐で芯を持った話が続き楽しい読書の時間だった。
    少しざわざわする『嵐』
    歩み寄る過程が丁寧に描かれた
    『緑雲の陰』が印象に残っている。

    0
    2026年02月10日
  • 武家女人記

    Posted by ブクログ

    表題通り武家の女性たちの美醜両面の感情を描いた短篇集で各話短いなかバランスよく巧みに纏められているなと感じました。彼女たちの心模様の変化は武家という立場にあることで起こる出来事に端を発するわけですが、一方でその感情の根本的な部分にじっと焦点を絞ってみれば、そこに映るのは現代のわたし達にも覚えのある普遍的な人間の揺らぎです。やや飛躍した感想にはなりますが、自分とはあらゆるものが違う相手の中にも自分の知っている何かが顕れ得るのだと改めて刻み込むことは、分断や悪辣な糾弾の蔓延る時代に人が他者を同じ人として捉える為の手掛かりにもなるように思うのです。

    0
    2026年02月02日
  • 冬と瓦礫

    Posted by ブクログ

     神戸出身の筆者が、震災直後に帰郷した実体験を基に、人物造形その他に脚色を加えながら創作した作品。自身の投影である主人公ほかの描き方に、透徹したリアリティを感じる。

    0
    2026年01月31日
  • 霜月記

    Posted by ブクログ

     サスペンスを織り込んだ親子三代のヒューマンドラマ時代小説。総次郎の実直さは、左大夫や武四郎のみならず、読者にも自然と感情移入を促す力がある。一方で、各章が短く、章ごとに総次郎と左大夫の視点が頻繁に切り替わる構成は、物語のテンポを落とし、感情にじっくり寄り添う叙情的な作風とは噛み合っていないようにも感じられた。
     総次郎の成長が本作の大きな魅力の1つだが、心に残ったのは、成長の契機になった左大夫の「気などすまんでよい」という一言である。仕事において自分の気持ちは大切だが、万事が気の済む形で終わることはない。総次郎にとって厳しい状況下で、静かに一喝を入れるこの言葉は、強い余韻を残した。

    0
    2026年01月12日