砂原浩太朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ架空の藩、神山藩で役人を勤める主人公。いきなり息子を事故で亡くすところから始まり重たいなあ、と読み進める。
独り暮らしの生活が始まるが、息子の嫁や夜鳴き蕎麦屋、藩の同僚など人が集まり、得意の絵を嗜んだりして穏やかな日常に戻りつつあるが、事件に巻き込まれていく。
普段は落ち着いた様子である庄左衛門であるが、上司に詰問され凄く緊張したり、剣術がそれほど大した腕前でないところなど、平凡な部分に親近感を覚える。現代のサラリーマンの様。
が、昔の友に言い出せない事、江戸に送り出した息子の嫁への思い、思い通りに描けなくなった絵、胸に秘めた多くの思いを抱えこれからも生きていく姿に強さを感じた。
それでも最後 -
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Posted by ブクログ
架空である神山藩のシリーズもの。間違って3作目を飛ばして読んじゃった。まあ続きものではないからいいか。
田舎藩である神山藩を舞台とした短編集。しかし自分としてはこの方の作品は長編でじっくりと読めるもの方が好きだな。
特に最後の表題作の雫峠は長編として欲しかった。
ちょっと展開が駆け足過ぎたかな。
雫峠
この十年誰も幸せでなかった。
身分と金と恋心、どれも噛み合っていなかった。相手の事もよく分からずに連れ添うとこうなるか。
でもようやく求められる相手に気付いたのも束の間、友人にも裏切られた栄次郎、ゆうとの逃避行の見通しは良くないだろう。しかし二人の気持ちは晴れやかに感じた。
二人の間に通じる感