砂原浩太朗のレビュー一覧

  • 藩邸差配役日日控

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    失礼ながらよくある武士の連作短編集かなと読んでいたけど、終盤の展開がとても面白く全体の印象ががらっと変わり輝いた。登場人物たちが魅力的だったので是非続きが読みたい!

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    2023年10月21日
  • 藩邸差配役日日控

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    移り変わる季節の情景のもと藩邸差配役の五郎兵衛を中心に様々な事件が描かれる。
    「人が死ぬのは好みませぬ」という五郎兵衛はじめ登場人物もみな人間くさくていい。
    清々しい物語であった。

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    2023年09月05日
  • 藩邸差配役日日控

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    この作家の小説は、読んでいて心が温かくなる。
    「何でも屋」と蔑称される江戸藩邸の左配役、里村五郎兵衛。それこそ、正室の飼い猫の行方探しから、世子の行方不明の捜査まで。

    いくつかの事件や出来事を通して、藩の中の事情が明らかになってくる。

    結末には、藩主と抱えた秘密が明らかに。

    人となりが美しい。

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    2023年08月30日
  • 藩邸差配役日日控

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    時代小説家はそれぞれ架空の藩を作り上げ、自らの想像力で登場人物たちを自由に羽ばたかさせ、独自のシリーズを構成する。
    藤沢周平氏の海坂藩、葉室麟氏の羽根藩や扇野藩しかり。
    著者の場合は神山藩、そして本書では神宮藩。
    5編の短中編からなり、それぞれ独立した話であるが、全編に通奏低音の如くお家騒動の兆しが漂う。
    神宮寺藩江戸藩邸の差配役里村五郎兵衛は、なんでも屋の異名があり、様々な揉め事が持ち込まれる。
    その対応に追われるうち、最終編で、江戸家老と留守居役の対立が表面化する。
    主人公にも絶体絶命の危機が訪れ、苦渋の決断を迫られる。
    そして最後に、予想外の秘事が明かされ、読み手も思わず唸ってしまう。

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    2023年08月20日
  • 藩邸差配役日日控

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    江戸の藩邸で差配役(何でも屋)を務める里村に持ち込まれる難題の数々。藩主の息子が行方不明になる。出入り商人の入札不正疑惑。邸の厨房に妙に色っぽい女が入ってきた。藩主の正室の飼い猫行方不明など。

    すごく良かった。中間管理職小説としても江戸時代小説としても人間ドラマとしても素晴らしい。

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    2023年07月31日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    まず、大変面白かったです。
    舞台は神山藩、北陸あたりか?架空の藩です。
    老年に近づく高瀬庄左衛門の周りで起きる事件や藩の闘争、多彩な伏線が物語の終わりに回収されて行きます。恋心、友情、剣と学問などを絡めてサスペンスのごとく物語は進む時代劇となっていましす?

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    2023年07月26日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    庄左衛門さんは、反省したり、悩んだり、忖度したりする凄く普通の人。それが凄く良かった。

    「人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの」
    「されど、ときには助けとなることもできましょう……均して平らなら、それで上等」

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    2023年06月29日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    ネタバレ

    架空の藩、神山藩で役人を勤める主人公。いきなり息子を事故で亡くすところから始まり重たいなあ、と読み進める。
    独り暮らしの生活が始まるが、息子の嫁や夜鳴き蕎麦屋、藩の同僚など人が集まり、得意の絵を嗜んだりして穏やかな日常に戻りつつあるが、事件に巻き込まれていく。
    普段は落ち着いた様子である庄左衛門であるが、上司に詰問され凄く緊張したり、剣術がそれほど大した腕前でないところなど、平凡な部分に親近感を覚える。現代のサラリーマンの様。
    が、昔の友に言い出せない事、江戸に送り出した息子の嫁への思い、思い通りに描けなくなった絵、胸に秘めた多くの思いを抱えこれからも生きていく姿に強さを感じた。
    それでも最後

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    2023年06月29日
  • いのちがけ 加賀百万石の礎

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    長頼と利家の繋がりの強さ、読みごたえがあった。長頼が主と強く繫がる以前からのふたりをずっと追いかけていくのが楽しかった。長頼の成長が分かるのもまた楽しい。読み進めるにつれ、主従の絆が強まっていくのが分かる。

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    2023年06月26日
  • 藩邸差配役日日控

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    最後のどんでん返しはビックリ。それぞれの短編で引っかかりを感じていたのですが、「そうきたか」と。
    何故直木賞の選考スタッフはこれを無視したのだろう?

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    2023年08月26日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    「13人」の小説家が「鎌倉」時代について書いた作品集。どの作品も面白いし、最新研究や資料を読み込まれている感じがして、興味もそそられる。
    この本片手に鎌倉を歩きたい。

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    2022年04月09日
  • 読んで旅する鎌倉時代

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    ネタバレ

     歴史小説が苦手な人にも読みやすいと思います。
     
     様々な思惑がうごめく武家のはじまりの時代。その時代背景がよくわかりますし、素敵な話もたくさん。

     そして、何より出かけたくなる。あー、修善寺の温泉でゆったりしたい~。

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    2022年02月17日
  • いのちがけ 加賀百万石の礎

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    前田利家の忠臣・村井長頼が命を懸けて貫いた武士の本分。名だたる戦場を駆け抜け、利家の危難を幾度も救う。主君の肩越しに見た、信長、秀吉、家康ら天下人の姿。

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    2021年10月15日
  • 武家女人記

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    タイトルの示す通り、武家の女性~藩主正室から下級武士の妻まで身分も年齢も様々~を描いた短編集です。短編「深雪花」は木内昇さんの『雪夢往来』にも出てくる江戸時代のベストセラー『北越雪譜』やその中に描かれた雪の結晶図にまつわる話です。
    読み始めてすぐに、山本周五郎/藤沢周平の遺沢を継ぐという言葉が頭に浮かびます。それくらい良い。しかし、読み進めるにつれ。。。。
    悪い訳では無いのです。でも、どこか抜けきれておらず、「型に嵌った」とか「技巧的」といった言葉が思い浮かびます。うまいな~と思う一面「らしさ」はどこにあるのだ?という感覚です。
    まあ、周五郎の若い頃や周平のデビュー数年後の多作期の作品なんかも

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    2026年01月10日
  • 霜月記

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    18歳の草壁総次郎は、失踪した父に代わり町奉行を務めることになる
    草壁家には代々、神山藩の町奉行を任されており、祖父は名判官だった
    ある日、神山藩屈指の大店・信濃屋の奉公人が殺害される
    そしてその死体のそばに、失踪した父のものに似た根付があるのに気がついた総次郎は名判官だった祖父に打ち明ける…
    果たしてその真相とは…

    初読み作家さんのミステリー時代劇!
    どうやらシリーズものだったようだが、違和感なく読めた
    ページが進みだしたのは殺害された死体が信濃屋の奉公人と判明した辺りから…
    町奉行としての総次郎が殺人事件を追う過程で、父の失踪の謎がみえてくるのだが、これがまさかの展開…(笑)
    しかしこの

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    2026年01月07日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    序盤でいきなり息子の啓一郎が亡くなり
    本当に事故なのかなぁ?と思いながら読み進める。
    庄左衛門の暮らしは、慎ましく静かなのだが
    何やら次々と事件のようなことが起きたりして
    先が気になってしまう。

    そしてやはり、この砂原さんの文章が美しくて心地よい。
    野鳥や松虫の音や、金木犀の香りなど、読んでいて本当に癒されます。

    庄左衛門が、ただ真っ直ぐに清廉な強い人
    というわけではなく、迷ったり悩んだり、
    揺れ動く思いを抱えながら生きていく姿が良いなと感じる。
    やはりこの作家さんの作品は好きです!

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    2026年01月03日
  • 武家女人記

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    砂原氏の復調の兆しが少し伺える武家の女性にスポットを当てた短編集。「背中合わせ」「深雪花」「あねおとうと」あたりはなかなかの佳品。「嵐」のような生臭い話は砂原氏には似合わない。「高瀬庄左衛門御留書」のような傑作をお待ちしております。

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    2025年12月27日
  • 決戦!桶狭間

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    『天祐は信長にあり』シリーズは長篠の戦いまで読み進めてしまったが、時を遡り『決戦!』シリーズで桶狭間を読みたいと思った。冲方丁が信長を語り、並み居る作家が今川義元、氏真を語る構成の妙。当たり前だが、正義はそれぞれの立場にあるのだ。元康(家康)は義元を慕っていたが、氏真は嫌っていた。だから信長に与した……そう考えるのが自然なような気がした。最後に首だけになった義元の思念「漸く、見えた。」は、句点なし、段落なしの長文で筒井康隆を彷彿とさせる文章だった。良し悪しは別としてだが……

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    2025年12月10日
  • 烈風を斬れ

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    秀吉に謀反の疑いをかけられ切腹をした秀次に、旅芸人の女に生ませて生き延びた子が居たと言う設定のフィクションの時代小説。
    その息子が「大阪の陣」のメンバーを結集させるために各地を放浪しながら父秀次の人物像を追い求める物語。ラストに恋愛もので締めくくっているところが少し残念。「なれるかな、おれは父に」という台詞がいまいち心に迫ってこなかった。

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    2025年11月20日
  • 藩邸差配役日日控

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    砂原氏の他の著名な著作と比べると地味な作品なのかもしれないが、氏の書きたいこと、伝えたいことが1番よくわかる佳作なのかもしれないと思った。
    役人には違いないが差配役ということで、
    「猫探しのエピソード」など決闘場面もほとんどないストーリー、それでも氏が大切にされているテーマ、軸は本作でも全くブレがない。
    読み進めると他の作品と同様に、最後の最後まで引っ張られ、あと1章、あと数ページのところでドンデン返し。9回裏のさよならホームラン⚾️の心地よさ。私はこの作にも出会えて良かった。

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    2025年10月18日