砂原浩太朗のレビュー一覧
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架空の神山藩を舞台にした江戸時代のこの物語は今までに読んだことのない文章の美しさがあった。江戸から離れた村の景色、季節のうつろい、村人や武士たちの生活、それぞれの描き方が実に美しい。主人公の描く絵が褒められたのと同じ言い方なら見事という他ない。
ストーリーは小さな出来事の積み重ねだが、少しの謎が次の話の伏線となって繋がってゆく展開もゆったりとしながら時には先を急ぎたくなるような、しかしそこでこの美しい文章を味わいたい気持ちが強くなって留まる、何か時代小説を読む楽しみを改めて感じさせてくれたところがある。
郡方という役回りはよく知らなかったが、藩の中で地道に生きてゆく主人公、その人柄もこの文章が -
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ネタバレ架空の藩、神山藩で役人を勤める主人公。いきなり息子を事故で亡くすところから始まり重たいなあ、と読み進める。
独り暮らしの生活が始まるが、息子の嫁や夜鳴き蕎麦屋、藩の同僚など人が集まり、得意の絵を嗜んだりして穏やかな日常に戻りつつあるが、事件に巻き込まれていく。
普段は落ち着いた様子である庄左衛門であるが、上司に詰問され凄く緊張したり、剣術がそれほど大した腕前でないところなど、平凡な部分に親近感を覚える。現代のサラリーマンの様。
が、昔の友に言い出せない事、江戸に送り出した息子の嫁への思い、思い通りに描けなくなった絵、胸に秘めた多くの思いを抱えこれからも生きていく姿に強さを感じた。
それでも最後 -
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「藩邸差配役日日控」シリーズ第2弾。
神宮寺藩江戸藩邸の差配役・里村五郎兵衛が、持ち込まれる様々な厄介ごとを整えていく姿を描く6つの短篇。
差配役とは総務部総務課のようなお勤め。他所がやらないことを全て引き受けるいわば何でも屋。
決して切れ者という風情ではないが、穏やかで、思慮深く、つい面倒を引き受けてしまう人柄は頼りになる上司って感じ。
妻を早くに亡くし男手ひとつで娘二人を育てた五郎兵衛は娘の行く末にも心配の種が尽きない。
強面の上司の顔色を伺い、やる気のない部下を温かく見守り、気難しい同僚といつのまにか心を通わせる勤め人としての姿や、気の合う道場仲間との飲み会の様子などどのシーンも微 -
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架空藩の江戸屋敷で起こる細々とした事柄を担う「差配役」の責任者、現代でいえば部長あたりの40代武士が主人公の藩邸差配役日日控シリーズの第二弾。第一弾はそれなりに大きな次元というか謀が裏で動いていたが、第二弾は新たなエピソードも加わりつつ、その後日談として、より日常の細々した事柄、事件ともいえないような事件を取り扱った6編の連作短編となっている。それでは地味にすぎないかと思うが、そうならないところが砂原節の真骨頂だ。心が穏やかなままちょっとどきりとしたり、ハラハラしたり、もちろん最後にはそうきたか!とおでこをペチンとしたくなる仕掛けも仕込まれている。NHKのBSとかで映像化してくれないかしら。
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良いですね。藩邸差配役日日控シリーズ第二作。
舞台は神宮寺藩江戸藩邸。陰では“なんでも屋”と揶揄される差配役の里村五郎兵衛が主人公です。
前作から続く、五郎兵衛の二女の出生の秘密やお納戸方で起きた収賄事件を背景にしつつ、主人公の身辺で起きる些細な事件の顛末を綴った六つの連作短編です。
前作の感想に「どこか茫洋とした味わいの若手・安西はもう少し活躍させたかった」と書きましたが、本作でも相変わらずの茫洋ぶり。一方で、どこか剣呑だった江戸家老の懐刀・波岡喜四郎が意外な一面を出してきました。今後の展開が楽しみです。
五郎兵衛は今も道場通いを続けていますが、作中で「四十も半ばとなって、とうとう真剣での斬