砂原浩太朗のレビュー一覧

  • 冬と瓦礫

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    当時の息遣いや雰囲気、状況などがとって分かるような書き方で、阪神大震災の経験もあるので自分としてはかじりついて読んでしまった。30年たった今となっても忘れられないし、考えさせられる事が多い本。

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    2025年01月05日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    舞台は下町浅草。寺子屋教師の信吾と彼を慕う子ども達の穏やかな日常が心地好い。町人らの信頼を得て、事件を解決してゆく信吾だが、突如思わぬ出自が証される。向後を模索し、独り苦悩し続ける信吾。結果、彼が下した決断とは…行間に立ち昇る江戸ッ子人情が温かい。続編、望む。

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    2024年12月02日
  • 浅草寺子屋よろず暦

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    浅草の寺子屋で子供達を教える大滝信吾が、周囲の様々な事態に向き合っていくなかでの人情の話。

    6話からなる物語は大変読みやすく、大きな破綻はなく静かな描写で大滝信吾と周囲の人々を描いていく。
    人の情に寄り添う話の展開が良い。
    6話目の展開は一気に謎解きとなり、3年後を迎えた次回作へ続く予感を持たせてくれる。
    面白かった。

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    2024年11月02日
  • 黛家の兄弟

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    この方の作品はとにかく文面が緻密で美しい情景が浮かんできて圧倒される。
    導入部では黛の三兄弟が内記の策略により翻弄される。選択を迫られる苦悩に新三郎の未熟は罪だ、と至らなさを痛感する場面、分かってしまう。無知であるのが恐ろしいんだ。
    第二話になると成長した織部正(呼び方が役職で引き継がれているのが新鮮)が内記の懐刀になっているのだからどうしても勘ぐってしまう。
    本当に疑う余地がなかったのだけど、十年近くも一緒にいたら情か移ってこやんのかと。
    読み進めてたら物語の締めにはやはり、師の様な存在でもあったとわかり敵でもあったが複雑な思いが垣間見えた。
    後半はミステリー的な感じもあり、騙し合いとドロドロとした流れであったが、最後は爽やかな締め方でスッキリした。
    後、男衆は裏表が激しかったが、女性は強く可愛い人が多かったのが印象に残った。

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    2024年10月28日
  • 黛家の兄弟

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    とても面白かった。前作同様、かつての侍たちが持つ矜持と、現代人にも理解しやすい情や心理がとてもうまくミックスされていると思う。激しく豊かな想いを持ちながらも、自分を律し滅私奉公に徹する姿は美しい。
    神山藩シリーズ3作目も楽しみ。年末にでもゆっくり味わって読んでみたい。

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    2024年09月29日
  • 逆転の戦国史 ~「天才」ではなかった信長、「叛臣」ではなかった光秀~

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    著者の見解、そしてたくさん読んできたのだろうと思われる通説と独自の考えが分かりやすく、そして最近冷めてきていた戦国時代小説を読みたい意欲に取り憑かれ読みたいジャンルが増えてきているが遅読に加え集中力が低下しているので悔しい。

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    2024年08月08日
  • 夜露がたり

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    安定の砂原浩太朗。読み終わった後もやっとするような、やれやれと開き直るようなそんなお話が多く人間臭い感じがよかった。

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    2024年07月05日
  • 黛家の兄弟

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    めちゃ面白かった。
    庄左衛門には関係ないが、
    同藩の立花さんや啓一郎が学んだ藩校が、まだ構想程度だった時代の神山藩。
    そして、『庄左衛門』よりもエンターテイメント性が飛躍的に高くなっている。
    ミステリ、ツイスト、アクション、そしてロマンス
    こなれてはりますな。
    個人的には『庄左衛門』のほうが好きではある。
    というのも
    今度の主役は黛家三兄弟、そしてその末っ子が主役である。
    若い、、
    しかし、育成系の楽しさがある。
    そして、きっと腐味を見出す人が多そうではある(あははは)
    前作の庄左衛門もそうだが、部屋住の武家の次男三男以下同文たちが
    養子や婿に入って、そのお家を盛り上げたり、
    主家の長男に不幸があったり差し障りがあって、元家に戻されるとか
    そういう、ままあることながらあんまり物語になってこなかったタイプの
    なんていうか、個人だけでなく”家”というパックを存続させるという
    強い意志をもった人々が描かれるのが非常に面白い。
    何かをなすときに、全てを薙ぎ倒していくいわゆる西洋スーパーヒーロー的なんではなく、
    根回しをして、我慢をして、何がプライオリティなのか、というのを忘れず
    周りの噂に屈せず、
    これこそ、さぶらふもの、
    侍である。
    うっとりさせられた。
    今作は、ものすんごくさらに長い期間の赤穂浪士的な黛と
    平安の藤のような漆原、
    というのが個人的な感想。
    それが正しいとか正しくないとか、
    司法にのっとってるとか、違法だとか、
    そういうのではなく、何が大切か、という刀を
    首につきつけられている心持ちのする作品であった。

    あいかわらず、野鳥がええ感じに出てくる
    「真鴨が一羽、燃え立ちような光を浴びながら水面をすべっていった。」
    織部正(先代/舅)があげた笑い声に
    「頬白の飛び立ってゆく音が耳にとまる」
    友垣、情、血族、そして家

    「おなじことなら、強い虫になられるがよい」

    「所詮、個々の生に意味などないことは、いま足もとを這っている虫をみれば分かる。ただいのちをつなぎ、子や孫に伝えることだけが求められているすべてなのだろう。それでは満足できぬのが、おのれをふくめて、ひとという生きものの不幸というべきだった。」

    余韻の良い小説である。

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    2024年06月24日
  • 黛家の兄弟

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    ネタバレ

    それぞれの人生を丁寧に描く。久しぶりに物語世界にはまり込むことができた。山本周五郎賞は裏切らない。兄弟の強い絆が最後に示されて、こちらは気づいていなかったので仇敵と一緒に驚いてしまった。

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    2024年06月02日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    単行本で読んで何回も読みたい本だったので意を決して購入。これから先もこのような温かみのあるまったりとした時間を一緒に過ごしていきたいと思える作家。三崎亜記氏の世界と共に老後も付き合っていきたい。

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    2024年05月03日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    架空の神山藩を舞台にした江戸時代のこの物語は今までに読んだことのない文章の美しさがあった。江戸から離れた村の景色、季節のうつろい、村人や武士たちの生活、それぞれの描き方が実に美しい。主人公の描く絵が褒められたのと同じ言い方なら見事という他ない。
    ストーリーは小さな出来事の積み重ねだが、少しの謎が次の話の伏線となって繋がってゆく展開もゆったりとしながら時には先を急ぎたくなるような、しかしそこでこの美しい文章を味わいたい気持ちが強くなって留まる、何か時代小説を読む楽しみを改めて感じさせてくれたところがある。
    郡方という役回りはよく知らなかったが、藩の中で地道に生きてゆく主人公、その人柄もこの文章が表しているのだろう。続きのシリーズもまた読んでみることにしよう。
    それにしても蕎麦がうまそうだった。食べ物の描き方もいい。志穂が書いた絵の雰囲気もなんと無く伝わってくる。しみじみと味わい深く小説を楽しめてよかった。

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    2024年04月11日
  • 夜露がたり

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    江戸市井物の短編集
    氏の長編が大好きなのだがこれはこれでたいそう面白かった
    通り一遍の人情物と思わせて一捻りがあったりなかったり
    短編集としてのバランスが実に良い

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    2024年03月30日
  • 黛家の兄弟

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    「神山藩」シリーズ第2作目は、本屋が選ぶ時代小説大賞など4冠を獲得した『高瀬庄左衛門御留書』以上の傑作。
    今まで読まずにいたのが惜しまれたと思わずにはいられない第35回山本周五郎賞受賞作。
    神山藩で筆頭家老を勤める黛家の三男新三郎が主人公。
    三兄弟それぞれに描き分けられ、どんでん返し的なミステリー性もあって、これぞ時代小説と堪能の読後感。
    「それはわれらが、黛家の兄弟だからでござる」に、カタルシスを覚える。

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    2024年03月26日
  • 夜露がたり

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    市井の人を題材とする時代小説で、これまでの架空の神山藩の侍とは違っているのですが、砂原さんの文章のファンの方には楽しめると思います。短編集なのですが、8編通して「夜露がたり」ですね。

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    2024年03月04日
  • 夜露がたり

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    時代物小説ながら勧善懲悪ではなく、人間の業を肯定する結末に満足できた。人の心の理不尽さを描くことで、登場人物への感情移入を容易にしてくれた。
    8編の中でも「死んでくれ」「さざなみ」「錆び刀」「妾の子」が好みだ。
    砂原浩太朗作品は追いかけていきたい。

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    2024年02月23日
  • 黛家の兄弟

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    前作が良かったからすごく楽しみにしてたんだけど、期待以上だった!
    前作はもうちょっとほのぼの感というか、日常感があったけど、今回は凄くドロドロしてるし、人もいっぱい死ぬし、騙し騙され…って感じですごかった。
    次も楽しみー

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    2024年01月04日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    まず、大変面白かったです。
    舞台は神山藩、北陸あたりか?架空の藩です。
    老年に近づく高瀬庄左衛門の周りで起きる事件や藩の闘争、多彩な伏線が物語の終わりに回収されて行きます。恋心、友情、剣と学問などを絡めてサスペンスのごとく物語は進む時代劇となっていましす?

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    2023年07月26日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    庄左衛門さんは、反省したり、悩んだり、忖度したりする凄く普通の人。それが凄く良かった。

    「人などと申すは、しょせん生きているだけで誰かのさまたげとなるもの」
    「されど、ときには助けとなることもできましょう……均して平らなら、それで上等」

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    2023年06月29日
  • 高瀬庄左衛門御留書

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    ネタバレ

    架空の藩、神山藩で役人を勤める主人公。いきなり息子を事故で亡くすところから始まり重たいなあ、と読み進める。
    独り暮らしの生活が始まるが、息子の嫁や夜鳴き蕎麦屋、藩の同僚など人が集まり、得意の絵を嗜んだりして穏やかな日常に戻りつつあるが、事件に巻き込まれていく。
    普段は落ち着いた様子である庄左衛門であるが、上司に詰問され凄く緊張したり、剣術がそれほど大した腕前でないところなど、平凡な部分に親近感を覚える。現代のサラリーマンの様。
    が、昔の友に言い出せない事、江戸に送り出した息子の嫁への思い、思い通りに描けなくなった絵、胸に秘めた多くの思いを抱えこれからも生きていく姿に強さを感じた。
    それでも最後、わずかに充実感がある描写があり、幸せな気持ちに。
    砂原さんの作品、神山藩シリーズも読んでみたくなりました。

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    2023年06月29日
  • いのちがけ 加賀百万石の礎

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    長頼と利家の繋がりの強さ、読みごたえがあった。長頼が主と強く繫がる以前からのふたりをずっと追いかけていくのが楽しかった。長頼の成長が分かるのもまた楽しい。読み進めるにつれ、主従の絆が強まっていくのが分かる。

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    2023年06月26日