砂原浩太朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
架空の神山藩を舞台にした江戸時代のこの物語は今までに読んだことのない文章の美しさがあった。江戸から離れた村の景色、季節のうつろい、村人や武士たちの生活、それぞれの描き方が実に美しい。主人公の描く絵が褒められたのと同じ言い方なら見事という他ない。
ストーリーは小さな出来事の積み重ねだが、少しの謎が次の話の伏線となって繋がってゆく展開もゆったりとしながら時には先を急ぎたくなるような、しかしそこでこの美しい文章を味わいたい気持ちが強くなって留まる、何か時代小説を読む楽しみを改めて感じさせてくれたところがある。
郡方という役回りはよく知らなかったが、藩の中で地道に生きてゆく主人公、その人柄もこの文章が -
Posted by ブクログ
ネタバレ架空の藩、神山藩で役人を勤める主人公。いきなり息子を事故で亡くすところから始まり重たいなあ、と読み進める。
独り暮らしの生活が始まるが、息子の嫁や夜鳴き蕎麦屋、藩の同僚など人が集まり、得意の絵を嗜んだりして穏やかな日常に戻りつつあるが、事件に巻き込まれていく。
普段は落ち着いた様子である庄左衛門であるが、上司に詰問され凄く緊張したり、剣術がそれほど大した腕前でないところなど、平凡な部分に親近感を覚える。現代のサラリーマンの様。
が、昔の友に言い出せない事、江戸に送り出した息子の嫁への思い、思い通りに描けなくなった絵、胸に秘めた多くの思いを抱えこれからも生きていく姿に強さを感じた。
それでも最後 -
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