武田綾乃のレビュー一覧
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ついに終わってしまった。いつまでもこの吹奏楽部を追いかけていたかった。
アニメもとても良かったが、原作も素晴らしい。読んでいて何度か目元が熱くなった。
本作は全国大会に向けて進んでいくのだけど、真由と久美子のソリ争いがあったり、進路への悩み問題もあったりとハラハラさせられる展開だった。アニメとの違いは、そこかぁ!というところだったが、結末はやはり一緒だったので、違和感はない。私は原作もアニメもどちらも好きだ。
一番、好きなシーンは麗奈と久美子が大好きハグをするところだ。理由はなく、問答無用で好き。何ならこのシーンまで来るために、今までの辛い出来事があったような気さえした。
人によって大切 -
Posted by ブクログ
ネタバレ百合作品といえば、ただただ男女の関係の男の方を女性に置き換えただけのものと思いがちだ。事実、私はこれを読むまでそう思っていた。
ただでさえ恋愛経験が少ないから、こういった感情の機微を理解するのは正直言って難しいところだけど、男女の関係以上に繊細なことだろうし、それぞれの心情の変化なんかもまったく違ったものになるだろう。それをそれぞれここまでうまく表現したものは他に類の見ないのではと思う。
私もまだまだ百合ビギナーであることを自覚したので、百合の教科を必修科目にしたうえで、教科書に全作品掲載して教師に解説したもらいたい。
特に好きな作品は5作品目、斜線堂有紀先生作の「百合である値打ちもない値 -
Posted by ブクログ
ネタバレそれぞれの親にそれぞれの問題があって、みんな苦しいと思った。江永は不幸自慢をせずにふざけたように話すから、本当は一番辛い立場でありそうなのに、辛さの大きさや深さが見えづらくて怖かった。
深く眠ると後で辛くなるから浅い眠りしか取れないとか、いつでも死ねると思うことでなんとか生きながらえているとか、人の身体や心は不幸に順応できてしまうのだなと思った。
家族だから愛してもらえる、愛さなくてはいけないというのは私も嫌いな考えだから、それを宮田と江永が貫いてくれたのは嬉しかった。愛してるなんて心のこもっていない形式的な言葉はくれるけど金も生きるエネルギーも搾取してくるような母よりも、何の危害も加えず無駄 -
Posted by ブクログ
人の人生より、自分の心配をすれば??と問いかけられているような本。「可哀想な蠅」は、不特定多数のアカウントから責められ、擁護され、実態のないものに怯える芽衣子。友人が殺されてしまう展開は驚いたけれど、結局、同情も共感も罵声も流行であり、時がすぎれば記憶の彼方に行ってしまうもの。人間も動物も流動的だななんて。「まりこさん」は、猫を去勢することを嫌い、自宅で多頭飼育している。子どもと大人では、人との関わりが違い、由美が大人になってまりこさんに会いに行った時、お母さんの「あの人とは関わらない方が良い」という言葉の意味が分かってしまうところが残酷でもあり、社会を知ったというところで、大人になるというこ