武田綾乃のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
装丁、タイトル、あらすじ、すべてがあまりに惹かれて、迷わず読み始めた一冊。
内容はあまりにもドンピシャで、ページをめくる手が止まらなかった。読み終わってからも何度も反芻してしまい、頭の中で何度も場面や言葉が浮かんでくる、、、
読み手に思考を投げてくる作品で、答えを押し付けないのが更に世界にのめり込んでしまって、当日は他の作品が読めなかった。
初めて読んだ作家さんだったけれど、かなりのインパクト!こんなに心に残る読書体験になるとは思わなかった。
村田沙耶香さんの『世界99』を読んだ時もだったけれど、読後の余韻が続いていて、しばらくはこの本の世界から抜けられそうにない、すごい作品でした。 -
Posted by ブクログ
装丁の美しさに惹かれたのと、帯の強烈なキャッチに惹かれて。
面白かった、まさにディストピア×シスターフッド!
工場で赤ん坊を生産することで人口安定を成功させた未来。
工場で作られる人間は労働力になるために産まれてくる。
そこには家族などの概念がない。
だけど人間は「お世話したい」という欲求があり、
それを解決するためにペット用の都合の良いベビーが作られた。
母体出産が自然派と忌避される世の中で、
母体から産まれた主人公×赤ちゃんを産みたくて仕方が無い女性が出会って…という話。
命を作り出す、操る、というところまで来た未来。
これは正直神の域だと思うし、一線越えてしまってるのでは?と思うけど
SNSを見ていると、産みたい・産みたくない・子持ち・子無しなどの軋轢もあり、
何だかこの方が合理的なのかもしれないなぁと思わなくも無い…よね…
産むの痛いし…
でもどうしてもこういう価値観の世界はグロいなあと思う。
結局我が子とペットベビーって全く違うし、得られる感動も別物だと思う。
などなど、産んだらこそ何かすごく考えさせられてしまった。
「本人が望んで生まれてくる命なんて一つもない。人間も、動物も、植物も。
皆、勝手にこの世界に生み落とされて、その中で生きていく」
という言葉が印象的。
どうか、最後の電話が、良い知らせでありますように
本当に本当に、無事を告げる電話でありますように
母とも仲違いし、伊藤とも仲違いし、
そのままどちらとも会えずじまいでおしまい…は
あまりにも辛すぎるし、報われなさすぎる。
どうか本当に、良い知らせでありますように…と祈らずにはいられない最後でした。
-
Posted by ブクログ
ネタバレなんかこれまでの武田綾乃さんとはガラッと違う感じで戸惑いながらも一気読みだった。
三代欲求の負担がなくなるとすんごい人生の時間が増えるし色々楽になるよなと思うし、出産子育てなくなるのもものすごく凄まじく楽なんではないのか、とは思う部分がどうしてもあるので興味深く読みつつ…
食べ物とかはわたしは栄養が全部詰め込まれた豆ひとつ食べたらそれで済むならありがたいなと思うとこもあるのでそれでいいし睡眠補助もしてもらえるならありがたいなと思うんだけど、生殖に関しては、どうなんだろう。
斎藤工さんが子供を産むドラマを昔見て、男性が出産子育てしてくれるならめっちゃ楽!と思ったのを思い出した。
でも、母曰く出産ほど幸せなことはないらしい。
こればっかりは経験しないとわからないからわからない…。
けど、ペットベイビーは、いたら育てたい人いっぱいいそう。でも、人が赤ちゃんのまま育たずに死ぬことに、人間は耐えられるのだろうか。
なんか不気味だなと思ってしまった。動物ならいいけど人間の姿でそれは不気味と思うのは、これもまたそういうもんだから、という思い込みなのだろうか。
いずれにしても人間てのは環境に順応して生きていく生き物なので、そんな世界ならそんな感じなんだろうなと思いつつ、たぶん機械生まれたちは、自然派に憧れるんじゃないかなぁ、リアルだと。と思った。
武田綾乃さんはお子さんを出産してこんなお話を書かれたのがどんな思考回路?と思った。
でも、美奈子が赤ちゃんを愛せそうでよかった。
んー、それにしても機械生まれだと人間より標準スペック高めなんですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ百合と知らずに購入、これで百合の定義を知りました。百合とは恋愛だけに限らず女性関係を主軸にしたお話だそう。ライバル関係やシスターフッドなども入るそうです。
見てわかる通り豪華作家さんのアンソロジー。
それぞれ個性がでて素敵です。
織守きょうやさん→今まで読んだことのない作家さんでした。純粋な友情が素敵でお互いを思ってのすれ違いにもほっこりしました。
青崎有吾さん→姉妹の話。過去に読んだ本と全く違う切り口でめちゃくちゃ面白い。初めはどういうこと?ってなりながらも伏線を回収する。海外小説のような強烈な物語と展開で迫力もあり良かった。かなり印象的!
武田綾乃さん→王道の恋愛系であり、でもバッドエンドという悲しき物語。こういうプライド高い人いるよなーと切ない気持ちになった。
円居晩さん→フレネミーといった感じ。仲良くしていた先輩が意地悪く、駒にされていたというか…シンプルだからこそ感情がわかりやすいように思えました。
斜線堂有紀さん→驚きの入りで始めグロい系かと思いきやなるほど、感情抉られるやつだ…と理解。絶望感と緩急が凄い。正直流れ的にバッドエンドになるのかなーと思ってたからハッピーエンドで意外だった!
乾くるみさん→好きな先輩が何を買ったか、というとてつもなくどうでもいいテーマでここまで広げられるの凄い。
相沢沙呼さん→面白かったー!関係性が複雑!紫乃に魅了されてしまった。そして騙されたオチかと思いきや紫乃も好きになってたんだと思ってほっこり?
1番続きが読みたくなったかも。 -
Posted by ブクログ
アニメを全て視聴後に小説も読んでみたくなって手に取りました。原作を読むのは初めてでしたが、アニメで登場人物達は知っているし、頭の中で勝手に絵が思い浮かんできました。
今作は3年生になった久美子達の北宇治のストーリーを軸に、幕間として奏や求、1年生の視点が描かれている。3年生編の話の間に各登場人物がどんな気持ちで動いていたかなど、心理描写を見ることが出来たのはアニメでは得られない楽しみであった。
特に真由と奏のやり取りは必見だし、真由の深堀の話が描かれていたため、アニメだけ見るのは勿体ないと心底思った。正直なところ一から原作を追うのは、知っている内容ではあるし途中で手が止まってしまう恐れがありこの小説を手に取った。
読み終わった今、原作はまた違った魅力もあり、アニメの描写を思い浮かべながら読み進めたいと思っている。願わくばこの小説の話もOVAなどでいいのでアニメ化もしてほしい…
2026年9月公開の最終楽章後編も楽しみにしながら、原作を追っていきたいと思えるいい体験が出来た。