武田綾乃のレビュー一覧
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ネタバレ友人に借りた。響け!ユーフォニアムの作者の本。爽やか青春物語だと思ったら結構しっかりミステリー。結末が気になりすぎて読む手が止まらなかったし読み返したい、評価が別れる作品だとは思うけどここ最近で1番人に薦めたい1冊かな!エピローグが天才。
7人の登場人物がそれぞれ事件のことを語っていく構成で読み進めるにつれて全部が気持ち良く繋がっていく。段落の最後の最後にタイトルが分かるのが珍しいし面白かった。「あの子より私のほうが優れている!」とかいう歪んだ自尊心とか、持ち物真似するとか、友達に嫉妬するとか、作者は女同士のドロドロがよく分かっている。莉苑ちゃんのキャラが最高。小賢しい女大好き。全部この子の掌の上、そして何よりも死人に口なし。 -
Posted by ブクログ
「姉みたいに、困ったときに助けてと言える人間になりたかった。努力していると思われたら恥ずかしいから、何でもできるような顔をして。自尊心の鎧で自分を覆っているうちに、気付けば頑張っている状態が当たり前だと思われるようになっていた。背伸びした分の私の努力は、私だけしか見ていない。幼い頃の側転と同じだ。成功することが当たり前だと思われているから、誰の記憶にも残っていない。」 ー側転と三夏ー
何でも要領よくこなせてしまうというのは羨ましい。いいなあって思う。...でも、本当にそうだろうか?人は誰しも無意識のうちに人に期待する。その期待に答え続けていくうちに、やがて当たり前のことになる。もしかしたら、努力して努力してやっと出来上がった作品かもしれないものを、「あなたのことだもん、できて当たり前よね」という態度を出されたら息が詰まる。このことから、「人に期待する」ということは残酷だなと。誰しもが「こうあるべき」と自分の中にある狭い価値観で相手を固定して、そこから道が逸れた途端に「裏切られた」と声を上げる。相手の見えない部分が見えただけなのに、それの何がいけないんだろう。勝手に期待して、勝手に失望したのはそちらじゃないか。「期待する」という言葉は呪いのようだと多々感じる。
そもそも、面接に向いた眼鏡とは何なのか。面接に向いた服装、面接に向いた髪型、面接に向いた言動。そんなものを求めた先に、一体何があるのだろう。生地からクッキーを作るみたいに人間を型で抜いて、はみ出た部分を切り捨てる。余った端切れをまとめて作り直すこともせず、商品にならない個性はごみ箱へと消えていく。 ー作戦と四角ー
自身の個性が矯正されてゆくような感覚を持ったことがある。少しでも道を踏み外すと、「変わっている人だ」「ちょっとおかしいよね」ってそんな言葉を投げかけられる。段々それが重荷になって、積もりに積もって背負いきれなくて「当たり前」に個性が潰されてゆくのだと思う。「漠然と五体」の主人公のように、世間一般の当たり前と調和できるのであれば、そのような生き方で全く問題は無いのだろうと思う。調和できても出来なくても、合わないなと感じるものからはそっと距離をとって、自分らしくいれる心地よい生き方が出来ればいいなぁとのんびり考える。
今回の作品は全体的に自身が感じたり考えたりしたことのある内容で共感できる部分が多かったなと感じた。「赤点と二万」の大学受験で使わない教科を一生懸命勉強して学校内テストで良い点をとる必要性はあるのかという疑問。「作戦と四角」の生き方について模索中の人間に対して悪気なく吐かれた「可哀想」という言葉。それをどういう意味で使ったのかと、言うタイミングによってはうんざりさせられることもある。同情というものに対して嫌悪を覚えることがある。恐ろしい武器だと感じる。
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Posted by ブクログ
小学6年生にお勧め本を探していて出会った1冊。
京都府宇治市。黄前久美子(おうまえくみこ)は小学生の頃から吹奏楽をやっていた。楽器は、中音楽器のユーフォ二アム。しかし人に流される性質のある久美子は、特に主体性で選んだわけでなく、なんとなくここまで来ていた。
入学した北宇治高校でも、新しく友だちになった葉月と緑に誘われるがままに吹奏楽部に入る。そして、三人で低音楽器パー卜の担当になった。
北宇治高校は、昔は吹奏楽強豪校だったが、顧問も代わり生徒の意識も変わり、いまではすっかり弱体化していた。
だが新しく顧問になった教師の滝は吹奏楽部員に問う。「きみたちは、なんとなくのんびり過ごしたいのか、本気で全国を目指したいのかどちらですか?」そう聞かれては「本気」と答えざるを得ない部員たちを相手に、滝の厳しい指導が始まった。
吹奏楽部には色々な考えの部員たちがいる。実力主義で全国大会に行きたい者、みんなで仲良く音楽を奏でたい者、自分が好きなだけ演奏できれば良い者、楽器大好きで上手い自分を見て見て!という者。
部活を通すことで、同級生のいままで知らなかった面が見えることもある。考え方の違いに仲違いが起きたり、部活を辞めるものもいる。部内での淡い恋もある。
だが滝の指導によりみんなは確かに上達していた。
そしてサマーフェスティバルが始まる。
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シリーズ第1弾。これはなかなか良かった。
部活を通しての思春期物語だが、テーマも登場人物も多いけれども話としてごちゃごちゃすることもない。
友情や同じ目的を持つ者の連帯感もあるし、学業との両立に苦しむこともあるし、レギュラー争いをすることで揉め事が起きることもある。過去には吹奏楽部内での揉め事もかなりあったようだし、恋愛のちょっとしたごちゃごちゃやら派閥?やらもある。それでもみんなが真剣に取り組んでいるので全体的に爽やかだ。
キャラクターも個性的だし、ヒロインが「流されて行きてきた自分」「人に合わせてきたけど実は冷めている自分」に悩むという自分探し・自立への道の部分もある。高校生たちのじゃれ合うようなお喋りも実に元気だ。
演奏の描写も良い。本当に音楽が聴こえてくるような文章だ。実際に吹奏楽で演奏される曲名や、演奏方法も書かれているので、YouTuberで曲を検索して聴きながら読んだ。 -
Posted by ブクログ
いい本だ。
一瞬安っぽそうな表現が多いと思ったが、感情を正確に捉えられているし、その感情に至るまでの出来事も自然に進められている。とてもしっかりした小説だった。
様々な感情が湧き上がってくる青春というジャンルを扱っていながら、物語ごとに1つのテーマが明確に定められているので読みやすかった。
大人の視点から冷静に読むとしょうもないただの高校生活の出来事が描かれているのに、感情移入が出来てしまった。
例えば、
「ブルーライトはもはや我々の親友であり、戦友だ。」
みたいな表現は、大人の視点ではしょうもないけれど、これに納得できるように描かれている。
作者の年齢は若いけれど、物語づくりの基礎は出来上がっているので、若者言葉の安直な表現でも感情移入できて、心を動かされた。 -
Posted by ブクログ
今回ばっかりは、曲を聴きたい…!て思った。
リズと青い鳥? は、実際にある曲なの? それともこの本のために作られた曲??
この小説は映画化されたんやっけ? ネットで調べたらちょいちょい音源はヒットしたけど、ちゃんと聴いてみたいなと思った。
映画を観るべきかな。いやもうみぞれちゃんの「本気の演奏」を小説で読んでしまったから、衝撃は薄れちゃうかな。笑
そもそもこの「リズと青い鳥」の話がわたしには「へえ…」て感触で、ここも、もしわたしが高校生ならぐっときたかもしれん、と、前編を読みながら思った。
みぞれちゃんと希美ちゃんの関係をあらわしている、と、いうのも、なるほど…、と、思うものの、そもそもこの二人の関係性がいまいちつかみきれない…。
と、思っていたモヤ感がすべてクリアに!
なるほど!ふたりの関係ってそういうことやったのか。
そうか…。そうかーっ。
今回、希美ちゃんも掘り下げてくれたのがよかった。ほんとうにこのシリーズは、心理描写がすごい。
誰かが誰かに向ける思いについて、こんなに細かく書いたら読むほうはかなり「くらう」んちゃうんかと心配になる(わたしが「くら」わないのは、ひつこいけどもう45才やからです)。
誰かに対する思いを双方から書いてくれる。(筆致の)濃度と重さは必ずしもイコールじゃないけど、それでも充分すぎるほど伝わるものがあって、性別問わず、思いのベクトルが一致することは奇跡的なことなんやなとしみじみ思う。
だからこそ想像するんやね。想像力がいるねん。
いろんなことを想像してわたしもずっと過ごしてた。
45才になったらもうそんなんがしんどくってねー。笑
この人はどう思っているんやろう、だけじゃなくて、この人は何があってこう思うんやろう、まで想像するやん。
そこまで考えるのがもうしんどいから、大人って、あっさりした付き合いしかできひんのかもな。笑
でも、高校生のうちは、時間も体力もあるから、こんなふうに想像力をかきたててぶつかり合ってほしいよ。
でも、何度も言うけど、今の子たちにこれはたぶん、へたなファンタジー小説よりファンタジーなんやろうな。
人と人の付き合い方も変わってくるのを余儀なくされる時代やから、今の子たちにはもっと違う何かがあるんやろうな。わからんけど、幸せになってくれればそれでいい…。
って、また、この本とは違う方向になりつつあるけど…(笑)、終盤はまたちょっと泣いたな。いつもそう。笑
夢ちゃんにちゃんとオチ(?布石?)がついてよかった。
久美子ちゃんたちも新たなスタートをきったけれども、夢ちゃんのそれは「最初の一歩」やったから、より重いよなって。