武田綾乃のレビュー一覧
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ネタバレ前編で梓に対して思っていたことを早いうちから志保が代弁してくれて、胸がすっとした。
梓の自尊心を満たすため、あみかにはずっと初心者でいてほしい…
そういう気持ちは私の学生時代に嫌というほど見聞きしたからとてもよく分かる。
じゃあ、どうやって人と関わればいいのか。
「人間関係は損得ではなく好き嫌いで考えていいのでは」
という未来先輩の言葉にすごく気付かされた。
互いにメリットがある付き合い方を望み、結果、傷つくことも多いけれど、
もっと単純に考えてもよかったのだと気持ちが軽くなった。
もっと速くこの言葉に出会っていたら、私の学生時代も少しは変わったのかと思った。 -
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ネタバレアニメでは駆け足だった人物描写が小説ではじっくり書かれていたので、ようやく登場人物達が何を考えて動いていたのか知ることができた。
前半の緑による1年生の動物例えは本当に分かりやすい。
そのイメージが、他者と関わる中でどんどん崩れて行くのがみていて面白かった。
求くんはアニメでは苗字のことですぐにキレる子という印象だったが、
小説で緑との絡みを見ると複雑な思いを当初から抱えていたのだとより分かった。
奏もアニメで感じた小悪魔な後輩というイメージはそのままに、弱さを併せ持つ等身大の高校生の姿も見えてより一層好きになった。
後編も楽しみにしている。 -
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アニメも見終わって、満を持して読破。
久美子たちの3年生最後のコンクールのその後が描かれたお話と、久美子以外のキャラクター視点からの過去話だったりエピソードだったり…
黒江真由の、どこか底を見せないような、それでいて不気味すら思える性格、ハッピーエンドが好きすぎるって言葉がしっくりくるような言動に対しての疑問点、それがこの本の真由過去エピソードを読んで納得。そらああゆう言動になるんだなって。可哀想な子よ…_( _´ω`)_
だからこそ、コンクール後で久美子だったり奏だったりとの距離感が変わっていくのが、こっちとしても嬉しい気持ちにさせてもらえた。
あとは、高校卒業までにもこんな大変なん -
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ネタバレ今回も心理描写がすごかった。
短編4篇。
どの話も、身近にあるある、わたしの中にある、ないと言い切れない、という感情のオンパレードだった。
武田綾乃さんて本当にどんな感受性なんだろうといつも思う。
どの話も他人事とは思えない部分があったり、そこはもう少し感情表現しておこうよと思うことがあったり、色々なんだけど、とはいえそうなった時わたしはどうなるのか??
とゆーことに関しては、他人事と思えないなと。
最初の話はリツイートで悪口言われる話だけど、そこにやり返さないその子の全部の事情があって、なるほどと思うし、そのパプロフ康成をブロックしてくれた友達の半端ない人を観る目の鋭さに賢さを感じたし、こん -
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親子関係が良くない人ほど読んで欲しい。メンタルが健康な時に。
ここまでひどい家庭ではなかったけど、それでも私が抱いたことがある感情があった。
親に愛されてる、親を愛してる、私もそう思った。
それはそれとして、どうしても許せないことがあって私は親に会えなくなった。
共依存なんだろうね。私がいなくなったら親はどうなるんだろうって心配で家を出れない人を知ってる。私もそうだったし、多いと思う。
きっと家を出てしまったら帰れなくなってしまう可能性が高いなって勝手に自分を重ねてしまう、
大丈夫、親はなんだかんだ生きていけると思う。そうじゃないこともあるかもしれないけど、
私は親を許さないことを私は私に許し -
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ネタバレ最終楽章(3年生編)の時系列のスピンオフ。前半は様々なキャラクター視点の数ページ単位の掌編、後半が卒業旅行を主軸に置いた中編で、いいとこ取りという感じの構成でした。
あとは3年次に強豪校から転入してきて主人公久美子とソリを争った(そして原作では久美子に決まったけど、何とアニメではこの子に決まったという(※未視聴))真由ちゃんの内面を描写する掌編や場面も多くて、一気に解像度が上がった!
転入を繰り返してきて、同窓会に呼ばれるようになりたい、みんながいい気持ちになる結果がいい、という信念のようなもの。奏が頑固って言ってたのは納得で、実際そんなみんな幸せになりましたっていうハッピーエンド有り得なく