【感想・ネタバレ】その日、朱音は空を飛んだのレビュー

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色々な視点から、ひとりの朱音という女の子について語られていく。各登場人物の視点が切り替わる時、アンケート用紙のページが挟まれるのだが、その文字からも生徒たちの思いが汲み取れる。かなり2転3転する内容で、面白かった。

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2024年06月14日

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ネタバレ

友人に借りた。響け!ユーフォニアムの作者の本。爽やか青春物語だと思ったら結構しっかりミステリー。結末が気になりすぎて読む手が止まらなかったし読み返したい、評価が別れる作品だとは思うけどここ最近で1番人に薦めたい1冊かな!エピローグが天才。
7人の登場人物がそれぞれ事件のことを語っていく構成で読み進めるにつれて全部が気持ち良く繋がっていく。段落の最後の最後にタイトルが分かるのが珍しいし面白かった。「あの子より私のほうが優れている!」とかいう歪んだ自尊心とか、持ち物真似するとか、友達に嫉妬するとか、作者は女同士のドロドロがよく分かっている。莉苑ちゃんのキャラが最高。小賢しい女大好き。全部この子の掌の上、そして何よりも死人に口なし。

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2022年06月14日

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ネタバレ

通勤のお供にしてしまったので、記憶があいまいになって伏線全てを理解できなかったが、素晴らしいイヤミス。
墜ちる朱音が、最後に見るシーンを含め、著者の構想の凄さ、いやらしさに脱帽。

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2022年05月01日

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ネタバレ

最初は青春物だと思ってた。作者さんがそういう小説書くイメージだったから。でも違った。狂気が滲み出てる話だった。
主人公である朱音のメンヘラ(?)具合がえぐいし、莉苑ちゃんも普通にやべぇ。最後の最後まじで怖かった莉苑ちゃん。
でも、読んでて面白かった。謎がどんどん明らかにされていく感じたまらん。でも読後感は煮え切らない感情になる。
朱音ちゃんが幸せで、たくさんの友達と笑いあってる姿が見たいよ...

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2021年11月20日

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クラスメイトの朱音が自殺したこと、それは一つの出来事。彼女の死が巡るクラスメイトたちの情景。一章ごとに段々と物語の輪郭が見えてきて、それと同時に朱音の特異性も見えてきて、彼女たちの世界は決して明るく清廉なものではないことが分かる。
みな嫉妬や打算で生きている。褒められたものではないかもしれないが、いちぶ彼女たちの気持ちも分からないことはないと感じました。
良い読後感ではありませんが、重く入っていける本でした。面白かったです。

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2021年06月23日

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ネタバレ

好き
爽やかな物語でもなくて、綺麗な物語でもないと思うけれど、わくわくして読んだ後ににやっとした
いいわあと思った。不謹慎かもしれんなあ。
あと、夏川莉苑がダントツで好きだなと

一つだけ気になったのは、
朱音は愛のために死のうとしてる
というところ
愛のために死のうとしてるの?
それがよくわかんなかった。
読んだ時は、愛=細江さんのことだと思ってたけど。
愛=loveのことだとしたら。でもなあ。
と最初はしっくり来なかったけど。
朱音は愛されたくて愛されたくてひたすら愛されるだけの世界をのぞんでいて、だから自分の死を選んだけど。
莉苑はそれに気づいた上で、生きる人のために世界はあるのだと思っているから、嘘をついた。
そんで、朱音に最後にあなたの望む世界は死んだ後にやってこないよって見せつけたのは、死を選ぶことより生きることを選ぶことのがよっぽど綺麗なのに馬鹿だなあって朱音に伝えたってことなのかなあ
わかんないけど

うん。この結末、個人的には大好物だな

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2021年06月02日

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タイトルに惹かれて衝動買い。

不完全で箱庭で生きる大人になり切れない高校生だからこそのリアルさを感じる(大人になることが果たして良いことなのかはわからないが)。
世界は小さいんだなぁ、と改めて実感。
1人だけ共感できなかった莉苑の完璧さには恐怖を通り越して魅力的にすら思える。
実はこうして世界は回っているのかもしれない。私たちが気付いていないだけで。

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2021年05月02日

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いろんな承認欲求と自尊心の満たし方がある。
人間誰しも抱えているし、満たし方や手段は本人しか理解できないものもある。朱音だってそうだ。
にんげんの心の内がやっぱり1番のミステリーだ。

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2023年11月04日

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高校の校舎屋上から飛び降り自殺した朱音。遺書もなく、クラスアンケートでもいじめはなく…はたして真実はどこにあるのか?誰が嘘をついているのか。

JKたちの壮絶な日常ですね。大人顔負けの足の引っ張り合い、嫉妬、いじめ、マウンティング、羨望…嘘。

友情?恋愛?そんな簡単な言葉では言い表せないカースト制度が、教室内には暗然と、そして厳然と存在するんですよ。そのゲームに負けたら、飛び降りるだけ。

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2023年10月23日

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「響け!ユーフォニアム」の作者なので、期待して読んでみた。期待以上の作品で非常に面白かった。
構成が巧みで、個々の個性・行動に無理がなく、納得がいく。歪んだ依存心が、愛情と考える束縛に変貌していく、ある意味怖い作品。莉苑が一番しっかりしてそうだが、自分が無いようで一番怖い。

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2023年10月20日

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ネタバレ

1人の女子高生朱音の死にまつわることが
それぞれの違った人の視点から描かれる。

朱音と親しくない人だったり
朱音とすごく親しかった子だったり。

いじめとまではいかないし読むに耐えぬ描写があるわけじゃないけど、なんとなくある嫌なこと嫌な人、そういうのが描かれててリアル。

女同士の嫉妬だったり独占欲が
逆に自分たちを苦しめていい関係になれなくなって。コミュニティが狭いとその分みてる視野が狭くなって息苦しくなる。

最後の朱音本人の章は色んなことが分かって怖かった。
夏川みたいな子が周りにいたら本当に怖い。
誰にでも良い顔をして誰とでも仲良くなる
けどその奥では平気で裏切る。

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2023年10月05日

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響け! ユーフォニアムシリーズでお馴染みの武田綾乃が2018年に発表した「その日、朱音は空を飛んだ」の文庫版。その日、川崎朱音は飛び降り自殺をした。なぜ朱音は自殺したのかを6人の学生の視点から描いたミステリです。著者が思春期の学生を描いた時のリアリティの感じられ方はやはり凄い。狭い世界で必死に自分の居場所を守る生徒たちの心情が巧みに描かれています。学生1人ずつの物語を読み終わるたびに、各登場人物の色々な一面が見えてきて、持っていたイメージがどんどん書き換えられていきます。ラストはちょっと怖い。

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2023年03月13日

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リア充で楽しく毎日を過ごしている人にオススメしたい。毎日楽しく生活を送っているが、そうでない人もいることも忘れないで欲しい。

朱音が学校で飛び降り自殺する。
この学校は県内有数の進学校で勝ち組で自分本位の生徒が多いのかも知れない。
そんな進学校で起きた、6名の生徒の独白形式で朱音の自殺の原因の死の検証をする。

朱音がかまってちゃんでウザいと思う方も多いと思うが、
信じられる親友を求めた朱音の贈る言葉を噛み締めて欲しい。

咲き乱れた勿忘草で朱音と佳純が永遠に仲良く遊んで欲しい。真っ青な勿忘草を。
そんな朱音の純粋な心も汲み取って頂きたい。
一人でタイムカプセルを掘り起こしに行く様に涙した。
好きの反対は無関心だ。
信じてもらえる友達は大切だ。

優等生夏川が怖すぎて人を信じるのを辞めたくなる。イヤミスなラスト。

親友の顔を思い浮かべ、勿忘草の花言葉を噛み締めて欲しい。  

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2023年01月13日

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ネタバレ

最初、朱音可哀想だなーと思ったけど、ものすごく自己中でびっくりしたし、リスカの描写が鮮明すぎた。
どんどん真相がわかってくる構想が面白かった。
最後の結末はびっくりだった。
まさか遺書を一緒に破るとは。笑

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2022年11月19日

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ある出来事を複数人の視点から描く作りの本でも最高の部類かも。
莉苑の造形が良い。残酷なのか。いやまあ、生きてる人のためにあるべきという考えがもとの行動。
これはアニメにはできないだろうな、多分つまらない。

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2022年07月02日

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飛び降り自殺した少女について、色々な視点から語ることでそれぞれの人物のすがたが浮かんできて、読み進めるたびに物語が違う形になっていくようで面白かった

2回読みたい

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2022年03月13日

Posted by ブクログ

自殺した女の子を取り巻く世界の話。
短編というか、その自殺周辺の色んな人の話の話が刻まれて書かれていて、面白い構成。

最初遠い人間からどんどん近付いていくのが面白くてススム。
最後自殺の理由?書かれてるのが意外、色んな要因があって明確なネタ明かしって無いと思ってた。

思春期って何でこういう感情何だろう?って思う。
今歳取って振り返ると、思春期独特の感性とか未熟さって本当不思議。
そういう多感な時期の、色んな感情が読めて面白かった。
ヒエラルキーとか、人間関係の複雑さとか、社会人になるとなあなあになるのか慣れるのか…。
あの時の妙に敏感な感じとか、常に周りが気になるのとか、自分が思いもせずに誰かを突き動かししてたり。。。
本当危うい時期…凄く表現上手くて一気読みできた。

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2021年08月21日

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読み始めた頃は最後の展開は少しも予想していなかったし、少し読み進める事に自分の考えが覆されてとても楽しめた

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2021年08月17日

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ネタバレ

朱音と遠かった人物からエピソードが始まり、近しい人物で終わる話の構成で、段々と朱音の為人がわかっていった。
いじめに関するアンケートで近しい人物は何かしら飛び降り事件の原因の手がかりを記載するかと思えば、皆一応に素っ気ない回答ばかり。
それはそうだろうと思う。いじめはなかったのだから。

物語上でよく動く人物が夏川莉苑だ。
莉苑は祖母からの教えられた、
「世界はね、生きている人のためにあるべきなの。死んだ人間のために今生きている人間が犠牲になることは絶対にいけないことよ。だから、誰かの死のせいで生きている人が不当に傷つけられないよう、人間には真実を曲げる権利がある」
という言葉通りに、生きているクラスメイトのために嘘の物語をつくっていく。

これに対して、朱音は自分の死を使って自分を軽んじた人間たちに最大のダメージを与えられるかを模索し、真実を曲げた遺書を残し死んでいった。
遺書を読んだ莉苑が朱音を止めなければならないという気持ちが微塵も湧いてこなかったのは、この朱音の企みを読み取ったからだと思う。

莉苑が、朱音は愛のために死のうとしていると考えているところで、初めは細江愛のため?と思ったが、おそらく朱音の自己愛のためが正しいのではないだろうか。
第四章の莉苑の話の最後で、朱音が愛に込めたメッセージに込めたスイセンの意味について考えている場面がある。
ここで、勿忘草は今の朱音に相応しいと思えたとあるので、もしかしたら莉音は死ぬ前の朱音にはスイセンが相応しいと思ったのではないだろうか。

朱音が飛び降りたときに、莉苑が遺書を破り笑うのは、
朱音の自己愛のために生きている私たちが傷つけられるべきではないんだよと伝えたかったのだと思う。
莉苑にとっては、朱音が死を決めた時点でこの世界で優先すべき人間ではなくなった。
なので、ただ朱音はあの日死んだという事実だけでクラスメイトを守ろうとしている。

最後の「その日、朱音は空を飛んだ。だから何?」はそれぞれのアンケートの筆跡から見て莉苑の言葉ではないかと私は思った。

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2021年07月26日

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学校の屋上から飛び降り自殺をした朱音と、それに関連する人たちの視点で展開する「なぜ朱音は自殺したのか?」をめぐるお話

ミステリというか、青春小説(カラッとしたものではなく、ドロッとしたもの)、そしてある意味でサイコホラー


朱音はなぜ自殺したのか?いじめはあったのか?ネットに投稿された動画を撮ったのは誰か?動画に映っていた屋上の人影は誰か?遺書は本当になかったのか?

各章は事件後に学校から配られたアンケートの回答者の一人称で描かれる
それぞれ立場の違う人間から見た事件の認識と明かされる真実
同級生の男子、クラスの地味目グループ、朱音をいじめていたとされる派手目の女子、優等生女子、プライドの高い秀才男子、親友、そして本人



学校という狭い環境で生きる生徒達の承認欲求、嫉妬、自己保身、自尊心、愛情のもつれ、傲慢、打算、依存などが満載で、ちょっといやぁーな気になる
読書会で紹介されたときには「桐島、部活やめるってよ」的なものを想像していたわけで
各話異なった人物による一人称で、章が進む事で価値観の逆転というのは共通点としてあるものの、受ける印象は全く逆



周囲からの評価と本人の思考の差異が一番大きいのが細江さん
周囲からはギャル系で不真面目な印象があるものの、その実は至って普通にしているつもりという、環境とのギャップが原因なんだな

そして莉苑の内心が結構サイコパスっぽくて怖い
本人としては合理的思考なんだろうけどね

莉苑のお祖母ちゃんの言葉が、この事件に一番影響を与えている
「世界はね、生きている人のためにあるべきなの。死んだ人間のために今生きている人間が犠牲になることは絶対にいけないことよ。だから、誰かの死のせいで生きている人が不当に傷付けられないよう、人間には真実を曲げる権利がある」

果たして、事件をわかりやすくしたのか、わかりにくくしたのか?
ただ隠しただけなんだけど、もしその行動をしなかったらどうなるかを想像してみた
けど、結局は学校側の行動は変わらなかっあだろうし、同級生たちの意識もそんなに違いはないし、朱音の親もそんなに違いはないんじゃないかという気がしてきた。
結局は、最後の「だから何?」という一言に集約されてしまうんだろうなぁ


「私たちの青春を語るな」という言葉も、親世代となってしまった今だからこそよくわかる
世間の風潮や一般的な出来事を例に、自分たちで理解できるような情報に再構成したがるのが大人だけど、本当の事は当人達にしたわかりえないんだよね

僕が中学生の頃、隣の中学校でいじめで亡くなった子がいるわけだけれども
同じ市内で起こった事件という事で、先生達はいじめに関して何やら敏感になっていたものの、生徒たちは所詮は自分の事とは捉えずに、無責任な噂話に興じていた記憶がある
だから、それが同じ学校でも、同じクラスでもやはりこの物語みたいに他人事なんじゃなかろうか?というのは理解できる
どこまで近ければ自分の事として捉えられるのだろうね?


「死人に口なし」という言葉があるけれども
本来は莉苑のお祖母ちゃんが言うように、死んだ人は反論ができないから悪く言わないという意味だっただろうに、人の死を都合のいいように解釈できるという意味で使われている昨今
死んだ人より、生きている人のほうが大事という逆説的な例外も認めるのもありだと思う



最初の目次は人物の名前だけで、章の終わりに人名ではない本当のタイトルが判る仕掛けは面白い
最後のページで各章の本当のタイトルの一覧と「だから何?」となっているわけで
「その日、朱音は空を飛んだ」というタイトルの本当のタイトルの形がそれである事を示しているのかな?



莉苑の行動とか細江さん側の視点での朱音の行動や、愛のために死ぬとかってあたりに途中で何度かミスリードされ、最後まで読むとさらにいやぁーな気になるというイヤミスですなぁ
何が嫌かって、作者の武田綾乃が
「武田綾乃イヤミス二点セットです
みんなが読み終えた時にどんな顔をしてるのか知りたいですね」
と、笑顔の絵文字をつけてツィートしてるあたりが、作者の意地悪さが見えてイヤ(笑)

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2021年06月29日

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人は成長と共に変わってゆくもの。それに伴い、自ずと人間関係も変わっていく。だけど主人公の少女は永久に変わらない友情関係を求めてしまった。そして、それを求めるため自分が無理に変わろうとしてしまった。しかしそれが上手くいくはずもなく、強く求めるのと反比例するようにそれは壊れていき、結果、少女は全てを失ってしまった。人間関係が如何に流動的であるのか、非可逆的であるのか、普遍的な人間関係など存在し得ないことを、限りなく現実的に写実的に映し出している。変わっていくことが必ずしも美しいとは感じられなくなった。変わっていくことは、新しいことを得ることであると同時に、その分古いものを失っていくことなのだろう。

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2024年05月08日

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「響けユーフォニアム」の作家さんである武田さんの他作品を読んでみました。

女性のドロドロした人間関係ものかな、という予想を超えてきた感じ。ジワジワくるサイコミステリー。「響け」が平和、少なくとも直接的な暴力描写はなかったので、ギャップが凄すぎた。ただ、女子間の鍔迫り合いという意味では共通しておりました。

後半の朱音の独白パートは悲しい気持ちになりましたし、ラストで更にあの子が。。うーん悲しい。

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

あの子が1番やばすぎた
同じ事柄でも
育った環境、感じ方でこんなにも変わるのか
自分の正義は誰かにとっての正義でも
正しさでもないのに
それぞれがその正義と正しさを
持ちながら生きていく世界すごいなて思う

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2022年10月11日

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高校生が学校の屋上から飛びおりた。
彼女のまわりの人たちのそれぞれの視点からの話。
学校が、何があったのか調べるため行ったアンケート。それにかなり人柄がでる。不思議なのは朱音の人となりが全然でてこないところ。学校で同じクラスなだけの他人という子までいる。
頭のいい子が、生きている人が大事という祖母の教えを守ってるだけなのだが、ちょっとぞっとする展開だった。

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2022年10月05日

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高校生たちが窮屈な世界で必死に生きる描写がお見事! 自殺したクラスメイトをめぐる青春ミステリー。

クラスメイトの飛び降り自殺をきっかけに、生徒たちの独白を綴りながら物語は進んでいく。少しずつ自殺の真相が見えていき、最後には衝撃的で、なんとも合理的な結論が…

もちろんフィクションなのでしょうが、いま発生している若者たちの自殺にありそうなお話です。
自分も現在、高校生とつながる仕事をしておりますが、彼らの世界や思いに完全に答えてあげられることはとても困難です。ただ笑顔になる手伝いができるのであれば、できる限りしてあげたい。でも、あんたに言われたくない「だから、何?」という感じなんですよね。
大人たちの中途半端な正義感や偽善を鋭利に貫く、心苦しい作品です。

ストーリーはクラスメイトたちの独白で進められます。正直序盤、中盤は話が展開せず、淡々と青春ものを読まされている感じがしましたが、終盤にかけては不気味な真相が見え隠れしはじめ、物語に没頭してしまいました。

若者でなく大人ほど読んだ方がよい作品だと思いました。おすすめです。

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2022年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あるとき、朱音が学校の屋上から飛び降りた。その理由を、クラスの皆が色々な目線から知ろうとする話。
高校生の間では当たり前のように起こっているカースト制、思春期特有の嫉妬、漠然とした正義感、ただ好奇心。様々な人物の目線から朱音の死に対するアプローチが描かれていた。
すべての人間は、自分が主人公の人生を歩んでいる。でも、自分がいなくなったとしても、他人のストーリーでは自分は主人公でも何でもない、ただの名前の付いた登場人物でしかない。それをよく表現しているし、死人に口無しとはよく言ったものだなと思った。

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2022年01月10日

Posted by ブクログ

評価や感想が分かれるお話だと思います。
構成はとても良く練られていると思うし、おもしろいです。
最後の綿矢りささんの解説まで読むことを個人的にはおすすめしたいです。
解説内でも少し触れられていますが、狭い閉じられた空間(クラス)で起こりうる病理をよく現している作品で、朱音の飢えに対して周りとのギャップが凄まじい。
個人的にはこういった後味がなんとも言えない、口のなかでもう味のしないガムがべたつく感じは少し苦手です。
ただ、一度読み始めると否が応でもページを捲りたくなる作品ではあると思います。

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2022年01月07日

Posted by ブクログ

キレーにまとまった。良かった(人は死んでいる)。伏線全部が回収されて気持ちいいーー!!
こういうヤツおるよな、、、が多くてよかった。
構成が上手いんだな…。他作品挙げてあれだけど、告白(湊かなえ)のえぐみを多少薄めましたみたいな感じ。

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2021年05月12日

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