武田綾乃のレビュー一覧
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この本を読んでとにかく懐かしい記憶が蘇った。
毎日の朝練、昼練、部活に居残り練習。
ひたすら技術と音の追求の日々。
わたしも中学時代に吹奏楽部に所属をし(全国へは行けなかったが)、とにかく部活でいろんな経験をした。
こういう活動は、学生時代じゃないとなかなか味わえなかったと思う。
未来が言う「卒業すると楽器を辞めてしまう理由」にも、思わず頷いしまった。
学校の部活もの作品が流行るのは、作者の力量もあるのだろうが、読み手の誰もが通る【学生時代のあの頃】の記憶がどこかにひっかかることも大きな要因の一つじゃないだろうか。
本編で緊張したのは、とにかくコンクールの発表。
練習をやって練習をやって、
それでも結果が出ないことはままある。
ユーフォニアムシリーズと同様、次の行を読むのにドキドキした。
梓だけでなく、部員や母親、旧友と、いろんな人の想いが交錯していた作品。
最後にあのエピローグにするということは、続編は厳しいかもしれないが、個人的には別作品の吹奏楽シリーズも読んでみたい。
いや、そこはやはり久美子たちの2年、3年生編か… -
Posted by ブクログ
3巻は北宇治高校吹奏楽部の心臓であるあすかと、久美子の成長編。
今まで普通であることにこだわり、優柔不断でどこか1歩踏み出せなかった久美子が、やっと成長を見せます。
この物語は本当にキャラクターが魅力的で、優柔不断で流され易い久美子と天才的だが周りを見通す力や相手を思い遣ることのできない麗奈、美しい容姿と優しい性格、そして他人を思い遣る心をもった香織、感情的で暴走し易いが他人想いな優子、そして優しいが故に決断できない部長の晴香と、理論的で完璧な副部長あすか、それぞれが吹奏楽で音楽をすることでどう成長していくのかがこの物語の肝だと思います。
そして悩める子どもたちに対し、少し年を重ねた橋本と新山、滝先生の大人組もなかなかに切ない。
音楽を通してひとはどう生きていくのか。大人になればたかが部活と言ってしまえる人もいるけれど、子どもたちは今その時がすべてなんです。そしてそこには部活という二文字だけでは片付けられない何かがあるのです。そしてそれは大人になったらもう二度と手に入れられない。
滝先生は本当に愛に溢れていて、久美子のどうしてここまでって言葉には一番泣けた。
この小説を読んで、青春って本当に素晴らしいなと思いました。そして自分自身、この小説に共感できる高校時代を送れて幸せだったと改めて感じました。
アニメも手が込んでいて大変素晴らしかったので、ぜひ3巻まで描ききってほしい!!!! -
Posted by ブクログ
文庫版公式ガイドブック第2弾。イラスト、文庫版紹介、著者インタビューなどはもちろん楽しく、懐かしく読まさりましたが、劇場版の入場者プレゼントだった短編と、書き下ろし短編が入って、久々にユーフォの世界に浸れました。
でもやっぱり著者インタビューが楽しかった! 久美子一年生編が終わって、続きを書くことになった時に、すでに3年生編までやろうと考えていたとか、三年生編で登場するキャラと被らないように2年生編でのキャラを考えたり。大変なんだと思うのと、でもだからこそキャラがみんな活きてるんだなぁと思ったり。
十代の時にイタい経験をいっぱいしておくといい、大人だって完璧じゃ無いから、目指しても良いんだって思えるんだ、とか、刺さるメッセージもたくさん。そして人と人がぶつかってしまう、そこから新しい関わりが出来ていくっていう、楽じゃ無いけどきっと良い方に向かっていける、みたいなメッセージ性が、シリーズを通して流れているように思えました。やっぱりステキな物語。
映画はずっと観れてないけどいつか見てみたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ原作シリーズ公式ガイドブック第2弾と銘打っているいわゆるファンブック。
書き下ろしの短編や映画公開時の特典小説、それからtwitterに掲載された140字小説などが掲載されていてなかなか楽しかった。
原作ほぼ未読のアニメ勢なのだけど作者のインタビューや対談などを読んでなるほどーと思うことが多く、特にキャラの位置づけや描き方は腑に落ちた。
二生編で新キャラの奏に【奏ちゃん頼んだよ。あなたに全てを託します】と思って書いたという話が特に印象的。
アニメでは最後の【最終楽章、後編】が映画化されて、ユーフォは完結と言う事だけど、出来ればちょっとしたエピソードの映像化がまたあったらいいなと思う。
そして対談でも話題に上がっていた奏たちの三年生編がいつか描かれたらいいなと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ無責任で自分勝手な”毒親”に”育てられた”子供たち
やり直しがきかない人生なのに救いがなさすぎてやるせない
村田紗耶香先生の「消滅世界」のように、個人に任せず社会全体で子供を育てるシステムにするしかないのかも
毒親は胸糞だけど、自らの手で毒親との関係を断ち切り先へ進もうとする二人に救いがある話でよかった
途中何度かバッドエンドへ向かってしまいそうな分かれ道を潜り抜けて、「愛されなくても生きていくことはできるし生きてていいんだよ」って伝わるといいな
武田先生の(今までに読んだ)作品では絶望的なバッドエンドはないので、そこは安心して読める -
Posted by ブクログ
ネタバレみぞれと希美の関係が、とにかく印象に残る一冊。お互いを大切に思っているからこそ生まれる距離感やすれ違いが、とてもリアルで胸に刺さる。
特に心に残ったのは、そんな希美との関係に悩みながら、みぞれ自身が少しずつ変わっていく姿。これまで希美に依存するようにしか見えなかったみぞれが、自分自身の気持ちと音楽に向き合い、自分の足で前に進もうとする。その変化が本当に良かった。
みぞれの感情がそのまま音楽に乗っていくような演奏シーンも熱い。嫉妬や劣等感、執着といった青春の「きれいじゃない部分」まで描かれているからこそ、みぞれの変化がより鮮明に感じられた。
そして、コンクールの結果には努力だけでは届かない現実の苦さもある。それでも、その経験を糧に前へ進もうとするみぞれの姿に、強く心を動かされた。