武田綾乃のレビュー一覧
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面白いですね~
アニメから入りましたが、小説でより細やかな心理描写に触れられるのもとても良かったです。
綺麗に王道でまとまったストーリーですが、文章の読みやすさや、「この人なら確かにここでこうするんだろうな」と納得できるように一人一人のキャラがきちんと立っているせいで、ご都合主義の安っぽさや無理矢理感とはほぼ無縁で読み進められました。
これだけ爽やかな読後感になれるのも久しぶりです。青春系のエンタメ小説としてとても良い作品だと思います。 -
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ネタバレ前巻でインターハイ出場を決めた希衣と恵梨香の新ペア。
舞台は富士五湖のひとつ精進湖の、カヌー競技場での関東大会が中心。
シングルに賭ける「孤高の女王」こと利根蘭子をはじめ、繊細なパドル捌きで魅せる双子の大森姉妹、山梨からはパワーが武器の神田と堀ペアなど個性的なライバルらが集結。これらの間で繰り広げる、言葉のやりとりと人間関係がなかなか面白い。
レースの結果はというと・・・。「悔しいです。先輩、私、やっぱり悔しい」(p.297)。
エピローグでは、利根蘭子の発言が新たな展開を予感させる。その展開も楽しみだが、選手としてではなく大会の後方支援を任されている黒部舞奈の「君と、そしてみんなと、漕ぎた -
購入済み
後始末は?
今日2月28日 誓いのフィナーレのブルーレイが届いて見終わり、改めてこれを
読み返し、感動を新たにした。
どうもやっぱり気になるのは、久美子たちの次世代に繋ぐストーリーで
誰を幹部に選ぶのか? とか、アンコンへの参加など...
是非番外編をお願いしたいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久美子世代3年間の集大成
変にひねった物語にせず、王道展開でとても良かった。
盛りだくさんな内容の中で、卒業生達のエピソードもさりげなくあって嬉しい。
個人的に感動したエピソードが二つ、一つは恐らく最後になる大吉山のシーンで、映像化されたらとても美しい絵になると想像できる。
もう一つは、ずっと第三者目線で立ち回っていた黒江真由が、ようやく吹っ切れた久美子に引っ張られて奏と3人で写真を撮られる場面。
ずっとぎすぎすしていたユーフォ組がようやく和解する象徴的なシーンに見えてほっこりした。
これで最後かと思うと寂しいが、作者の今後の展開に期待しております。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ天才肌の1年生が入ってきて、努力型の先輩とのコラボでミラクルが起こるような青春部活物としては、『はねバド!』や『風が強く吹いている』とか、天才肌ではないけれど周りへの影響力がある1年生のパターンでは『響け!ユーフォニアム』や『弱虫ペダル』『僕のヒーローアカデミア』なんかを連想。「プロローグ」によってその他の未来の可能性が狭まっちゃうような気がするし、ない方がシリーズ物として長く続けられそうな気もするけれど、あえて変化球なのかな。プールで一緒に練習しているときの千帆と舞奈とか、希衣と千帆が好きなものを店で注文して取り替えっこする場面とか、繊細な心の動きがいかにも女の子っぽいし、女性作家ならではと
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Posted by ブクログ
ネタバレ小学生からのペアが存在する鶴見希衣と今まで一人でやっていた湧別恵梨香が、「"君と"漕ぐ」ことを選択することによって、一方は今までのペア(親友)という呪縛からの解放、もう一方はペアで(他人と)組むことを通して自己を外に向けて解放するお話。
読み始めは初心者の黒部舞奈のお話かと思っていたが、上記の通りのお話であった。
同じ時間を過ごしていても、知ることが増えるだけで、分かりあえるわけではない(pp.246-247)のは、まぁそうだよなぁと思った。
カヌーに対しての基礎的な知識がないため、イメージが少々掴みにくいところはあったが、大会当日、レース前の緊張感は文面を通して伝わってき -
Posted by ブクログ
ネタバレながとろ高校入学前日に出会った黒部舞奈と湧別恵梨香。二人が入部したカヌー(カヌースプリント)部の先輩で、小学校からオリンピックを目指してカヌーを続けていた鶴見希衣と天神千帆。この4人の少女達の間に生じる人間関係を追う形で話は展開する。
初対面でも興味を持った人には無遠慮に近付いていく天真爛漫な舞奈(カヌー初心者)。小6での不登校を機にカヌーを始め、人と交わらず大会にも出ずたった一人で漕いできた恵梨香。そして、小学生時代からずっとペアを組んできた千帆と希衣。「千帆と一緒に上を目指す」という想いを抱く希衣と、そんな希衣の想いを「重荷」と感じる千帆のすれ違い。そこに、過去はベールに包まれているが圧