武田綾乃のレビュー一覧

  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 後編

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    ネタバレ

    梓の「人に頼られることが好き」という性格が、後編ではさらに深く掘り下げられていて面白かった。面倒見がよく、周囲から頼られる存在である一方で、そこに自分自身の居場所を求めてしまう危うさもあり、梓というキャラクターが一気に立体的になったように感じる。

    特にあみかとの関係は、単純な先輩後輩や友情では片付けられない生々しさがあって印象的。お互いを必要としているようでいて、その距離感が少しずつ変化していくところに、高校生ならではの不器用さや繊細さがよく表れている。

    そして、梓を取り巻く先輩たちがとにかく格好いい。厳しさの中にも後輩をきちんと見ている優しさがあり、こういう先輩がいるからこそ部活の物語は

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    2026年08月14日
  • ここはこどものいない国

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    2226年。人類は 性欲、食欲、睡眠欲。の
    三大欲求を克服していた。

    出生率の低下が国力の低下に直結すると
    痛感した人々は 2119年に科学技術による出産の工場生産化。つまり人間の工場出産に踏み切った。
    日本の工場出産児たちは自然出産児たちと同様に基本的人権を保障され、政府管轄下の施設で0歳から18歳になるまで育てられやがて労働力として全国の職場へ派遣された。
    “子どもを産まなくても社会が持続できるのであれば、その苦労をどうして自分が負わねばならない?”
    工場出産児が増加するとともに自然出産児の数は劇的に減少していった。

    工場出産児は全てが平等だ。受ける教育も食べるものも。親から受け継がれ

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    2026年08月13日
  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編

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    ネタバレ

    立華高校の物語ということで、今回は特に楽しみにしていた一冊。

    以前から京都橘高校の実際のマーチング映像を見ていたので、立華の演奏やパフォーマンスの場面が頭の中で具体的にイメージでき、物語への入り込み方がいつも以上に深かった。

    本編の北宇治とはまた違う、マーチングの強豪校ならではの厳しさや熱気が新鮮で面白い。

    華やかな演奏の裏側にある努力や、部員同士の葛藤、人間関係もしっかり描かれていて、単なるスピンオフではなく、独立した青春物語として十分に楽しめる。

    主人公・梓の真っ直ぐさや不器用さも魅力的。実力があるからこその悩みや、周囲との微妙な距離感など、武田綾乃らしい「青春の苦さ」が随所に感じ

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    2026年08月11日
  • ここはこどものいない国

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    200年後、こどもを育てることはペットと暮らすこととほぼ同義になった世界。品種改良された、誰にも迷惑をかけない、都合のいいところだけを凝縮した赤ちゃんを愛でる世界。

    人間の仕組み上、出産も生理も女性にだけ課されている役割で、私はどちらかというとそれについて憤りを感じることがある側の人間だと思う。でも、じゃあどんな社会を望むのか、についてはよく考えていなかったなと思い知らされた。
    子供を産み育てていくことを社会が担った先にある世界がこれ、というのは、2026年を生きる私からするとまあ合理的だけど冷酷なものに見える。特に、帰る場所がない、家族や親という概念がない、という部分については。


    産ん

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    2026年08月08日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話

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    ネタバレ

    本編では描かれなかったキャラクターたちの一面を知ることができて、とても楽しめた。

    何気ない会話や過去のエピソードを通して、それぞれがどんなことを考えていたのかが見えてくると、これまで読んできた本編の場面まで違って見えてくるのが面白い。

    中でも、あすか先輩の魅力がさらに増した一冊。

    飄々としていて何を考えているのか分からないように見えるのに、その内側には彼女なりの繊細さや複雑な感情がある。

    普段のあすか先輩とは少し違った表情を覗けたことで、ますます好きなキャラクターになった。

    大きな大会や劇的な事件がなくても、北宇治のメンバーたちにはそれぞれの青春がある。

    そんな「本編の隙間」にある

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    2026年08月08日
  • 可哀想な蠅(新潮文庫)

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    詩乃、私多分出会ったことある。
    幸い深く関わることはなかったけど、当時の私はなんとか助けたい、力になりたいって思ってたし、彼女が頼る先が自分じゃなかったことにも苛立ちを覚えていた。

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    2026年08月07日
  • ここはこどものいない国

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    ネタバレ

    2026年日本。99%の人間が工場で生まれていた。
    その後,寮生活し、学習舎で学び,優秀な個体は大学へ。そのほかは高校のあと、就職する。
    親はいない。
    人間の庇護欲は、PBといわれる人形ペットで満たされる。PBの寿命は10年。見た目も知能も人間の赤ちゃんの7ヶ月で止まる。泣かない、おむつも1日2回ほど。ミルクも自分で飲む。手間のかからないペットだ。
    美奈子はそのPBを作る会社の廃棄部門で働いている。
    実は,美奈子は自然出産で生まれた。ある集落出身だった。学校に行く年齢になると工場生まれと同じく学習舎に入った。だが、工場生まれ子達は優秀遺伝子の組み合わせで作られているのでいくら勉強しても美奈子は

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    2026年08月07日
  • 響け! ユーフォニアム 3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機

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    三巻は間違いなく田中あすかという人物のための一冊だった。これまで飄々として何を考えているのか掴めない先輩という印象だったが、その笑顔の裏に抱えていた葛藤や弱さを知り、一気に好きなキャラクターになった。誰よりも音楽を愛しながら、自分の気持ちを押し殺して部を支え続けてきた姿には胸を締めつけられる。

    そんなあすかに真正面から向き合う久美子の成長も見どころで、二人のやり取りはシリーズ屈指の名場面だと感じた。ただの青春部活小説ではなく、それぞれが抱える事情や本音を丁寧に描くからこそ、登場人物一人ひとりが鮮やかに心へ残る。

    読み終えた今では、田中あすかという存在そのものが『響け!ユーフォニアム』という

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    2026年08月06日
  • 響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏

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    ネタバレ

    『響け!ユーフォニアム2』は、コンクールを目指す熱い青春だけでなく、希美とみぞれを中心とした過去の因縁が丁寧に描かれていて、とても心を揺さぶられた。

    一年前の退部騒動をめぐる二人のすれ違いは、誰か一人が悪いわけではなく、それぞれが相手を思っていたからこそ生まれた悲しい誤解だったことが伝わってくる。

    だからこそ、二人が少しずつ本音をぶつけ合い、前へ進もうとする姿には胸が熱くなった。

    この2人の物語は「リズと青い鳥」というアニメで見られる様ですね。

    部活という閉ざされた世界だからこそ生まれる人間関係の繊細さや、言葉にできない感情の機微がリアルで、青春小説としての完成度の高さを改めて実感した

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    2026年08月04日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ

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    青春は、いつだって眩しいだけのものではない。本作を読んで改めてそう感じた。吹奏楽部というひとつの世界には、実力主義だからこその嫉妬や焦り、先輩後輩の埋めきれない距離、口にはできない本音が静かに渦巻いている。「みんな仲良し」という理想では片づけられない感情が丁寧に描かれているからこそ、登場人物たちの一歩一歩が胸に響く。青春物語でありながら、その陰に潜む苦さや痛みを隠さず描いているのが印象的だった。

    それでも彼女たちは楽器を手に取り、誰かと音を重ねることをやめない。不協和音のようだった心が少しずつ重なり合い、一つの音楽へと変わっていく過程は、まるで人が成長していく姿そのものだった。綺麗事だけでは

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    2026年07月30日
  • ここはこどものいない国

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    ネタバレ

    タイトルの通り、こどものいない国。
    親から産まれるのではなく、より良い遺伝子で産まれてくる子供達。PBと呼ばれる歳を取らないペットの赤ちゃんを飼う人々…

    かなり壮絶な世界観でした。
    美奈子は自然に親から産まれた子故の、故郷の集落の価値観が外の世界では通用しない事を子供心に知る事となり、かなり達観した感じがしてました。

    そして、同じ会社で出会った幹部候補生の伊藤。彼女は自分で子供を産む事を望んでいた。相反する2人が次第に近づいていたけれど、母が以前弟を出産する時に子供を取るか母体を取るかで父と揉めていた経験を持つ過去があり、伊藤がそれを美奈子に強要しようとしていたのが痛かったです。

    美奈子

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    2026年07月29日
  • 愛されなくても別に

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    感情と行動の表現がリアルで良かった。同じような境遇にいる人の間に生まれる小さな優しさも感じた。また、色んな形をしたその人の苦しさが表現されてるのも面白かった。

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    2026年07月27日
  • ここはこどものいない国

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    なんて味気ない、気持ち悪いんだろう、子どものいない国とは。そう思ってしまうけど、生まれたときからそれが当たり前の世の中だったら、別に何とも思わないのかもしれない。
    何なら、子どもなんていらないと思っていた以前の私は、子どもが自然に産まれないPB(ペットベイビー)が流行っている世の中に納得してしまっていたかもしれない。だって、出生率がどんどん下がっているこの国に未来はないし、だったら機械的に人間が生産されて経済も回る国になった方が合理的だから。

    出産した今は、見方が変わった。子どもは思ったとおりにいかないし育てるのも大変だけど、だからこそ楽しみがある。手もかからないし、大人たちに迷惑もかけない

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    2026年07月24日
  • ここはこどものいない国

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    くぅぅぅ、こうなってしまうのか2226年の日本よ。でも、間違いではない。だってタイパとコスパと物価上昇、子育てがバツゲームようなこんな社会で、誰が子どもを育てたいのよ。わたしは2026年でも子供を持つ意味を理解できないけど、子供を持つ意味が「世話をする対象が欲しい」「国力を維持するため」なら、この世界で成り立った、優生遺伝子同士を掛け合わせた素晴らしい子供を工場で量産する形とペットの赤ちゃん(決して泣かない、世話の必要も最低限で可愛い)でいいんだもんね。

    同性婚もOKになり、学習舎とよばれる養育施設で子供はまとめて育つことで「子どものいない国」になった日本。三代欲求も克服した社会。何を楽しみ

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    2026年07月16日
  • ここはこどものいない国

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    3大欲求を克服した、今から200 年後の2226年。
    人は工場生産されるのが当たり前で、自然出産を選択する地方の一部の集落の人々は「自然派」として遠巻きにされている。
    主人公の美奈子は自然出産で生まれたが、母との確執から東京へ上京。むしゃくしゃする度に、契約社員として働く会社で、作り損ねた廃棄PB(ペットベイビー)を密かに盗んでしまう。
    そんな日々を送る中で、正社員としてやってきた新人から、「私、妊娠してるんです」と打ち明けられ…。



    単純に、世界中の人がそれを常識とすれば、まかり通るのが世界なのか。
    ならば200 年も経てば、ぞっとするようなこの物語の世界も、現実になるかもしれないな。

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    2026年07月11日
  • ここはこどものいない国

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    2226年、人間が工場生産され、成長しない愛玩赤ちゃんPBが飼われる日本。突飛な設定なのに読むほどリアルで背筋が冷える。完璧に管理された無機質な世界だからこそ「愛って温度ですよ」という言葉がじわりと沁みた。そして「子どもを持つことは罪ですか」——この問いが200年後ではなく今の私たちに向けられていることが一番恐ろしい。常識も愛し方も違う美奈子と伊藤が、それでもそばにいようとする姿に胸を掴まれた。

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    2026年07月03日
  • 彼女。

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    FPSで知り合ってタッグを組んだママユとノエの話(『百合である価値もない』)が1番好みだった。
    百合って、何故か「美女×美女 が当たり前」みたいな風潮があると思う。それでも一般人だったら、別に美女×ブサイクやブサイク×ブサイクでも全く問題ない。ところが有名になってしまうと、叩かれることになる。美しいものを見たいという人の気持ちって、他人の悪口を言ってまでの強いものなのだろうか。
    「私の整形についてどう思う?」とママユから聞かれたノエの返答が最高過ぎる。人の恋愛に顔面偏差値まで持ち出してとやかく言ってくる世間を本当はぶっ潰したいが、結局は世間に迎合してしまっているわけでしょ?でも、そこまでして一

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    2026年06月23日
  • 嘘つきなふたり

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    偶然再会した光と琴葉。小学校の修学旅行前に転校してしまった琴葉の提案で、二人で修学旅行をやり直すことになる。母親の言いなりに東大法学部から弁護士を目指す光と、男好きなシングルマザーの母親に振り回されながらも母親が大好きだった琴葉。互いに嘘を抱える二人の京都旅行は、小学校の担任教師の死も影を落とし、苦い部分もあるが、互いを理解し合い、忘れられない旅になる。女の子の友情物語好き。京都で会う、二人の大人の女性が深いこと言う。いい男をつかまえて専業主婦になるのが夢の女子大生と推してたアイドルが引退して傷心旅行に出るOL。どちらも他人から見ればくだらない生き方してると言われるだろうけど、人はそれ

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    2026年06月22日
  • 飛び立つ君の背を見上げる

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    中川夏紀視点の南中カルテットのお話。

    ユーフォは基本アニメ勢なのでアニメで描かれなかった部分が補完されてー例えば2年生の部員が大量に辞めた事情とかー理解が深まった。
    意外だったのは、夏紀のキャラがアニメ見て思っていたのとはちょっと違ったこと。
    まあ、彼女視点で内面が語られているからというのはあるだろうけど、他のメンツは優子にしてもみぞれにしても思っていた通り(希美は少し違うか)だった。

    特になかよし川の絡みはもう、なんというか、お互い、相手といると遠慮なく素を出せる、もしくは出さされてしまう関係はほんと相性ピッタリと言うか腐れ縁というか笑 
    大学で二人がバンドをやっている経緯もわかって二度

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    2026年05月22日
  • 貴女。

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    青崎有吾さんの話が読みたくて手に取る。
    生首を作る首師という特殊な職業の話。城主でもある姫への恋愛と首師への矜持が天秤に乗る話で面白い。

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    2026年05月14日