武田綾乃のレビュー一覧
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ネタバレ色々と衝撃的な後編だった。
まず、吹奏楽コンクールがダメ金という結果に終わってしまったこと。どんなに納得のいく演奏をしても、それ以上に他校が上手かったらしょうがない。それは分かってる。物語の主人公がいつも勝てる訳ではないが、ここまでリアルなのか…。ダメ金だって銀賞、銅賞に比べたら凄いんだけど、でもやっぱり全国まで行けなかったという悔しさの方が大きい。これはますます久美子たちの最後の年に全国で金を取るという期待を高めてきているが、3年生にはもう後がないんだよね…。
次に、久美子が新部長に抜擢され、部長としての職を全うするために秀一との別れを決心したこと。
真面目すぎるんだよ久美子は…。久美子の -
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ユーフォロスの流れで。夏紀先輩が主人公のスピンオフ小説。
愛おしくてたまらない思春期感と優子との関係の尊さ。
本編では他者からの眼差しである「いい人」たる彼女を見ることが多かったけどその内面が描かれることで他の一人ひとりにも同じように個々の想いや物語があるのだろうなと思わされ、よりシリーズ全体に奥行きや息づかいが感じられるようになる。あのシーンで本当はこんなことを考えていたんだろうあんとか想像が膨らむ。
卒業式前後の心情を見事に切り取っていて読んだ人はきっと自分の当時のことも思い出してしまうはず。
矛盾を抱えた不器用さや自分のことをいい人じゃないと思いながら悪者にはなれないピュアさを持っ -
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ネタバレ久美子たちもとうとう2年生か。頼りにしていたあすかが卒業し、1年生が入ってきて、久美子にも可愛い後輩(奏)ができる。久美子、大丈夫かなと思いきや意外にしっかり周りを観察していて、人間関係のいざこざにもしっかり対処できていた。え…ぼんやりしている様に見えて優秀やん…。
奏ちゃんはなかなかに曲者で、演奏者として腕は良いし、人当たりも良いんだけれど、苦手な先輩には冷たい態度だったり、同学年の求が嫌がることを本人にわざと言ってしまったりする。こんな後輩いたら非常に扱いづらい…
で、奏より演奏技術の低い夏紀と奏の仲もお世辞にも良いとは言えなくて、コンクールの選抜オーディションで一悶着起こる。
これ、奏 -
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私は誰かに愛されること(恋愛)で自分の存在を確かなものだと思うことができた。よって思春期から24歳の今まで恋人がいなかった時期はほとんどない。
友達なんて私のことを好きかは分からない。とりあえず今求めていることを得られるから一緒にいるだけかも。他人なんてもっと不信。
恋人は私のことを愛している限り、横にいてくれる。分かりやすい関係だから、私は私であっていいんだと安心させてくれる。
自分が弱く、でも強がりたい、負けず嫌いであることは重々承知。強くなりたくて、勇気を出して好きではなくなった彼氏とは別れ、1人で生きるぞ!と毎度心に決める。しかし私はやはり弱く、すぐに私を好いてくれる人の腕にすっぽ -
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ネタバレレズに焦点を当てた話だった。
話によって当たり外れがあるけど、あたりの素晴らしさで⭐️4にしました〜
前半は面白くない、後半が面白い
あと、後半になるにつれ内容が過激に…笑
私はエロがないと楽しめないのかもしれない笑
あとは、有名作家さんの方が今回はハズレが多かった気がする。
特異性を狙いすぎるからかな?
全体として、やっぱり登場人物が毎回美人。
百合であるためには美人であることが必須なのか。
◯当たり
斜線堂有紀「百合である値打ちもない」
相沢沙呼「微笑の対価」
◯ 斜線堂有紀「百合である値打ちもない」
面白かった、本当に面白かった〜
他の話と違って純恋愛に偏っているし、
エッチ -
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ネタバレアニメにはないストーリーが読めるなんて嬉しい。
久美子の中学時代の友人である梓が主人公。立華高校に進学し、吹奏楽部で奮闘する。
先輩や、ときには同学年の子たちと、ギスギスしたり喜びを分かち合ったりしながらも淡々と真面目に練習を続ける梓は孤高の人だと思う。実際、実力もあるし、人当たりも良いしでもう完璧なんじゃなかろうか。
でも、そんな梓にも中学時代の友人とのわだかまりがあったり、前編の最後では「梓ちゃんがいなくても大丈夫だよ」と言われてしまったりと、この先重苦しい話が待ち受けている予感がする。
トロンボーンパートの1年が、この先バラバラになってしまいそうで怖い…(けど筆者のことだ、ちゃんと最後は -
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毒親に振り回され、苦しみながらも生きる3人の大学生女子の物語。
家にお金を入れるためバイト漬けの宮田、殺人者の娘という肩書きから逃れられない江永、執着する母から逃れ宗教にすがる木村。
負の感情を生々しく描きながらも、どこかサラリとした文体のため、彼女たちが他人事とは思えないほど感情移入した。子どもは親を選べない——まるで不幸の背比べを見ているような感覚に陥るが、それでも彼女たちが希望を持てる社会であってほしいと願わずにはいられなかった。
タイトルの「愛されなくても別に」は、一見斜に構えた言葉のようでありながら、読後にはむしろエネルギッシュで、生きる活力を感じさせるものへと変わる。心に深く刺