武田綾乃のレビュー一覧

  • その日、朱音は空を飛んだ

    Posted by ブクログ

    ある出来事を複数人の視点から描く作りの本でも最高の部類かも。
    莉苑の造形が良い。残酷なのか。いやまあ、生きてる人のためにあるべきという考えがもとの行動。
    これはアニメにはできないだろうな、多分つまらない。

    0
    2022年07月02日
  • 青い春を数えて

    Posted by ブクログ

    青春の切実な痛さとその先にあるきらめきを感じた短編集です。描かれる人物はみんな女子高生なのだけど、彼女たちの抱える悩みや葛藤というものはどこか身に覚えのあるもので、性別の違う自分も学生時代を思い出し、少し胸が痛くなるような気持ちになりました。

    収録作品は短編5編と掌編2編。描かれるテーマは部活での友人関係や後輩との関係性、受験をめぐるもやもやとした感情、あるいは姉妹関係であったりクラスや社会に対する違和感であったりします。

    テーマ自体はそこまで目新しいという感じでもないけれど、語り口や登場人物たちの心理描写がみずみずしくとにかく共感しました。

    失敗に対する恐怖。自分だけを頼ってほしいという感情。なんでも器用にこなしてしまうがゆえの不満。部活できらめいている友人に対する負い目。クラスメートに対する違和。自分に対する嫌悪。

    彼女たちの痛さは自分の中のイタさを思い起こさせる。学生時代はもちろんたぶん今でもそのイタさというのは心に残っている。だから共感してしまう。

    ただこの作品は痛さを描くだけではありません。各短編の彼女たちの痛さはきちんと昇華され、次の一歩へきっとつながるのだろうと感じさせてくれます。痛さとイタさの先にある成長を描いているからこそ、自分はこの短編集が好きだと思いました。

    学生時代の日常の切り取り方と心理描写の鋭さが本当に素晴らしい作品でした。

    0
    2022年05月23日
  • 石黒くんに春は来ない

    Posted by ブクログ

    武田綾乃さんの本は『青い春を数えて』に次いで2作目として読みました。中盤からストーリーが展開していき、終盤は怒涛の伏線回収で面白かったです。
    やはり武田綾乃さんの本なので、一番最後の文章に小説で表現したいことのすべてが注ぎ込まれていて、物語の展開が最後の文章に繋がっていることを理解できると鳥肌が立ってくる。
    最後が気持ちよく終わるので、この本に出会えて良かった、という気になる。

    ただ、本当に申し訳ないが、中盤のストーリーで現実離れしたような展開が許容しがたい。むしろこの本の解説にあった「LINEグループからハブられていたエピソード」の方が面白くてリアリティを感じてしまった。

    0
    2022年05月22日
  • その日、朱音は空を飛んだ

    Posted by ブクログ

    飛び降り自殺した少女について、色々な視点から語ることでそれぞれの人物のすがたが浮かんできて、読み進めるたびに物語が違う形になっていくようで面白かった

    2回読みたい

    0
    2022年03月13日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編

    Posted by ブクログ

    無事に完結してよかった。主人公達の熱い想いがぶつかり合っていてとても良かったです。あすかの出番少なすぎでは。それだけ久美子が成長したということなのかな

    0
    2022年02月06日
  • 石黒くんに春は来ない【無料お試し版】

     

    購入済み

    スキー教室の夜に姿を消した少年は、雪山の中で救助されるが重体。クラスメイトとの人間関係に問題があったと言う保護者は、入院したままの少年を転校させた。日常生活を取り戻した生徒に、少年からのメッセージが届く。

    0
    2021年12月12日
  • 君と漕ぐ4―ながとろ高校カヌー部の栄光―(新潮文庫nex)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     天真爛漫な舞奈が実は結構中身は大人だってのは意外でした。愛されて育ったんだろうなって感じだったのに、親が離婚してたとは。それでも真っ直ぐな性格なのは愛されてるからなんだと思います。

     そして、いつもどこかで千帆に対して線引きをしていた希衣も、ようやく自分の殻を破ってきてこれからが楽しみです。

     新入生の富歌も中々癖のある子ですが、カヌー部に入って活躍できるのを期待しています。

    0
    2021年11月08日
  • 青い春を数えて

    Posted by ブクログ

    苦しくて、でもそれが現実で大人になればいい思いでにだって言う人は多いだろうけど、今日明日を生きることは私や彼女達にとってはとても大変な事で。こなければいいと思った。連絡も知らせもないなら時間ごと止まればいいと思った。だから、彼女が「死ぬ?」と言った姿が凄く綺麗に脳内に描かれて、凄く儚いんだけど、そこには彼女が生きていて、高校生のヒリヒリした感じが凄く伝わってきた。
    誰かにとっては「たったそれだけ」の事だったかもしれないけど、その人にとっては「たった」とは思えない事だったんだと思う。
    心中を考える姿も、綺麗な描写も、全てが青春で、綺麗で素敵で、キラキラしてて、とてつもなく痛いものだった。受け止めれる内容じゃなかった。それでも彼女達は生きていて行くんだろうなぁ。大人になりたいと思いながら。

    0
    2021年11月04日
  • 響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏

    Posted by ブクログ

    狭い部屋で吹奏楽部の発表を聞く機会があり、演奏の始めに全員が息を吸い込む音が聞こえて、それがなんかもう、色々なものが凝縮された音に聞こえてそれだけで泣きそうになったことがあります。
    なんでしょう、部活を扱ったお話はたくさんあるのに、何で吹奏楽部だけ特別に見えるんでしょうね。最後に聴衆に向けて熱い固まりをぶつけてくるからかなぁ。
    アニメ見ようかな。

    0
    2021年10月12日
  • 響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏

    Posted by ブクログ

    コンクールに向けての猛練習。
    そこへ早朝から誰よりも一番に練習にやってきている2年のみぞれと、突如部活動に戻りたいと申し出た希美、それを許さない3年のあすか。
    1年の久美子には事情が掴めないけれど、吹部で何かが起こっている。

    シリーズ2冊目の見どころは、それぞれが抱える思いの違いだと思います。
    みぞれの思い、希美の思い、優子の思い、夏紀の思い。
    それぞれが絶妙にすれ違っていて、この年頃の女子の関係性がもどかしく感じました。

    相手に執着したり、実はお互いにお互いを本当に理解はしようとしてなかったり、表面的な仲の良さと、客観的に見たときの関係性のギャップがうまく描かれていたと思います。

    関西大会にかける各校の思いも感じ取れて、コンクールって見た目ほど華やかじゃなくて、みんな必死の思いで、たくさんの時間と労力をかけて、勝負をかけているのがよく伝わってきた。
    勝ち負けのある世界だから、誰かが涙を飲まなきゃならない、すごく残酷な世界でもある。
    負けたとき、勝ったとき、どちらも、かけた思いの分だけ大きい。
    一巻の最初の久美子の反応と、二巻後半の久美子の心の動きを比べると成長を感じた。

    0
    2021年08月27日
  • その日、朱音は空を飛んだ

    Posted by ブクログ

    自殺した女の子を取り巻く世界の話。
    短編というか、その自殺周辺の色んな人の話の話が刻まれて書かれていて、面白い構成。

    最初遠い人間からどんどん近付いていくのが面白くてススム。
    最後自殺の理由?書かれてるのが意外、色んな要因があって明確なネタ明かしって無いと思ってた。

    思春期って何でこういう感情何だろう?って思う。
    今歳取って振り返ると、思春期独特の感性とか未熟さって本当不思議。
    そういう多感な時期の、色んな感情が読めて面白かった。
    ヒエラルキーとか、人間関係の複雑さとか、社会人になるとなあなあになるのか慣れるのか…。
    あの時の妙に敏感な感じとか、常に周りが気になるのとか、自分が思いもせずに誰かを突き動かししてたり。。。
    本当危うい時期…凄く表現上手くて一気読みできた。

    0
    2021年08月21日
  • 君と漕ぐ―ながとろ高校カヌー部―(新潮文庫nex)

    購入済み

    カヌーか!

    読み終わってから気付いたけど、この作者さん「響け!ユーフォニアム」の人なのね!!部活ものっていうか、高校生ものが得意なのかな~

    それぞれの人物の描き分けも良いし、気持ちの微妙な動きが現れている言動の描写も上手いです。

    利根選手とは、あれしか絡みが無かったけど終わりなのか?…続きがあるのか?

    0
    2021年07月14日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 後編

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いよいよ完結! なかなかに感慨深い。最後までとっても面白かったんだけど、話の焦点が自分のパートに転入してきた優れた奏者の真由と主人公久美子の葛藤と、それをめぐる周囲の反応ということに集中しすぎていて、物語が個人的に見えてしまうきらいを感じた。
    今までは、主人公が持ち前の共感力で部内のいろいろな人間関係の問題に首をつっこんでいって、部内の人間関係の全体的なあり方を私たちに見せてくれる一歩引いた語り手という位置にあったので、それが物語に重層的な厚みをあたえてくれていたんだけれど、本作は主人公自身の問題を中心に話が回っていくので、そういうつきはなした感が薄く、せっかく主人公が部長という立場をになってリーダーシップを発揮していく立場へと成長しているはずなのに、あまりそれがよくわからずじまいだった。

    部長にソリを担当させたいという部内の雰囲気と、物語をハッピーエンドに向かわせたい読者からの期待の圧力とは、おそらく作者にとってパラレルだったはずだったけれど、物語の展開がハッピーエンド路線に進んでいく中で、困難に面した時の主人公の成長が置き去りにされたように感じられてしまった。

    最後まで真由にソリを担当させることで、主人公にはその葛藤に自ら決着をつけさせるべきだったのではないかと感じた。

    0
    2021年05月17日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編

    Posted by ブクログ

    キャラクターそれぞれが求めるものに葛藤を設定することで、ぶつかりあう人間関係をどう解消させていくか
    というドラマづくりはこれまでの作品同様。
    ここでは主人公が中間の二年生になるので、これまでにはなかった真ん中の視点から
    同じユーフォパートの「実力はまだそれほど高くないけれど、人間的にはよくできた先輩」夏紀と
    「優秀で、実力があるのにこれまではそれで人間関係で割りを食ってきた後輩」奏の間の葛藤が
    描かれている。こういう対立軸が作品の中にいくつかあって、それらが同時並行的に進むという作品。
    もう一つは、前作から引き続いての「友達に依存する性格だけど、努力と才能を兼ね備えた」みぞれと、「より自立的な性格で、相手を今まではひっぱってあげている立ち位置ではあったけれど、みぞれほどの才能はなかった」希美の葛藤。
    それぞれにとてもリアルに心情が描かれながら、その葛藤をとても良い所に落とし込んでいくので読んでいて熱い気持ちになれる。

    0
    2021年05月13日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、決意の最終楽章 前編

    Posted by ブクログ

    久美子3年生編。
    部長としてまた高校3年生としての悪戦苦闘。

    部長としてきちんと部をまとめられるのか、進路をどうしたらいいか、そして新加入の黒江真由に立場を脅かされるのではないかという恐れ。
    何か一歩踏み外せばズタズタになってしまうのではないかという久美子の気持ちが伝わる。

    0
    2021年01月11日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話

    Posted by ブクログ

    吉川優子の代を中心とした短編集。
    こういう短編集があることで、『響け!ユーフォニアム』シリーズは久美子が主人公であるが、吹奏楽部部員達の群像劇でもあるということを再確認できる。
    十一章めの卓也と梨子の話がお気に入り。

    0
    2021年01月09日
  • 放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ☆「その爪先を彩る赤」(武田綾乃)
    生徒会でこき使われてるボクっ娘が、多重人格と言い張る理事長の娘とともに、演劇部の小道具(赤い靴)盗難事件の謎を追う。
     ☆「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」(斜線堂有紀)
    文芸部の部室で部員が殺された謎を、奇人の部長が解く。ほのぼの系が多い中で、オチの付け方など、かなり異質。
     ☆「黒塗り楽譜と転校生」(辻堂ゆめ)
    合唱コンクール用の楽譜が黒塗りにされた理由を、語り手の少女の、幼馴染である変わり者の男子が解く。リア充滅せよ。
     ☆「願わくば海の底で」(額賀澪)
    これもトーンが重い。3.11で消息を断った祖父の足跡を追う青年を、手伝うことになった語り手。彼の美術部での先輩もまた、震災で行方不明となっていた……。これミステリになるのかな、と思ってると。
     ☆「あるいは紙の」(青崎有吾)
    裏染天馬シリーズのスピンオフ。本来ブレーキ役の新聞部副部長が、彼なりに探偵役を務める。このシリーズ食わず嫌いで読んでなかったけど、読んでみようかな。

    以上5作。学園モノだからか、探偵役のキャラが濃い話が多い。そのせいでシリーズ物の第一話みたいだな、と感じた。実際にシリーズ物なのは、「あるいは紙の」だけのようだが、案外このキャラで別の話が書かれるかも知れない。

    0
    2020年12月21日
  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『響け!ユーフォニアム』本編で少しだけ登場した、久美子の中学時代の友人梓を主人公にしたスピンオフ。
    本編では触れられなかった、マーチング強豪校立華での梓の出来事。

    梓とあみかは共依存のよう。
    能力のある後輩が部内に波風を立てないよう、梓が社交に気を配る様子が苦しかった。
    そういう意味では、高坂麗奈と対照的だなと。

    後編ではその八方美人ぶりに苛つく芹菜とのエピソードが深掘りされそう。

    0
    2020年12月16日
  • 放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー

    Posted by ブクログ

    五人の作家達が、高校生の青春をテーマにしたミステリーです。

    初めてアンソロジーという作品を読みましたが、それぞれの作家さんの色が出ていて、面白かったです。今までの作品から出てくる雰囲気や構成が滲みながらも短編に仕上がっていて、1つで5つの味を味わえました。

    「その爪先を彩る赤」  武田綾乃 
    演劇部で使われていた赤い靴が行方不明。果たして何処へいたか?
    主に女子高生を中心に描いていて、生き生きとした表現にアニメを見ているような雰囲気や元気さが伝わってきました。


    「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」 斜線堂有紀
    軽度な犯罪かと思いきや、殺人事件が発生。果たして犯人は?
    サスペンスを得意としている斜線堂さん。ガッツリと本格的で、短編集ながらもドンデン返しや高校生たちの繊細な心理描写が描かれていて、満腹感がありました。


    「黒塗り楽譜と高校生」辻堂ゆめ
    合唱の練習中、途中の譜面から黒塗りになっているのを発見。果たして誰がやったのか?
    伏線の回収が絶妙な辻堂さん。今回も何気ない行動が、後に大きな意味を持っていることに実力発揮されている印象でした。「負」の状況になりながらも、前に明るく踏み出そうとしている表現や雰囲気が良かったです。


    「願わくば海の底で」 額賀澪
    東日本大震災から5年後。あの日の祖父の足取りが知りたいという三浦。色んな所で証言を聞いていると、ある隠された事実が見えてきます。
    この作品の中では印象深くて、心に刺さり、さらに重い気持ちながらも良かった作品でした。登場人物の心理描写が丁寧で、思いの丈をぶちまけるシーンが読者の心を揺さぶりました。


    「あるいは紙の」 青崎有吾
    最近何度か見かける高校内での吸殻。誰が吸っているのか、あの探偵が登場します。
    「〜の殺人」シリーズの裏染天馬の推理が華麗で、披露する人は異なっていますが、着々と犯人に追い詰めていく過程が面白く、短編では短すぎる。もう少し読みたいと感じてしまいました。

    一人一人の作者さんの特色が詰まった作品で、軽いものから重めな話まで面白かったです。

    0
    2020年12月07日
  • 放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    それぞれの作者の個性が出ていて面白かったですね。

    東日本大震災を舞台にした「願わくば海の底で」は考えさせられましたね。あの状態で何ができるのか。推理小説だけにとどまらないものがありました。

    学生時代は一度きりだけど、人生は続くわけで、その一時だけが特別とも思わない私ですが(学校大嫌いだったし)、読書として楽しむのは構わないですよね。

    0
    2020年12月06日