武田綾乃のレビュー一覧
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ネタバレ映画を見て「あそこはどういうことだったんだろう?」となっていたところの謎を解きたくて手に取りましたが、これは読んで正解だったと思います。映画のあのすさまじい映像や色彩は満足度が高かったですが、小説では映画で泣く泣くカットになったであろう登場人物たちや「泡」の背景が補完されていて、それが知りたかったんだよー!が全部入ってました。
それにしても、「泡」の正体は人間からすると恐ろしい(映画でもトラウマものでしたけど)けど、でも人間でいう細胞みたいなものっていうところでううんと唸ってしまいますね。ただそこに在るだけ、ただ浄化してしまうだけ。
ウタとヒビキの恋が愛が、文字通り地球の生物すべての命運を変えた…そんな奇跡が起きているのだから、映画の凄みを感じるほどの映像美に改めて納得するなどしました。 -
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小学校6年生向けの本を探して読んでいる本の中の一冊。女子高生部活動シリーズの第1作め。
評価で★が少ないのは、私が現代作家がすっごく苦手だからということと、続き物の1巻で登場人物紹介のような感じの巻で今は高評価しづらいということで、本が悪いわけではありません。
両親の離婚で父親の実家、埼玉県寄居町に引っ越してきた黒部舞奈(くろべまいな)は、荒川でカヌーを漕ぐ同年代の湧別恵梨香(ゆうべつえりか)と知り合う。二人は新学期から同じながとろ高校に進学することがわかり、友だちになる。
二人はクラブ体験で、カヌー部を訪れる。そこにいたのは2年生の鶴見希衣(つるみきえ)と天神千帆(てんじんちほ)。カヌー部は去年この二人が立ち上げた小さなクラブだった。
まったくの素人のマイナだが(漢字変換が面倒なのでカタカナでいきます)、エリカに川からでないと見られない光景を見せてもらって入部を決意する。
先輩のチホとキエは小学校の時からずっとコンビを組んできていた。だが二人のカヌーへの向き合い方は徐々に変化していた。
ああ、なぜこんな硬いレビューにorz 本当はもっと現代 等身大 青春真っ只中物で、口調も現代的です。しかしわたしはそういうのが非常に読みづらいというか、頭に入ってこないorz
お話としては群像劇なのか?最初にマイカ中心で家庭事情も書かれているので主人公かと思いきや、実際にカヌーの話になるとキエが主人公らしくなり、でも才能と葛藤があり今後活躍するであろうのはエリカであり…。群像劇という感じでもなく、中心人物の移動がスムーズな感じもせずというのが正直なところ。
まあ私が現代小説に慣れていないので読み取れないだけだかもしれませんか。
シリーズで今は4巻まで出ているようです。
1巻は登場人物紹介のようなものかな。他の登場人物は、孤高の天才少女(なんだが大阪弁で面白い)利根蘭子(とねらんこ)や、ながとろ高校カヌー部顧問の檜原(ひのはら)先生、中学を不登校だったエリナにカヌーを教えた芦田さんなど。
それぞれが目標を持ったり、道を共にしたり別れたり、過去や現在に色々あったりしています。
スポーツへの向き合い方も、楽しみたい、勝つという結果を出したい、上達する喜び、などなど”方向性の違い”もありますが、「君と漕ぐ」ことも、「君とはもう漕がない」ことも、それぞれが悩み決断していきます。
1巻の冒頭では、エリカがオリンピックに複数競技でオリンピック代表に選ばれていることが明らかにされます。1巻の最後では地区予選で勝負がついたところまでです。続きの巻でオリンピックに行くまでの道のりになるのでしょう。初心者マイカは大会に出られるのか?オリンピックでエリカが組む相手は誰なのか?それぞれの家庭環境はどうなるのか?
爽やか精一杯青春物語。 -
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高校生たちが窮屈な世界で必死に生きる描写がお見事! 自殺したクラスメイトをめぐる青春ミステリー。
クラスメイトの飛び降り自殺をきっかけに、生徒たちの独白を綴りながら物語は進んでいく。少しずつ自殺の真相が見えていき、最後には衝撃的で、なんとも合理的な結論が…
もちろんフィクションなのでしょうが、いま発生している若者たちの自殺にありそうなお話です。
自分も現在、高校生とつながる仕事をしておりますが、彼らの世界や思いに完全に答えてあげられることはとても困難です。ただ笑顔になる手伝いができるのであれば、できる限りしてあげたい。でも、あんたに言われたくない「だから、何?」という感じなんですよね。
大人たちの中途半端な正義感や偽善を鋭利に貫く、心苦しい作品です。
ストーリーはクラスメイトたちの独白で進められます。正直序盤、中盤は話が展開せず、淡々と青春ものを読まされている感じがしましたが、終盤にかけては不気味な真相が見え隠れしはじめ、物語に没頭してしまいました。
若者でなく大人ほど読んだ方がよい作品だと思いました。おすすめです。 -
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連作短編かつ青春ものが読んでみたかったので購入。よかったです。
文章がお上手。比喩表現がきれいで、女子高生たちの繊細な心情を上手に描写できていたと思います。
そんななか星5にしたのは、ストーリーがありきたりで新鮮さがなかったから。まあその普通こそが本作の良さなのかもしれないけど、短編じゃなかったら飽きてたな、とおもった。
でも冬の海に二人で行って「寒い寒い」といいながらスマホをぶん投げるシーンは笑った。ティーンエイジャーおそるべし。
あとどうでもいいけど、作品で好きな映画の話になったとき、登場人物の一人が「アタックオブザキラートマト」と言ったのは面白かった。作者、何歳なんだろう。 -
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ネタバレ好きだ―青春もの!!さわやか。水しぶき、青空、川の流れ、なびく髪、すべてが美しい(と想像する)。女子だけ、部活だけってのがまたいいなぁ。競技のカヌーがこんなに難しいとは。長瀞のラフティングを、細長い船に変えて・・・なんて想像して読んでいったけれど、当然競技となれば恐ろしく過酷そう。カヌーに乗り込むことも、スタートラインにとどまることも難しいし、500メートル全速力がどんなに苦しいか、武田さんの表現の中でこの競技を知って、魅力的にも感じました。良く知らないからこそ、美しくかっこいい姿が思い浮かびました。
部活動に対する思いはひとそれぞれで、どれが正しいわけでもなく、誰が悪いわけでもない。しかし、それぞれの考えが影響し合うのもまた確かで、4者4様のの在り方に、共感したり、違うなと思ったりしながら、応援するような気持ちで読み進めました。終わりも爽やかです。細かいことは説明いらない!っていう気持ちよさがあります。しかし、この本は序章。4人の部活動生活はまだ始まったばかり。彼女たちの戦いを見守っていきたいと思います。 -
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武田綾乃さんの作品を読むのは、このシリーズが初めて。
実はこれ、「新潮文庫」じゃなくて「新潮文庫nex」だそう。確かに読んだ印象は、ライトノベル的だ。ただ先述の通り、これが武田綾乃さんの作家性なのか、レーベルによるものなのかはわからない。
何となく『君と漕ぐ』というタイトルがしっくりしてきた感がある。
だけども、だからこそ、(1巻の感想でも書いたが)カヌーに乗る描写をもっとして欲しいと思う。本文よりも、カヌーに乗るということを語っているのは、表紙のイラストのような気がしてならない。
読んでいて思い出したのだが、私はかつて野田知佑さんのカヌー紀行本をいくつか読んでいたのだった。
もしかしたら、カヌーから見える世界にどこか憧れがあって、この『君と漕ぐ』を手にしたのかも知れない。
個人的には、このカヌーの世界とながとろ高校カヌー部(特に恵梨香を中心とした人間模様等)を「新潮文庫nex」ではなく「新潮文庫」として読んでみたい。