武田綾乃のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本編のシリーズを一気に買った時に一緒に買ったけどずっと積んであった立華編。久美子目線で見てた梓は元気で明るいかわいい子だな~くらいの印象でしかなかったけど、フタ開けてみたら信じた道を力強く突き進むストイックモンスターでした。
「できないなら努力をする。できない状態がずっと続いてしまうのは、努力しないほうが悪い」という考え方は自分の中にも根付いていて、壊れない程度に自分を追い込むために自身に向けるのはいいんだろうけど、あんまり周りにそれを強要(梓はほぼしてないけど)するのはよくないことと分かりつつ、集団で何かをする時はどうしても陥るジレンマみたいなものだよね…。後編が楽しみです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。吹奏楽部の話というより、部員の皆の話(恋愛要素多め)だった。思わず、我が遠い学生生活に思いを馳せる…笑
あすかが梨子に試しに壁ドンする話と文化祭の話が特に気に入った。壁ドンはあすかにならされてみたいが、そのまま全てを受け入れてしまいそうで怖い(なんの話だ)。後藤、折角頑張ったのに、期待はずれの声が上がってしまい可哀想に。でも、後藤と梨子のカップル、嫌いな人はいないよね。安心して見ていられる。
文化祭は予想どおりの落ちが待っていたものの、麗奈の乱暴な秀一へのフォローが光っていた。じれったくて見てらんなかったんだろうが、大切な久美子との仲を取り持ってやるってことは、余程認めた奴じゃない -
Posted by ブクログ
あなたには『ライバル』がいるでしょうか?
私たちの人生は常に誰かしらと競う中にあるものだと思います。学校時代に思いを馳せると誰にだってその時々を競う『ライバル』の存在があったのではないでしょうか?勝利を掴むために死にものぐるいの努力をしたにも関わらず、手にするはずだった栄光を奪い去っていく『ライバル』たち。もちろん、逆の立場で見ればそんな風に思われていたのはあなたということになるのだと思います。
『ライバル』がいなければ辿り着けた栄光を思うと、そんな『ライバル』の存在自体が憎らしくもなってきます。しかし、『ライバル』がいないなかに、軽々と容易に手にできた栄光の価値をあなたはどう感じるでしょ -
Posted by ブクログ
ネタバレついに全国大会。吹奏楽部の夢の舞台に立てる…というところで、あすかが部活を辞めるかもしれないという窮地に立たされてしまった北宇治高校吹奏楽部。
やっぱりそう、とんとん拍子に上手くいかないかぁ。一人の演奏者が欠けるとそれだけで全体の士気も下がってしまう。それは分かる。ただ、あすかの代わりに頑張っている夏紀を想うと、あからさまにがっかりするのはどうかと思う…いや、でもやっぱり難しいよね。あすかは格段に演奏が上手なんだもの。皆があすかの復帰を待ち望んでいる様子が伝わってくる。
紆余曲折経てたどり着いた全国大会。結果はどうあれ、部員全員の出し切った感がとても良かった。たった12分間に自分たちの今まで -
Posted by ブクログ
ネタバレアニメを一気に観てから日は経っているものの、内容はしっかり覚えている。それでも、面白い。北宇治高校2年生の過去と、希美とみぞれの関係性が主な話。部員の一部はギスギス感があるものの、着実に関西大会へのステップも踏んでいっていて、「部活モノ」としても「学園モノ」としても楽しめる小説だ。
みぞれの気持ちはどうしても私には分かり兼ねる。希美が全てを話さずに色々決めてしまったことも良くなかったとは思うが、真意を確かめもせずに自ら離れていった。挙句、希美の姿を見ると気分が悪くなるようになるなんて、そんなことあるのだろうか。他人への想いが強すぎると、本人でも予想できないような感情が巻き起こるのかもしれない -
Posted by ブクログ
百合短編。どれも趣向凝らして、面白かったです。青崎有吾「首師」が一番好きでした。
「恋をした私は」武田綾乃
園芸部の地味な私は転校と引っ越し嫌で、離婚した父の方に同居、父の不倫相手と暮らす。不倫相手は美しく、私をも磨いてくれた。でも、高校卒業したら、家をでないといけないの?彼女とは他人?
「雪の花」円井挽
私はずっと家のために過ごさせられた。突発的に父を殺したが、アリバイは作れるのか?逡巡する私はふと、女性から貰ったものを思い出す。
「いいよ。」織守きょうや
私はテストで二位。一位を探しに弓道部に行き、もともと友人の友梨佳と、一位の清良を見て、清良の美しさに虜になる。
「最前」木爾チレン
落ち -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の久美子は子どもの頃からユーフォニアムをやっているが、自分で希望してこの楽器を選んだ訳ではない。なんとなく、人気がなくて余っていた楽器だったからなのだ。そこが、最初にホルンを選んだ自分の経験と重なった。でも、演奏している内に段々と自分の楽器に愛着が出てきたのも久美子と同じだったな。
部内での先輩後輩のソロ争いや、コンクールに出るための選抜戦。「ダメ金」。どれもこれも懐かしい。
久美子は周囲より早く楽器を始めているのもあって、今回のコンクールに出られたけれど、2年生の先輩は出られなかった。出られなかった当の本人より久美子の方が落ち込んでおり、久美子が過去に辛い経験をしてきたシーンも描かれ