武田綾乃のレビュー一覧
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ネタバレついに全国大会。吹奏楽部の夢の舞台に立てる…というところで、あすかが部活を辞めるかもしれないという窮地に立たされてしまった北宇治高校吹奏楽部。
やっぱりそう、とんとん拍子に上手くいかないかぁ。一人の演奏者が欠けるとそれだけで全体の士気も下がってしまう。それは分かる。ただ、あすかの代わりに頑張っている夏紀を想うと、あからさまにがっかりするのはどうかと思う…いや、でもやっぱり難しいよね。あすかは格段に演奏が上手なんだもの。皆があすかの復帰を待ち望んでいる様子が伝わってくる。
紆余曲折経てたどり着いた全国大会。結果はどうあれ、部員全員の出し切った感がとても良かった。たった12分間に自分たちの今までの全てを込めなければならないんだから、相当なプレッシャーだったろう。
あすかの父のメッセージには涙が出そうになった。今まで頑張ってきたことが、一瞬で報われたような。あすかはこれで楽器を辞めてしまうのだろうか。続けてほしいが、これで終わりでも良い様な気もする。何にせよあすかは好きなキャラクターなので、また登場させてほしい。
おいおい、最後、秀一と付き合い始めたってことで良い?くーっ、青春だねぇ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアニメを一気に観てから日は経っているものの、内容はしっかり覚えている。それでも、面白い。北宇治高校2年生の過去と、希美とみぞれの関係性が主な話。部員の一部はギスギス感があるものの、着実に関西大会へのステップも踏んでいっていて、「部活モノ」としても「学園モノ」としても楽しめる小説だ。
みぞれの気持ちはどうしても私には分かり兼ねる。希美が全てを話さずに色々決めてしまったことも良くなかったとは思うが、真意を確かめもせずに自ら離れていった。挙句、希美の姿を見ると気分が悪くなるようになるなんて、そんなことあるのだろうか。他人への想いが強すぎると、本人でも予想できないような感情が巻き起こるのかもしれない。まあ、誤解が解けて2人の仲が元に戻ったのは良かったけれど。
久美子は相変わらず、あまり目立たない主人公ではあるが、誰かが辛いときに、そばに寄り添う人物というポジションになっている気がする。
どちらかというと一歩引いて見ている久美子の感情がこの先、どう変化していくのかも楽しみだ。
それにしても、あすかの言葉の端々が引っかかる。特に、時折見せる部員へのドライな感情とか。今のところ、一番、読めない怖い人物だ。(まあ、一番好きなキャラクターなのだけど。) -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の久美子は子どもの頃からユーフォニアムをやっているが、自分で希望してこの楽器を選んだ訳ではない。なんとなく、人気がなくて余っていた楽器だったからなのだ。そこが、最初にホルンを選んだ自分の経験と重なった。でも、演奏している内に段々と自分の楽器に愛着が出てきたのも久美子と同じだったな。
部内での先輩後輩のソロ争いや、コンクールに出るための選抜戦。「ダメ金」。どれもこれも懐かしい。
久美子は周囲より早く楽器を始めているのもあって、今回のコンクールに出られたけれど、2年生の先輩は出られなかった。出られなかった当の本人より久美子の方が落ち込んでおり、久美子が過去に辛い経験をしてきたシーンも描かれる。実力主義なんだから、久美子のことを恨むのはお門違いだと言いたくなるがそれは正論で、そういう感情が出てきてしまうのはしょうがないことだ。熱心に部活をやっていれば猶更。しかし、夏紀(2年の先輩)は違った。自分を差し置いてコンクール出場を決めた久美子を気遣っていさえする。夏紀は特に好きなキャラクターで、後輩を気遣えるところだけではなく、地道に努力をしているところを好ましく思う。
不思議に思うのが、本書に登場する人物は皆それぞれ魅力的なのだが、久美子だけが私は掴めない。その理由をはっきりとは説明できないのだが、久美子が本当はどうしたいのかがよく分からないからだと思う。今後、久美子は変わっていくだろう。周囲の人に触発されて、久美子自身が本当にユーフォニアムを吹きたいと思えるまで、もう直ぐだと思う。 -
Posted by ブクログ
アニメ版シーズン3の最終話を観終わってからしばらく経つが、今でもあの感動は忘れられない。本書は最終話のその後の話も入っていて、北宇治高校の吹奏楽部の話が読めるのが単純に嬉しかった。
アニメ版では消化しきれなかった黒江真由のどこか影のあった性格について、そりゃあそんな過去があったらそうなるわと納得し、彼女が現在久美子たちと楽しく過ごせていることに安堵した。久美子と真由が向き合って真剣にお互いを見つめ合うシーン、凄く良かったな。思わず笑ってしまう。私も嫌いな人とやってみようかな。目を合わせてくれないかもしれないけど。笑
真由にカッコつけたい、真由の前では下手な演奏はできないと思っていて、それがどこか真由との間に壁を作ってしまっていたと久美子が気づくシーンも好きだ。
夏紀、優子、みぞれ、希美の4人のドライブの話もかなり好き。ああ、楽しそうだな。私は3人以上で行動するのが苦手だったからこういう経験はないが、この4人は互いに互いの性格を知り尽くしていて上手くやっている。読んでいてこちらまで楽しくなってくる話だった。
後輩たちもしっかり育っているし、北宇治高校吹奏楽部はこれからもずっと続いていくのだろう。見事なラスト。順番が逆になってしまうが、最初からこのシリーズを読んでみようかな。