武田綾乃のレビュー一覧

  • 愛されなくても別に

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    ネタバレ

    タイトルに惹かれて購入。帯に書いてあった通り、一気読みしました。
    星5つじゃないのは、私の年代よりは、高校生や大学生くらいの若い子向きな小説かなと思ったからです。厳しい家庭環境で育った20歳前後の二人が、大学で出会って、生きる力を得ていくストーリー。
    同じような境遇で、進路や家族関係に悩んでいる高校生とかが読んだら、「大学」といういろんな人間が集まる場所に行けば、一人でいても別に大丈夫だし、もしかしたら理解し合える人との出会いがあるかもしれない、と希望が持てると思う。(そういう意味でも読書習慣って本当に大事だと思う。救いのない環境に育って、本を読むことも知らないままだと救われるきっかけが得づら

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    2024年03月23日
  • 愛されなくても別に

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    「家族」「友達」「恋人」そういった人々の存在が世間ではもてはやされている。
    時にその存在が人生の全てで、そこから逃げ出せないような感じすらしてくる。
    でもそうじゃないだろ!!
    そう叫び出すみたいな、潔さと勢いのあるお話だった。

    「この人のためになら生きてもいい」
    そう思えることがとてもかけがえのないことで、時に「愛」よりも救いになる。
    宮田と江永は、名前のつけ難い緩やかな関係性の中で、お互いの存在に救われている。
    それは世間の言う「愛」とは少し違うのかもしれないけど、確実に生きる力になっている。

    人と人との関係って、こうあってもいいんだと思えて、心がなんだか軽くなった気がする。

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    2024年03月13日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編

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    ネタバレ

    久美子たちが2年生のストーリー、後編。
    優子と夏紀は本当にいい部長・副部長コンビだったな。
    奏者からマネージャーに転校した友恵も、重要な役回りで献身的にやっていて感動した。

    今回はコンクール、どこまで進むんだろう・どういう結果にするんだろう、と思いながら読んでいたけど、全国大会に進めない関西大会ダメ金かぁ。。
    練習の描写では少しずつの妥協が重なって…となっていて今年はダメなのかなと思ったけど、本番の描写では素晴らしいものになった様だったので期待していたけど。そういうこともあるよね。全国に進めるのが関西で三校と、無理矢理数が決められてしまっている中での音楽のコンクール。演奏は素晴らしいのに、実

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    2024年03月13日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 前編

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    ネタバレ

    これまでのシリーズは久美子たちが1年生の話で、こちらの「波乱の第二楽章」は2年生の時の話。
    後輩が入ってきた時の、これまで1年生の登場人物であった久美子や緑、葉月、麗奈たちの対応から、彼女たちの本質や一年間での成長が見られて良い。

    久美子は後輩からも先輩からも頼られ相談され、抜けているように見えるのにズバッと核心をついたりアドバイス出来るようになっていて、本当に成長したなと思った。
    緑が良き先輩となってコントラバスや低音の重要性について語っているところが好き。

    ユーフォ、色々あったけど3人ともAに選ばれて良かった!
    奏は読んでいて本当に未熟でハラハラするので、久美子や夏紀や他の先輩に囲まれ

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    2024年03月11日
  • 彼女。

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    浅はかな感想だし、どれくらい作者のみなさんが百合を調べて書いたのか分からないけど、どんな人も男とか女とかレズとかバイとか関係なく好きな人を見つめる目も想いも同じなんだろうなと思った。百合小説アンソロジーなんて付けなくても十分売り出せる本だと思った。逆にそういう迎合していくのがこの本にあっているようで少しズレているようで、それがまた登場人物たちにはあっているのかもとも思った。

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    2024年03月10日
  • 彼女。

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    ネタバレ

    胸キュン、胸騒ぎ、悲しみ、ほろ苦さ。色んな感情に心乱されました。
    個人的に、相沢沙呼さんの物語に翡翠らしき影が見えたのが、とてつもなく嬉しかったです!

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    2024年03月09日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌

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    これで響け!シリーズ全部読み終わってしまいました。吹部時代を思い出して懐かしいやら、あの時もっと打ち込んでいたら、という後悔を感じたりやら、の毎日でした。続編出ないかなぁ。

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    2024年03月01日
  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 後編

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    先に読んでしまった「吹奏楽日誌」に、立華高校編の方が好きという人もいると書いてあったけど、私もそうかもしれない。北宇治高校編より濃い感じがした。

    あみかに依存しすぎる梓の様子は見ていて怖かったし、3年の先輩に対する尊敬や憧憬を超えた恋愛感情の様なものや、卒業の時に制服など貰う文化も覚えがあり過ぎて懐かしかった。コンクール前後では私も一員になったつもりで何度もホロリとさせられたし、感情が忙しかった。

    エピローグがすぐその後のことかと思いきや、2年後の卒業前ですっかり頼られる先輩になっている様子が垣間見えたのも、心憎い演出。

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    2024年02月29日
  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編

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    立華高校編。
    前編は吹奏楽コンクール京都府大会まで。

    マーチングバンドが本命の高校とはいえ、夏休みに入ってからコンクールのメンバー決めと練習を開始していることにびっくりした。モデルとなったと思われる京都橘高校の吹奏楽部はどうなんでしょう…それで関西大会へ進めるなんて凄いけど…自分の過去を振り返ると年明けくらいからコンクールの練習始まった気がするから「えぇ〜〜!!」となってしまった。

    先輩・後輩・同輩同士の楽器の技量による嫉妬・羨望が混ざったいざこざは吹奏楽あるあるだなと思った。
    これは圧倒的女子多数の自意識の高い年齢の集団では起こり得て当然なんだと思うけど、ちょっとリアルで胸がキュッとなっ

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    2024年02月28日
  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編

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    橘(たちばな)→立花→立華(りっか)、で立華高校なんやね。マーチングはほとんど経験がないですが、動きながら演奏することの難しさは知っています。凄い、の一言です。後編楽しみです。

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    2024年02月24日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校の吹奏楽部日誌

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    終盤気付いたけど、立華高校マーチングバンド編を読む前にこちらを読んでしまった…
    定演と立華との合同演奏会を描いた短編が2つと、キャラクター紹介や吹奏楽用語集、楽器紹介やはたまた吹部出身の人がどんな仕事についているかインタビューなど、盛りだくさんで楽しかった。

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    2024年02月21日
  • 可哀想な蠅

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    4篇を収録した短篇集。連作ではないが、どの作品も日常に潜む何気ない怖さを描いている(「重ね着」は除く)。
    冒頭に置かれた表題作は、SNSに動画と共に上げたつぶやきがバズったことから、正体不明のアカウントにつきまとわれる女性が主人公。さっさとブロックすればいいのにと思うが、特殊な思考回路の持ち主のようでそのアカウントの書き込みを読み続ける。世相を反映した作品ではあるが、読んでいてげんなりしてくる。
    続く「まりこさん」は、住宅街に必ず1人はいる(?)猫おばさんの話だ。怖すぎる。
    「重ね着」は、結婚を控えた妹が突然帰省し、姉を伏見稲荷登山に誘う。収録作品の中では、唯一まともな話だった。
    書き下ろしの

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    2024年02月20日
  • 響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話

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    本編のスピンオフですが、主人公ではないメンバーの別の一面が丁寧に描かれていて良かったです。後藤と梨子さんの喫茶店での一場面は切ないなぁ。

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    2024年02月11日
  • 飛び立つ君の背を見上げる

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    黄前久美子の一つ上のユーフォパートの先輩、中川夏紀が主人公の作品。彼女にも一年の時があって、様々な問題がかつてあって、それで二年生につながっていくんですね。響け!ユーフォニアムの奥行きが広がる作品でした。

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    2024年02月09日
  • なんやかんや日記 ~京都と猫と本のこと~

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    ゆるゆると日常の暮らしや出来事がつづられて、そうそう、わかる〜、みたいに共感できる。武田さんの人となりが見えてくる感じ。ちょっとしんみりのお話もあって、親しみがわきました。

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    2024年02月05日
  • 飛び立つ君の背を見上げる

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    実は本編ではそんなにちゃんと内面が描かれて来なかった、南中組の心情がたっぷり描かれていて、その特殊な関係性も含めて、尊かった。ひねくれているとこも含めて愛しいし、共感できる。

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    2024年02月05日
  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 後編

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    ネタバレ

    前編での梓の難儀な性格が自覚され、それと徐々に向き合っていく姿が良かった。様々なハプニングがあり、それはかなり胸が苦しくなる部分も多かったが、それを乗り越えて梓がかっこいい先輩になっていくのが部活の醍醐味という感じ…。

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    2024年02月02日
  • 彼女。

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    ネタバレ

    「椿と悠」
    女の子同士のありがちな、勝手に勘違いして、勝手に妄想して、勝手に傷つく。大好き。女の不器用な部分がきれいに描かれている。お母さんかよ、のセリフには思わず笑っちゃったね。
    「馬鹿者の恋」
    若いなぁ。愛は無償じゃない事に気づけなかったんだよね。
    「百合である値打ちもない」
    隣に歩くのに見合う自分でありたい。好きなのに、それでももっと美しくあってほしい。相手のことが好き、ってそれだけでいいはずなのに。他者の評価が気になってしまう。悲しいね。
    「微笑の対価」
    タイトルが秀逸。自分の知らない彼女がいる。私に見せてくれない彼女の内面。知りたいけど、知りたくない、気持ちがぐらつく描写が好き。

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    2024年01月30日
  • 響け! ユーフォニアム 2 北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏

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    府大会から関西大会までの北宇治高校吹奏楽部の話。麗奈は強いなぁ、と思いながら読み進みました。次は全国までの道のりかな。

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    2024年01月27日
  • 響け! ユーフォニアムシリーズ 立華高校マーチングバンドへようこそ 前編

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    ネタバレ

    響け本編とはまた違った、強豪校の雰囲気を感じる。でも、吹奏楽あるある的なところを的確に捉えている。
    個人的には梓の性格がかなり難儀だな…と思った。簡単に言うと完璧主義者。でも、たぶん自分に自信がない部分もあって、他人に頼られることで自己肯定感を保っている、みたいな矛盾を感じる。共感できる部分も多々あるからこそ、好意的に見られない部分もある。ここからどうなっていくかが楽しみ。

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    2024年01月26日