出口治明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
氏の著作には、世界史を大局的に捉えたものが多いと思っているけど、本書はその中でもよりコンパクトにまとめたもの、らしい。そういう点では、前に読んだ同系統本もそうだった気がするけど…。ってそれはさておき、こうやって一気に読み通せるのはやっぱ良いです。教科書だと、どうしても局所的に順次細かく掘り下げていく、って記載になってしまうから、地域が変わって時代が遡ってとなると、もう世界全体の概要が追えなくなってしまうんだけど、その点本書は、あくまで世界全体から見た意義、を最優先していて分かりやすい。当然、一読で頭に残ることなんか殆どないんだけど、同系統のものも近いうちに紐解き、理解を深めていきたい。
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Posted by ブクログ
時代を追って世界の宗教、哲学を分かりやすく解説する。平易な言葉と、多くのたとえを使った文章は相当に解りやすい。また語り口も上手く、専門用語を大胆且つ適切に変換する能力は素晴らしい。著者が保険業のビジネスマンであることが、このあたりの能力を授けたのかもしれない。
ただ、イスラム教が大変ご贔屓のようで、説明がやや片寄っている。「女性差別は無い。むしろ世界史的には最も早く女性の地位を向上させた。日本にとって羨ましい社会」「ジハードとは寛容と慈悲のこと」「ISはイスラム教の教義と何も関係無い」など。マッカ(メッカのこと)、アッラーフ(アラーのこと)、ジブリール(大天使ガブリエルのこと)、イスラーム教、などイスラムの言葉の発音にも妙にこだわる。確かに重要ではあるが、ギリシャやキリスト教や仏教や中国の事柄については、それを適用しないのはダブルスタンダードっぽい。
レヴィ=ストロースは、都会で優雅に暮しながら哲学をするサルトルの思想に、強く反論した。人間が自由で主体的に行動する、というのは先進国の人間の発想だし、それは幻想だ。先進国だけが人間社会ではない、と。彼は世界中の様々な民族の社会を研究していた。
彼の思想は、「人間は自由な存在ではないし、主体的にもたいした行動はできない。その時代、その場所による社会構造に強く影響されて、存在や生き方が決まる」「社会の構造が人間の意識をつくる。完全に自由な人間などいない」それが世界の本質だと。これを構造主義と言う。1968年のパリの大学生なら、流行のサルトルにかぶれ「僕の人生はアンガージュマンだっ!」とリベラル運動をして生きようとするが、ブラジルの奥地では「どうやって猪を捕まえようか?」と考えることを生きることととらえる人びとがいる。そして「世界は人間無しに始まったし、人間無しに終わるだろう」と結論した。
このことにより「哲学は終了した」とも言われている438
サルトルは神なき世界に至って「人間は自由の刑に処されている」と発想した。その自由を個人個人が責任を持って成長させ、主体的に行動することにより、自分自身と、社会そのものを変えることができる。つまり自由に責任を持った個々人の力で、社会は発展していく、という弁証法の新たな解釈をした。これをアンガージュマンと言う。アンガージュマンはパリ五月革命や日本の全共闘運動から大いに支持された437
ヘーゲルは、フランス革命後の社会で「弁証法」(対立思想が解決して、レベルが上がった次元になり、更なる別の対立が生まれる。これが繰り返され理想社会が生まれるという理論)を発案。好評だったが、その次の世代は「実際の社会はそうとは言えない。実存こそ大切」とこれを批判。
一人はキルケゴール。実存は最終的に神への信仰によって救われる、と説いた。
一人はマルクス。実存は社会が生み出す物質が、より多く、多数の人にわたることで救われる(唯物論)。彼は弁証法を批判したのではなく、むしろ改良発展させた(ブルプロ闘争)。
一人はニーチェ。実存は厳しいもの。それにもはや神は死んだ。それを乗り越えて人間は超人になる388
1776年アメリカ独立、1789年フランス革命の時、エドマンド・バークは「過去の経験と歴史も生かすべき」、反論してトマス・ペインは「権利は人民にこそある」と主張して、ここで保守と革新という構図が初めて出現した349
『むすんでひらいて』はルソーが作った340
ホッブスのリヴァイアサン(怪物)は、人間社会はリヴァイアサンのような絶対的な力で押し止めないと平和な秩序が生まれないとの考えだが、この理論の大事なポイントは、その存在を「神」ではなく「怪物」を持ち出して説いたこと。厄介な「神の話」を遠ざけた334
近代哲学の祖デカルト。疑うことを本質にした懐疑論からの脱却を目指す。懐疑を目的じゃなく手段とする。物事を徹底的に懐疑してそこから残ったものが「真実」ではないか、という考え。懐疑の対象には当然「神」も含む。ここから人は完全に神から自由になった。325
明治国家は儒教の体系をベースに天皇制を作った。わが国の神道は、あまりにも没理論的で、天皇制の創出に役にたたなかった280
ムハンマドの言葉に「知識を求めよ。たとえ中国であろうとも。」というのがある(伝説)255
マリアの処女懐胎。ヘブライ語であった聖書をギリシャ語に翻訳したときに発生した。ヘブライ語では「乙女」、これを誤訳してギリシャ語「処女」にしてしまった211
4世紀ローマ帝国でキリスト教が国教になると、古代ギリシャの諸々の信仰は禁止された(ルネサンスまで)。
オリンピックも禁止された208
キリスト教教義の元の一つだったミトラス教。太陽神ミトラの誕生日(冬至。12/25)に牛肉とパンとワインを食べる199
ヘレニズムの時代、ギリシャの王ミリンダは仏教徒になった189
墨子(墨は刺青)は浪費の徹底否定と非攻(非戦。先制攻撃の否定)を訴え、教団を作った。しかし「質素はつまらない」「非攻は危うい」という民意により消滅した119