あらすじ
不安な時代に必要な知恵、仕事の武器をどう身につけるのか。働き方についての取材や論考も多い出口治明さんと、女性学、ジェンダーについて研究を続ける上野千鶴子さんが、日本人の働き方、幸せになる働き方について語り合う。長時間労働、年功序列などの日本型経営からの脱却など、
さまざまな課題がある中、これからどのように変化、対応していけばよいのか? 働く人が自由になる社会を考える。
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面白かった。マネジメントを上達させるには心理学など勉強した方が良いし、私の価値観に実はおじさん文化があることも分かった。出口さんだけでなく、上野さんの視点も知れてそれも良かった。
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高齢のおふたりがどんなことを語るのか、まさか、古臭い働き方??と興味を持ち、読んでみました。
結果、全く古臭くないです。
さすが、上野さん、出口さん、と思いました。
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京大1972の同級生コンビというのが面白い さすが京大面目躍如
反骨精神が知の本質
1.日本の労働環境は「同質的」
この体育会的集団主義で戦後高度成長を実現した 成功体験
「多様性への切り替え」ができず閉塞感・生産性の低迷に苦しむ
大変判りやすい説明と納得
①ドイツのシュレーダー改革[1993-2005](P82)
非正規労働者への社会保障の拡大 安倍政権との差!
②シラク三原則(88)少子化対策
お金の支援 保育所 育児休業不利益なし
→男が乗り逃げ可だが集団の男が責任を負う 政治の役割!
2.上野千鶴子先生がリード
さすが差別を受けてきた女性の歴史を背負う上野先生が深い
①日本の大学には人口学専攻がない
②育児休暇中の賃金保障で会社は利益(97)知らなかった!
代替要員を雇わない不思議!
出口さんも生産性を上げるチャンスとピントを外していた
③アメリカの大学・大学院の教育的付加価値は巨大(239)
日本は就職先の企業が大学教育を求めない・評価しない
技能教育より「学ぶ力を身につける」
日本の大学には高等教育のノウハウがない
④真っ当なマネジメントがない(出口氏248)
精神論が中心
科学的な方法論がない 受け入れない
戦略なく、戦術弱く、「現場の戦闘」で奮闘(上野・出口)
ex介護現場 教育現場・・・あらゆる現場が同じ
4.日本の学校の画一性( 東大本田由紀先生251)
①水平的画一性 右向け右
②垂直的序列性 成績・偏差値で序列
5.いずこも改革を求める怨嗟の声ばかりだ
現在の体制を支える「資金」がいつまで持つのか
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ジェンダーギャップの問題は、
男女の機会均等が得られず、女性にとって不利だということのみではなく、政治・経済・教育などあらゆる分野において、国レベルで損失をこうむることだ。
特に、日本において男女格差が世界経済フォーラムの調べで、153カ国中121位で、G7でも最下位で、日本の停滞の一因となっていると言える。
上野千鶴子氏は、
女性の格差は改善するどころか益々悪くなっていると述べている。
例えば、
グローバルでは企業幹部ポストや政治家のポストなどにクオーター制を取り入れて、大体半分くらいの男女の割合で行うことを義務付けることがスタンダードになってきているが、日本ではほとんど実質的に導入されておらず。
男は外で女は内で
という固定観念が戦後日本では作られていったが、これは世界の非常識であり、以前の日本においても非常識であり、20万年のホモ・サピエンスの人類史においても非常識であることがわかる。
男はマンモスを狩に、
女は家を守るというのは、
現代の栄養人類学の研究では間違いであるとわかっており、
当時の栄養状況を調べると6割はその辺の植物や小型動物を食べていたようだ。
動けなくなったものが
一か所に集めた子供の面倒を見て
動けるものはみな働きに出る。
これが
20万年間の人間の常識だ。
何が言いたいかと言うと、
男も女も支え合って生きていたということだ。
女がでしゃばるなと言うならば、
むしろ女に支えてもらって生きてきた男がでしゃばるなとも言える。
そうゆう近視眼的な
狭い視野の固定観念で凝り固まった人のことを
「おっさん」と年齢性別関係なく呼んでいる。
跋扈しているおっさんの固定観念を駆逐して
新しい時代をつくっていこう。
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『働き方』と『幸せ』という言葉が自分の中であまりにもかけ離れていたので読んでみました
働くことは生活の糧を得るためのものでしかありえないと思い込んでいましたが、そうではない考え方があることを知ることができて少し希望が持てました
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★印象に残った点
●労働組合にまつわる話
労働組合は人口が増えていた時期に失業率を抑えて完全雇用に近い状態を達成したが、女性を労働市場から排除したからである
●これからの働き方を考える
新卒一括採用をやめ労働の流動化でイノベーションを
クォーター制とダイバーシティ、変人パワー、定年廃止(第2の人生と考えない)
●上野さんの働き方
上司とは利害、部下とは信頼でつながる
信頼を組織の内外で活かす
●出口さんの働き方
性差など日本の社会構造の不備を取り除け
学び続け、働くことの武器に
●幸せに働くためどう学ぶのか
教育の未来を考える 考える人材を育てる
置かれた場所で咲く
来るべき転職時代に備え学び続ける
社会の多様性から学ぶ
★所感
対談形式で日本社会の構造の問題点について述べており読みやすかった。現状に対してあれこれ言うことは簡単であるが、これは社会の構造だと割り切り自分の影響力の範囲でできることをしていきたいと思った。
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対談形式なので読みやすい。以下、印象に残ったポイント。
・男は利害、女は好き嫌いで動く。
・教育とは武器を与える事である。
・仕事とは、究極的には全てサービス業である。相手が満足してくれてお金がもらえている。
・好きなことは仕事にしない。諦めて目の前のことを合理的、効率的にこなす。
・仕事は3割、と考える。あとは余生。上に上がるにつれ、席は減る。全員ができるわけではないから、上を目指しすぎるな。自分を過信して追い込みすぎるな。
・日本は沈む船。
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2021年1月刊。
「幸せな人生って何?」と言えば、自分の頭で考えて自分の言葉で言いたいことを言って、機会があればチャレンジすることだと思います。(出口)
同時期に京大に学んだ二人は日本の大学に教育はなかったという。同感だ。
また60歳代は余生だとも。そう思えば、仕事も楽か。
消費税は公平なもので、コロナ禍でも下げてはだめだとも、そうかなぁ?
女性や外国人の積極的な登用で日本の将来に寄与を期待しよう。
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上野さんは意外と冷静な意見で、好きなことと役に立つことを分けて考えられていて、支持・共感できた。組織は有能な人の足を引っ張り、無能な人を守る。人並み以上の意欲と能力が自分にあると思えない限りは裸で荒野に立つのはリスク高。と話してるのが印象的だった。まさに社会に出て感じること。
また、女性活躍やダイバーシティ組織については、私が勤める会社も「粘土層」で固められているため、みんなにリーダーやマネージャーを交代でやってみさせる、執行役員の半分は入替制にするなど、組織の変革に際しては、流動的な動きが大切だと感じた。
おそらく引用されていた、山口周さんの「劣化するオッサン社会の処方箋」も読んでみたいと思う。
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女性も働ける制度が正しいと思う。なぜ、103万の控除制度があるのか。無くせば良いのに。
子供は預けて育てるのが、集団保育。使用人を雇うなどで、夫婦で共に働こうと思った。
育児休暇は、雇用保険なので、取ってもらう方が企業にとって成長のチャンス。ただし、組織は有能な人の足を引っ張るが、無能な人を守るものなので、上手く行くかは企業体力と人材のポテンシャル次第。
子供手当を充実させる方がいい。
女性を昇進させ、ロールモデルを育てることが必要。これも入れ替わりを作り、向き不向きを見る。
上野さんは学者、教育者、社会活動家。どれでも食べていけるように3倍働いたそう。僕も、トリプルは無理でもマルチでやっていこう。そのためには、自分の適材を見つける。世界は広いから、咲ける場所を求めて、どんどん広い世界に出ていったらいいという言葉を胸に。
人、本、旅、勉強が必要。
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大好きな出口治明先生と上野千鶴子先生の対談。社会を見る目を変えてくれる。
意外だったのは、出口さんはやりたいことがないまま進学、就職していたこと。興味がない中でロジカルに考え楽しむことを貫いてきた背景が見えて、いろいろ腑に落ちた。
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上野千鶴子さんと出口治明学長だなんて大好物が2人揃った表紙でジャケ買い。たまらないです。
全てが全て、いつもよく目にするお二人の内容ではあるけれど自身がとても勇気づけられる言葉ばかり。
正しいことがまかり通る世の中ではないけれど、今の場所が合わないなと思うなら違う場所を探すのも一つ。
あなたが正しいと思うことがあるなら、その正しいと思う人が多い場所を探して、選ぶこともできるかも、という踏み出す一歩を勧めてくれます。
おすすめ。
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幸せになるための働き方について上野千鶴子さんと出口治明さんの対談。異色の対談かと思いきや、二人の意見が驚くほど合っていた。男性経営者であった出口さんのしなやかな考え方に驚く。日本人の働き方に対する批判でもある一方で、厳しいリアリストとしての面も垣間見える。上野さん自身3種類の仕事をしてきて、人の3倍働いてきたという。そのおかげでいつでも「会社」を辞めてやる、と思えるのだ。教え子から脱サラの相談を受けたとき、組織から離れるということは、徒手空拳で荒野に立つようなもので、それだけのスキルと意欲があなたにはあるか、ないならやめたほうがよい。組織は無能なあなたを守るものだから、と言ってきたそうだ。厳しいが現実だろう。そういった現実感覚をもった人が、理想を語っているのだ。重みが違う。
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☑︎老いたらIQより愛嬌で働く
☑︎場数を踏めば、平気でいられる
☑︎あきらめをモチベーションにする
☑︎2対6対2の法則
学習意欲が湧きました!
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働き方改革というよりかは、日本における企業のあり方やマネジメントについて書かれている。学生の自分として参考になるのは後半部分だけだったが、全体的にリアリズム論調で対談がすすめられており、納得させられることが多かった。
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教育は国の基本となるもので、国がどんな人材を必要とするかでも変化するものだろう。以前のように大量消費を前提としたビジネスモデルの時代に作られた教育システムが今の時代に合わないのは当然のことだろう。でも2人の対談形式で進む本書を読んでいると、まだまだ教育ができることもたくさんあるとも感じる。特色や強みのある高等教育を期待したい。
Posted by ブクログ
大好きな出口さんとかの有名な"祝辞"で気になっていた上野さん。
上野さんの著書は読んだことがなかったので、今回が初。(対談形式ではあるけれど)
噛み合ってるようで噛み合ってなくて、ん?対談だよね?ってたまに思うような…えっと、つまりは各人の個性が強くてそんなにまとまってるという感じはなかったかな。
料理で言うと、一つの皿の中に二つのソースが半分ずつかかっていて、2つのソースをかけた形がその料理の完成系なんだけど、それぞれのソースで食べた方が美味しいかな?みたい。あるよね、そんな料理。
出口さんの主張はいつもどおりで、出口さんの著書を読んできた人間としては通常運転だなあーと。
上野さんは自分の経験や、こうだ!という価値観の主張が結構強くて、おお、これはクセが強いなという感じで私個人としてはそんなに共感出来ないかなという。
長くなりましたが、評価としては3.5くらいかなというところ。