出口治明のレビュー一覧
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「復活への底力」というタイトルは、日本経済への提言なのかと思った。まさか、出口治明氏本人の復活、闘病の事だったとは。知らなかった。脳卒中で倒れ、半身麻痺と失語症。リハビリの日々。本書からは失語症の影響は全く感じられないが、相当苦労したのだろう。
リハビリや病気の話を聞きながらも、歴史や読書好きの同氏が変わらず文献を引用している様子が嬉しい。汝自身を知れ、ソクラテス。この門をくぐる者はものは一切の希望を捨てよ、ダンテの神曲・地獄篇。ベルギー生まれの人類学者レヴィストロース、世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう。
話し言葉には音と単語や文法規則だけではなく、抑揚やリズム、気持ちや -
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リストの中の1割弱は読んでたかな
読むだけで教養がつくかはともかくとして、質のいい本が揃っているなという印象。
この本にも言及されているが、大切なのはこれらの方を読んだ上でどう考えるかであって、読んだことを自慢するような人間にはなりたくないよね。
「何を読めばいいかわからない」人のとっかかりとしては良いと思うが、悪書もそれなりに読まないと良書の本当の良さには気づけないと思う。この人はガチガチの本の虫なので、数ページ読んで読むか読まないかを判断できるけど、普通の人はそれできないからね。そこは忘れちゃいけない。
本論から外れるが、この本に「過去の名著の解説本は意味がない。原典を読みなさい」と言っ -
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ネタバレ⚫︎歴史は一つ
世界史は好きだが、高校の授業等では頭に入らず、興味が伸びないままに過ごしていました。書店でふとタイトルを見て、まずは一気に気軽に世界史を把握できるのではないかと購入。
歴史は一つという言葉に感動しました。
気候変動、寒冷化、温暖化、人間の食欲などに人間の行動は影響され、それが歴史となっていると感じました。今までは、政治、政策、考えの正しさなどが歴史を作ってきたと思っていましたが、決して、いや全くそうではなく、時の権力者のやりたい事や、環境の変化に対応してきただけなのではないかと思いました。
世界の流れを知り、様々な要因により、価値観や世界が変わってきており、今の社会の常識も、東 -
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出口さんの本は本当に分かりやすい。
どうすればここまで読み込めるのだろう。
度々言われる「数字」、「ファクト」、「ロジック」が大事でそこが筋が通っているから古典として読み継がれているのだろう。
本書では「ソクラテスの弁明」、「市民政府論」、「歎異抄」の章が面白く読めた。
プラトン、ソクラテスによって哲学はほぼ完成されており、二人が書物に残したことが現在も学問となっていること。不知を自覚している面倒くさい確信犯的なソクラテスおじさん。
ロックは自然状態にある人間は仲良しとするがそれでも争いはあるので仲裁のため国家が必要とする社会契約説を唱える。
一方、自然状態にある人間はエゴだらけで常に -
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古典というと、どんな作品が思い浮かぶだろう。『カラマーゾフの兄弟』や夏目漱石が思いつくくらいだけど、古典というにはまだ新しいかもしれない。なら源氏物語や平家物語あたりか。なんて思いつつ、本書を開くと出てくるのは『種の機嫌』、『ソクラテスの弁明』、『地底旅行』、『市民政府論』、『歎異抄』の五編。科学、哲学、政治、宗教あたりについてのテーマで集めたのかなといったところ。光文社から出ている本だから、基本は光文社古典新訳文庫がラインナップされている。合わせて読みたいということで、それ以外の本も挙げられているから、そこは良心的だろう。出口氏らしい語り口で読みやすく、出てくるエピソードも自分の経験と照らし
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ライフネット生命の出口さんの本。
教養が足りない、歴史をきちんと勉強してこなかったコンプレックスもあり読んだ。
歴史を学ぶ、歴史が好きという人は、長いスパンで物事を考える力があり、ちょっとしたことで一喜一憂しない強さがあると思う。
先人たちから学び、歴史的な文脈から物事を考えられる。
日々勉強だ。教育は大切だ。
一方で、偏りのある人も多い印象。出口さんは保守派。
宗教の捉え方やアメリカに対しての考えはあまり共感できず。
ロシアの問題とかも、もっと歴史を学べば、意見をもてると思った。
過去の歴史をGDPから捉える、国民国家の幻想の話もおもしろかった。 -
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