あらすじ
「僕は毎日、この古典に叱られています」(著者)――
中国は唐の2代皇帝・太宗による統治(貞観時代の政治)の要諦が凝縮された『貞観政要』。
クビライ、徳川家康、北条政子、明治天皇……と時代を超えて、世界最高のリーダー論として読み継がれている古典である。
本書では、稀代の読書家であり、『貞観政要』を座右の書にする著者が、その内容とポイントを、具体的に解説。
全組織人、必読の中国古典。
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出口治明氏著作の本を読んだのはこれで二冊目です。
二冊とも、読書また旅に出て知見を広げること、つまり縦と横の線を広げて行くことの大切さを語っています。これが著者の哲学なのでしょう。
本作は、貞観政要の成り立ちから説明されて、三鏡や船と水を君主と臣民に例えた話など著者が貞観政要の中でもメジャーな部分を現実の組織に例えながら易しく解説されています。
上司は組織の中で、必要だから存在するだけで決して部下より偉いわけではない。この部分に深い感銘を受けました。自分自身、常に謙虚な姿勢で部下からの諫言を受け止めて、自分を律することの大切さを本作より学ぶことができました。
貞観政要の原本を読みたくなる出口治明氏の座右の書貞観政要。常に見えるところに置いておき、自分自身の血肉にしたくなる本でした。
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【評価】
内容 :★★★★★
読みやすさ:★★★☆☆
難易度 :★★☆☆☆
ボリューム:★★★☆☆
【所感】
人の上に立つ者としての在るべきを中国唐の時代の皇帝 李世民(太宗)とその臣下達とのやり取りを元に学ぶ一冊。個人的にこれまで読んだ本で一番感銘を受けた本。今まで自分が何となく思っていたことが言語化されていることもあれば、そういう考えもあるのかとハッとさせられることもあった。最近の流行り言葉でいうとオーセンティックなリーダーシップを発揮することに必要なもう一段上流の自分の軸の構築に効く内容だと感じた。リーダーの在るべきも然る事ながら、持つべき部下の像とその接し方についても書かれている。その裏返しとして、自身のリーダーに対しての在るべき姿勢も学びがある。本題とは少し別の話にはなるが『正義は必ず勝つ』の本質も垣間見えるのもまた面白い。また読み返したい珠玉の一冊。
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3つの学び
①「実績を出したら信頼する」ではなく、「信頼するから実績が出る」
②「深く、広く」考え、「早く、正しく」決断する方法は、タテヨコ思考。タテは人類の歴史に照らして考えること、ヨコは世界の様々な状況と照らし合わせて考えること。
③少数にするから精鋭になる。一人ひとりが様々な役割を担うことになるから。そして、その仕組みを作ることが必要。
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器を大きくせず中身を捨てる むしろ空っぽ
君は舟なり、ひとはみずなり
諫言を受け入れなければ裸の王様
自分の足の肉を割いて食べる人の愚
十思、九徳
適材適所
小言を聞き続けるという能力
人は「瓦タイプ」「鉄タイプ」に分けられる
三鏡 銅の鏡 歴史の鏡 人の鏡
人間社会の洞察に必要な礼と楽
時間軸を正しく設定する
人は濁ってはいけない、澄み過ぎてもよくない
小人閑居して不善をなす
疾風、勁草を知る
伝家の宝刀は抜かないほうが怖い
少数にするから精鋭が生まれる
創業と守成はどちらが難しいか
組織の急務は後継者を選ぶこと
などなど
心にしみた言葉
古き歴史を重ねてきた国にはやはりそれなりの
深い言葉がある
「長」と名がつく人にぜひ読んでいただきたい
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正直に驚いた。
いままで、さまざまなビジネス本を読んできたが、流行りの著者の小手先の技に関心していた浅はかさに恥ずかしくなる。
出口氏が常々話しているように、古典には多くの示唆があり、今でも意義深いものが多いのだと実感した。
出口氏の解説があるから読みやすいのだけれども、改めて、本編を手に取ろうと思った。
Posted by ブクログ
歴史×組織・ビジネス書。リーダーは機能に過ぎない。3つの鏡。信用しなければ信頼されない。リーダーは不機嫌な姿を見せてはいけない。。。自分に当てはめてみても唸ってしまいます。出口さんはいつもそうですが納得感半端ないです。冒頭の歴史解説も分かりやすくてありがたかったです。
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君主は「三鏡」を持て。3種類の鏡。
確かに良君としての帝王学だと感じた。
そして今の自分の立場(管理職)にとっても重要なマネジメントの視点だと思った。
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自分の頭で考えて正しい判断力を身につけたいと思ったときにこの著が目にとまる。
この本だけでは著者の出口さんが先回りして教えてくれてしまうので、これだけではとは思うが、それでも考えさせられる著なののは間違いない。目次を見るだけで1行1行立ち止まって考えさせられる。
歴史背景についても丁寧に解説されておりオススメ。
出口さんもオススメしているとおり、原典で様々なケーススタディにあたりたい。
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良いリーダーシップを発揮するために必要なことは
・銅の鏡
・歴史の鏡
・人の鏡
を持つことである。
具体的に
・常に明るくふるまう
・歴史から学ぶ
・嫌ごとを言う人を近くに置き意見を聞く
ことが必要。
なぜなら
・暗いリーダーには誰もついてこない
・歴史は繰り返されるし、故事の例え話は相手に伝わる
・監査役が近くにいないとリーダーは必ず間違う
からである。
リーダーの器によって組織の器がきまる。しかし、器は簡単に大きくならない。ならば、器の中身を捨て、常に必要な考えを柔軟に吸収することが必要。
部下にとって上司=労働環境。部下がメンタルダウンすると問答無用で上司を更迭する会社もある。
部下が楽しく、明るく、元気であれば万事うまくいく。
そのために、リーダーは明るく振る舞い、学び続け、人の意見を聞きまくることが大事。
この本を紹介してくれた先輩と話してみることにする。そして、周りのメンバーを人柄ではなく能力ベースで見てみよう。歴史から学び、例え話を吸収しよう。
そんなことを思った。
全てのリーダーに手に取っていただきたい一冊。
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学びが多すぎでここには書ききれないけれど、一番学びになったことは、権限委譲の本質的な意味。
権限を部下に委譲したからには、口出ししないことが大前提。いちいち口を出してマイクロマネジメントすると、結局部下は考える力を失うし、上司の顔色を伺うようになるので上司は裸の王様になってしまう。
気に入らなければ、権限を移譲しなければいいし、役割を変えるという方法をとる方が良い。
また、権力に関しては行使するのはよっぽどの時でないと支持を失うことになる。伝家の宝刀は抜かずに持っているからこそ影響を与えられることもある。
最近種々の会社に行くけれど、権限委譲ではなく単なる業務委譲になっているケースが多く、部下を信頼して任せる度量が上司には必要だと改めて感じた。
「三鏡(銅の鏡、歴史の鏡、人の鏡)」という作者の座右の銘を主軸に、様々なケースを取り上げて書いてあり、最初から最後まで興味を持って読み進めることが出来ました。印象的だったのは、リーダーは「器」を大きくしようとせずに中身を捨てる、という違う角度からの発想が名君主っぽいなと思いました。
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己の器は変えることができないが、空っぽにすることができる。空っぽの器に何を入れるかが大事である。
自我を捨て、欲を捨て、任せたことは口を出さない。
諫言の方法もたくさんあり、直接言うことが全てではない。方法の一つに中国古典を使うことで諌めるのは、太宗、李世民も古典を知っているからこそである。
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あとがきの後に補遺として記されているように、本書は作者なっている著者が実際に書き記したのではなく、各種の勉強会やインタビュー、または講演を記録して編集した貞観政要に繋がる考え方がまとめられている。「貞観政要」そのものを全体感として捉えるのは難しく、別途学ぶ必要がある。とは言え、著者の膨大な知識と経験に結び付けられた発信は一読に値する。貞観政要への入り口として利用したい。
Posted by ブクログ
貞観政要(じょうかんせいよう)をライフネット創業者がまとめた。
貞観政要は太宗(たいそう)が平和を気付いたリーダー論である。
気づき&学び
⚫︎リーダーの役目
明るく、楽しく、元気よく
⚫︎リーダーは理想を演じる(今、そんな感じ?)
他の人はどうなのか?すなのか?
⚫︎リーダーは器は大きくならない。
器の中身を捨てる
⚫︎何もしないのことリーダーの理想
人材配置が全て
→人材がいないときは?
⚫︎部下に間違いを指摘してもらう
⚫︎3つの鏡
銅の鏡(いい顔をしているか)
歴史の鏡(過去をてらす
人の鏡(直言をしてくれる)指摘してくれる
⚫︎言いにくい指摘は三段構え
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腑に落ちるはなしばかり。
如何に自分を顧みることができるか。
十思九徳を知れたことも良かった。
出口さんは、本間に度量のある人なんだろうな。部下と、ちゃんと公正、謙虚、自制、自律の心で持ってフラットに付き合えているか。
そして、人間は不完全だとちゃんと理解しているか。
権限と秩序の感覚が重要。
貞観政要は、昔親父が読んでいたのを思い出したが、原典にも触れてみようと思う
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かなりためになることが書かれており、リーダーを目指す人の愛読書となりえる1冊。
どんな人間にも欠点があるということがわからない人が上に立つと、思いやりを欠き、まわりは息苦しくなってしまうばかりです。そうなると人間は平気で面従腹背してしまう。【素直さと謙虚さ】は失わないように生きたいものである。
Posted by ブクログ
器は人それぞれ同じで空っぽにできるかどうかが大事
幸福度は絶対値であり、マイナス500とプラス500は1000になる
自分を諌めてくれるno.2の存在が必要
どんな有能に見える皇帝にもその存在がいる
Posted by ブクログ
中国の歴史をYouTubeでちょっと調べてから読んだから面白かった。李世民さんの中国古典をわかりやすく噛み砕いてくれている本書。うちの社長に読んでもらいたいゼッ!
Posted by ブクログ
リーダーの立場だけでなく、部下の立場での教科書になる良書。
良い事が書いてあるなあ、そうそううちの会社がダメなのはこういう所、などと考えながら読んでいてはたと気づく。自分は魏徴のように上に進言できるのか、その覚悟があるのか。
もちろん何でもかんでも上に対して思った事を言うのが正しいのではない。
考え抜いた上で正しいと思った事を言う。しかしながら言い方は大事。
逆鱗に触れない工夫と逆鱗を恐れない勇気。
結局組織人がやりたい事を実現する為にどうすべきかという事。
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世界最高なのかどうかは、実践を重ねてみないと判らない。
部下の登用、諫言を述べる者を大切にする。リーダーは三つの鏡「銅の鏡」「歴史の鏡」「人の鏡」を持つ。
を実践してみる。
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自分を批判する部下を手元においておくこと、部下に仕事を任せることの重要性について書かれている。
少し前に読んだ「スタンフォードの権力のレッスン」にも一部共通する内容だがサラリーマンにおける管理職の心得として三行にまとめると、このへんがポイント。
・謙虚にしろ
・モラルを守れ
・職場の心理的安全性を高めろ
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貞観政要を出口先生流に書いてくれてます
ライフネットの実体験もあり、現代版として頭の中に入ってきやすかったです
貞観政要だけどなく他の古典も入れてくれてます
人を動かすのはロジックだけでなく、比喩も重要と古典にありましたが、本書も比喩を交えて解説されています
部下の耳の痛い言葉も受け入れる忍耐、人の器は大きくすることはできないので空にする、遊牧民の十進法などは自分の中の新しい情報でした
Posted by ブクログ
・完全でありえない人間、人の能力に大差ない。自らの器を大きくするのではなく、器を空にして新しい考え方を受け入れ正しく判断することが大切である。多様なキャリはや職種の人達から広く話を聴く事は容量を拡げるのでは無しに入れ替えるという考え方に自分への学びを含め人を育成する事の意義を深めることができた。
・(歴史上の偉大なリーダーでさえ)大差ない人間としてすぐにできない、または大切さを忘れてしまうものなのだと思うと気持ちが楽になった。
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権力を握る者が、どうやって政治を間違わず、自身を戒めるためのシステムを作りあげるかという興味深い話。
それがこの「貞観政要」なのである。
約1300年前の西暦700年代に編纂され、今でも語り継がれているのだから、真のリーダーシップ論と言ってもよいのではないだろうか。
国を治めるのも、会社でも、ピラミッド型組織になるのは変わらない。
これからの時代は分散化されてネットワーク型が主流と言われるが、それではピラミッド型組織が無くなるかというと、そういうことは決してないだろう。
この形の組織体が残る以上は、トップに君臨する人物は存在する訳だし、そのトップ次第で組織の力が大きく変わることも間違いないだろう。
人間というのは不思議なもので、どれだけ人格者であっても、権力を握ると変わってしまう。
人の欲というのは際限のないものだからだ。
逆にトップの座で安心して隙を見せれば、その権力の地位を奪おうと目論む輩の餌食になる。
そういう矛盾があるにも関わらず、ピラミッド型組織のメリットもある訳だから、なかなか組織の形は変わりようがない。
トップのマネジメント次第で、部下の結束が強まり、ものすごい結果を出すことがある。
これは軍隊などは顕著だろう。
やはり人間が社会的な生物である以上は、この「組織で生きる」という呪縛からは逃れられないのだと思う。
だからこそトップはどう振舞わなばならないのか。
暴君になっては絶対にいけない。苦言を呈してくれる部下を決して排除してはならない。
こういう戒めは本当に大事だ。
リーダーの最も大事な仕事は後継者の育成である。
これもものすごく腹落ちする。
これだけ真実が語り継がれ、大事なポイントは分かっているはずなのに、今でも組織はこれらの問題を抱えたままになっている。
私の所属する会社でも全く同じだ。
「三鏡の教え」があるはずなのに、何も出来ていない。
銅の鏡で、自分自身の姿を見つめ内省する。
歴史の鏡で、過去の事例を学んで未来を構想する。
人の鏡で、部下の厳しい直言や諫言を受け入れる。
それぞれ本当に正しいことを言っている。
教えはシンプルだからこそ、実行することが難しいということなのだろうか。
翻って私自身がこれらを実践出来ているだろうか。
組織のリーダーとまではいかないが、そこそこ年齢も重ね、チームを率いているのは確かだ。
部員から私がどう見られているかは分からないが、言いにくいことも言ってくれているだろうか。
自分自身の振舞いを振り返って、内省出来ているだろうか。
正しく歴史から学びを得ているだろうか。
今の時代も混沌としているが、本書の時代も相当に混沌としていたことだろう。
つまり、いつの時代にもそれなりに混乱があり、そしてその中でも1000年以上も変わらない本質があるということなのだ。
愚直にまずはこれらを実践してみるのが大切な気がする。
皇帝であった太宗には及ばないとしても、その気持ちを重ねることはできる。
これからの新しい時代に向けてのリーダーシップ、組織論はどうなるのだろうか。
結局は大事な本質が変わらないとすれば、「貞観政要」こそが学ぶべき歴史の鏡ということにならないか。
日々意識して実践してみたいと思う。
(2023/1/27)
Posted by ブクログ
気持ちよく働いてもらう
年貢は75ギリギリに設定するのではなくて
80を残す割合にして、5のゆとりを与える
だれに何を担当させるかで、パフォーマンスはほぼ決まる。それを決めるのがリーダーの役割。
器を増やすのでなく、中身を捨てる。
部下は上司の顔を見る。
愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ
時間軸を有効活用しない手はない
嫌いな部下も信頼する
ついてこさせる3つの方法
・人垂らし(愛され)タイプ
・圧倒的パフォーマンス
・必死に働く姿を見せる
Posted by ブクログ
貞観政要を読んでみたいものの、多分難しいだろうなぁ…と思っていたら見つけた1冊。
出口さんの本は初めてだったけど、とても読みやすく、分かりやすかった。
偉大なリーダーは謙虚なんだなぁと思った。
Posted by ブクログ
貞観時代の皇帝と臣下との会話やエピソードを通して、リーダーの心構え、行動を説く書『貞観政要』。これを、ライフネット生命の創業者である出口氏が、自身の経験や出来事を絡めて解きほぐしてくれている。3つの鏡(楽しい顔を確認する銅の鏡、過去に学ぶ歴史の鏡、直言してくれる人の鏡)の話は染みた。
ちなみに、『貞観政要』は、鎌倉殿の中で、泰時が読んでた本でもある。
Posted by ブクログ
リーダー論を端的に凝縮している。根拠資料として貞観政要を引用しているが、ほぼ筆者のリーダー論んを貞観政要に当てはめてる。筆者は貞観政要が座右の書らしいが、嚙み砕いてくれているので、コレのほうがわかりやすい。