出口治明のレビュー一覧
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・BC500年頃に地球が暖かくなって、鉄器が広く普及したという事実はとても重要。
高度成長期が世界規模でおとづれ、衣食が足りれば自ずと余裕も生まれる。
ソクラテス、孔子、ブッダ、現代に名を残す偉人が一斉に現れた。BC500年頃。
・残りやすい記録媒体を使用していた文明は、長い歴史を刻んでいる。
中国、中東→紙
・秦の始皇帝は天才。舗装道路も、大量の石材もない土の道路のため、車の車軸を統一し、同じ幅の轍で通れるようにした。
・日本人に天皇がいるように、人間は伝統や権威に弱い動物。
アメリカで大統領が尊敬されるのは、伝統や象徴がないからあれだけ尊敬される。
・ヨーロッパの人は、アメリカの本質をよくわかっている。
アメリカにはおだてて頑張ってもらうのが一番。あまり厳しく言うと閉じこもって引きこもってしまう。
あるていどおだてて、出しゃばらない程度に世界の保安官をやってもらおうという姿勢。
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ライフネット生命会長の出口氏による歴史エッセイ。
本書を書くために参照した本はない、ということで、参考文献の記載はなし。ということは、これだけのことがすらすら出てくるということか?博学。すごい。
世界史は中学で勉強しただけで苦手意識がある。地名、人名が覚えられないこと、イメージがつかないことがその理由。それと、地域が広大過ぎるので、つながりや前後関係がよくわからなくなるということも理由の一つだった。
本書では、その正確さは担保されないものの、他地域との関係なども踏まえた、大きなくくり、トピックスで説明されるので、とっつきやすかった。
ある事実とある事実の関係を自分なりに考えるという点が、仕事に効く、というタイトルの意味だろう。
世界史、勉強しなくちゃなと思う。
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(目次)
はじめに なぜ歴史を学ぶのか
◆第1章 世界史から日本史だけを切り出せるだろうか
――ペリーが日本に来た本当の目的は何だろうか?
・いま求められている日本史の知識について
・奈良時代の女帝たちは「男性の中継ぎ」だったのか
・ポルトガル船が漂着したから、種子島に鉄砲が伝来したのか
・ペリーが日本にやってきた、本当の目的は何だったのか
・交易が、歴史の重要なキーワードである
◆第2章 歴史は、なぜ中国で発達したのか
――始皇帝が完成させた文書行政、孟子の革命思想
・文字が残る決め手は筆写材料にあった
・始皇帝が完成させた文書行政が歴史の発達を促進させた
・孟子の革命思想が、中国の歴史をさらに発達させた
・中国の神話に大洪水が出てくるのはなぜか
・歴史がきちんと残るのなら自分の名前を後世に残したい
・科挙という制度は、紙と印刷の存在で可能になった
◆第3章 神は、なぜ生まれたのか。なぜ宗教はできたのか
――キリスト教と仏教はいかにして誕生したのか
・本章でお話ししたいこと
・ドメスティケーションの最後が、神の誕生だった
・最後の審判という概念はどのようにして生まれたか
・直線の時間と、ぐるぐる回る時間がある
・善悪二元論が、生まれてきた理由
・キリスト教と仏教はいかにして生まれてきたのか
・ゾロアスター教の永遠の火
◆第4章 中国を理解する四つの鍵
――難解で大きな隣国を誤解なく知るために
・一つめの鍵は中華思想にある
・二つめの鍵は諸子百家にある
・三つめの鍵は、遊牧民と農耕民の対立と吸収の歴史
・最後の鍵は、始皇帝のグランドデザインにある
◆第5章 キリスト教とローマ教会、ローマ教皇について
――成り立ちと特徴を考えるとヨーロッパが見えてくる
・本章を設けた理由
・「カトリック」とは何を意味する言葉なのか
・キリスト教が、ローマ帝国の国教になるまで
・ローマ教会の、悪戦苦闘が始まる
・せめぎあいが続くドイツ王とローマ教皇
・叙任権闘争と贖宥状、聖年、宗教改革
・ローマ教会の持っている三つの大きな特徴
◆第6章 ドイツ、フランス、イングランド
――三国は一緒に考えるとよくわかる
・知っているようで知らない国々
・三つの主要国は、どのようにしてできたのか
・最初は強大だったドイツが、だんだん細分化されていくのはなぜか
・フランスと英国の成り立ちは一緒に考えると、わかりやすい
・英国に議会の伝統が生まれた理由
・百年戦争が英国とフランスをはっきり別の国にした
・ヴァイキングの人たちはもとは商人であった
◆第7章 交易の重要性
――地中海、ロンドン、ハンザ同盟、天才クビライ
・生態系と交易との関係
・交易の道は、東から西へ
・地中海の交易ルートを巡って栄えた都市、衰亡した都市
・ロンドンが海上交易の中心になっていく理由
・ハンザ同盟の技術革新、発展と盛衰
・東の交易圏
・ユーラシアの交易とシルクロード
◆第8章 中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン
――ヨーロッパが生まれる前の大活劇
・もう一つの遊牧民がいた
・ユーラシアの大草原に生まれた史上最強の遊牧民の話
・トゥルクマンとマムルーク
・トゥルクマンがつくった大王朝、セルジューク朝
・トゥルクマンの武力とペルシア人官僚の組み合わせがインドに大国をつくった
・騎馬軍団の前に歩兵と鉄砲が現われた
・ヨーロッパという概念は遊牧民の進出が止まって誕生した
◆第9章 アメリカとフランスの特異性
――人工国家と保守と革新
・初めに、日本人のアメリカ観について
・人間の当たり前の心情を断ち切って生まれた国がある
・アメリカを応援して影響を受けたフランス
・人工国家に対する反動として近代的保守主義が生まれた
・人工国家だから、思いがけないことが起きる
・特にアメリカの特異性について
◆第10章 アヘン戦争
――東洋の没落と西洋の勃興の分水嶺
・英国がインドに抱いた野望
・英国はインドにアヘンをつくらせて中国に密輸した
・アヘン戦争の始まりと終わり
・たとえばアヘン戦争をGDPの変化で眺めてみる
・アヘン戦争から、歴史は西洋史観中心になってしまった
◆終章 世界史の視点から日本を眺めてみよう
・国と国家について
・国も人もピークがあり寿命がある
・なぜ、戦後の高度成長は生まれたのか
・週に一度でもいいから英字紙を読む
・日本の社会常識を、世界史の視点で考え直してみる -
Posted by ブクログ
ネタバレ対談本のため、これまでの両者の著書で述べられている内容がほとんどではあるが、簡潔にまとめられていて読みやすかった。
老後資金を不安に思う必要はなく、働ける人が働ける政策を実現すれば年金問題も解決する。ただし、そのためには、「働くこと=自分の時間と賃金を交換する」という考え方を変えて、働くことを生きがいにできるようにする必要があると思う。これはこれまでの日本が工場モデルでの教育、育成を進めてきた結果であるため、これを転換する必要があるという著者の考えにつながると思った。
強さや賢さよりも、対応力がこれからは求められると主張されている。これを身に付けるためには、「なぜ、なぜ、なぜ」を繰り返し、常識を疑い、考えることを習慣化し、原理原則を捉える力が必要になる。
具体論で議論するのではなく、原理原則から議論しないと収束しない。
自分が何をやりたいのかを明確にする必要があるが、一方でやりたいことは死ぬまでに見つかればよいくらい緩く考えればよく、いつ見つかるかどうでもよい。探し続けながらそのプロセスを大事にしていけばよいということか。
アランの幸福論での言葉「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」も響いた。意思を持って常に楽観主義になりたいものである。
・この国は、敬老原則と言いながら、エイジ・ディスクリミネーション(年齢による差別)がものすごくある。その典型が、定年制度です。私の知る限り、先進工業国で主要企業が非常に強い定年制度を持っている、つまり、エイジ・ディスクリミネーションしている国は日本だけなんです。だから、年齢に関係なく、同じように働く権利を与えて、同じように負担する義務を負っていただく。そうすれば、エイジ・ディスクリミネーションをなくすことがでさます。(竹中)
・なぜ長時間働いているのに成長率が低いのかといえば、それは、世の中が製造業主体の工場モデルからサーピス産業主体のモデルに移行したのに、工場モデルに合った働き方を今も続けているからです。いわゆる、付き合い残業やダラダラ残業です。ですから、残業上限規制やインターバル規制を入れて、少ない時間で成果を出そうという考え方は間違っていないと思います。工場モデルの場合は、長時間働いたほうが生産ラインが動き続けるので、生産性が上がります。ですが、日本の産業の約7割はサービス産業です。サービス産業は長時間労働ではなく知恵とアイデアの勝負です。(出口)
・僕はよく、「人、本、旅」と言っているのですが、たくさんの人に会ったり、たくさん本を読んだり、たくさんの場所を訪れたりしてインプットの量を増やさなければ、おもしろいアイデアは生まれないと思います。今の日本は、「職場にいる=仕事をしている」ではないので、朝8時から夜10時までデスクに座っていても、良質なアウトカムは出てきません。「メシ、風呂、寝る」の長時間労働ではなく、「人、本、旅」でアイデアを出していかなければ、経済が成長しない段階にきているのは間違いありません。(出口)
・僕はいい加減な人間なので、「過去に起こってしまったことに対してあれこれ悩むのは時間の無駄だ」と思っています(笑)。「進化論」によると、生き残っていくためには、結局は変化に対する対応力しかないんですよね。強いものや賢いものが生き残るのではなく、変化に対応したものだけが生き残る。
・MITでも「Resilience over Strength」つまり、「強さより復元力が大事」と言われるようになってきています。対応力をつけるには、すべての物事を原点、根底から考え直すことではないでしょうか。世界がどう変わるのか、社会がどう変わるのか、未来を予測したところで誰にもわかりません。わからないことを考えても意味がない。先に考えるべきは、「今世界で何が起きているのか」という現状認識の部分だと思います。
・コンピタントと言ってもいいし、地頭と言ってもいいし、考える力と言ってもいいのですが、要するに、常識を全部捨てて、「自分の頭で考え抜くカ」を持っことが基本ですよね。では、どうすれば考える力がつくかといえば、「なぜ、なぜ、なぜ」と問い続けることだと思います。自分で腹落ちするまで考える癖をつけることが大切です。ウエイトトレーニングと同じで、考える力も、一定の負荷をかけなければ身につきません。地頭を鍛えたければ、社会常識から離れて、「なぜ、なぜ、なぜ」と考え続ける必要があるでしょう。(出口)
・そもそも論でやると、問題の本質がものすごくすっきりと見えてくるし、枝葉末節に惑わされないで、大きな方向を判断できると思いますね。重要なのは、大きな方向を間違えないことなんです。これはディシジョンツリーで考えるとわかるのですが、YesかNoかの選択を10回するような場合、すべての選択肢について検討していたら、1OOO通りにもなってしまいます。だから、1OO点は無理でも、80点くらいとろうよ、ということにして、そのとき大事なのは、「そもそも」のところで間違わないことなんです。枝葉末節では妥協してもいい。でも、どちらに行くかという大きなところで間違ったら、元も子もない。(竹中)
・政策の議論を本当に実現しようと思ったら、具体論から入っては絶対ダメなんです。そうでないと、些末な具体的な問題を取りあげられて、「ダメだ」ということになってしまう。だから原理原則を決めるんです。すると、おかしな議論が出てきたときに、「いや、それはこの原則に反しますね」と言ってつぶせるんです。これは戦術論ですけれど、「そもそも」がすべてですね。(竹中)
・ベンチャー企業で成功するには、信念とパッションと、「自分は何をやりたいか」が明確になっていれば、成功する確率は高くなるということです。(出口)
・我慢というか、忍耐というか、やめなければいずれは成功するんですよね。運も半分はあるのでしょうが、やりたいことが明確であったら、実は我慢ができる。(竹中)
・「やりたいことがなかなか見つからない」と言う人がいますが、いつ見つかるかはどうでもいいことですよね。死ぬまでに見つかったらハッピーというぐらいに、緩く考えておけばいいと思います。(出口)
・私は若い人によく、「お金や社会的地位よりも、自分の夢に一所懸命に向き合うことが大事だ」と言っています。人生というのは、結局のところ、夢を叶えるプロセスだと思うんです。その夢を80%叶えられる人もいれば、10%だけしか叶えられない人もいる。でも、30%でもかまわないわけです。人生の満足感はプロセスの中にあって、「一所懸命生きたかどうか」が大事なわけですから。(竹中)
・フランスの哲学者であるアランは、「幸福論」の中で、「悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである」と述べています。つまり、自分次第で世の中は楽観的に見られるのです。(竹中) -
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2018064
戦前の大金持ちと現代の大金持ち。その差は何と言った時に才能よりも使命感が何より大きいと思いました。ひとの成功を妬んだり、富を独占しようとする虚栄心を越えた生き方。貧富の差が大きな時代だから、自分がやらなければという思いが強かったのかもしれません。
美術館や庭園で名を馳せた山崎種二や足立全康。芸術を通してひとを育てる。美術館を訪れることで創設に関わったひとたちの哲学に触れることも出来るような気もします。
もちろん吉野山の桜を守り抜いた土倉庄三郎の戦争ではなく、林業で国を守り立てようとうとしたり、真珠のミキモトの創始者の御木本幸吉の諦めない生き方も凄い。
みんな地方から日本を変えていこうとしてきた。地方からこのようなひとたちが出てきて地方から元気になることを願いたいです。 -
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出口治明さんは、ボクが好きな著者の一人だ。とても良心的な方なのだと思う。しかもわかりやすく共感が持てる。ビジネスは「数字」「ファクト」「ロジック」であるという出口さんの言葉は、ボクは会社でも使っている。
さて、出口さんが語る『西遊記』だが、出口さんの語り口の特徴の一つは、歴史を俯瞰的に見る視点で出来事を捉えていることだ。玄奘三蔵がどういう時代に生きていたのか? どうしてインドまで行く必要があったのか? 孫悟空は英雄キャラではなく、なぜ、ハチャメチャキャラなのか? などなど。一方で出口さんは、人間の本質をそんなに偉いものではないと捉えている。欲望もあれば、野望もある。そんな感情的なものに支配されながら織り成す出来事が歴史を紡いでいると捉えている。まるで、その場にいるような肌感覚で人間の感情や行動を見ている視線もあるのだ。この、人間の能力はそんなに大きな差がある訳ではなく、本質はチョボチョボ(どんぐりの背比べ)という前提で物語を現場感覚で語りながら、一方で俯瞰的視線で歴史を見る。これが出口さんの歴史観の特徴ではないだろうか。
読書については、こんなことも言っている。
読書をしたら出世に役立つとか、教訓が得られるとか、そのような
考え方はどうか捨てて下さい。本を何冊か読んだくらいで仕事がで
きるようになれると思っている人に、僕はいつも「人生なめていま
せんか?」と言っています。そんなことはあるはずがないのです。
「こうすれば絶対に成功する」と書かれた本を読んだからといって、
直ちに成功するわけではないことは、少し考えれば誰にでもわかり
ます。すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなるのです。
人類の歴史は、そんなにスマートなものではない。歴史に整合性を求めたって仕方がないともいう。バトルがあって手に汗握る展開があったほうがワクワクするものだ。また、建前を主張する一派と、外野からヤジを飛ばす一派がいるからこそ、バランスが保たれ息抜きができる。その結果、秩序を継続的なものにできる。二重構造(=多様性)を持つものが強いということは、歴史が証明していると出口さんは言う。
リーダーがメンバーに整合性を求めすぎるのは窮屈だ。人間はそこまで立派な生き物ではない。ひとりひとりの意見も態度も違う。もしもリーダーがメンバーに整合性を求めすぎると、組織は不寛容になり衰退してしまうだろうともいう。
本著のすばらしところの一つは、この『西遊記』を高校生と議論しているところだ。若い高校生に出口さんは、この西遊記のポイントは「仏教」と「お笑い」だと思うという。このあたりが分かりやすくていい。ボクは会社の若いメンバーにも出口さんの本を勧めているが、こんなところが理由だ。 -
Posted by ブクログ
この組み合わせ、このテーマでつまらないわけがない。案の定めちゃ面白かった。しかし両名の著作に馴染んでいる立場からすれば、当然ながら予想の範疇の内容で新味には欠ける。
阿部正弘・大久保利通・勝海舟を絶賛する一方で、吉田松陰・伊藤博文・山縣有朋はボロクソ。対談集だからこそのこの切れ味。
半藤さんの名著「昭和史」(2冊)、「幕末史」を再読したくなったとともに、新刊の「世界史のなかの昭和史」を買わねば。
加えて、両名が揃って勧めていたアーネスト・サトウ、海舟の「氷川清話」、そして松本清張が山縣有朋を描いたという「象徴の設計」を読みたいリストに追加。ウキウキするわー。