出口治明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2018064
戦前の大金持ちと現代の大金持ち。その差は何と言った時に才能よりも使命感が何より大きいと思いました。ひとの成功を妬んだり、富を独占しようとする虚栄心を越えた生き方。貧富の差が大きな時代だから、自分がやらなければという思いが強かったのかもしれません。
美術館や庭園で名を馳せた山崎種二や足立全康。芸術を通してひとを育てる。美術館を訪れることで創設に関わったひとたちの哲学に触れることも出来るような気もします。
もちろん吉野山の桜を守り抜いた土倉庄三郎の戦争ではなく、林業で国を守り立てようとうとしたり、真珠のミキモトの創始者の御木本幸吉の諦めない生き方も凄い。
みんな地方から日本を変えていこうとしてきた。地方からこのようなひとたちが出てきて地方から元気になることを願いたいです。 -
Posted by ブクログ
出口治明さんは、ボクが好きな著者の一人だ。とても良心的な方なのだと思う。しかもわかりやすく共感が持てる。ビジネスは「数字」「ファクト」「ロジック」であるという出口さんの言葉は、ボクは会社でも使っている。
さて、出口さんが語る『西遊記』だが、出口さんの語り口の特徴の一つは、歴史を俯瞰的に見る視点で出来事を捉えていることだ。玄奘三蔵がどういう時代に生きていたのか? どうしてインドまで行く必要があったのか? 孫悟空は英雄キャラではなく、なぜ、ハチャメチャキャラなのか? などなど。一方で出口さんは、人間の本質をそんなに偉いものではないと捉えている。欲望もあれば、野望もある。そんな感情的なものに支配されながら織り成す出来事が歴史を紡いでいると捉えている。まるで、その場にいるような肌感覚で人間の感情や行動を見ている視線もあるのだ。この、人間の能力はそんなに大きな差がある訳ではなく、本質はチョボチョボ(どんぐりの背比べ)という前提で物語を現場感覚で語りながら、一方で俯瞰的視線で歴史を見る。これが出口さんの歴史観の特徴ではないだろうか。
読書については、こんなことも言っている。
読書をしたら出世に役立つとか、教訓が得られるとか、そのような
考え方はどうか捨てて下さい。本を何冊か読んだくらいで仕事がで
きるようになれると思っている人に、僕はいつも「人生なめていま
せんか?」と言っています。そんなことはあるはずがないのです。
「こうすれば絶対に成功する」と書かれた本を読んだからといって、
直ちに成功するわけではないことは、少し考えれば誰にでもわかり
ます。すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなるのです。
人類の歴史は、そんなにスマートなものではない。歴史に整合性を求めたって仕方がないともいう。バトルがあって手に汗握る展開があったほうがワクワクするものだ。また、建前を主張する一派と、外野からヤジを飛ばす一派がいるからこそ、バランスが保たれ息抜きができる。その結果、秩序を継続的なものにできる。二重構造(=多様性)を持つものが強いということは、歴史が証明していると出口さんは言う。
リーダーがメンバーに整合性を求めすぎるのは窮屈だ。人間はそこまで立派な生き物ではない。ひとりひとりの意見も態度も違う。もしもリーダーがメンバーに整合性を求めすぎると、組織は不寛容になり衰退してしまうだろうともいう。
本著のすばらしところの一つは、この『西遊記』を高校生と議論しているところだ。若い高校生に出口さんは、この西遊記のポイントは「仏教」と「お笑い」だと思うという。このあたりが分かりやすくていい。ボクは会社の若いメンバーにも出口さんの本を勧めているが、こんなところが理由だ。 -
Posted by ブクログ
この組み合わせ、このテーマでつまらないわけがない。案の定めちゃ面白かった。しかし両名の著作に馴染んでいる立場からすれば、当然ながら予想の範疇の内容で新味には欠ける。
阿部正弘・大久保利通・勝海舟を絶賛する一方で、吉田松陰・伊藤博文・山縣有朋はボロクソ。対談集だからこそのこの切れ味。
半藤さんの名著「昭和史」(2冊)、「幕末史」を再読したくなったとともに、新刊の「世界史のなかの昭和史」を買わねば。
加えて、両名が揃って勧めていたアーネスト・サトウ、海舟の「氷川清話」、そして松本清張が山縣有朋を描いたという「象徴の設計」を読みたいリストに追加。ウキウキするわー。