似鳥鶏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ファンにはお馴染み、市立高校シリーズの最新作(^ ^
物語の中でもきちんと時間は流れていて、
タイトル通り柳瀬さんの代が卒業してしまう、
という時期に起きた新たなナゾに挑む(^ ^
本作は、何と言うか「構成が入り組んでいる」(^ ^;
一つの長編作品の中で、事件が起きている高校時代と、
その「12年後の大人になった世界」、
そして謎の作者が書いた「ラノベ」」の世界が、
章ごとに入れ替わり立ち替わり現れてくる(^ ^;
正直、最初はちょっと面食らう(^ ^;
が、話が進んでいく内に、徐々に読者も理解し始める。
「伊神さんが解決しきれなかった事件」と、
誰も知るはずのないその事件の真相を匂わ -
Posted by ブクログ
似鳥さんの、シリーズものでない系列の作品が好きだ。シリーズ物はそれぞれにそのシリーズでやりたい大きなテーマを決めて、それにがっちりと取り組んでいるところが良いと思うが、それ以外の個々の作品は一つ一つ多様なテーマを扱い、それでいながらどれにも似鳥さんらしさが感じられて(多くの主人公には共通する性格があるように思われ)、どれも魅力的だ。
特にこの作品は、天才と出会った「ふつうに優秀な人」のアイデンティティの葛藤をリアルに描いていて、天才の天才ぶりも嘘くさくなく、本当にいそうなところが良い。
女の子がとても魅力的で、彼女にひきつけられる主人公に強く共感させられた。能力を持つ人たちの天真爛漫さと、影 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリーを読んでいて、初めて泣いたかもしれない。
似鳥鶏さんの最新刊は、特殊設定社会派本格警察ミステリ。
「花人」という、能力も容姿も性格も秀でた人間(人種)
と、現実の私たちのような「常人」。もしこの2つの種族が現代に暮らしていたなら…という設定の本格ミステリー。
本筋の途中、数回幕間の話が挿入されているんだけど、花人の捜査官水科此花の章は特にしんどかったなぁ。
生まれつき全体的に秀でているせいで受ける差別。
頑張って物事に取り組んでも、「花人だから余裕でしょ」と言われてしまう環境。よくひねくれずに、自暴自棄にもならずに、警察官になったと思う。
本筋の事件も、ひとつひとつはきちんとトリ -
Posted by ブクログ
何とも不思議な魅力にあふれた作品(^ ^
私の(どうやら)好きな「天才譚」でもあり、
アートを目指す、いや夢を追う全ての若者に共通の
苦悩と成長の物語でもあり、
また不器用な恋愛ものとも言える(^ ^
主人公である「画廊の息子」が、
高校時代から絵画にまつわる奇妙な事件に
繰り返し巻き込まれ、それを天才画家でもある同級生が
解決に導いていく...という連作短編集。
章が変わるごとに、高校生が大学生になり、
社会人になり...と、時間経過がある。
最終章で明かされる、過去の事件に見出せる共通点と、
それに伴う意外な黒幕像...という流れなのだが、
実は「意外な」黒幕は、読んでいるとある程