似鳥鶏のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
想像力が乏しい自分が苦手としている、トリックミステリー物だけどついつい似鳥さんの作品は手に取ってしまう。
帯にもある通り青春物なんだけど、若い衆からみた人生観の悩みが伝わる。なんのために生きているのか将来の展望への期待、寿命。その将来を生きている自分はなんなのかを突きつけられる。
老い先の知れる自分としては何とも言えない気持ちに。今更後悔はしないけどね。
爽やかな謎解きの前半から最後半の重いテーマへの転換はしんどく成りかけたけど、アンチ余命物と言った感じで切なくもありつつ、暖かい終わり方は良かった。最後の謎解きの展開は何となく読めてしまったけど。
清春はいけ好かない奴と思った先入観から、いい -
良いタイトル
面白い。ミノの熱いシーンに、葉山君の告白に、伊神さんの超人っぷりに、終盤の展開と最高だった。タイトルも読み終わった後に考えると面白い。元々、動機周りのやるせない感じと不気味さが上手い人だけど今回は凄かったなぁ。学園推理ものでここまでドキドキしたのは初めてかも。
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Posted by ブクログ
Xでおススメいただいた本。
「名探偵外来」というタイトルだけならべつに読んでみようと思わなかった。
でもね、副題を見てほしいのよ。
「<泌尿器科医>の事件簿」よ。
え、泌尿器科ってあの泌尿器科?(あの、とは???)
でもって、それが「名探偵」とくるんだからミステリになりえるの???
ほら、ね、ふんわりとした興味がわくでしょ。
でもって帯には「なんでこんなになるまで来なかったんですか……」って。
そりゃそうだよなあ、病院にはいろんな科があるけれど、ここは誰にとってもちょっとやそっとではなかなか近寄りがたい科には違いないよなあ、とどこにともなく想いを馳せているうちに手に取っていた本書。
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Posted by ブクログ
人間を操り犯罪を唆す毒薬を使い、日本で「治験 」をして回っているのは、北欧のある国の第一王子だった!?
よくこんなバディの組み合わせを思いつくものだと感心するが、今度の相棒は「衰えを感じてきた中年刑事」と「ミリニアの第三王子(16歳)」!
人間の犯罪へのハードルを低めてしまう薬を使って主に殺人をさせて回り、その際に自分で考えたトリックを使う……という愉快犯「ジョン・スミス」の正体は、なんとある国の第一王子だという。この「王室スキャンダル」の真相を掴むため、弟(第三王子)のミカは日本にやってきた。そして、通訳ができる本郷薫刑事(50代)と、警察庁の不思議系美女・敷島(フェミニンな格好に拳銃を持 -
Posted by ブクログ
これは...やられた(^ ^; 絶対に映像化不可能、文学ならではの大掛かりな叙述トリック(^ ^; いや〜、見事に引っ掛けられましたわ(^ ^;
登場人物が、みな魅力的である。設定的にはある意味ファンタジーっぽいと言えなくもないが、エンタメに徹した作品と思って読むとその設定が活きてくる。変人は変人なりに、家庭人は家庭人として、冷徹な「AI課長」だってそれぞれの役割をきちんと果たし、それぞれの「見せ場」があり、ちゃんと魅力的なキャラとして成立している。ちなみにこの「強烈なお姉ちゃん」は、どこかで出会ったことがあるような気がするが...?(^ ^; 「5分間ミステリ」みたいなのに登場してたのかし -
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ネタバレ23/12/23〜24/1/2
7月に『23春』、8月に『22秋』、10月に『22春』、今回12月に『23秋』。順番が入れ替わったりしたけど、やっと最新作に追いついた。『23春』だけ、あと4人分がまだ読めてないので、次はそれを。
今回の『23春』は、今まで読んだ3つと比べてとても読み応えがあり、楽しめた。
12/23〜12/27東川篤哉 ★★★
『どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう』
『謎解きはディナーのあとで』以来。
おじさん作者らしいめんどくさい感じはあるものの、軽く読めて面白かった。トリックは想像通りだけど、まあ楽しく読めたのでよし。あるマイカの口調が楽しい。
12/27逸木裕 -
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ネタバレ前作の続きとして完結。探偵役の彼が卒業した後、どのような展開になるのかと思っていたが、基本的には探偵は出てくるんだな。もともと達観したキャラだったが、磨きがかかった。
それにしても伏線回収しまくった。前巻で感じたむずむずが今回もなくはなかったが、卒業式での物悲しさとは違ってちょっと春らしい雰囲気のせいか、ちょっと元気がでる。そしてそれ以上に伏線を回収していくさまに感動を覚えた。これぞ連作短編の良さ。
無理な設定もあるにはあるが、それが吹っ飛ぶくらいの読み応え。個人的にはここ数年で一番かもしれない。ちょっと過大評価だろうか。でも2巻にわけて、雰囲気を少し変えるなどもおそらく狙いだろうし、年末 -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本を読んで、なんだかいろいろ身につまされた感じ。何がというよりかは、全体に醸し出される雰囲気に。
こうした高校生・大学生が登場する小説をよく読むのは、灰色の高校生活だったことの代償行為なのかもしれないと常々感じるのだけど、なんとなく中二病的ななにかが働いている気もして、若干の痛々しさもなくはなく。
今回の作品は高校の卒業という、冬から春へ移ろうタイミング。その季節が持つ物悲しさ故だろう、「別れ」の話が多い。高校生の探偵ものという非日常な設定にも関わらず、高校時代の思い出のせいで、妙なリアリティがかぶさってくる。あぁもぞもぞする。
話としては一区切りがつくのか、卒業してしまった彼が今後