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Posted by ブクログ 2023年12月17日
前作の続きとして完結。探偵役の彼が卒業した後、どのような展開になるのかと思っていたが、基本的には探偵は出てくるんだな。もともと達観したキャラだったが、磨きがかかった。
それにしても伏線回収しまくった。前巻で感じたむずむずが今回もなくはなかったが、卒業式での物悲しさとは違ってちょっと春らしい雰囲気の...続きを読むせいか、ちょっと元気がでる。そしてそれ以上に伏線を回収していくさまに感動を覚えた。これぞ連作短編の良さ。
無理な設定もあるにはあるが、それが吹っ飛ぶくらいの読み応え。個人的にはここ数年で一番かもしれない。ちょっと過大評価だろうか。でも2巻にわけて、雰囲気を少し変えるなどもおそらく狙いだろうし、年末にいい作品を読めた。幸せ。
Posted by ブクログ 2023年09月24日
個人的に、大傑作です。これはシリーズを読み通そう、と思った。
ここまでの作品の描写で読み逃していたのかもしれませんが、私は伊神さんのビジュアルを美青年だとの認識がなかったので、途中でイメージがややバグってしまいましたが。
この後編で、謎解きのパターンが生まれたようで、学校などで事件が発生→葉山くん...続きを読むや柳瀬さんが捜査→伊神さんに相談→現場に探偵登場!これがとても楽しい。
で、オチもとても良い。最終巻かよ。
Posted by ブクログ 2023年01月30日
後編にして新しいキャラクターが登場するので、これでちゃんと解決するのか?と心配になるが、全てがパタパタと収まるところに収まる最終盤は読んでいて気持ちよかった。
難を云うと、シリーズ後半はすっかり伊神さんが主人公になってしまったが、最初はそんな感じの登場でもなかったので、脳内でのビジュアルがかなりもっ...続きを読むさり系男子高校生で設定されてしまっていて補正が大変だった。可憐な美少女?という感じで想像していた渡会千尋ちゃんはストーカー化しちゃうし。
このシリーズはこの先も続くのかー、どうしようかなあ、読むならかって読む?と迷う程度には面白かった。買うかな。
Posted by ブクログ 2020年03月15日
葉山くんと佐藤さんがうまくいっちゃったら柳瀬さんのポジションが微妙になっちゃうからねえ。『卒業式編』でいったん収束したかに見えた伊神さんの話が『新学期編』の出来事とうまく絡んで二度美味しい。
Posted by ブクログ 2019年04月19日
いや、これはまた色々と盛りだくさんな(^o^
正直、前半までは「ミステリ要素が薄いな。
むしろ学園もののラブコメ(死語?)じゃん」
と思いながら読んでおりました。
が。
この作者が、そんなハンパな状態で終わる訳がない(^ ^;
伊神さんの、え、いやまさかそうだったの!?
という意外な展開とい...続きを読むうか、キャラ設定というかが
明かされた後にやってくる「さらなるウェーブ」(^ ^;
尻上がりに「情けなさレベル」の上がる葉山くんにも
きちんと見せ場が用意されているし、
柳瀬演劇部部長は八面六臂の大活躍(^ ^
ギャップ萌えあり、濃いい新キャラ登場あり、
静かで熱い伏線の見事な改修あり...で、
本当に「これでもか」と言うほど内容が濃い(^ ^
そして、高校生が主役で、ほぼ学校が舞台なのに、
きちんと「おっさんが読んでも面白いエンタメ」に
昇華されているのが見事(^ ^
いや〜、堪能いたしました(^o^
Posted by ブクログ 2019年03月05日
なかなかに重たい話になってきたと思った。その中で、ミッションSはくだらない動機やら、手順のポップさ、みたいなのがとても好き。演劇部のノリの良さが凄くいい。
Posted by ブクログ 2019年02月19日
短編に見せかけた長編。最初から通して読むことで、全ての作品(断章さえも!)に意味があったのだ!となる。
読み進め、読み終えた時のスッキリ感がとても心地いい。
ラストはついふふっと笑ってしまうやり取りで面白かった。
Posted by ブクログ 2015年05月17日
曲がり角でごつんで可愛い一年生と出逢ってしまった葉山くん。
柳瀬さん大変!とわたしが慌てるにも関わらずやっぱり余裕な柳瀬さん。さすがですな、本妻は格が違います。
伊神さんその人の謎が明かされる本巻。
ああ断章はこう繋がってたのか。
青春の苦々しさと、でもこの幸福感はどうだ。
この余韻のあとに、あ...続きを読むのあとがきである。
Posted by ブクログ 2013年09月04日
軽い日常ミステリなイメージでしたので、軽い気持ちで読んでいました。
正直、途中のネタばらしでは、残念な展開だと思ってたのですが
裏の裏まで用意されていて、泣き所もあるなど後半の展開は圧巻でした。
残念ながらそんな深い展開が隠されているとは思わず読み飛ばしていたので後悔してます。
上下巻で読むだけの価...続きを読む値がある本でした。
Posted by ブクログ 2021年04月15日
後編。
卒業しても伊神さんは伊神さんですね!!!
デビュー作からめきめき面白くなってる気がする。
今回も連作と見せかけて(いや連作だけど)長編。すごかった。
なんちゅう中学生だ。
Posted by ブクログ 2019年10月12日
後編。いやー、全部納まるところに納まってよかった!前編では意味がわからなかった断章にもきちんと説明がついてすっきりと読み終えれた。しかし葉山君はちょっと不憫というか苦労性というか大変な役回りだったなぁ。
Posted by ブクログ 2019年06月17日
そのうち読もうと思っていた市立高校シリーズ。第一作「理由あって冬に出る」は、まあこんなもんかなという感じだったのだけど、続く本作は、断然良かった。この作者の味わい、好きだなあ。
正直に言うと、前作同様「トリック」にはあんまり感心しない。そんなことだったの…という肩すかし感があるし、何でまたそこまで...続きを読む大げさなことをせにゃならん?という違和感もある。でも、それを補ってあまりあるのが、登場人物の魅力だ。
主人公の葉山君はじめ、みな実に個性的。結構突飛なキャラもあるけど、基本的にほほえましくて、うーん、高校生っていいよなあとオバサンはうらやましくなるのだった。主要な人物がみなモテるタイプっていうのがちょっとアレだが、ま、その自覚のない葉山君に免じてOKということにしよう。
似鳥鶏さんって、いつもあとがきではふざけちらしてて、真面目な話とかしないんだけど、作品から伝わってくるのは人への柔らかなまなざしだ。少し前から読むようになって、そう感じていたのだけど、これはデビュー時から変わらないんだなとわかった。
Posted by ブクログ 2019年04月12日
つながってるんだろうな、と思いながら読んでいた短編が、やっぱり全部つながっていて、伏線が回収されて。
全編通して伊神さんのはなしだった。
Posted by ブクログ 2019年01月08日
シリーズ第3弾。(第2弾の下巻でもある)
名探偵の先輩伊神君の卒業後の葉山君の周りがなにやら騒がしくなってきた。
もててるようでそうでもないような・・・勘違いしてあたふたする様子の葉山君など高校生らしい様子がグっと増えた学園ミステリー。
謎のおおい先輩伊神君のいろいろな部分が解決するので良かった。
...続きを読む第2弾からの伏線の回収が多くて読み返す必要あり。
Posted by ブクログ 2016年05月28日
卒業式編・新学期編を合わせての評価・感想。
未読の方へ 一見、連作短編集に思えるかもしれませんが、卒業式編・新学期編の2冊を合わせて1つの話。あいだをおかず、一気に読むことをお奨め。
こんな構成とは思わず、ゆっくり読んで、私は失敗。連作「短編」であればものたりないと感じたところも、全体を通すとし...続きを読むっかりと意味がある。心地よい驚きを感じた。
「曲がり角でごつん」「そんな 特殊なもの/マニアックなところ ではなく」 最高!
Posted by ブクログ 2015年07月26日
にわか高校生探偵団シリーズ第2弾後編です。
コミカル学園ミステリです。
本作は卒業編(上巻)新学期編(下巻)の続き物です。
このシリーズもの、どんどん良くなっていくのを実感します。読みやすく引き込まれます。
「曲がり角でごつん!」なんとベタな(笑)
断章の話、なるほどこう繋がるのか。
伊神さんが良...続きを読むい味出してます。
Posted by ブクログ 2014年06月01日
なるほど、こういう仕掛けな。
学園小説、ラノベ、日常ミステリーとしては良い出来じゃないかなぁ。複数の謎解きがラストに向かって収束していく様は読んでいて「片付けすっきり収納術」な気持ち良さがある。リアル世代(高校生・大学生)なら日常に期待を寄せる事もできる淡くて甘酸っぱい恋物語もほどよく風味を利かせ...続きを読むているし、ちょっとした冒険心もコチョコチョと刺激されるし。
問題は前半1冊を読み終わってもやってこない物語に引き込まれる引力がやってこない冗長さが難点か?飽きっぽい人なら「こりゃアカン」と放り出すかも知れない。いっそ分冊止めた方が良いのかも
ってことで、☆4はこの巻のみの評価、卒業式篇と併せての評価は☆3.5かな
Posted by ブクログ 2014年02月22日
なるほど、こう話が繋がるわけか~。卒業式編で消化不良だった伏線も回収してくれてスッキリ! 伊神さんと柳瀬さんのタッグというか芝居というかが息ぴったりで好きです(笑)
Posted by ブクログ 2013年06月21日
高校生探偵、ではなく、何故か身近でいろいろな事件に遭遇してしまう、探偵助手?の葉山くんの学園ミステリシリーズ第二段後編。
謎のストーカー事件や、身に覚えのない脅迫状事件など、短編の謎をきちんと解きながら、前編から通じて脈絡なく起こってるように見えた事件と、意味深な断章をきれいに拾い上げた後編。おお...続きを読む、と思って、前編ひっくり返しました。よくできてるなー。
Posted by 読むコレ 2013年02月16日
ついに後編。前編で散りばめた断片がこの後編で
グーッと集約されてミステリ的なカタルシスも充分。伊神さんに纏わる
ストーリーの真相はかなり迫るものがありますねー。
かなり面白かったです。こういう風に散らばった幾つかのピースが
嵌っていくさまは美しく爽快です。見事ー!
途中のキュンな展開は...続きを読む往年のあだち充を思わすようなベタな
ラブコメ展開もありで非常に読者のツボを心地良く押してくれます。
演劇部部長との微妙な関係に割って入る新入生。しかもその
出会い方のベタさったら!!!
この方のあとがきも一つの楽しみになっており、前編、後編の
意地悪(?)な作りもこれなら納得の快作でしたー。
Posted by ブクログ 2021年05月25日
葉山&伊神シリーズ第2弾の後編。伊神さん卒業しちゃってどうなるのかと思ったけど、普通に出てきてた。葉山くん、そんなにダメなこじゃないのに、完全に当て馬みたいな役割でちょっとかわいそう。あ、でも今回はけっこう活躍したかー。謎解きも満足で、この巻はとても面白かった。
Posted by ブクログ 2017年09月11日
<卒業式編>からの続き。連作短編の体裁をとった長編のようなテイスト。個々の事件の伏線がラストで収束する様には舌を巻きました。じつははじめて読んだとき,<新学期編>最初のエピソード(5章)がどうにも受け付けず,そのまま積読になっていました。今から思うと,もったいないことをしていました。当初,ここで登場...続きを読むする新キャラがなじめなかったことも一因か。気になる方は6章から読んでみてもいいかもしれません。それにしても,少し読んでから寝ようとして,徹夜してしまったのはここだけの話。
Posted by ブクログ 2014年07月15日
〈卒業式編〉に続く後篇の〈新学期編〉。
可愛い一年女子のためにストーカー撃退に奔走する「ハムスターの騎士」、職員室のカードキーのすりかえにあたふたする「ミッションS」 、朝起きたら横でマネキンが寝ていた…という密室事件を描く「春の日の不審な彼女」の3編と、その後の後日談が収録されています。
「名...続きを読む探偵」の伊神さんが卒業してからもいろんな事件に巻き込まれっぱなしの葉山君。
第一作では、正直、葉山君の頼りなさ・地味さがキャラクターとして薄いなあと感じていたのですが、この作品では、未熟ながらも自分で考えて行動したり、他人のために能動的に動いたりしていて、印象が変わりました。
勿論、未熟さゆえに自分の気持ちをうまく伝えることができなかったり、あるいは自分を大きく見せようと恰好つけたりするのですが、そうした面も飾らずに素直に綴られているので何だかほほえましく、応援したくなります。
また、ミステリとしても、前篇から散りばめられた謎がパズルのように綺麗に回収され、大きな物語に収束していくのがお見事。
差し挟まれたいくつかの断章の意味もわかって、納得の読後感でした。
わたしのお気に入りは、主人公の葉山君よりキャラの立った柳瀬さん。
高校生らしからぬ芸達者ぶりが魅力的で、葉山君との今後の関係が気になります!
Posted by ブクログ 2013年09月25日
“角を曲がったところで突然人が現れ、避けようとした僕は脇の電柱に肩をぶつけ、ついでに相手の傘が額に刺さった。僕の顎の下で短い悲鳴をあげた相手は余程慌てたのか、残像を残しかねない速度で一、二歩後方に下がった。「すいませんっ」
「いや、こちらこそ」
傘がよけられ、相手の顔が明らかになる。眼鏡の女の子だ。...続きを読む僕より小さい。「すいません。あの、大丈夫でしたか?」
「大丈夫です」
「傘、刺さりませんでした?」
「大丈夫です」
「電柱にぶつかりませんでした?」
「大丈夫です」ずいぶん詳細に言うな。”
わー。
すごかった。
ちゃんと、卒業式編とつながっている。
最初は、ストーカー事件は自演自作かと思ってた。まぁ、間違ってはいないけど。
最後に明かされる、すべての事件に関する真相には正直びっくり。
きれいにまとまっている。
ことごとく外れる葉山君の推理も楽しい。
というか、鈍感な葉山君の性格が面白い。
希ちゃんの目的、伊神さんの過去は明かされたけど、これからのことも気になる。
葉山君の美術部に来年、希ちゃんは入ってくるのか?とか。
葉山君の恋人になるのは誰?とか。
続編に、期待。
“「なんか葉山君、聞いてたのとイメージ違うね」磯貝君が言った。「『昼の顔は美術部の真面目な優等生、夜の貌は凄腕のプロフェッショナル』って聞いたんだけど」
「えっ」
「『柔和に見えて元スパイ。KGB時代に同僚を射殺して、以後闇の住人となった』って聞いたんだけど」
「そんな馬鹿な」
「知りませんでした」
いきなり背後から声がした。振り返ると、至近距離に希ちゃんがいた。足音もたてずにいつの間に接近したのだ。僕は鳥肌が立つのを覚えた。
「お嬢さん」ミノが言った。「……すまねえが、どこから聞いてた?返答次第じゃあ」
「依頼人を紹介する、というところからです」
最初からじゃないか。磯貝君が顔を覆ってのけぞった。
「葉山先輩、裏の貌があったんですね」希ちゃんが興味深そうな顔で僕を見る。「もしかして私を助けてくれたのも、どこかからの依頼ですか?」
「……あのう、これだけは言っておくけど、僕は美術部だから」
僕がそう言うと、希ちゃんは微笑した。「はい。昼はそうなんですね」”
20130923 再読