適菜収のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書タイトル「脳・戦争・ナショナリズム」から何を想像して書店で手に取ったか、奇妙な組み合わせだなと思いながらも、脳科学者中野信子氏、批評家の中野剛志氏、そしてズバズバともの言う哲学者適菜収氏と普段良く手に取って読んでいる御三方の座談会形式に、いったいどんな会話がなされたか気になって読んでしまった。内容はタイトルそのまんま、3名の分野がそのまんま話の中心として、なんかこう、練り上げられていくと言う表現が正しいのか、形容し難いが面白い内容となっている。
まずは信子氏の脳科学的な知見が飛び出してくる。人の見た目に関して描かれる書籍は数多くあるが、本に書いて文字に起こして大丈夫か不安になる様な記載でか -
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Posted by ブクログ
速読ばかりが持て囃されている気がしているこの世の中だからこそこの題に惹かれて読んでみた
結果自分の判断基準が良くも悪くもブレたし憤りを覚えつつカタルシスも感じ、共感もした
どんな著名な本であっても全面的に著者に同意する必要もなければ反発する必要もないと私は常日頃から考えているつもりだ
ただ著者が言う
"くだらない何か"と言うものにある程度価値を見出だしている人間が少なくともいる世界社会に対してくだらないと一蹴するスタンスに触れると
それを本当に精魂込めて苦労して作り上げている人もいるわけでその生みの苦しみを何ら知らない人間に易々と世界を語れるほど世界は小さくないと思う -
Posted by ブクログ
徒然草は過激な思想書と帯にありましたが、今では当たり前のお話ばかりですが、人権などがない当時では過激な考え方かもしれません。
つれづれなるままに、日ぐらし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ
有名な一節ですが、当時は日記として他者の目に触れることがなかったと思うと、ひとりでその様な気持ちを抱え込むのは如何ばかりかと思います。今は、SNSで簡単に共有できますから。
どんな時代にも権力に対する不満はあったと思いますし、権力を握り驕り高ぶる人が失敗する姿を何度も見てきたと思います。
死生観についても、人はなんの前触れもなく死ぬこと -
ネタバレ 購入済み
無理をしない生き方の勧め
一部ご紹介します。
・過去は何をするべきかは教えてくれないが、何をしてはいけないかは教えてくれる。
だから、過去を学び、無駄なことをしなければいい。
「やるべきこと」ばかり考えていると、つらいばかりか人生を無駄にしてしまう。
目標や目的や理想に縛られると、現実が嫌になってしまうのだ。
「好きだからやる」「楽しいからやる」。それでいいのだ。
・30超えたら、カラオケは一人で行くべし。
聞きたくもない他人の歌など聴いていると、精神衛生上良くない。
・「世界古典名作全集」や「ゲーテとの対話」を読むべし。
・「断捨離」の極意は、自分にとって最高のもの、一流のもののみを残すことにある。 -
Posted by ブクログ
近代化に対する批判的な観点や、聖的なものの重要性が論じられている。共同体から切り離された個は、集団を求めてポピュリズムに向かうとの指摘は、まさに現代社会の問題点をえぐり出していると思った。
宗教やナショナリズムは知性を鈍らせ、死をも厭わない感情を抱かせるが、人間が生き延びるために必要なものでもある。デュルケームは、トーテム原理によって、共同体の社会的、道徳的同質性を維持できると書いた(「宗教生活の原初形態」)。トクヴィルは、人間は信仰をもたなければ隷属を免れず、自由でありたいなら宗教を信じる必要があると書いている(「アメリカの民主政治」)。ニーチェは、統合原理としての神とは、先祖に対する畏敬 -
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面白くて一気に読み終わってすぐに2回目を読み始めた。まず見開きから→「自分を救えるのは自分ではないと気づくことだ。自分の力などたかが知れていると思い知ることだ。」と自己啓発本の類なら大概「自分を救うのは自分しかいない」と書かれていそうだが、その逆を突かれ「ん?」となる。確かに我々現代人はマスコミや広告代理店のプロパカンダに毒されているとはよく言われる話ではあるが、では具体的にどう毒されているのかまでは深く考えない。何となく→「情報」を集めれば「正解」に辿り着くと信じているバカが多いのである。ではどうすれば良いか?それが適菜氏が昔から言っている「古典に還れ」「古典をあたれ」ということだ→「大事な
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Posted by ブクログ
書いてる内容でこの人は信用出来ると自分なりに判断する人とそうでない人がいて、また自分の読む力によって読みごたえある人とそうでない人がある。そのどちらも自分好みの著者の2人が共著を書いてることを知ってすぐに読んだ。特に適菜収氏に関しては3つ年上なだけだが圧倒的な知識量と頭脳の明晰さでもはやメンターとして著作を読みふけっている。自分の古典至上主義とも言える最近の考えは特にこの人の影響が大きい。中川淳一郎氏は著作で「電通と博報堂〜」を読んだことがあるのとニコ生関連で見たことがあるが自身も仰る通り現場作業員という感覚がとても人に好かれるカッコつけないかっこよさがある人だと思う。おれも肉体労働者を自負し
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Posted by ブクログ
情報の洪水の中で安易に答えを得ようすることなく、古典を読むことの勧め。人間の悩みは、今も昔も変わらない。同じことを過去の偉大な人々が悩み、考え、そして作品に残している。それを読み、謙虚に考えることでしか答えに近づく道はない。ゲーテ、ルソー、三島由紀夫、小林秀雄などの読書論を紹介しながら主張されていることには大いに共感できました。ただ、読書をしない人や、大衆迎合的な発想をする人への痛烈な批判が多く、なにもそこまで言わなくても、、、とも感じたりして。。あと、なんなのでしょう、この表紙?全く内容と合ってない。(あえて、上記のような人へ挑戦、挑発しているのだろうか?)