ゲーテの警告という物々しいタイトルですが、内容はほとんどゲーテに関係ありません。
ゲーテの言葉を引用しながら、現代社会を痛烈に批判した内容となってます。
まず、この本について語るには「B層」とは何かについて言及せねばなりません。
「B層」とはもともと小泉内閣が郵政民営化を推し進める際にあう調査会社
...続きを読むが大衆を分類するのに使った用語らしいです。
IQの高低および構造改革に対する姿勢で民衆をA層~D層に分け、そのうちどの層へのアピールを強めれば郵政民営化を実現できるだろうかという調査の指標でした。
A層:構造改革に肯定的で、比較的IQが高い層
B層:構造改革に肯定的で、比較的IQが低い層
C層:構造改革に否定的で、比較的IQが高い層
D層:構造改革に否定的で、比較的IQが低い層
上記のように分類されているのだが、「A層」、「B層」を下記のように言い換えている。
「A層」はいわゆる勝ち組であり、資本の原則に則りB層を躍らす側の人間である。財界の勝ち組企業やマスメディア、大学教授など。
「B層」はマスコミの報道に流されやすく、「A層」に踊らされる側の人間である。
つまり「B層」とは、マスコミ等の言うことを鵜呑みにし、さも自分の意見かのように思い込むこと思考放棄している人間のことである。
そのB層が増え続けていることによって現代日本の政治は低レベル化しているのだという。政治家としての技量よりも、いかに「B層」でもわかる聞こえの良い言葉で「B層」を騙せるかというパフォーマーとしての技術が選挙で勝つのに必要であり、その結果、身の無い不可能なマニュフェストで大衆の心をつかんだ民主党政権やアイドル議員といったものが生まれた。
流行の行列ができるラーメン屋に並ぶ人や銀座の高い寿司屋で食通ぶって原産地を聞く人は「B層」。
朝のテレビ番組の占いや昼間の低俗なワイドショー、ベストセラーが生まれるのも総じてそういう「B層」の人間が好み、買うからであるという。
そうやって世の中からホンモノが見失われていく。
まぁそんな感じで、いかに「B層」が日本をダメにしつつあるかという内容の本です。
でも、これを読んで自分が「B層」で無いと断言できる人は間違いなく「B層」の人間だと思うw
僕自身、こうやって人にすすめられてこの本を読んでるのも、ある意味「B層」的な発想ですからね。
マックとか吉牛も好きだし、何々賞を受賞!とか書いてあると興味をもってしまうし。
庶民を政治に参加させる民主主義が良くないという医者のたとえを用いた話はなんだか納得させられました。そういうことはプロに任せておけと。
この本の一番の面白いところは、『ゲーテの警告』といったいかにも「B層」の人間が手に取らなそうなタイトルでありながら、内容は完全に「B層」向けだということだと思う。そこの著者の皮肉が見られる。
このタイトルの本を手にとった時点で自分は「B層」では無いと思い込んでるが、しかしそれは”ゲーテ”という権威に踊らされている時点で実に「B層」的な行動なのだといった感じでw
文章力も表現力も拙い僕の文章では上手く伝わらないですが、是非読んでみてください!!
「B層」を対象とするビジネスが成功するわけですねw