適菜収のレビュー一覧
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ネタバレアナログ放送終了とともにテレビ鑑賞をやめた私は、テレビ主義に対する漠然とした恐怖がありました。なにが怖いってよくわからないからです。つまらないものやくだらないものほど大切にされる世界への疑念です。
私がテレビ主義と言っていたものの本質がB層という括りによって明確になり、諸々の心配が減りました。
「バカのバカによるバカのための政治」をはじめとする賢明な悪口が気持ちのいいバッサリ感です。
その分「うわぁぁ、B層と一緒にされたくねえええええ」という浅はかな焦りとの戦いでもありました。
B層になり得るおバカさんではあるので、もう必死です。
B層を卒業します。いや、しました。 -
Posted by ブクログ
「バカにつける薬」の呉智英さんと「バカを治す」の適菜収さんの、言ってみればバカ対談。愚民文明の暴走、というタイトルが付いているが、1章がいきなり「バカは民主主義が好き」である。この二人にかかれば、大抵の読者はバカである。仕方ないね。
内容は推して知るべしであるが、およそ脚注が充実というかアイロニーというか、「紫式部(生没年不詳)」のすぐ横に「綾小路きみまろ(1950〜)」などと、僕はどうしたらいいんだろう、という感じです。
適菜氏は自分の意見に合わない人はみなバカ、という印象を持っていました。本書でも、黙ってるほうが教養が必要です、とか、本のレビューは読書をしっかりしている人と中学 -
購入済み
同意はすれど
B層が自分にとって我慢ならぬもので有ることは再確認。しかし、自分ももしかしたらB層ではないかという不安も現れる。奴らより上だ、という気持ちは「奴ら」が思う「自分は進歩的だ」という思い込みと似ていないか?
しかし、B層は有るはずのない自分の能力を頼んで暴力的に権力の座に着く。欲望は抑えることは出来ないだろう。ならばせめて、暴力を排することは出来ないだろうか?そこで、あらゆる人の最低限の納得を取り付けるというプロセスが必要で、その答えが民主主義なのではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレニーチェ著「反キリスト者」の現代語訳。
気持ちいいくらいキリスト教がこき下ろされている。
当時これを出版するのには勇気が必要だと思う。
確かに十字軍の遠征とか世界史を学んだときにはけっこう疑問だった。
何故、彼らは自ら進んで執拗に戦争をしかけるのだろうか、
何故、ここまで異教徒を認めないのだろうか。
私は特にキリスト教はもちろん特定の宗教を信じてはいない。
しかし、それでも私は何かしら彼らに影響を受けているのだろう。
何せ2000年の歴史を持ち、信者は20億人もいるのだ。
単にキリスト教を否定するだけではなく、
物事の見方のヒントも示しているとは思う。
ただ、邦訳を読んでないので、
ど -
Posted by ブクログ
表紙に9.11ツインタワーのイラストでこのタイトルでは、とても危うい感じだが、ニーチェ最後期の『アンチクリスト』の現代語訳といった本である。
批判の書としてよりも、主張の書として読んでみると、面白いのはエリート主導の理想社会観で、「権利の不平等こそ権利があることの条件」「権利とは特権」、平凡な人の、単純に自分には何かをする能力があると感じる幸福感(そんな特権)が公共の利益として働いているのだ、だから彼らを大切に扱うのは例外的人間の義務だ、なんていうくだりには刺激を受ける。
反抗の対象が変わっても、闘争方法は意外に共通するものなのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレニーチェの入門書です
ニーチェの思想についてざっくりと読み進めることができます。ニーチェが何を問題として議論しているかも大変分かりやすいです。
目次の引用です
序章 目を覚まそう。洗脳を解こう!―ニーチェについて
第1章 キリスト教は邪教です-歪められた「神」
第2章 民主主義者はもうやめない?-民主主義は危険なイデオロギー
第3章 世界はなぜ存在するのか?-権力への意思について
第4章 正しい格差社会へ―永遠(永劫)回帰と超人
第5章 ニーチェは反ユダヤ主義?-ナチズムとキリスト教
ニーチェはキリスト教をかなり批判していたようです。目次タイトルからも分かるように、かなりの敵をもち、ニーチ -
Posted by ブクログ
ネタバレ選挙結果に釈然としないものを感じて、閉塞感を打破できない、役に立たないインテリリベラルの教書だと揶揄される「ニーチェ」や「ハイデガー」をきちんと知るべきだ、と思い立って(?)本屋をうろうろしてたらこの本に出会ったので即買い、即読み。
適菜収は、キリスト教、民主主義、近代イデオロギーが生み出した、B層大衆と、歪んだ平等主義をニーチェの思想をベースにして激しく批判する。というか、筆者はずっと怒ってる。「女性は政治家に向いていない」とか、「日本の官僚制は優れている」とか、マスメディアで発言したら、間違いなく(それこそB層に)叩かれる発言をボンボン言うので、大丈夫か?と思うところもあるが、やっぱり、