あらすじ
来る2020年11月25日は、三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地に乱入し割腹自殺を遂げてから50周年を迎える。これまで作家適菜収氏が三島由紀夫を研究し、三島の言葉の意味するところを「三島の予言」として世に問う一冊。三島は自決の4カ月前に語っている。「このまま行ったら日本はなくなって、その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済大国が極東の一角に残るであろう」、そして「人間というのは豚になる傾向もっている」と。そんな国家や社会や人までもが道徳や倫理観を失い、信用さえできなくなった時代に、日本人はどこへ行こうとしているのか? われわれは今後どんな価値観を取り戻して、堂々と生きるべきなのか? 三島が予言した言葉とその意味を探った適菜収の三島由紀夫本の集大成であり、現代日本の病を克服する処方箋に満ちた書。
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Posted by ブクログ
読みたかった本。読み進めて数ページだが、理解するまでに時間を要する。頭を使う本を読む事が久しぶりであることを実感させられる。まず、最初に右翼と左翼や、武士の自決と小説家の自殺について、自分の固定観念をリセットする必要があり、面白かった。その説明をしてくれている所がやさしい。
Posted by ブクログ
三島が決起して55年。彼の警鐘は間違ってなかった。その発露方法は別だろうけど。さらに、日本の、日本人の精神的な退廃は進み、経済大国ですらなくなったというのが現在の日本では。
三島由紀夫の警鐘を現在に鳴らしてくれるのは良い1冊だけど、それを引用した適菜さんの強い主張の声が大きいのがやや残念。