山口周のレビュー一覧
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これからの時代、製品・サービスに必要なのは、性能ではなく「美意識」だ。ビジネスで成功するために知っておきたい美意識の持つ力、活用法を説く書籍。
「美意識」とは、人が自らの感覚を通じて対象や経験を理解し、知覚することで得られる喜びや満足感のこと。美意識に支えられたビジネスは、消費者に見た目、味、音など「感覚上の満足」を提供し、喜んで買いたいと思わせることができる。
物があふれている今日、消費者は物欲に駆られることはなく、意味や意義のあるものを求めている。そうした中で、豊かな美意識を持つ企業となるためには「レゾン・デートル(存在理由、存在価値)」に拠って立つことが求められる。それこそが、真に顧 -
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日本のトップと組織の病巣をつく
おわりにで筆者が種明かしする様に、イノベーションではなくリーダーシップ論と組織論
■概要
そもそもイノベーションが「日本人」から生まれないのではなく、日本的リーダーシップと日本型の組織、人材採用・配置、コミュニケーション、評価に問題あり。
権威や役職がないのでリーダーシップを取れませんではなく、必要に迫られてアクションを取り人を動かしていくのが本来のリーダーシップ。米国型を映画『ジョーズ』に、日本型を『ゴジラ』から見て取れる。後者は政府は絶対正義、前者は無能な市長を差し置いて街の人が勝手に動く。
組織は多様性、特にバックグラウンドの多様性(それが思考の多様性 -
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山口周氏の著作の中で初めて読んだ。
7人の各専門家との対談をまとめたもので、機能不全または暴走とも呼べる現代の資本主義社会をどのように捉えていくかというテーマが通底している。
本書の目的・方向性は要約すると「時代の先を読めない現代における指針、ヒントを得る」となるが、これはそれぞれ専門の異なる人らとの対談を集めて説明するためにやむなく取ってつけたように感じる。
本書にチラホラ登場する「教養」というキーワードもやや流行りに乗っているような雰囲気がある。
とはいえ、本書の内容自体は重厚だ。
各人の研究・実践のテーマそれぞれはまさに現代社会の課題を解決するための糸口であるし、非常に期待できる。
本来 -
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デジタル技術によって「最大多数の最大幸福」ではなく「最大多様の最大幸福」を目指すことが可能になってきている。相互の評価が参照可能な形で残るDiDiやUber Eatsのような仕組みにより誠実な行動が促進される社会になってきている。
そうしたテクノロジーに社会の方が追い付いていないこととして、GDPを唯一の指標とする社会評価や、政策の組み合わせを主張する人間としての政治家が多様な民意を代弁する間接民主制が挙げられる。より多様な指標をリアルタイムで評価し、政策単位で人々のニーズを吸い上げる直接民主制を実現できるはずである。
全員が納得する課題が解決され人々の不満が解消された今、社会のニーズは多様に -
Posted by ブクログ
自分が電機メーカー半導体営業の仕事を辞めて大学職員になった理由、うまく言語化できていなかったけど、本書を読んでこの感覚だと思った。規模の経済、労働力コスト勝負のビジネス、製品競争力をもつ上で誰かの犠牲が不可欠なビジネス、生活のための労働とかはもうしたくない、顔のわかるコミュニティで直接人に貢献したい、仕事そのものが報酬になりえる仕事がしたいというような感覚。
著者が強調していたこと、つまり、現行の古い社会の形成に加担してしまっているのは自分自身であり、まずは自分がお金や時間の使い方や働き方などを改めなければならないというのもそうだなと思った。 -
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山口周の主張。美意識が何故必要かや、アートの重要性は本著でも語られる。同質性の罠から抜け出すためにアートを重視する欧米企業。対して、サイエンスさえままならない日本。完璧な論理、再現性ならば、もはやAIで十分という時代がくる。大事なのは感性だ。
本著で胸にくる言葉に出会った。ストレス=緊張がない状態は、チャレンジではないと。読み開くと、チクセントミハイのフロー図。フロー状態こそが幸福の条件ではないかと。緊張感が無いと、生きる実感が無い。データによるメタ解析による予定調和の人生では、責任者も明確ならず、責任の概念が無ければ、緊張感がない。従い、AIに仕事を委ねた後には、生きがいが喪失し、アバター -
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①戦略
何をインプットするか考える。それは、何をインプットしないかを定めることにもなる。戦略には差別化が必要。人と違う力。それには、取捨選択が必要。何をしないかを決めるのは、何をするかを決めるのと同じぐらい大事だ。
自分をプロデュースするつもりでジャンルを選ぶ。他の人にはない組み合わせを。
グローバル企業の幹部が哲学や文学などの教養をあらためて学び始めている実態があるが、彼らがそのような教養を学んでいるのは、変化の激しい世の中に引きずられて価値を失うことのないよう、礎になるような知識を求めているからだ。
②インプット
本が最もわかりやすい例だが、日常の生活を通じて様々なものをインプットする事