山口周のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山口さんの少し前の書籍。
ある人が薦めていたので、読んでみました。
タイトルからは、そんなに期待していなかったですし、
読んでいて少し論理展開に無理があるなぁ…と思いながら読んでいたのですが、
さすが山口さん、山口さんの思考をなぞるのが途中から楽しくなってきました。
確かに、細かい点で突っ込みたいところは色々とありましたが、
それでも山口さんがこれまでインプットしたリベラルアーツから、
この考えを抽出されたのかと思うと、とても興味深く読めました。
・明治維新・太平洋戦争と革命ともいえる変革は、80年周期で起こっていると考えると、次は2025年(もう、すぐそこ!)。
・権力者に圧力をかける方法は、オピニオンとエグジット。何もしないのは、権力者に同意しているのと同じ。
・イノベーションには大物とバカが必要。
・人が最も変化しやすいのは、新たな経験と自身がもつ既存の理論とがぶつかるとき。(ジェームズ・E・ズル))
・なにかにチャレンジをするということはそれまでにやっていたなにかを止める、ということ。
・オッサンが再び輝く方法:サーバントリーダーシップと学び直しによる自身の社会的な位置づけのパラダイムシフト
個人的には、オッサンにも問題があるだろうけど、
イケてない若者もたくさんいて、
オッサンからすると突っ込みたくなるような気がしないでもないです。
イメージ、経営者になるような人は、オッサンでもそれなりの見識と価値観をお持ちなような気がしますが、
窓際部長で生き残ろうとしている人は、
確かに本に書かれているようなオッサンに当てはまるかな、という心象。
加えて、悩ましいのは、若者の中で本物のイノベーションを生み出すバカ者を見つけるのが、
至難の業ということ。加えて、バカ者のアイデアも百発百中という訳ではないだろう。
イノベーションなんてそんなもの(裏で失敗がたくさんある)、
というのは重々承知している前提で、この問題は、
オッサンの質が低いという著者の主張と本質は一緒なような気がする。
ひるがえって、(日本と比べて)アメリカではイノベーションがたくさん生み出されると仮定すると、
アメリカにはオッサンがいなからイノベーションが起こるのではなく(多分、アメリカにも相当数のイケてないオッサンはいるはず)、
一定母数の大物(バカ者をサポートする人、アメリカの場合はVC)がいることではないか、と個人的には考える。
イケてないオッサンの中の一定割合(ただし、割合は限りなく低い)で大物がいるとすれば、
大切なことは母数を増やすこと、つまり人口が多い国(あるいは、マーケットの大きな国)の方が結局は有利ということか。。
なんてことを考えながら、本を読みました。
細かい賛否はあるかもしれませんが、
こういうスタンスが取れるような人にはなりたいと思います。 -
Posted by ブクログ
各領域のスペシャリストと山口周との対談集。彼らの専門性や価値観・世界観はまったく違っているが、根底にあるこだわりには同じものがある。
そのこだわりこそが表題にもある「思考のコンパス」たりえるのだろう。VUCAの時代を生き抜いていくためにはある種の指針を貫くものが必要になる。
興味深いトピックも複数あった。特に「自然は人工のものより圧倒的にビット数が多い」(北野唯我)「贈与間の時制のズレがエモーショナルを生む」(近内悠太)「カオスな環境に身を置くことで自分の課題と指針が見つかる」(高橋祥子)という話は面白かった。
なによりこれらの専門家と話を合わせて内容を深掘りできる山口周の知見の広さがすごいと再認識させられた。 -
Posted by ブクログ
尾原和啓・山口周の2人が、対話形式で仮想空間シフトについて語り合う本。新型コロナウイルスにより、すでに進んでいた仮想空間シフトが急加速した中で、どの様な世界になるのか・どの様な人が進化できるのかを示唆している。
現在は仕事が変わる段階で、これが進むと人間や社会が変わり、社会が変わると人生が変わり、人生が変わると国家や行政が変わると述べているが、概ね肯定である。小さい時から仮想空間に慣れている「デジタルネイティブ世代」が20〜30代となる10年後には、間違いなく仮想空間へのシフトが進んでいるし、同時に価値観も変わっているのは分かりきっている。その環境に順応し、進化する為には変化に前向きになり、まずやってみる事、コンフォートゾーンから抜け出して色々な変化を受容する事が重要であると思う。
ルーチンになりがちな日常を変え、ライフワークを作る為にもやりたい事を躊躇無くやってみる事から始めたい。 -
Posted by ブクログ
◯なぜビジョンが必要なのか
・これまで評価されていたのは「与えられた問題に対して、早く正確な答えを出せる」こと。しかし、今は早く正解な答えがそこら中に転がっている。正解が過剰になり、問題が希少になっているので、問題を提示できるほうが優位になっている。
┗ 世界はこうあるべきではないか?という問いが重要
・豊かな世界になった。豊かになったということは足りているということであり、飢えていない。飢えてないのであれば、答えを出すことが難しいビジョンで飢えさせないといけない。
・VUCAな時代になり、スピードが早い世界になった。経済予測や3年計画が一瞬で崩れる。ビジョンのために仕事をすることで折れない指針ができる。
過去から変わらず必要と言われているが、昨今は「パーパス」という言葉が登場したことに注目したい。さらにSDGSなど周辺分野の言葉も増えていて、ますます「意味」が求められる場面は増えた。
時代的に必要性は増した証拠である。
◯ビジョンづくりで意識すること
・事業との繋がりが見える
・社会との繋がりが見える、共感される
・会社が目指す最上位の概念
・建前にしない
・問いでもあり、答えでもあるようなものにできればベスト
┗ 経典のテキストはそうなっている。答えを求めて読む人もいれば、そこから何かの問を投げかけられている感覚になる人もいる
・WILL、CAN、MUSTが重なり合うところを探す
WILL(合議ではなく一人の熱い想い):一番重要。経営者の覚悟であり、経営者のすきなことから根掘り葉掘りすると良い。これまでの文脈・歴史を汲み取り、お客様に媚びないことも重要。そして何よりテンションが上がること
CAN(背負い切れるギリギリの範囲にする):無理ではあるけど、無理じゃない、できる範囲ぎりぎりを攻める。動詞にすることも重要。そこに向かって前進していくというイメージになる
MUST(社会課題と連結する):社会との繋がりが見えないと共感されづらい。これが意識されていると、メディアインタビューなどで話が広がりやすかったり、採用力に繋がる
・理知に訴えるのではなく情に訴えかける
◯ビジョンのリスク
・やれないことがでてくる
・会社がデカくなり事業が増えれば増えるほど、整合性がとれなくなってきたり、抽象化してわからなくなってくる
・くそビジョンマンがでてくる。ビジョンだビジョンだと盛り上がっていると、ビジョンの下部構造=事業や組織がうまくまわせないリーダーがでてくる。物事には順序があり、まずは率先垂範できる能力と部下との関係構築ができてからのビジョンである。
→いきなりビジョン型で成功したリーダーはいない。みんな能力→ビジョンと発達している。ビジョンは万能ではなく、正しい体系の上で効果を発揮する。言葉の上っ面だけに反応してはいけない
◯ビジョンの流行らせ方
・何度も何度も話をする
・パーパスなし→パーパスあり・共鳴なし→パーパスあり・社員共鳴→パーパスあり・ステークホルダー共鳴。要は、最初は共感なくて当たり前ということ
・社外経由で社内に伝える。そもそも社長を含む偉い人の話なんて聞かれていない。インタビュー記事などの社外の語り部から通すと伝わりやすい。こういうときにも「社会課題との連結」が重要になる
・逃げてもいいというオプションを持つこと。何が何でもビジョンを達成させるんだという強迫観念をもつ必要はない。ビジョンはゴールを決めているだけなので、そこにいたるプロセスは大切ではない。一瞬逃げるのはあり
・組織のビジョンから個人のビジョンを派生させられれば最高
・階層性を意識して語る。ビジョンにしてもパーパスにしても、組織全体のこととして語られている。個人のビジョンも、部署単位のビジョンを考えることにも意味がある。そういう積み重ねがあってビジョンは機能する
◯ビジョンの効能
・ビジョンはコンパス。地図がなくてもコンパスがあれば前進できる。ビジョンがなければ、地図を見ながら目的地を探すことを毎回行わなくてはいけない
◯事業づくりの考え方の変遷
プロダクト・アウト:買い手のニーズよりも企業側の理論を優先させること。 「作り手がいいと思うものを作る」「得意とする技術を活かした製品を作る」「作ったものを売る」。製品やサービスが良いものであれば売れるという考え方がベース。
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マーケット・イン:顧客が求めているものを調査し、それに基づいた製品を企業が開発・提供していくこと。いいものを作れば何でも売れるわけではなく、売れたものが良いものという認識に変わった。
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プロダクト・アウト:マーケットインは当たり前で、その上でプロダクトアウトだよね、という考え方。
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ビジョン・アウト(になるかも):市場起点ではなく、自分たち起点。
◯ビジョンとかパーパスとかミッションとか
・どう呼ぶか、どれを上位とするかの議論は頭悪い
・ミッションを一番上にしたり、ビジョンを一番上にしたりするけど、どれでもいい。定義がないってことだから、自社で決めるしかない
・「ビジョンやミッションは古い、これからはパーパスだ」と主張する人もいるが、これまた不明
・定義が曖昧なバズワードは経営判断の罠になる。楠先生曰く「飛び道具トラップ」。ビジョンは実現したい状況や姿のことなので古いとか言われても意味わからん。ミッションもやらなければいけない使命の概念を指すので、新しい古いと論じる人は飛び道具トラップにはまっている
・いろんなビジネス書を読んで、ビジョンミッションパーパスの違いを一生懸命に理解しようとしても無駄
・ビジョンパーパス議論の背景にあるのは「お金を儲ける以外にも、人々の共感を引き出せるような崇高な目的や理念が必要だ」なので、そこさえ踏まえれば何でもいい -
Posted by ブクログ
リベラルアーツを題材にした、角界の著名人と著者の対談集。
変化の激しい時代。専門知識だけで物事を判断しようとしても、新しい変化には対応しづらいし、全体の流れとは別の方向に向かう判断をしてしまうリスクもある。全体を俯瞰して、総合的に判断する力が必要であり、それを支えるのがリベラルアーツである。ということだと理解していますが、リベラルアーツという言葉がややバズワードすぎて、時間とお金に余裕のある人の、単なる絵画、音楽、文学などの趣味の領域を指すものと、単純に理解されがちな嫌いもある気がします。著者の主張はよくわかるので、ビジネスだけでなく一般人が、日々の暮らしの中で総合的な判断をするために必要となる基礎的な知識であることを、かみくだいて説くような書もぜひ出していただきたいと願います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレVUCAの時代と言われるいまでも、多くの企業がコンサルティング会社や広告代理店に巨額の費用を支払って、「何年先にどうなるのか?」という未来予測を依頼しています。はっきり言ってそんな発想が時代遅れなのです。未来を他人に聞くのではなく、「あなたは、一体どうしたいのですか?」と、そろそろ問いそのものを変えなければならない時期に来ているのだと思います。
複雑で不安定な現代社会では、「分析」「論理」「理性」といった、これまで絶対視されてきたサイエンス重視の意思決定や方法論が限界にきていることを述べ、このような時代には、経営の判断にも、自らの「真」「善」「美」の感覚、すなわち「美意識」を鍛え、拠り所としていくことこそが重要だと訴えました。同書が幸いにも多くの読者に受け入れられたのは、私と同じような問題意識を持っている人が多かったからでしょう。(p.20)
パブル経済の崩壊から三○年近くが経ったいまなお、戦後の高度経済成長があまりにも成功したために、ご指摘の製造業モデルから脱皮するのに苦労しています。一方、世界は大きく様変わりし、まったく異なる成長モデル、成功モデルが次々と生まれています。
いま、日本が行き詰まっている理由は、モノづくり信仰の一方でGDPに占める製造業の構成比が二割程度、雇用者数は約一〇○○万人で全体の一七%程度となったことからわかるように、もはや製造業では社会全体を引っ張れない状況になっていることが主因です。代わって伸びているのはサービス産業です。
また、この三〇年間、日本の正社員の労働時間はほとんど減らず、年間二〇〇〇時間前後で推移しています。にもかかわらずGDPの平均成長率は一%にとどまっている。日本と同様に少子高齢化が進行している欧州では、年間労働時間は一三〇〇~一五〇〇時間程度で平均二·五%近く成長しています。
なぜ日本でこのように成長率が低迷しているのかというと、製造業からサービス産業へと産業構造が変化しているのに、人材も働き方も製造業の工場モデルを続けているからです。サービス業で問われるのは、与えられた課題をこなす力よりも、課題を見つけ出す力、新しいサービスにつながる独創的なアイデアを生み出すカです。APUが評価されているのは、 そうした力を養うには、 とがった個性を尊重する教育に転換しなければならないということに、社会が気づき始めた証左かもしれません。(p.87,88)