あらすじ
これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない――「直感」と「感性」の時代――組織開発・リーダー育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループのパートナーによる、複雑化・不安定化したビジネス社会で勝つための画期的論考!
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Posted by ブクログ
憧れの方からバイブルとして紹介された本。
ワクワクして、次読むのが楽しみになった、とにかく本当に面白い。特に「アート」「サイエンス」「クラフト」の考察は非常に勉強にり、納得。営業をやっていると論理的な説明が求められる。ここに苦手な部分を感じているが、今後その点のスキルを磨きながらも時に感性を大事にしなくてはならいと再認識。本書で出てくるアカウンタビリティーについてどう考えるかに紐付く。日々の生活やリーダー論としてもためになる。来年は美意識を鍛えられる趣味に挑戦、もう少し文化芸術に触れられるよう意識したい。
Posted by ブクログ
普段の生活の中、仕事の中でぼんやり感じていたことがすごくクリアになった。メンタル病んでる人の中にはアート感覚の希薄な人も多い。変化の激しい現代を生き抜くためにアートな力が必要なのはエリートだけではない。
Posted by ブクログ
ガリ勉でサイエンスに偏っている自分に刺さる内容でした。美意識という言葉にまとめられていますが、「真・善・美」の方がイメージしやすいと感じました。
Posted by ブクログ
この時代のビジネスで活躍するために必要なことが、個人的には非常にわかりやすくてまとまっていたと思う。
読んでから分かったのだがここでいう美意識というのは、ただ見た目などの表層的なものにとどまらず、内面の道徳感などの美しさも含んでいた。
アート・サイエンス・クラフトという概念があり、AIの時代ではサイエンスの強みが出せなくなってきた今、美意識が非常に重要になる
Posted by ブクログ
【まとめ】
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?―経営における「アート」と「サイエンス」』山口周
1. サイエンス(論理・理性)だけでは差別化できず、アート(美意識)が差別化と共感を生む。
2. 現代は自己実現的消費の時代で、価値判断に美意識が不可欠。
3. VUCA時代では既存ルールでは対応困難で、美意識という感性的判断軸の重要性が増している。
4. 教養(哲学・文学・詩)への接触で、メタ認知・柔軟性・表現力が高まる。
5. 経営判断は「アート」が軸、サイエンスとクラフト(実行)が補完。
【気付き】
- 論理や数値だけでの意思決定は限界。直感や美意識が差別化と強いビジョンの源泉になる。
- アートを経営と結びつけることで社内外を共鳴させられる。
- 教養が俯瞰的視座や創造性のきっかけになる。
- PDCAにおいて、Plan=アート、Do=クラフト、Check=サイエンスという役割分担が有効。
【仕事にどう活かすか】
1. 上場企業への助言に「感性バイアス」の視点を加える。数値・ルールだけでなく、美意識の軸を重視するよう提案。
2. ビジョン構築支援にアート的発想を導入。AppleやGoogleのように感性的魅力を備えたビジョンを描く。
3. 教養的インプットの機会を創出。経営層向けに哲学・文学・アートの体験型プログラムを企画。
4. 判断フレームを再設計し、PDCAの「P」にアートを組み込む。直感・哲学から構想し、クラフトとサイエンスで実行・検証。
5. ステークホルダー配慮に美意識ファクターを導入。「この判断は美しいか?」を組織的に問う仕組みを構築。
Posted by ブクログ
ビジネスとアートは対極のイメージがある。
現在のビジネスシーンでは数値化されたものを分析、比較するスキルがもてはやされる一方、結果として結論はコモディティ化し薄っぺらいもので差別化が図れなくなっている。
美意識が求められる背景
正解のコモディティ化では複雑化、多様化した状況を打破できなくなってきた
自己実現社会へ移行し感性に訴えることが競争力の源泉になってきた
ルールの間や不備をつく不祥事が増加しシステム自体を図る別のモノサシが必要
どのように美意識を鍛えるか
マインドフルネスを通じて自己認識を大事にする
「読む」と「見る」は異なるものと認識しパターン化せずに目に入るものそのものを意識
システムを懐疑的に批判するスキルとしての哲学必要
自分なりの美意識の持ち方
自分なりの評価のモノサシ、価値観を明確にする
物事を相対化できるようリベラルアーツを身につける
捨てる勇気と無関心にならないように
損得でなく善か否かを意識しなければ何でもありのやったもん勝ち、「善」という意識がなければ疲弊した世界となる。
「美意識」は古来より日本人が大事にしてきたDNAではないか。数値化できないところに価値、強みがあることに気付き始めた。
Posted by ブクログ
正しいかどうかはさておき、この本を読んだ感想や思考の整理の場とします。
これまで、企業では市場分析や顧客分析から論理的に儲けられることの説明をして、ゴーサインがが出たものを商品やサービスにする事が正しいとされてきた。しかし、多くの場合いずれレッドオーシャンに突入することをこの本を読む前から感じていた。みんなが同じプロセスで考えていたら完全に同じでなくても、似たような答えに辿り着くことは容易に想像できる。
顧客にこれが良い!と提案する形のビジネスのあり方っていうのも面白い。今後はその視点でもビジネスを見てみようと思う。
近年、企業の価値の比重が、MVVやパーパスなどのソフト面に移動してきているように感じていた。商品でも同じ。うる覚えだが、「アップルはストーリーを売っている」というようなことが書いてあったかと思う。それを持つことで得られる属性がある。物そのものの価値もさながら、ソフト的な価値も提供している。
これまで考えていたことに横串を通すような内容でとても面白かった。何か、野中先生の失敗の本質や、三つの過剰にも何か通ずるところも感じた。
Posted by ブクログ
真善美は、ビジネスにおいて最も必要とされている判断軸だと感じた
知識や技術発展はある程度のところで収斂していくから、差別化できるのは最後は人の気持ちを動かす感動させられる美しさ、だという主張に納得できた。
Posted by ブクログ
映画をたくさん観ていると、最初のワンシーンで面白いかどうか分かるようになり、その次のステージではパッケージやトップ画像で面白いかどうか分かるようになってくる。さらに進むとなんかアマプラに呼ばれてる気がするという風になる。そして最終的にはこういう映画がそろそろ作られるなという感覚になる。
本書では書かれていないが、美意識には時間という軸が存在しないと小生は思っています。
時間を意識した時点で、時勢やタイミングが読めなくなる。時間から距離をおこうとすると、余計時間を意識してしまう。このジレンマから解き放たれるために人は美意識を鍛えるのである。
Posted by ブクログ
面白かった。
本書は、先の見えない不確実な時代において、「論理」や「数字」だけでは十分な経営判断ができなくなっているという現実に警鐘を鳴らしている。これまで通用してきたサイエンス偏重の経営スタイルには限界があり、今後は「美意識」=アート的視点が必要になる、というのが本書の主張である。
「正解がコモディティ化」している現代においては、論理的な思考だけでは差別化ができなくなった。その結果、企業はスピードとコストでしか勝負ができず、競争は“消耗戦”に陥ってしまう。このような状況から抜け出すために必要なのが、「何が価値あるものか」を見抜く力、すなわち“美意識”であるという視点は非常に示唆に富んでいる。
本書で語られる美意識は、単なる芸術的センスのことではない。論理では判断できない場面において、「これがよい」と感じられる直感的な判断軸のことを指している。カントの「美しいとは普遍的妥当性がある」という言葉にもあるように、美意識には主観と客観の間をつなぐ役割がある。まさにその感覚こそが、これからの複雑なビジネス環境における意思決定を支える要素なのだと感じた。
経営とは「サイエンス(論理・理性)」「アート(感性)」「クラフト(実践知)」の三つの力で成り立っているという考え方も印象深い。PDCAのフレームにあてはめると、「Plan=アート」「Do=クラフト」「Check=サイエンス」と整理されているが、特にPlanの段階でアート=感性が必要であるという点は見落とされがちである。
一方で、本書が見逃していないのが、「アートがサイエンスに負けやすい構造的理由」である。現代の企業や組織ではアカウンタビリティー(説明責任)が重視される。その結果、「説明できるもの」「再現できるもの」が正当化されやすく、数値化しにくいアート的判断は軽視されがちである。たとえ優れた直感に基づく意思決定であっても、言語化や根拠の提示が難しいため、会議の場やレポートの中で説得力を持たせることができず、サイエンスに押し負けてしまう。
この構造が、企業の中で「論理優位」の意思決定文化を生んでいる。その結果が「分析麻痺」であり、判断が先延ばしになったり、実行力が低下したりする事態を招いている。著者は、このような構造を打破するためには、経営の中心にアート=美意識を据え、左右の両翼にクラフトとサイエンスを配置する新しいリーダーシップモデルが必要だと説いている。
Apple、ユニクロ、無印良品といった事例を通じて、アート的な視点がどのように実際の経営に活かされているかが紹介されており、理論だけでなく実務にも役立つ内容となっている。「選択と集中」ではなく「選択と捨象」という考え方もユニークで、ビジネスの本質を見極める姿勢に通じていると感じた。
また、「イノベーションの先にあるストーリー」が企業価値を支えるという視点も重要である。技術や機能は模倣されても、そこに込められた世界観や理念はコピーできない。実際にAppleの製品が模倣されても、その人気が根強いのは“ストーリー”がしっかりとあるからだと納得した。
さらに、美意識を持つことで、目の前の「常識」や「ルール」を疑う力が身につくという点も見逃せない。異なる価値観や文化に触れること、美しいと感じるものを大切にすることが、自社や社会の中で「本当にそれは正しいのか?」と問う力につながっていく。これは、組織の慣習に流されない判断力を持つためにも重要である。
総じて本書は、「論理と感性をどうバランスさせるか」という問いを立て直すきっかけとなる一冊である。論理的に正しいだけでなく、「それは本当に良いのか、美しいのか」と問う力を持つことが、これからの時代に求められるリーダーシップであり、経営判断の質を高める鍵になると強く感じた。
Posted by ブクログ
すごくおもしろかったです!
自分自身、芸術や哲学にそれなりに興味を持ち、学んできたつもりでしたが、周りにそういうことをしている人はおらず、不安に思うこともありました。
しかし、本書に書かれていることを読む限り、そういういったことに興味を持って学ぶのは、無駄ではなかったことがわかります。
これからも自分なりのビジョンを持って、いろんなことを学び、挑戦していきたいと思いました。
Posted by ブクログ
正解がない問題が山積する中で、それらを解決するために「美意識」を鍛えることが良いらしい。ニューヨークのエリートは、観光客に混じって朝美術館を巡っているとのこと。私も美術館巡りを始めました。
Posted by ブクログ
多くの人が論理的、理性的、分析的な情報処理スキルを身に付けた結果、差別化の消失になった。
問題の因子が増加しその関係が複雑に変化するとそのアプローチは機能しない。
それには全体を直感的には捉える感性と真・善・美が感じられる打ち手を創出する構想力、想像力が求められる。
人の承認欲求や自己実現欲求を刺激する感性や美意識が重要。
会社を作品として考えてみる。
ヨーゼフボイスの提唱。
『論理や理性でシロクロつかない問題は直感や感性を頼りにする』
Posted by ブクログ
科学的思考に基づいた経営は急速に陳腐化していき、これからの企業間競争を勝ち抜くのは芸術的思考=美意識に基づく経営である。というのが本書の主軸を為す主張である。
日本的な美意識を中心とする組織の例として、古くは千利休と織田信長・豊臣秀吉の関係、新しくはマツダにおける前田育男氏の存在感などを挙げている。
美しさや善良さを根本に据えた視座の高さに欠けている昨今の多くの日本企業が、法令違反を連発するのは必然であると喝破する。
Audibleで視聴したが、全ては流石に頭に入らなかった。斬新な語り口で経営について論じており、良い本であった。今度は書籍で読みたい。
Posted by ブクログ
会社員ではなくなってから3年。ようやく美術やアート、哲学に自分から目を向けられるようになる。著者が哲学や美術史について学ばれたという経歴からわかりやすく説明されている。文学、詩、哲学にきちんと向き合いたい。
Posted by ブクログ
これまで「数字があれば分かり合える」と思ってたけど、
数字で測れる企画って、結局“無難なもの”しか生まれないんだなと痛感。
「なんとなく良い」っていう感性、もっと信じてみようと思った。
Posted by ブクログ
サイエンスを過剰に重んじている社会に警鐘を鳴らす本。
美意識(説明できない美しさ)は、論理的な説明が可能なサイエンスやシステムと比べると、自然に蔑ろにされてしまう。
だから、意識的に美意識を判断基準に持っていくようなことが必要!
美意識を鍛えるには美術品をゆっくり眺めたり、音楽に親しんだりが大事!
Posted by ブクログ
数学や国語、英語は主要科目、されど、美術や図画工作は副教科。この格差というものをずるずると引きずり、サイエンス重視というものは、今でも私自身に根付いてしまっている。副教科では、いわゆるセンスとか呼ばれるものわ身につけるが、その効用は科学的に証明されていることを知った。(アートの効果をサイエンスで証明しなければならないという矛盾はあるが。)
Posted by ブクログ
著者の山口さんの本は4冊目となるが、読むたびに
美意識を高めることの重要性を再認識する。
アート、芸術は学んで何になるの?と思う人が多いと思うが、そもそも法律や勉強の順位が正しいものなのかということを考えると内にある美意識・軸をもって判断することが大切だと思う。
特に例としてだされていたオウム心理教の事件が高学歴の人ばかりであり、勉強というわかりきった正解で生きてきた人だからこそ社会における理不尽さを目の当たりにし、わかりやすい序列がしかれている教祖の教えに従ってしまったというのは、
偏った考えの危険さを表しており、だからこそ美という目にみえない正解のないものから倫理を鍛えることが大切だと思った。そう思うと日本の義務教育や現代のsnsでの興味のありそうな記事しかでてこない、知らないというのは危険で怖く感じてしまった。私自身は社会にでてから無駄なことの大切さを感じていたがこの本でより多面的に経験することがAIでなく人として生きる限り大切にしていきたいと感じた。アートとサイエンスのバランスを意識しつつアートを通して美意識を高くもてる人でありたいと思った。
Posted by ブクログ
現代の経営は、過去のようにサイエンス(分析と合理性)、クラフト(経験や実行力)だけではダメで、アート(感性・創造性)とのバランスが大切。とりわけ優れた経営者には、アートという美意識が求められるというのが、この本の骨格。切り口は斬新で、まぁ確かに論理ばかりを突き詰めても限界はあって、どこかで感性に従って決断しないといけないんだろうなぁと納得できる部分もあれば、それはちょっと、こじつけなんじゃないのと思う部分もあり。良くも悪くもフーンと思いながら、読ませていただきました。
Posted by ブクログ
■ 1. 経営を「全て数値で管理する」は幻想
•「ドラッカーが『測定できないものは管理できない』と言った」とよく誤解されるが、これはドラッカーの言葉ではなく、エドワーズ・デミング博士の誤解された引用。
•実際にはデミングは、「測定できないものも重要であり、むしろ測定できないものにこそ注意を払うべきだ」と主張していた。
•経営を「定量的・論理的にすべて管理する」ことは現実的ではなく、またビジネスの本質を見誤るリスクがある。
■ 2. ビジネスとは「人と人とのコミュニケーション」
•ビジネスは、人間の集合的な活動であり、単なる数値の集合体ではない。
•数値化できない要素(信頼、感性、価値観など)こそが、経営や組織運営において極めて重要
■ 3. 「美意識」=測定不能な判断力の核
•リーダーの判断は常にロジックや数値だけでは説明できない。
•**「真・善・美」**の価値軸に基づいた判断が求められる。
•その中でも「美」は、直感・感性に基づく判断の質を左右する要素であり、リーダーシップに不可欠
■ 4. 意思決定の3つのモード:アート・サイエンス・クラフト
•経営の意思決定は、以下3つの要素のバランスで構成される:
•サイエンス(科学):データと論理
•クラフト(技能):経験と勘
•アート(美意識):直感と価値判断
•特に不確実性の高い時代には、**アート的な判断(美意識)**の重要性が増す。
■ 5. 「論理を超える美意識」:剣術書『葉隠』の教え
•『葉隠』には、「勝ちに不思議の勝ちなし」という言葉がある。
•表面的には運のように見える成功も、実は背後に非言語的・非数値的な判断や準備がある。
•経営も同様に、説明しきれない要素の積み重ねが成果を左右する。
まとめ:
経営において「数値で説明できるものだけに頼ること」の限界を説く。そして、その代替として、リーダーには**「美意識」すなわち価値判断の感性や直感を鍛えること**が求められると強調する。これは、変化と不確実性の時代においてこそ、必要不可欠なリーダーの資質だといえる。
Posted by ブクログ
面白かったです。
データや経験による意思決定を続けていると、いろいろな問題が出てくる。そのため、選択が必要な時は「真・善・美」を基準にする。
最近のニュースだと、「娘と性交した父親の裁判で無罪判決」、「カルロス・ゴーン」の問題などが頭によぎりました。
普遍的な「真・善・美」の基準を高めることが、より良い人生を送るうえで必要になります。
Posted by ブクログ
直感ってとっても大切なんだなって思った。
今の時代はAIも発達してきているし
数字や論理的に考えるということであれば
人間よりもAIの方がはるかに優秀かもしれない
でもその中で自分の直感
「真・善・美」を信じて行動することは
AIにはできない。
これから自分が生き残っていくためには
美意識を鍛えて自分なりの物の見方を
できるようにすることが大切なのかも。
Posted by ブクログ
自分の感覚的には、美意識やセンスがない偉い人たちは多い。積極的に本を読み、アートに触れ、視点や視野を広げて自分なりの美学・美意識を養うことはバランスの取れた人間になるために必要であるとは思う。
哲学者の書らしい本でした。
Posted by ブクログ
比較的スムーズに読める。少し古い本なので今の世の中を見て著者がどう思っているのかは最新の著書を読んだほうがいいかも。まだコロナ禍前かつAIがここまで使われている時代ではなかったので。
ただ基本的なところはこの何年かで変わっておらず、サイエンス依存(=データ、AI依存)ではビジネスは行き詰まるだろうし、アート的な感性の長けた経営者が正しく会社を導いてくれることを期待してしまう(がそんな経営者日本にいる?とは思う)。
Posted by ブクログ
現代において、「美意識」を鍛えることをしている人はどのくらいいるのだろうか。
本著は頭でっかちで生き残るには限界があると示唆しており、新たな生存戦略として私たちに備わっている「五感」を鍛え、「美意識」を研ぎ澄ませよと述べている。
そもそも、普通に生きていれば学歴関係無しに、美意識という言葉を知らない人は多い。小中高では美術の教育はあるが、そこでの経験だけでは美意識は得られない。
本著では、美意識を鍛えることで、コモディティ化(商品やコンテンツなどの差別化ができなくなる現象)を避け、創造性や革新性を得られると主張している。
さて、一都三県に住んでいれば、美術館での鑑賞や美意識を鍛えるのには、足を実際に運べば鍛えやすいだろう。だが、地方に住んでいる人はどうか、それも問題ない。地方だろうが、田舎だろうが、離島だろうが、美意識を鍛えることは充分に可能だ。多様な映画(名作からB級)を観たり、オンラインで芸術を学習したり、好きな本・漫画や絵本を読んだり、普段意識していない自然を感じることも必要だ。自然に関しては都市化が進んでいる場所と比べると磨かれる感性や美意識は大きく差が開くだろう。
私は思う、もう少し肩の力を抜いて全体を俯瞰した状態で自分の周りと観ている世界を観察して思索し表現できれば、それは大きな財産となると。