垣谷美雨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おもしろかった! 垣谷美雨の今まで読んだ作品の中で一番おもしろかった。読みやすいし、展開もうまく行きすぎということもないし、リアルな感じでした。
農業でやっていくなんて、そうそう簡単なことではなさそうだが、ほんとその通りで、次々に難局が立ちはだかる。
集団お見合いのシーンも、よくテレビで観るお見合いの舞台裏というそのままで、シビアな市場価値として判断されるつらさがよく分かる。日本てほんと女一人でやっていくのは大変な社会なんだなーと思う。
先輩の瑞希さんが、崩壊した生活をぅまく隠して、いかにもオシャレなブロガーを繕うのが、それこそありそう、という感じ。そんなにすべてにおいて完璧な人なんているわけないし。 -
購入済み
面白かったです
垣谷美雨さんの本は、最近の「老後の資金がありません」「定年おやじ改造計画」で
ハマってしまいました。それからは、垣谷さんの本を次々と読んでいます。
ただ、この「夫のカノジョ」は電子書籍しかなかったので 電子版で読みました。
これも 面白いし痛快だし ぜひ 読んで欲しい本です。 -
Posted by ブクログ
タイトルがインパクトあり過ぎだが、まさに今の日本の家庭のリアルが描かれている。
と言っても、知らない、実感できない、という人も多いと思うけれど。
そう、この本の、引きこもりエリート息子と、主婦の苦労なんか、食わせてやってる俺の“外”の苦労に比べたら無いも同然だろうくらいに思ってる、自己中能天気なダンナ。
わがままな寝たきり老人の介護を長男の嫁という立場の主婦一人に任せきりにして、面倒な事は極力見ないようにしているこいつらです。
あ、本気でムカついてしまいました。すみません。
大変なのに報われない介護職、非正規雇用、ブラック企業、権利を手放さない老人に、税金払いたくない若者。
最後はとんとん拍子にまとまり過ぎ感が無きにしも非ずだけれど、とにかくこれが現実です。
面白かった、と言ってはどうなのかと思いますが、小説としては本当に面白かったし、大いに考える必要のある問題でもあるので、皆さん読んでみて下さい。 -
Posted by ブクログ
いつもいつも、私が興味のあるテーマを絶妙なタイミングで提供してくれる垣谷美雨氏に感謝しています。
賃貸ではなく持ち家を手に入れたい史緒里(しおり)と大河(たいが)のカップル。
負の遺産である田舎の実家を早く手放したいと焦る、路代(みちよ)。
二組の家族を軸に、お話は展開する。
起きるであろう問題点が余す所なく、読みやすいドラマに織り込まれている。
まず、前座として「特定空き家」に指定されてしまった例が上がる。
どうしてそこまで放置してしまったかという理由が初めて具体的にわかった。
そして、移住話では、なんでも根掘り葉掘り聞き出す、「個人情報保護」「プライバシーの侵害」という言葉を知らない田舎の住人あるある。
史緒里&大河にたかる老女・千堂千絵(せんどう ちえ)91歳が強烈。断りづらいトークの運びがうますぎる(作者の描写が)
どこかで、家をもらえるという話を本気にしていたのかなあ、史緒里&大河は?
路代サイドは、元同級生の春子が強烈。一度も地元を出たことがないせいなのか、色濃く地元のおばさん色に染まっている。根掘り葉掘り聞き出し病。女は子供を産まなくては価値がない病。
そしてお決まりの、地元民たちの余所者排除だが、自分達の税金で余所者が行政の恩恵を受けるのは許せない、という部分は分からなくもない。
今までの、自分達だけのルールで運営される快適な生活が変わっていくことへの不安と不満は、それはあるだろうと思う。
しかし、よく自分の周りを見れば、田舎でなくても春子のような人は結構いる。路代の考えるように、人口の多いところでは似たもの同士だけで付き合い、考えの違う人とは距離を置けばいいが、人口の少ない田舎では狭すぎて距離を置くことができないからイライラする、ということなのだろう。
人との距離感は難しい。
「自分の匙加減」を見つけることが一番だけど。
・・・一生かかってもどうだろ・・・ -
Posted by ブクログ
ネタバレ言わずもがな、井上陽水の名曲をもじったタイトルだ。
主人公は63歳の主婦・雅美。夫の心ない言葉に傷つき、家族のために自分を犠牲にしてきた人生を悔やむ…
もう一度人生をやり直せるならどんなふうに生きたいかを考え始める。
「女性が胸を張って生きられる世の中にしたい」。
そう書いたとたん、雅美はタイムスリップし、中学生に戻ってしまう……。
そして63歳の記憶と経験をもとに、中学二年生から人生をやり直してみるのだ。
中2になり、家庭や学校で日々を過ごす雅美には世の中が男性中心に動き、常に女性は尽くしたり我慢を重ねていることに憤り、男尊女卑の記事を書く雑誌に抗議したり、CMに抗議したり…そんな毎日を送る。そして同級生の中に自分と同じ令和の時代からタイムトリップして来た初恋の男子・天ヶ瀬の存在を知る。
雅美は大学生になり、痴漢やアルバイト先でセクハラにあい、就職面接でもコネ就職や、女性はお茶汲みができ目立たない花嫁候補を探すだけの会社が多いことにウンザリする。
何よりも昭和から平成、そして令和へとつながる時代を知り、政治経済の流れもわかり、弁の立つ雅美が全く受かる会社が無いことが、何か時代を物語っているなあ。そんな人は求められていないのだ。またやっと就職できた住宅メーカーでも、今後売れていくだろう女性目線の商品提案をしても、誰も聞く耳を持たない。(爆発的に売れる未来を知っているのに)
令和までの世の中を知り尽くしている雅美が過去に戻り、真逆の人生を送り大活躍するのかと思いきや、全くその知識が役に立たず、おかしな女だと思われてしまうのが、リアルだった。やっぱりそうかもしれないな。
僕は男だから、知らず知らずに世の中に優遇されてきたのかもしれない。
劇的なラストは無く、何気に令和に戻る展開にちょっと出来過ぎな感じがあり、そこで同じく過去から戻ってきた天ヶ瀬と再会、世の中を変えるわけでは無く、淡々と終わったのが残念。
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Posted by ブクログ
ネタバレ60代の女性が中学生から人生をリスタートする設定で、1970年以降の日本の価値観をまざまざと見たなと感じる小説だった。。
リスタートした人生が簡単に成功しないところが、リアルだと思う。
個人の努力だけではどうにもならない、むしろ努力したことによって、壁ができる当時の常識、信じたくない社会だった。
現代とは全く異なる(と私は思っている)信じられない女性軽視、セクハラ、こんな人ばっかりだったの?と思うような男性が多く登場した。
私は自分が学生時代から今日に至るまで、明らかな男女差別をされたと思う経験が、ほぼない。
子供を産んで、育児が始まったときに、初めて女性の役割みたいなものを感じ、夫に対しても、ものすごく腹立たしい気持ちが湧き上がったくらい。でも、総じて恵まれた環境で生きてきていると思う。
主人公の雅美の世代の女性のことを思うと腹立たしさは感じる小説だった。
でも、垣谷美雨さんは何らかの救いを最後に設定してくれるから、後味は悪くなかった。