垣谷美雨のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれ単純に「好き~」な世界観。
ちょうど禁煙したいな〜なんてタイミングで手に取った(それ以外の人にニーズあるのか笑)まさにタイトルに偽りのない作品でした。
楽しいのは旦那さんも含めた義理家系オールベビースモーカーなぬるま湯。その中で、なぜか嫁は吸わない設定を強要される旧態然とした世界観。
テーマを重くしようとしてるのか、笑いをとりに来てるのか先が読めずにワクワクした。
たばこってこんな現代でも名作映画を彩るような「大人」アイテムの代表格じゃないですか。かっこよく吸いたいし、嗜好品であるからには乞食のように縛られたくない。
でも飢える。
酒飲んで車を運転できない時に、箱の本数をかぞえる。換気扇の下じゃ不味いので、できれば庭に出たい。たとえ蚊がいても。いや嘘、蚊がいたらマジで信じられないくらい煙草の味はマズくなる。
そのなかで、至福の一服、が困ったことに確かにあって、その一本で鎖に繋がれてしまう悪魔の果実。
葉巻に移行したプチセレブな周囲。
フィルターまで吸う劣等感。
このへんの愛らしさが嫌と言うほど表現されてたように思う。やめた後の描き方も良かった。
そして悪魔に囁かれて戻ってしまうことも…描いて欲しかったな。
たばこの本モノの親友は「解放」なのだから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ娘の派手な結婚式、舅の葬儀やお墓の費用、姑のケアマンション代等…次々とライフステージのイベントがあって出費の嵩む篤子夫婦。そんな中…夫婦共にリストラされてしまいさらに大ピンチな状況に、、!
悪いことが重なった時の思考の悪循環…どんどんマイナス思考になってしまう篤子のモヤモヤした気持ちも分かるなぁーと思いながら中盤まで読み進める。
だが、月々9万円の姑のケアハウス代の支払いが難しく、篤子が姑を引き取って自宅でみる!!と決断をした場面から、物語の空気もガラッと変わった感じ。
姑が篤子夫婦の家で家事をしながら徐々に生き生きとしていく様子や、篤子の友人のひょんなお願いから姑自身の世界も広がっていく様子が微笑ましい。年金詐欺まがいなかなり際どいお願いなんだけど、そんな綱渡りの場面から篤子と姑の交流が始まり、いい嫁姑関係を築くことができていて良かった♪
苦しくてもどこかに解決方法があるんじゃないかと、迷いながら決断していく篤子に共感できる部分もあって、最後は好転して明るい未来を感じさせる終わり方だった。
私も今は40代だけどいつかは訪れる場面を先読みさせてもらった気持ち。不安になりすぎて落ち込んだ時にまた読もう〜。 -
Posted by ブクログ
女性で主婦でオバチャンの私は
冒頭を読んで
首がもげるほどうなづいているわけですが
その後タイムスリップして
自分が母親に
夫が自分にするような態度をとっていることに気づき
ハッとするシーンで
号泣してしまいました
してる…
私もしてる…
あとどのくらい生きるか知れない母に
今まで返せないくらいの恩を受けている(現在進行形)母に
まったくうちの夫は
と言うその口で
母にぞんざいな口をきいている…
ということで一旦中断…メソメソ
【続き】(読み終わりました)
私はこの主人公より一回り下なので
ここまでのドひどさではなかったけど
やはり女性の自分でさえ
女性の幸せは結婚して子を産むことで
男が外で働き養うものと思っていた
女性の高学歴が生意気と嫌われるのは
私の時代もあり
可愛げがない
お高く止まっている
そんなに勉強ばかりしているから行き遅れるなど
言われていた
主人公もせっかくやり直してるのに
理不尽な男尊女卑ムーブに翻弄され
就活のくだりは
私は同じ体験なんてしてないのに
悔しさと虚しさで読みながら涙がちょちょぎれた(死語)
上記の私のように
主人公もやり直しながら
周りだけでなく自分にもそういう「視点」があったことにたびたび気付く
その気付きをきっかけに
周りも自分を縛る「常識」から外れてもいいんだと楽になっていき
(特に家庭での台所と男たちの関係が良くなったのがとても印象的)
実は男尊とはいえ男性も固定観念に縛られていて辛い人もいたことが露呈
男も辛いけど女も辛いのよ(矢野顕子)
一緒に楽になれればいいよね
子ども時代好きだった人が
中身ちょっと残念だったのはトホホだけど
だからこそ素の自分で接することができて
その自分を理解して好きになってもらえたことも良かった
最後はちょっと
60代で結構思い切ったなと思ったけど
そのくらいがフィクションとしては希望の光になるのかもと思ったりもする
(しかし主人公はよくがんばったよ
私は今からあんなに勉強できない…)
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Posted by ブクログ
-『もしも明日が人生最後のゴミの日だとしたら、どうします?』
私が、この本の中で一番刺さった言葉。
この問いは、自分の部屋で大量の不用なものたちと暮らす人の覚悟を確認するもの。
明日がもし人生最後のゴミの日だったら、きっと私は卒業アルバムも浴衣も捨てる。
それなのにどうして今それが出来ないのか。
誰しもの心の中にある「もったいない」「まだ使える」「高かった」「いつか誰かに譲る」「思い出がいっぱい詰まっている」の気持ちを整理していくと、自分の考えが変わる。人間関係も変わる。人生が変わる。
片付けが苦手な私にとって、これは俄かに信じ難いけれど、これまでにも色々な片付け本に書かれていた気がする。やりきったことがないから本当のことが分からない。
この物語は、訳あってずっと片付けられなかった4人のこれまでの人生を振り返り、片付けを通じて未知の扉を開けていく大庭十萬里の記録。
十萬里曰く、「片付けられない理由は、心の中に何らかの問題を抱えているから」。
まずは無理やりにでも片付けをして暮らしを整えていくと、自然と自分の中で新しい気持ちが芽生えたり、固執していた感情から解放される瞬間があるよう。
私の心に眠っているものも、十萬里に見つけ出してほしい。
これまで読んできた片付け本では得られない、片付けのやる気を底上げしてくれた一冊。
《印象に残ったところ》
・シーズン1 春花が片付けられない理由
30代独身。春花は同じ職場の10も上の上司と不倫をしていた。「もうすぐ離婚するから待っていてほしい。」という言葉を5年以上信じて待っていた。
不倫相手の上司が好きそうだと思って買った何年も着ていない服や、お揃いにしたいと買ったマグカップ、いつか一緒に住む日が来るだろうと信じて購入した一人暮らしにはオーバースペックな家具や家電。
そういうものが目に入る度に春花はきっと彼を思い出している。小さなモヤモヤは積み重なると大きなストレスになり、片付けをする気力を奪う。
十萬里の思いもよらない行動で、彼の本当の気持ちが分かってからキッパリ別れる。途端に一気に霧が晴れたように物を捨てていく。気持ちもどんどん整理されていく。
都合の良い存在として使われていると自覚していてもなかなか関係を切れずにいた友達とも、しっかり縁を切れた。
部屋も人間関係もすっきりさせた春花の新しい生活。人生の第二章の幕開けを感じさせる結末は清々しかった。
今からでも遅くない。今日が一番、自分が一番若いのだから。
・資産家のおばあちゃんの「捨てられない」気持ち
ー『老後の安心のために残すべきは、物ではなくてお金ではないですか?例えば、気に入らない洋服を残しておくより、洋服を買う楽しさを残しておいた方がいいとは思いませんか。』
この一説には、ぐうの音も出ない。
"お金を持っている人は良い物を長く使う"という考えを持っている人が多いイメージ。
78歳の泳子も、こだわりを持って購入した何百万、何十万もする衣服や、いつか来る誰かの葬儀用にと、仕立て屋で仕立ててもらった何十枚もの座布団や、娘や孫にいつか譲るかもしれない訪問着や振袖など、いつ来るか分からないときに備えて、"旬のすぎたもの"を沢山抱えている。
泳子が抱えている大量の物を見て、十萬里は、戦争を経験している世代の生活に想いを馳せる。
「いざという時に困らないように」
「安いときに買い溜めしておく」
「人様から頂いたものは大切にとっておく」
私が思う「もったいない」と、豊かではなかった時代、ひもじい想いを経験したことのある人が思う「もったいない」は、同じ意味のようで実は少し違うのかもしれない。
娘からの電話で、毎度のように不要な物を捨てるよう言われても、なかなか手をつけられない。
でも泳子の死後、それらを片付けるのは娘や孫である。
私も10年後には両親の介護が始まっているかもしれないし、自分自身が早くに亡くなったら、私がなかなか捨てられなかったものたちを、"罪悪感を抱えながら捨てる役目"を夫や子供たちに担わせることになる。
死後に、大切な家族にそんな役目を背負わせたい親がいるだろうか。生前整理の大切さを刻まれた。
手元に置くものに覚悟と責任を持つ(=購入するときにしっかり吟味する)ことも、同じくらい大切なこと。
決して他人事ではないと身が引き締まる思いだった。
《メモ》
4人の色々な背景を持った片付けられない人たち。
片付けられない理由は千差万別。単なる「めんどくさい」では済まされない深い理由が詰まっていることがあると知った。
私の場合はどうか。
ー「明日がもし最後のゴミの日だったら」
ー「老後の安心のために残すべきは、物ではなくてお金ではないか?
気に入らない洋服を残しておくより、洋服を買う楽しさを残しておいた方がいいのではないか」
この言葉は、耳を塞ぎたくなるくらい心にずっしりと刺さった。
片付けに手をつけていない状態では、私が片付けられない本当の理由に気付けないのかもしれない。
でも、4人の考え方には一通り共感したし、きっと私にもそれなりの闇があるのだろう。
何度も挫折している片付けをいよいよ本腰を入れて始めてみようと思う。
その過程で自分の中にある気付けなかったものに気付けたら嬉しいし、人間関係や人生まで好転したらそんなに幸せなことはない。
考えれば考えるほど、片付けって負の要素が一つもない。
そして、行動すれば必ず変わる。
手始めに明日、二十歳のときに母が呉服屋で買ってくれた振袖を手放します。 -
Posted by ブクログ
七十歳死亡法案が可決されてから、寝たきりの義理母の立場と、義母を介護する嫁と仕事人間の息子、そして夫婦の娘と引きこもりの息子の日常を描きます。
私的には法案賛成。
年老いて訳わからなくなった自分と介護する家族を想うと、70歳で充分、いや、80歳にしてどう?と思ってしまう。
と言うか、よくこんな法案思いつきましたね、垣谷さん。と感心してしまいます。
人間、死ぬ時期が定まってれば後悔なく生きようと想うし、自分が生きていくだけで十分なお金さえあればきっと働きすぎずゆとりを持って生きられるんじゃないかと思う。
政府が、老人を一生快適に過ごせるようにケアして面倒を見てくれる仕組みをつくってくれれば、若者も安心して今の生活に力を入れられるのではないか、、税金は高くなりそうだけど...。
と、いろいろ考えさせられました。