あらすじ
夫の浮気を疑った妻が、相手の女性に会いに行く。言い争っているうちに、ふたりの身体が入れ替わってしまった!自分の家族や人間関係を違った視点で見てみると、いままで気づかなかったことが見えてくる……。読んだあと、少し人に優しくなれそうな、Ifの世界をリアルに描いた長編小説。
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Posted by ブクログ
自分自身が変われる、成長するキッカケをくれる1冊。現在の立場や、自分自身を取り巻く環境やその時々の状況が変わることで見えてくることがあると気付きを与えてもらいました。何事も一方向からだけででなく、多方向から見て考えて、新しい気付きを得れるようになりたいです。
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夫の浮気を疑った妻の菱子が相手の女性の星見に会いに行く。言い争っているうちになんと2人の身体が入れ替わってしまい…。よくある設定の入れ替わり話だけど、菱子の姿で星見の汚い言葉使いだったりの笑いあり感動ありでとっても楽しく読めた。読後感も爽やかで温かい
Posted by ブクログ
面白かった〜。垣谷さんなので、妻が夫と不倫相手に対して徹底抗戦。そして最後は夫をバッサリ切り捨てる痛快なお話なのかと思ってました。でも妻とカノジョが対面する所までは予想通りだったけど、まさか2人の中身が入れ替わってしまうとは…。
真っ赤なロングドレスを着たおばあさんがおかしな呪文を唱えたら2人の中身が入れ替わってしまい大慌て。年齢もバックボーンも全く異なる2人が仕方なく入れ替わったまま生活するのはとっても大変。息子のPTAの役員会議で意見を求められた時の星見のヤンキー言葉が痛快で笑えました。菱子だったら絶対に言えないけど、星見にしたら最もな意見。
元々持ってる考え方を変えるのは簡単ではないけれど、立場が変われば考え方も変わるというのがよくわかるお話でした。
それにしても夫のパソコンを盗み見るのは良くないですね〜。菱子も見なければ勘違いしないで済んだのに。
Posted by ブクログ
クスっと笑えるところもたくさんあって面白かった!
お互いを思いやっていても、思いやってるからコソ、のすれ違いも必ずあるものだと思う。
中身が入れ替わって、相手の立場になって初めて気づくこと見えることがあると思った
なんでも相手は分かってくれる!じゃなくて、ちゃんと言葉で思ってることを伝えないと伝わらないな
初めての作家さんだったので、他の本も読んでみたい!
面白かったです
垣谷美雨さんの本は、最近の「老後の資金がありません」「定年おやじ改造計画」で
ハマってしまいました。それからは、垣谷さんの本を次々と読んでいます。
ただ、この「夫のカノジョ」は電子書籍しかなかったので 電子版で読みました。
これも 面白いし痛快だし ぜひ 読んで欲しい本です。
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【あらすじ】
39歳の小松原菱子は42歳の夫麦太郎、中学3年の娘実花、小学5年の息子真人と4人で2LDK+Sのマンションに暮らしている。新しいマンションを探しているとパソコン履歴で夫の浮気相手(夫と同じ大東亜製粉株式会社営業三課)の山岸星見のブログを見つけてしまう。夫には直接聞けず、浮気相手に会って話をしようとしたところ『真っ赤なロングドレスをきたババア』に菱子と星見の中身を入れ替えられてしまう。2ヶ月間お互いになりきって生活していくなかで、菱子は星見の同僚達と親しくなり仕事の成果もあげ、星見の母親との関係も修復する。一方の星見も菱子の子供達を自立させ実花の悪先輩との関係も絶たせ、PTAでも発言し他のママさん達から賛同を得る。結局浮気ではなく夫は星見など契約社員だが有望な後輩たち(石黒)を正社員にならせるために仕事を教えていただけであり、菱子と星見がお互いを理解し合えたところで再び『ババア』が現れ2人は元に戻る。
菱子は家族との平和な日々が戻り、パン屋で働くようになる。星見は母親と亡くなった父親の生まれ故郷新潟に祖母に会いに行ったり、製粉会社を辞めて菱子の義父の履物屋に弟子入りしたりして、菱子家族と星見家族の交流が始まる。
【感想】
今までに読んできた垣谷さんの小説の中でも珍しくSF的要素のある作品。「入れ替わってお互いのことを理解し合って誤解が解けてハッピーエンド」とお決まりで分かりやすい展開なんだけど、面白くさらっと読めました。『自分が変われば相手も変わる』
人間関係に悩んでる時におすすめの作品。
Posted by ブクログ
人の体と心が入れ替わるミステリー。
よくあるテーマと思いきや、なんと、本作は本妻と夫の浮気相手の女性。
2人が言い争っているうちに、ひょんな事から、2人の体が入れ替わってしまった。
平凡な日々で、少し不満を持っていたけれど、立場が変わると、家族や会社の人間関係に新たな気付きが見えてくる。
・浮気発覚
・入れ替わる
・もう元に戻れないかとしれない
・模索する日々
・再出発
性格の全く異なる2人。
しかし、お互いがお互いの見えない所に気が付いて、そして、自分が変われば相手も変わる事を知り、少しづつ周りも変わって来る。
最後に元に戻る2人。しかし、2人とも以前の2人とは異なる道を歩き始める。
最後のエンディングがハッピーエンドで良かったと思います。
Posted by ブクログ
背表紙のあらすじ読んだとき、
あーよくある入れ替わりの本な。
妻と愛人の体が入れ替わるかぁー
なんかなーどっかで読んだような、いっときはやったよなぁ。
入れ替わりのストーリー。
ありがちぃー
なんて思ったけど。
楽しく読みました。笑!
垣谷美雨さんは、本当に毎度毎度主婦の気持ち半端ないわかってるよなぁ。
と、どの本見ても思う。
そうそうそうそう面倒くさぃPTAのオバサマたち。なんだかわからんけどそれを生きがいにしてるくらいの意気込みよう。
いや、なんかの役に立ってるならいいけど、わたしも広報やったけどさ。
誰読むのよ、これ。
2秒でポイじゃん。
ってね。
ちょっとイラスト描いたら、著作権がどうとか。
いやいやいやいや、ともぞうに見えるかもしれないけど、うちの校長の似顔絵だから。
とかいうのもあったなぁ。
つい、膝を打ちたくなるような痛快主婦劇です。
毎度、楽しませてもらってます!
主婦に娯楽ありがとう。
#夫のカノジョ
#垣谷美雨
#面白い
#主婦のための本
#多数
#わかってるなぁ
#絶妙な主婦の目線
#たまらん
#そうそうそうそう
#言いたくなる
#どこもみんなそうなのか
#なるほどな
Posted by ブクログ
あなたは、誰かと身体が入れ替わったとしたらどうするでしょうか?
いやいや、この質問は変でしょう?私たちはオギャーと生まれたその日から鏡を見るとそこに写る自分自身の身体と共に生きています。自分とは何者なのか?そんな風に哲学的に考えることはあるかもしれませんが、どんなに考えても自分自身の見た目が誰か他の人に変わることはありません。ヤドカリが殻を脱ぎ捨てて他の殻に移るのとはわけが違います。
しかし、しかしです。それは、あくまであなたが知る常識の世界の話にすぎません。この世は不思議なことに満ち溢れています。現代の科学技術でも解き明かされていないことは幾らでもあります。そうであるならば、ある日突然にあなたが目の前にいる誰かと身体が入れ替わってしまう、そんなことがないとは言い切れないのではないでしょうか?
さてここに、まさかの”入れ替わり”を描く物語があります。『なんなの?あなた誰?あなたは私?えっ、じゃあ私は誰?』と身体が入れ替わる衝撃を描くこの作品。そんな”入れ替わり”の結果論に人生の面白さを見るこの作品。そしてそれは、『妻』と「夫のカノジョ」が”入れ替わる”という奇想天外、摩訶不思議なファンタジーを見る物語です。
『最近は、マンションを買い替えることで頭がいっぱいだ』と、『2LDK+Sで五十八平米』という『狭いマンションを買ってしまった』ことを後悔するのは主人公の小松原菱子(こまつばら ひしこ)。『実花は中三、真人は小五。この先、教育費は嵩む一方だ』と厳しい家計事情を思う菱子ですが、『子供たちは、今のところ特に問題を起こすことなく成長している。夫は真面目人間だから面白みはないけれど安心感を与えてくれる人だ』と家族の今を思い『まっ、人生これでよしとするか』と思います。『さて、さっさと掃除を済ませるとするか』と動き出した菱子ですが、パソコンの前で手を止めます。夫が昨夜『遅くまでパソコンに向かっていた』のは『マンションの物件情報』かもしれないと『履歴ボタンをクリック』した菱子は、そこに『星見のひとりごと』というサイトを見つけます。『一〇月三日。晴れ。今日は日曜だっつうのに、あたしにはなんの予定もねえ。かといって掃除すんのもチョーだりぃ』といった内容の『若い女の子のブログ』を見つけた菱子はさらに内容を見ていきます。すると、『寂しいんだよう!朝まで一緒にいたかったよ…ムギのバカヤロウ!』という記述を見て驚きます。『夫の名前は麦太郎』という中、さらに調べると『奥さんは子供たちを連れて函館に帰省するらしい』等、相手が夫としか思えない内容を見つけて動揺します。『残業なんかじゃなくて女の部屋で楽しんでたの?』『どんな女?』と思いつめる菱子は『一生懸命築いてきた家庭が壊れていく…』と思いつめます。しかし、その夜帰ってきた夫を問い詰めることはできません。『翌土曜日』、仕事だと出かけた夫を尾行することにした菱子は、『今まで一度も降りたことのない駅』にある『小さなマンション』に夫が入っていくのを見ます。そしてしばらくして『マンションから夫と女が肩を並べて出てくる』のを見て『あの女が星見ナントカ?』と、『その場に崩れ落ちてしまいそうになるほどショック』を受けます。そんな菱子はその夜『夫が風呂に入っている間に、夫の携帯電話から〈ホシミ〉と登録されている電話番号を見つけ』ます。
場面は変わり、『四月からここで働くようになって半年。あたしはいまだに誰からもランチに誘われたことがない』と、『いつだってひとりぼっち』の人生を思うのは山岸星見(やまぎし ほしみ)。いつもの通りひとりでランチを取っていると『ケータイが振動し』ます。『もしもし、あなた、星見さん?』とかかってきた電話の主は、『わたくし小松原麦太郎の家内です』と名乗ります。『えっ、あんた、ムギの奥さん?』と驚く星見に『私と会って頂けないでしょうか』と訊く菱子。『あたしに会ってどうすんだよ』と思うも『次の日曜日』の約束をした星見。
再度場面は変わり、『あなた、星見さんね』、あんたがムギの奥さん?』と待ち合わせ場所で出会った二人。『妻子がいることを最初から知っていたのよね?』、『あなたの部屋にも行ってるわよね』と詰め寄る菱子は、『もうこれ以上、主人とはかかわらないでほしい』と言います。それに『でもさ、ムギのやつが一生懸命だからあたしも断れなくて』と星見が返すと『いい加減にしてよ!人を弄ぶのはやめなさい!』と、菱子は『突然、大きな声を出し』ます。「夫のカノジョ」に詰め寄る菱子と対峙する星見。そんなふたりの身体が”入れ替わる”、まさかの物語が描かれていきます。
“夫の浮気を疑った妻が、相手の女性に会いに行く。言い争っているうちに、ふたりの身体が入れ替わってしまった!自分の家族や人間関係を違った視点で見てみると、いままで気づかなかったことが見えてくる…。読んだあと、少し人に優しくなれそうな、Ifの世界をリアルに描いた長編小説”と内容紹介にうたわれるこの作品。2011年4月に「夫の彼女」という書名で刊行された単行本が、”彼女”をカタカナに変更するという改題がなされた形で2013年10月1日に文庫本として刊行されています。
そんなこの作品はそもそも「夫のカノジョ」という意味ありげな書名がつけられている時点で興味津々です(笑)が、それ以上に内容紹介に記された”ふたりの身体が入れ替わってしまった!”という記述が気になります。
私は今までに垣谷美雨さんの作品を12冊読んできました。「あなたの人生、片づけます」や「あなたのゼイ肉、落とします」などの作品の印象が強いこともあって垣谷美雨さんというと社会問題をチクリと刺す系の作品を書かれる作家さんというイメージがありました。しかし、よくよく考えて見ると、”不思議な聴診器”が登場する「○○病棟」シリーズ、過去の自分の身体へ”タイムスリップ”する「リセット」、そして「マンダラチャート」などファンタジーを多々書かれる作家さんでもあることに気づきました。
そんな垣谷さんがこの作品で展開するファンタジーこそが”ふたりの身体が入れ替わってしまった!”物語なのです。まさしく”ファンタジー”、まさかの物語世界ですが、この世にはこの展開に思った以上に需要があるようです。古くは1982年、大林宣彦監督で小林聡美さんが主演された「転校生」、2016年、新海誠監督のアニメ「君の名は。」、そして、最近では2021年9月に刊行された君嶋彼方さん「君の顔では泣けない」もそうです。”入れ替わり”という奇想天外、奇妙奇天烈、摩訶不思議な設定がこうして時代が変わっても人気を博し続けているということは、そんなファンタジーな設定の物語に一定の需要があることを意味しています。そして、そんな”入れ替わり”を題材にするこれら時代の異なる三つの作品ですが、一方で共通点があります。それは、いずれも同い年の十代の男女が入れ替わるという点です。ある朝起きたら自分の身体に違和感が!という目に見える展開を辿る演出の余地を考えると、これら三作品の男女の”入れ替わり”という設定は理に適っているとも言えます。一方で、同じく”入れ替わり”を設定に用いて同性の”入れ替わり”を描いた作品もあります。唯川恵さん「今夜は心だけ抱いて」です。まさかの”母子入れ替わり”を描いた同作は私が2024下半期ベストに入れるかどうかを最後まで悩んだ傑作でした。そして、唯川さんの作品同様に同性の”入れ替わり”を描くのが本作であり、なんと修羅場な女性二人が入れ替わるという大胆な設定の下に展開していきます。
● 「夫のカノジョ」で入れ替わる二人
・小松原菱子: 麦太郎の妻、39歳。一男一女を育てる母親
→ マークは「◆」
・山岸星見: 麦太郎の会社の部下、20歳。
→ マークは「★」
入れ替わったことが読者にハッキリと分かるように、物語中では、それぞれの側に視点が移動する際にはその切り替わりで必ず上記したマークが表示されるため混乱することはありません。しかも垣谷さんは二人の性格を極端なまでに違えており、それは喋り方に顕著に現れます。特に星見はインパクト絶大ですので少し見てみましょう。
● 山岸星見の普段の喋り方
・『ざけんなよ。バカヤロウ』。
・『だったらなんだよ』
・『切りやがった。マジかよ』。
シーン①小松原家の食卓での一コマ
麦太郎: 『残り物でチャーハン作ってみたけど、こんなのでいいかな?』
★菱子: 『え?ああ、サンキュー。わりぃわりぃ』
真人: 『ねえママ、こんな遅くまでPTAだったの?またもめたの?』
★菱子: 『えっと…うん、ちょっと…タコばっかでさぁ、マジやばかった』
真人: 『ママ、その言葉遣いは誰かの真似?』
シーン②PTAの会合での一コマ
会長: 『ずっと黙ってるけど、小松原さんの意見はどうなの?』
★菱子: 『「えっ?あたし?いや、だって…」(奥さんに、おとなしくしてろと言われてるから…)』
会長: 『思ったこと、なんでも言ってちょうだい』
★菱子: 『(マジ?本当に言っちゃっていいのかよ)「じゃあ悪いけど、ちょっと言わせてもらう… 学芸会はガキどもが頑張ればいいんだよ…それよりさ、話し合うべきことがほかにいっぱいあんじゃねえのかしら?登下校時の連れ去りとかさ、ロリコンの変態オヤジ先生とかさ、最近だとネットイジメとかもあるじゃん』
いかがでしょうか?元々の星見の喋り方そのまんまな喋り方が菱子の身体で生活するさまざまな場面でそのまんまに顔を出します。
菱子の喋り方はごく一般的な奥様というイメージであったため、まさか入れ替わっているなどとは知る由もない相手には違和感しかありません。『ママ、その言葉遣いは誰かの真似?』と息子の真人が思わず訊いてしまうようにそれは菱子本来の喋り方とは異なります。見た目も声も自分が知るママ、小松原菱子なはずなのにいきなり喋り方がこんな風に変化してしまうのはただただキョーレツでしかないでしょう。しかし、まさか身体が入れ替わっているなどと想像する人もいないと思います。もちろんもう片方の星見に入れ替わった菱子もこれは同様です。職場に出勤し『おはようございます』と挨拶しただけで、こんな反応が現れます。
・『まるで別人ね』
・『山岸さん、今日はいつもと全然雰囲気が違うわ』
そんな職場の先輩たちの反応を見ると、一体全体元々の星見はどんな風だったんだよ?と逆にツッコミを入れたくなってもしまいます。兎にも角にも二人の”入れ替わり”のギャップの面白さがこの作品の何よりもの醍醐味だと思いました。
そんなこの作品は、『なんでこんな狭いマンションを買ってしまったのか』など不満や不安を抱えながらも子供たちにも特に問題はなく、夫も『真面目人間だから面白みはないけれど安心感を与えてくれる人』という今の暮らしに『人生これでよしとするか』という日々を生きていた菱子が、夫が使ったパソコンの履歴から『星見のひとりごと』という『若い女性』の書くブログの閲覧歴を見つけたことから動きだします。
『九月二五日。寂しいよう。寂しい、寂しい、寂しいんだよう!朝まで一緒にいたかったよ。いったい、いつになったら、ひとりぼっちじゃなくなるの?ムギのバカヤロウ!』
そんな風に記されていくブログの内容を読めば読むほど、そこに記された『ムギ』が夫の麦太郎のことだと確信していく菱子は夫の後をつけ、星見と『肩を並べて』歩く姿を目撃します。そして、『夫の携帯電話から〈ホシミ〉と登録されている電話番号』を見つけてしまいます。一方、麦太郎が働く『大東亜製粉』で派遣社員として働いている星見は『あなた、星見さんね』とかかってきた女性からの電話を受けます。それこそが菱子であり、そんな菱子の希望により『風花公園』で直接会うことになります。一人の男の『妻』と『カノジョ』が直接顔を合わせるという場面。これは普通に考えれば修羅場以外の何ものでもないでしょう。
菱子: 『うちの夫のこと、独身だと思っていたわけじゃないわよね』
星見: 『独身?ムギが?そんなこと思ってないけど?』
菱子: 『つまり、妻子がいることを最初から知っていたのよね?』
これがいかにもなテレビドラマであれば、この先に血を見る展開が待ち受けていてもおかしくはないでしょう。しかし、この作品ではそんな修羅場において、ある起点をもって二人の身体が入れ替わります。ただし、上記した唯川恵さん「今夜は心だけ抱いて」の”入れ替わり”もそうですが、ファンタジーに現実味を求めてはいけません(笑)。ここでは詳細は伏せますが”入れ替わり”はあまりにも呆気なく訪れます。しかし、この作品は”入れ替わり”という物理的な現象自体にこだわる物語ではないのです。その理屈にこだわってはいけません(笑)。物語では、二人が入れ替わった後、やむなくそれぞれの人生を身体の主になりかわって生きていく他ない、それぞれの物語が描かれていきます。
『身体が入れ替わるまでは、生涯設計というべきものが常に頭の中にあった。だが今は、明日のことすらわからないせいで、一瞬たりとも不安感が消えることはない』。
「夫のカノジョ」の身体で生きる他ない菱子は、慣れない生活の中に不安を募らせていく一方で、自身の家族のことにも思いが及んでいきます。一方の星見は自分に子供がいる家族の暮らしに入った不思議感の中にこんな思いを抱きます。
『ほのぼのとした家族だ。こういう場に居合わせた経験がない。家族揃ってご飯を食べる。湯気の向こうに子供たちの健康そうな食欲が見える。こういう家に生まれたかった。ほんと羨ましいよ』。
物語は性格も何もかもが全く異なる二人が”入れ替わった”からこそ気づくことのできる事ごとがまさかの相乗効果を見せていきます。これは間違いなく面白いです。そこには、二人の性格を極端に異ならせたからこそ生まれる奇想天外なドラマを見る物語が次々と展開していきます。そして、そんな物語が見る結末、そこには、なるほど、そうくるか!という二人が”入れ替わった”からこそ気づくことのできたそれぞれの人生において本当に大切なことを教えてもくれる物語が描かれていました。
『夢なら早く覚めてほしい。身体が入れ替わったことだけでなく、夫の浮気も夢だったらどんなにいいだろう』。
39歳と20歳の女性、『妻』と「夫のカノジョ」の身体が入れ替わるという奇想天外な設定の上に描かれていくこの作品。そこには、垣谷美雨さんらしく女性のリアルな心持ちを映し出す物語が描かれていました。まさかの”入れ替わり”の面白さにページを捲る手が止まらなくなるこの作品。極端に異なる二人の女性の対比が面白さを倍増させるこの作品。
“入れ替わり”ものの面白さを再確認させてくれた、垣谷美雨さんらしさに溢れる作品でした。
Posted by ブクログ
大好きな作家さん、垣谷美雨さんの作品。あらすじを読んで思っていたのと全然違った!ドロっとした感じかなと思いきや、結構感動してしまう話。シュールでクスッと笑えるけどいい話、という垣谷さんの持ち味が詰まってました。
Posted by ブクログ
妻は夫の浮気を知ってしまい、相手の女性に会いに行きます口論になったところ体が入れ替わってしまう。
お互いのことを理解するまで元に戻れない。
入れ替わった妻と「夫の彼女」は互いの人生を変えていく。パワフルな女性が気持ちよく人生を変えていくストーリー。読んでいてワクワク、気持ちよかった。
Posted by ブクログ
自分と夫の愛人の体が入れ替わるという非現実的話ではあるが面白い。 解説にもあるが「自分が変われば相手も変わる」ということ。
「母親というのは自分の子育てを振り返っては反省し、後悔し一生涯その罪を背負って生き行くものだ」
Posted by ブクログ
垣谷美雨さんの作品初読みです!
2025年初作家、54人目です。
ブク友さんに読んでる方が多くって読んでみたいと思っていました。
あと、ドラマ化や映画化されているもの多いですしね。
こちらの作品もドラマ化されてるらしいけど、観た事はないです。
なんとなく作風みたいなのがわかりながら読みましたが、ものすごく読みやすかったです。
入れ替わりもの結構好きです!
今年では『君の顔では泣けない』も良かったです。
読みやすかったし、面白かったけど、⭐︎3つなのは2人の女性が自分には共感できないタイプだったからかな。
内面さらけ出せば、みんな嫌なところありますよね^^;
Posted by ブクログ
なんとも意味ありげなタイトル…。
浮気を疑った妻と相手の女性の身体が入れ替わってしまう…なんていうとんでもない設定だ。
お互いの立場にたってみて、自分自身や家族を客観的にみてみると、今まで気がつかなかったことがみえてくるもんだなぁ。
菱子と入れ替わった星見が、娘の実花に家庭科のエプロンの宿題に関して啖呵を切る場面は笑った。なぜかって?
私も我が子に言いたくて言いたくてたまらない言葉なのですよ…笑
Posted by ブクログ
学童のパートをしているまじめな主婦菱子の夫、麦太郎に浮気疑惑が浮上。
相手と思しきヤンキー風味の派遣社員、星見と話をしようと会うことに…二人の噛み合わない会話の途中に現れた赤いドレスの謎の老婆が何やらブツブツ唱えると…二人は入れ替わってしまう!
2013年にドラマ化されたらしいのだが、今読んでも結構面白い。
電車で読んでいたら思わず吹き出しそうになり、なんとかこらえたけど絶対変顔になっていたはず…公共の場で読まない方が良いかと。
最後まで楽しめたが、最近読んだ『墓じまいラプソディ』の方がリアルで細部も丁寧に描かれていたのでちょっと辛めの評価してになってしまった。
2024.4.20
Posted by ブクログ
「妻と夫の浮気相手の身体が、入れ替わってしまう」よくある設定ですが、自分が変われば相手もこんなに変わるのか!はては子どもの志望校や、義父母の老後の暮らしまでに影響力があるとは!
自分はこれでいいと思って生きているが、他人からみたらどんな印象なんだろう?心配になってきます。
年金で充分暮らしていけるのに郵便配達を続ける、新潟で1人で暮らしている星見のおばあちゃんの言葉。
「自分は世の中で必要とされている人間だ。そう思うと明日が来る意味がある。(略)自分だってまだまだ捨てたもんじゃない。生きてる価値があるんだ、まだ生きてていいんだって、そう思えるんだ。」に、ハッとさせられた。
将来、自分が1人になってしまった時に、思い出せるよう心に留めておきたい。
Posted by ブクログ
07月-06。3.0点。
子ども二人の平均的サラリーマン家庭。夫のPCを見ると、浮気相手のブログに夫が登場していて。。。
一気読みした。ちょっとのヒネリだけど、筆力があるので読ませる。
Posted by ブクログ
勘違いなんだけど
でも思い込んでしまったら人間そうとしか思えない不思議。
お互いのことを気に掛けながら
根底に優しさのある2人だから
あったかい行動がたくさんあった。
彼女の頑張ってるちゃんとした言葉遣いがツボ。
おもしろかった。
Posted by ブクログ
夫の浮気を疑い相手の女性に会いに行くと、身体が入れ替わってしまうSF的展開。
入れ替わってみると、色々な気づきがあったり、自分の持ち味を活かして環境が改善したり。
巻末の解説では、「自分が変われば相手も変わる」というのがこの本でずっと貫いていることとのこと。個人的には、自分を変えるのもなかなか難しいと思う。人それぞれ(自分も含め)いろんな背景があったり、悩みがあったり、得意な所があったりすることを理解して、お互いを尊重していきたいなと感じた。