【感想・ネタバレ】絶縁病棟のレビュー

あらすじ

切るべきなのは病巣でなく人間関係!

神田川病院の桐ヶ谷キワミ医師は三回の離婚で人生を考え直し、趣味を謳歌しながらアルバイトとして働いている。
ある日、外来を訪れた七十代の患者・熊野佐奈枝は、女性医師が担当でないと嫌だと言う。「いい歳をして自意識過剰だ」と鼻で笑う部長に“時代遅れ”だと反論するキワミ。部長から譲り受けた聴診器を使うと、佐奈枝の体調不良の意外な原因が明らかに・・・・・・!?
裕福なネイルサロン経営者、夫の両親が建てた家で家事のサポートも受けて暮らす会社員。人から羨まれるような人生を送る女性たちの“見えざる不調”の理由とは。大反響「病棟」シリーズ第四弾。

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Posted by ブクログ

『病棟』シリーズ第四弾。
今回は、具合が悪いのにどこのクリニックにかかっても異常なしと言われ、途方に暮れている患者さんたちが神田川病院にやってくる。
あの、聴診器の出番である。
第一章のタイトルが『女三界に家なし』だが、第二章も第三章も、その言葉が当てはまるような気がする。
女性が安心してくつろげる場所はどこにあるのか。

それにしても煩わしきものは人間関係よ。
距離感が難しい。離れすぎても、近すぎても。
ストレスの元となるのは格段に「近すぎる」方だ。
迫ってくる、依存してくる、がんじがらめにしてくる。

心の不調は体の不調となって現れる。
ストレスの元の人間関係を断ち切る!それが桐ヶ谷キワミ先生の「処方箋」
しかし、薬を出されるわけではないから、飲んだら即効くというわけにはいかない。
キワミ先生の処方を自分自身で実行するしかないのだ。
やり遂げたら悪い縁が切れるだけでなく、強くなれるかも。

第二章の真澄にとっての芽衣のような、家族や親族でなくても信頼ができて、厳しいこともきちんと指摘してくれる人がいたら、いちばん適切な距離感だと思う。
第三章は、予想のはるか上を行く展開にびっくり、夫や義両親との会話がだんだん変化していく様がホラー!
さすが垣谷美雨氏だと思った。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

『後悔病棟』『希望病棟』『懲役病棟』に続くシリーズ第四弾。

「女三界に家なし」
「寄生虫」
「思いやり家族」の三話収録。

前作未読でも問題なく楽しめる。

物語の舞台は神田川病院。
今回も不調を訴える三人の女性が救いを求め外来を訪れる。

近所に住むセクハラ男性に悩む70代の熊野佐奈枝。
仕事で成功を収めたばかりに家族に寄生される山口真澄。
思いやりの裏側に隠された夫家族の本性に打ちのめされる江藤静歌。

心の声が聴こえる不思議な聴診器で明らかになる彼女達の葛藤に同情を禁じ得ない。

読後はしがらみからの解放に胸がスッキリ。

絶縁万歳。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

その聴診器を持つ人は今回はキワミ医師。
空気を読むことをちょっと忘れてしまう彼女の前には今回は三人の女性たち。
「女三界に家なし」「寄生虫」「思いやり家族」どれもこれも身につまされて、聞いたことのある話題、知っている展開、いるいるこんな人…とつい眉間にシワが寄る。心が痛い。

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2025年12月15日

Posted by ブクログ

人間関係でストレスを感じていたので、帯の言葉に惹かれ購入。読み終わって率直な感想はスッキリした、です。
そうそうこんな人いるよねーとか思いながら一気に読み終えました。また、同シリーズ読みたいと思える作品でした。

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

安定の面白さ
周りからは幸せと思われても、辛い。検査しても悪いところは見つからない。そんな3人が神田川病院でキワミ先生と出会い、キワミ先生は、不思議な聴診器を通して、患者の心の中の問題を探っていく。そして、手書きの処方箋。題名の絶縁は、自分に害を及ぼすものは切っていくというもの。もしかしたら私にも切るべき縁があるのかもしれない。それを切れば、肩こりが治るかもと思いました。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きな病棟シリーズ。どの章も、絶縁したくなる主人公に共感できて一気読み。3章はもはやサスペンス。家族が無事逃げられたことに安堵。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

3人の女性の不調の原因を突き止め、悪縁を断ち切る治療までして、すっきりする。近い人だからこそ身体を蝕むほどのストレスになり、同居はほんとに考えた方がいいと思った。柿谷美雨の作品はどれもほんとに面白い。次の作品が楽しみ。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

病棟シリーズ第四段とても楽しく読みました。
どのお話もグイグイ吸い込まれるように
ハラハラドキドキ、悲しみ虚しさ悔しさが
織り交ぜられており、最後は達成した幸福感と
周りの人の温かさで締めくくられています。
今回はマリ江さん出てこないのかなと
思っていたら、最後のお話で登場があり
待ってました!
好きなずっと続いてほしいシリーズです。

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2025年10月26日

Posted by ブクログ

『病棟シリーズ』第4弾!
シリーズの中で1番好きかもしれないっ!!!!

不調を抱えた3人の女性たちが病院へ駆け込む。
その中で心の声が聞こえるという
不思議な聴診器を使って読み解いていくお話。

悩みと不調を抱える3人の女性たちは
誰もが羨む生活を送ってきた。
だが、その生活の中でも悩みがあって………

3つのお話全てスカッとする場面が多々あって
読んでいてとても気持ちが良かったです!

体の不調は疲労から来るものもあるけれど
人間関係が1番複雑でそれも体調不良になる。
やっぱり、
自分のことを自分で守らなければならないし、
少しでも『嫌だな』って思う場面に対して
距離を置くべきだなと勉強になりました!
読んでよかった!!!

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

『後悔病棟』『希望病棟』『懲役病棟』に続く4作目。

帯には「切るべきなのは、病巣でなく人間関係!」の一文が。体調不良を訴えてくるけど、検査しても診察しても原因がわからず、あの聴診器で患者の心のうちを覗くと。

 今回も面白かったし、考えさせられたけど、それ以上に怖かった。特に2章と3章が人怖なお話でした。

第1章 女三界にに家なし
第2章 寄生虫
第3章 思いやり家族

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

絶縁、ばんざ〜いヽ(^o^)丿
なんて言っても良いかどうか…。
でも、バンザイ\(^o^)/です。

主人公は桐ヶ谷キワミという女性医師。
もちろん大事な小道具の聴診器も出てきます。
そして今回の主要登場人物は3人の女性。本当にしんどくて辛い思いをしています。
その彼女たちへの処方箋に書かれている病名は、
重度の男性アレルギー
寄生虫
慈悲的差別被害者病
これらへの対処法が面白かった。というか、そうだよね!と思えました。

実際に物語のような悩みや辛い思いをしている人はいると思います。そういう人たちには勇気の一歩を貰える作品だと思います。また、こんなに症状が酷くなる前に対処をしたほうが良いと気付かせてくれる作品だと思いました。

絶縁 良いと思います

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

本のタイトルから想像していた内容とは違っていて良かったです。
内容は読んでいて家族から受ける理不尽さにイラッとしましたが。
悲しいのは優しさをもつ人から優しさを奪おうとする、優しさを突いて利用しようとする人間は少なからずいる事。
勇気を出して周りに相談しても優しい人は遠慮がちに話してしまい、相手がずる賢すぎて普通の常識人には中々理解してもらえず更に追い込まれてしまうこと。
何故平気で人を傷つける人は結局は周りから捨てられてしまう事が分からないのかな…。
今回は3人の患者さんのお話で、皆んな幸せになって欲しい。その後がいつか読めたら嬉しい。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

図書室。おすすめしていただいて。
何も考えずに楽しく読めるお話と言って渡していただいたけど、確かに!面白かった。

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2025年12月17日

Posted by ブクログ

連作短編集3篇
胸に当てると心の声や過去の出来事を見れる聴診器を持ってキワミ先生の処方箋が冴える。70代の女性へののセクハラ、成功した妹にたかる家族、囲い込まれる嫁、それぞれの息苦しさが最後に解決されていく様子が気持ちいい。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

夫が亡くなったあと、胃痛が続く七十代の女性は、隣家の元サラリーマン男性からのセクハラなどが原因の「重度の男性アレルギー」。ネイルサロン経営者の女性の目眩の原因は、遠慮なくたかってくる家族という名の「寄生虫」。夫の両親が建ててくれた家に住み、家事もお姑さんがしてくれる恵まれた環境にありながら、頑固な肩凝りに悩まされている女性の病名は、夫にもその両親にも一人の人間として尊重されない「慈悲的差別被害者病」。3回目の離婚をして、看護師に「キワミ先生も孤独死まっしぐらですよね?友だちもいないんだし」と言われいじけたりしているキワミ先生が、胸に当てると患者の心が見える不思議な聴診器で患者を救う。辛そうな女性たちが救われてホッとした。どうにもならないときは絶縁も必要なんだな。

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2025年12月06日

Posted by ブクログ

なかなか興味深い話だった。3人の女性それぞれの日常の悩みをカウンセリングするような話。個人的には3番目のケースについて、男性の視点から、少し考えさせられた。気持ち悪いくらいに優しすぎると、裏に何か隠されているのかな。

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2025年12月04日

Posted by ブクログ

シリーズの中で一番面白かったかも。
結局体の不調は心(精神的なもの)からくるということが分かる。
「寄生虫」はひたすら嫌な家族だなあと思ったけれど、最後ハッピーエンドで良かったです。
「思いやり家族」はもはやホラーです。旦那&旦那の家族怖すぎる。早く静歌逃げて!とハラハラしました。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

シリーズものだったー!既刊を読んでいなくとも大丈夫です。読んでいたらもっと面白かったのかも、と本作のメイン・キワミ先生をもう少し知りたかったとの思いもあって★5寄りの4.5。

見えざる不調の原因は人間関係。
思い当たる節が多すぎて思わず手に取ってしまいました。簡単に切除できないんだけど根深い病巣。本作と並行してアドラー心理学の『嫌われる勇気』も読んでいるのですが、そちらにもほとんどの悩みの原因は人間関係、とありました…。

人は完全に一人きりで生きていくことができないから厄介なんですが、血のつながりがあるというだけで味方とは限らないし、赤の他人でも心底気の合う人はいるし、自分が本当に大切にすべきは自分だという基本を見誤らず心地好い人間関係を築いていきたいものだと思いました…。

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2025年11月16日

Posted by ブクログ

病棟シリーズ4作目。やっぱり面白いなぁ。
見えざる不調は人間関係。切るべきものは病巣ではなく、人間関係。
ここまでキッパリ言ってもらえるとすっきりする。
なんとなく良くないと思っていても、冷たい人と思われるんじゃないか、仕返しされるんじゃないかと人間関係を切るのは難しい。
でも、思い切った後の身軽さはちょっと羨ましいくらい。
数年前にゆるく年賀状仕舞いしたけど、年末が近づいてもプレッシャーを感じなくてすむようになった。
「こうあらねばならない」から解放されるのはいいなぁ。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

病棟シリーズ第4弾
今回もスカッとした。

第1章「女三界に家なし」
熊野佐奈枝 71歳が主人公。
症状は胃痛と吐き気、そして目眩。
所見では悪いところはないとのこと。

医師・桐ヶ谷キワミは
渡された聴診器で診察をすると
驚いたことに患者の心の内が見える。

第二章 「寄生虫」
山口真澄 37歳
倦怠感と目眩に悩まされる。
ネイルサロンを3店舗経営する社長。

第三章 「思いやり家族」
江頭静歌 29歳
肩こりがひどく受診。
人も羨む生活をするが。

いくつになっても悩みは尽きない。
他人が羨む生活でさえ本人は体調不良をおこすこともある。

看護師・秋吉麻衣子 29歳 
子供の頃から母親に洗脳されていたと言う。
彼女が第二章の患者、真澄にかけた言葉。

P173
〈私がいちばん大切なのはお母さんじゃなくて私だよ〉

患者全員に届くおまじないではないかな。
読者の私にも。

「自分を大切に」
少し怖いキワミ先生からも言われた気がする。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

シリーズ前3冊既読。最新刊が出ていたのですぐに購入。聴診器の秘密を理解している病院内のスタッフがどんどん増えている笑笑
今回は身近な人間関係を断ち切る内容。
病気の巣である心からの叫び。
隣人と親兄弟の話しはありそう!
もしも、私もその悩みを聞いたとしたら全く同じ処方箋を書くだろう。
もう1人の主人公に関しては、真実の原因に気が付かなかったら平和に過ごしていたのかも。いや、知らないままでは最悪の結末だったのかも。
今回も面白く一気読みでした。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ初読みだけど問題なく面白かった。
2話目の家族の話にイライラした。昔は支え合っていたのに、事業で成功した途端に搾取するだけの寄生虫のような存在になってしまった家族。特に姉には嫌悪感しかなかった。他人だったらとっとと離れればいいけど、家族だと情もあるしホントに厄介。でも自分でキッパリ決別するしか解決はしないんだよね。
キワミ先生の強めのキャラも相まって読後感は良かった。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

聴診器シリーズ最新作。安定の内容でした。人の心は、その方のこれまでの生き様により変化しますね。例の聴診器使ってみたいけど、自分の胸に当てられたら、、、そろそろこのシリーズも卒業ですかね

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

いずれも極端なケースだけどエンタメとしては面白かった。心の声が聞こえる聴診器、あげると言われても、要らないかな。「慈悲的差別」?

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2025年12月03日

Posted by ブクログ

身近な人の言動にじりじりと苦しめられ、謎の不調に悩ませられ病院を訪れる3人の女性たちの話。
最後話は、途中までなんて恵まれている環境なんだろうと思いつつ読み進めてたが、旦那さんや旦那さんの家族の本性が見えたらゾッとした。こんな経験したら人間不信になりそう。

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2025年11月21日

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