あらすじ
ロングセラー『後悔病棟』に続く感動の長編。
神田川病院に赴任したばかりの女医・黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、摩周湖が病院の中庭で拾った聴診器を使ってみると、患者たちの“心の声”が聞こえてきて・・・・・・。
母親に捨てられ、児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。
摩周湖の勧めで治験を受けた桜子と貴子は快方に向かい、自分の人生を生き直すことに。大学に進学するお金がなく進路に悩む桜子、選挙にしか関心のない夫と姑を嫌悪する貴子。孤独と生きづらさを抱えてきた二人は、どのような道を歩み始めるのか――
共感の嵐を呼んだヒューマン・ドラマ『後悔病棟』に続く感動の長編!!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
結末が想定できているけど楽しめる作品。政治的問題が身近な問題だからなのかな。風俗営業はどうなのだろう?!とは思ったが貴子みたいな意思を持った経営者の下だったら、抜け出したい!と思った人にとっては願ってないチャンスだと思う。奨学金や教育ローンは貧困ビジネスというのは的を得ている感じがするし。姑の心変わりは理想。給費制試験というのは初めて知りました。そう言えば、安倍元総理の「パート妻月収25万円」発言が、例え話としては飛躍しすぎていて理解できなかったなという事をこの本で思い出しました。
Posted by ブクログ
第2段もさくさくと読んでしまった。
とっても面白かったのである。
いつまでも小説の世界に浸っていたくて
もっとゆっくり読めばよかったと
もったいないことをした。
最後は皆が幸せになって良かった。
私の大好きなジャンルだった。
この作者の他の作品も読んでみたい。
なにかオススメはないかなー。
Posted by ブクログ
桜子さん貴子さんの強さを感じた。末期癌を克服して頂いた命のありがたさを感じて生きている姿がいいなと思った。姑の心変わりにもほっこりした。女は強い。
今を一生懸命生きる
重い病気にかかってもかかってなくても、余命宣告されてもされなくても人生はみんな等しく1度きりしかない。死ぬかもしれない、って気づいてからじゃなきゃ自分の好きなように、思うように生きられない世の中が悲しいけど、今この瞬間から自分の意識を変えることはできる。明日死ぬとしても後悔しないように今を一生懸命楽しもう。そう思わせてくれる本だった。
Posted by ブクログ
「後悔病棟」の続編です。
ルミ子先生から摩周湖先生に受け継がれた
不思議な聴診器、今回聞かせてくれるのは
政治家の妻 貴子と孤児のJK桜子。
年齢も立場も全く違うふたりが繋いだ命
厳しい現実に、いっその事余命宣告のままの方が
よかったのでは。と絶望しそうな桜子への
貴子からのアドバイスが衝撃すぎて時代ですか?
人間不信だった桜子に桃山さんや青野くんとの
出会いは嬉しいかぎり。幸せになって欲しい。
それにしてもあんなにも憎たらしかった姑が
まさかそんな人が変わりますか?(笑)
Posted by ブクログ
人の気持ちが聞こえる不思議な聴診器を手にした医師摩周湖、末期がん患者の桜子と貴子。
3人の女性が前を向いて生きていくストーリー。爽快感のある話。
Posted by ブクログ
柱はいつもの垣谷さん。でもこの物語に代議士の妻、無国籍、児童養護施設の現実なんかを詰め込んでいて、まったく渋滞せず読ませてくれるのはお見事でした!
病棟シリーズ、出版年を確認せず読んでいるので、きっと前後が多少違うのでしょうけれど、まったく問題なし!
Posted by ブクログ
『病棟シリーズ』第2弾!
前作の『後悔病棟』に続く作品。
だが、
前作を読まなくても楽しめる作品になっている。
『後悔病棟』よりも明るめなお話で、
前作に少しでてきた摩周湖という女性医師が
心の声が聞こえるという聴診器を拾う。
登場するのは2人の末期癌患者。
児童養護施設で育った高校生の桜子、
代議士の妻の貴子。
この2人は治験を一緒に受けたことで
親しくなる。
主に摩周湖先生、桜子、貴子視点でお話が進む。
言葉ひとつひとつにとても共感できて、
感情移入できました!とても読みやすい!
立場や環境が違うふたりのお話は興味深く、
どのような感じでラストを迎えるのか
ドキドキしながら読むことができました!
次作の『懲役病棟』も早く読みたいです!
Posted by ブクログ
前作の後悔病棟よりも、患者を2人にしぼって深く描いているからか、物語に集中できて好きでした。
今作は名前をイジられがちな摩周湖先生が主人公です。前作の主人公のルミ子先生が、ポンコツながら先輩風を吹かす感じがくすっと笑えました。
メインの患者は、末期癌による死の淵から生還した貴子と桜子という年齢も立場もキャラも異なる2人です。ただ、死を強く意識したことで、今を、自分を、変えようという強い想いに突き動かされている部分が共通項です。
児童養護施設のその先を考えたことはなかったです。18歳で完全に自立は厳しすぎます。誰か導いてくれるひとや支援がないと、悪い方向につられてしまうのも仕方ないと思えてしまう。難しい問題ではあると思いますが、まずはここで知ることができてよかったです。
Posted by ブクログ
前作でハードルがぐっと上がったというか、楽しみになった。
今回は、摩周湖先生と桜子と貴子が主人公を変わりながら、目線を変えながらのお話。桜子と貴子はともに摩周湖先生の患者であり、末期癌を宣告されている。治験の話をもらうも、将来に悲観的な感じ。(そりゃ余命宣告されたら投げやりにもなるよな。)二人とも「どうせ死ぬなら好きなことやっておけばよかった」と思っていたどん底から、治験の効果が出て退院できることに。
Posted by ブクログ
病棟というので、病院内の話と思いきや、それだけでなかった。どんどん先が知りたくなり、読み進めました。
後半、もっと患者がどうなったかを詳しく知りたい気持ちもあったけど、主人公の内面がいつの間にか変わっていて終わりはスッキリでした。
Posted by ブクログ
◯◯病棟シリーズ第2弾
主人公は前作と変わってます。
前作同様、短編だと思って読んでいましたが、
複数の患者を同時並行に診ており
あれっと気づいた時には、
ページの半分ぐらい進んでいて、
長編だと気づきました。
しばらく積読状態でしたが
本書の直前に
辻堂ゆめさんの「トリカゴ」、
マンガの「東京貧困女子」、
ネットの兵庫県知事や石丸新党、
奨学金帳消しプロジェクトなど
本書と関係ありそうなものを
見聞きしており
それらもあって興味深い読めました。
まさかこんな出来過ぎの話はないよねと
思っていた部分は、
作者の思惑どおりスカされ
また、過去の聴診器の所持者も
サラッと現れて次作が楽しみです
Posted by ブクログ
不思議な聴診器のおかげで、相手の心の声と表での声、両方聴けるのは楽しめました。
病院の先生、患者さん、その家族との、それぞれの価値観も参考になるなと感じました。
Posted by ブクログ
作者の小説は「後悔病棟」に続いて2作目。文章が明瞭で読みやすい。患者の心や過去が読める魔法の聴診器が聞かせて見せてくれる患者と医師の人生を描く。今回のがん末期患者は無能代議士の妻谷村貴子と、児童養護施設の高校2年生の小出桜子。最後は富裕の貴子が貧困の女性を救うための独自の風俗店を経営するに至るが、貧困女性がいかに生き難いか、風俗で働くしか選択の道のない女性がいかに多いか、よく分かる。巻末の参考文献「セックスワーク・スタディーズ」「身体を売る彼女たちの事情」などのノンフィクションも読んでみたい。
Posted by ブクログ
後悔病棟の続編。患者の気持ちがわからないルミ子の前に落とし物の聴診器。これが実は。患者の心が読み取れるものだった。ルミ子は患者の後悔を見ながら、扉を開けることで、もう一つの選択肢を擬似体験する。そして患者は、やはり今の選択が良かったと安心して旅立てるというのが後悔病棟。
そしてこの希望病棟は、摩周湖というやはり空気の読めない女医の話。ルミ子は彼女にこの聴診器を拾わせる。摩周湖は患者の悩みを聴診器を通して知る。そして2人の患者、元キャバ嬢で、今は議員の夫人の末期がん貴子と親に捨てられ児童養護施設から優秀な高校に通う、末期がんの桜子の心を知る。2人ともDNA療法の治験が成功し、完治。ギリギリの生活を送る女性を救うため、貴子は奔走。
ラストに摩周湖は母とゆっくり話す機会を得て、母もこの聴診器のお世話になっていたこと、そして摩周湖の部長が母の友人で、この部長がルミ子に聴診器を使わせたことがわかる。
貴子と桜子が親子なのではと思いながら読んだがその期待は摩周湖と同じく裏切られ、しかしその後にしっかり救いが待っている、読後感の良い小説でした。
Posted by ブクログ
病棟シリーズ2巻。今回の聴診器の持ち主は黒田摩周湖。小さい頃から家族との接点も少なく他人とのコミュニケーションに自信がない先生。患者は進学校に通う小出桜子と代議士妻の谷村貴子で、この二人には幼少期の貧困という共通点がある。摩周湖は媒介役で、この患者二人が物語のヒロインかなという印象。他人との関係性に悩む桜子の成長と、持ち前のバイタリティを発揮する貴子。人には誰にでも良い面と悪い面がある。登場人物たちは皆いい人ばかりで、現実にはそんなにうまくいかないとだろうとは思いつつ、それでも楽しい読書時間でした。
Posted by ブクログ
前半のファンタスティックな面白さと、後半の重くて現実的な内容の面白さと、面白さの質が違ったので意外でしたけど、全体に読みやすく、まあまあ面白かったです。
Posted by ブクログ
後悔病棟と希望病棟を続けて読んだ。
余命が限られるとものごとは整理されてくるのだろうか。
孤独や生きづらさを感じつつ、流されながら日々生活している自分もフッと立ち止まり、「果たして自分は」と考えてみるきっかけになりそう。「もう一つの人生の選択」や「なにが生きづらく感じているのか」、「生き直す」感覚など時には考えてみたいと思った。
Posted by ブクログ
後悔病棟と同じ聴診器を使っているのに、展開がかなり違って驚いた
同じ道具でも、使う人によって違うんだと感じさせられた
若い女性が、お金を稼ぐのに「性風俗」という選択にスポットがあてられていたが、確かに良心的な女性の社長が経営する「性風俗」の店があれば、それは助かる人も多いだろうと思った
小説としては、後悔病棟の方が好きだった
匿名
貧困の問題
この小説で出てきた貧困女性のお話し。
大学に進むお金を稼ぐ為には風俗勤務も念頭に入れないといけないという文には色々考えさせられた。特に女性やシングルマザーは低賃金の問題もあるし、今の日本は進学や学ぶためのお金を無償化すべきと思う。
匿名
面白かったです
読む順番を間違えました。
後悔病棟が先なのですね。
でも問題なく読めました。
読みやすく、そしてとても面白かったので読む手が止まりませんでした。
寝不足です!
好きな文章です。
“後悔病棟”も一気に読みましたが、“希望病棟”も新聞で新刊発売を知りすぐに購入。
大好きな垣谷さんの文章はすらすらと読めて、あっという間に読み終わりました。
誰でも表裏があり「顔で笑って心で…」なんて当たり前ですが、誰か一人でもそんな心の声に理解を示して貰えれば背中を押される事ってあると思います。
Posted by ブクログ
シリーズ2作目。桜子と貴子が母娘なんでしょ?と先読みして読み進めていたけど、母娘じゃないし、貴子の貧困支援や姑の変化にビックリしたし、聴診器の出処と思われる人物も予想外だった!
Posted by ブクログ
貧困問題の解決策が「性風俗」という論調だけで最後まで行くのかと思いきや、最後の最後に別の道が見えて来る。でも、解決策についてはサラッと述べられているだけで、それまでの問題提起の方が心に残ってしまった。
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾!
しかし、本書は、前作と違って長編の展開。
さらに、テーマは貧困問題。
聴診器を拾った摩周湖はそれを通して、患者の心を知ります。そして、自分自身がずれていなかったことも..
本作では、摩周湖、桜子、貴子の物語。
桜子と貴子は摩周湖の進めて治験を受けて、回復することに。
一度は死んだ身として、二人はそれぞれ新たな人生を生き直します。
大学に進学したいがお金もなく進路に悩む桜子。施設で育てられたことから、18になったら出ていく必要があります。
また、代議士の夫をもつ貴子。選挙で勝つことしか興味のない夫と姑のくずっぷりを嫌悪しています。
そんな二人がどう生きていくか?
そして、本作のテーマとなる「貧困問題」
厳しい。
本作では、聴診器を通して、過去を生き直すことではなく、本当の気持ちを理解して、今を生きていくというもの。治験に成功し、そこからリアルに生き直していく二人を描いています。
これはこれでよかった。
聴診器の持ち主も少しずつ明らかになっていきます(笑)
これもお勧めです。
Posted by ブクログ
後悔病棟の続編。今回も末期がんの患者が出てきたけど治験で回復でき病気になる前とは気持ちの持ちようがガラリと変わり思い描く自分の人生を歩んでいく物語。大切なものを失いかけた危機を味わった人でないと変われない人が多いだろうな。
Posted by ブクログ
感想
いくら現実的だからって話がだんだん風俗に行くのもなぁ。中盤から重い話で少し疲れた。
最後は上手くまとまったけど。
あらすじ
神田川病院の黒田摩周湖。父親が大学教授で母親は救命医。子供の頃から放置されてきたため、コミュニケーション能力が低く、妄想の世界で生きてきた。
受け持つのは身寄りのない末期癌患者の女子高生の桜子。桜子はDNAの治験を受けて快方に向かう。
元キャバ嬢で、今は政治家の嫁の谷村貴子も末期癌でDNA治療を受けていた。政治家2世のクズ夫のために這いずり回って1票入れてもらう活動をしてきたが、今は過去を悔やみ、何もかもぶち壊したいと思っていた。そして快方に向かう。
桜子は指導員を信用していなかったが、正直に接すると悪い人ではないと気づき、バイト先で見下されていたことが分かり辞める。
貴子は、選挙対策で駆けずり回っていた。夫の庶民を見下す態度に辟易していた。
桜子は進学を希望し始めるが、奨学金を借りながら働くことを考えると、手っ取り早く稼ぐには風俗しかないと貴子に言われる。
貴子は、夫が妻が癌から復帰したことを利用して当選する。自分は貧しい女性が安心して働ける風俗を経営したいと考えて始める。
風俗経営は貧困女性のためと取り上げられ、姑とも仲良くなり、夫は厚労大臣へと出世した。桜子は風俗に入ることなく、大学に入り、授業料免除になる。摩周湖は、母親に聴診器のことを話すと母親も昔使っていたという秘密を共有する。
Posted by ブクログ
読みやすい作品でした。
希望病棟という題名から死に行く人が希望をもって前向きに生きていくという内容かと思い手にした本でしたが全く違う話でした。
内容はぼちぼち考えさせられる部分があり、面白く読めました。
Posted by ブクログ
図らずも病院が舞台の本が続く。(足をぶつけて自分まで病院に行く羽目になってしまった…)
なんだか本を読むペースが上がらず、夏季休暇前半の帰省&旅行に持って出たが一回も開くことなく持ち帰ってきてしまい、帰って来てからようやく読み終えた。
「後悔病棟」の続編。前作の感想に『次の巻には行かない見込み』と書いたが、コメントをくださった方から『一作目はダメだったが、二作目から好きになった』と強くプッシュされたので、ひとまず「読みたい」に入れておいた。ほぼ1年ぶりに手にする。
前作の終わりに登場し病院の中庭でルミ子が使っていた聴診器を拾った摩周湖と、ふたりの末期癌患者、親に捨てられて児童養護施設で生活する桜子と子どもを捨てた過去のある代議士の妻・貴子のお話。
聴診器をあてている時間はあっという間という設定だが、読んでいてどうしても違和感があるのだな。なので今回は聴診器の能力とはあまり関係なく話が進むところは良かった。
治験を受けた桜子と貴子が快方に向かい、退院後に一度諦めた人生をどう生きるかということが話の中心だが、回復したからと言って入院前と状況が変わるわけではなく、桜子はお金がなく進路に悩み、貴子は選挙にしか関心のない夫と姑に辟易する。
彼女らの悩みには今の社会が抱える様々な問題が溢れているが、盛りだくさん過ぎて収拾がついていない感じ。女性が手っ取り早く貧困から抜け出すためにはアレしかないと言い切るところが、古い頭の私にはいささか微妙。
やはり、人の胸の内が聞こえる聴診器という設定が、どうも、なんだな。
今度こそ、次の巻には行かない見込み。
Posted by ブクログ
シリーズものであります。
鍵となる部分は共通しているのですが、前回とテイストが違い、少し驚きました。
人任せではなく自分から行動したり、時には助けてほしいと声を上げたりすることは必要だと思いました。
Posted by ブクログ
希望病棟。末期に近いがんが治る養護施設の高校生と同じく治験で末期がんが治る世襲で代議士になった馬鹿な夫を持つ主婦。
そして空気の読めない医者。突然、人の心の声が聞こえる聴診器を持った医者は 二人の声を聴きながら、自分も成長していく。なんだかうまく行きすぎて 内容が薄っぺらく感じてしまう。姑が突然、嫁になびいたり、戸籍のない親子が代議士夫人の始めた性風俗の店の事務員で働き始めたり…というか、お金を作るためには。性風俗しかないの?代議士夫人がそんな店を作る?で,マスコミに取り上げられて 貧困者にスポットライトがあたる?なんだか よくわからない話です。何を伝えたいのか、中途半端で納得できないな