あらすじ
ロングセラー『後悔病棟』に続く感動の長編。
神田川病院に赴任したばかりの女医・黒田摩周湖は、二人の末期癌の女性患者をみている。先輩のルミ子に促され、摩周湖が病院の中庭で拾った聴診器を使ってみると、患者たちの“心の声”が聞こえてきて・・・・・・。
母親に捨てられ、児童養護施設で育った桜子は、大人を信じていない。代議士の妻の貴子は、過去に子供を捨てたことがあるらしい。
摩周湖の勧めで治験を受けた桜子と貴子は快方に向かい、自分の人生を生き直すことに。大学に進学するお金がなく進路に悩む桜子、選挙にしか関心のない夫と姑を嫌悪する貴子。孤独と生きづらさを抱えてきた二人は、どのような道を歩み始めるのか――
共感の嵐を呼んだヒューマン・ドラマ『後悔病棟』に続く感動の長編!!
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Posted by ブクログ
「後悔病棟」の続編です。
ルミ子先生から摩周湖先生に受け継がれた
不思議な聴診器、今回聞かせてくれるのは
政治家の妻 貴子と孤児のJK桜子。
年齢も立場も全く違うふたりが繋いだ命
厳しい現実に、いっその事余命宣告のままの方が
よかったのでは。と絶望しそうな桜子への
貴子からのアドバイスが衝撃すぎて時代ですか?
人間不信だった桜子に桃山さんや青野くんとの
出会いは嬉しいかぎり。幸せになって欲しい。
それにしてもあんなにも憎たらしかった姑が
まさかそんな人が変わりますか?(笑)
Posted by ブクログ
病棟シリーズ2巻。今回の聴診器の持ち主は黒田摩周湖。小さい頃から家族との接点も少なく他人とのコミュニケーションに自信がない先生。患者は進学校に通う小出桜子と代議士妻の谷村貴子で、この二人には幼少期の貧困という共通点がある。摩周湖は媒介役で、この患者二人が物語のヒロインかなという印象。他人との関係性に悩む桜子の成長と、持ち前のバイタリティを発揮する貴子。人には誰にでも良い面と悪い面がある。登場人物たちは皆いい人ばかりで、現実にはそんなにうまくいかないとだろうとは思いつつ、それでも楽しい読書時間でした。
Posted by ブクログ
後悔病棟と希望病棟を続けて読んだ。
余命が限られるとものごとは整理されてくるのだろうか。
孤独や生きづらさを感じつつ、流されながら日々生活している自分もフッと立ち止まり、「果たして自分は」と考えてみるきっかけになりそう。「もう一つの人生の選択」や「なにが生きづらく感じているのか」、「生き直す」感覚など時には考えてみたいと思った。