垣谷美雨のレビュー一覧
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久しぶりにとても、面白い本に出会えました。
日本のお墓事情、お話は面白いですが、我が身となると笑えない。考えさせられる内容です。
選択的夫婦別姓、まだ、日本では認められていませんが、夫と妻のどちらの姓を名乗るのかで、松尾家の娘ふたりが翻弄されますが、そこから相手の本性が見えてきて、ふたりの選択が間違いでなかった事に気づく。たかが苗字と言えなくないが、女性が苗字を変えることは、なんだかんだで女性の方が男性側の家に入るみたいな感じ。逆に考えてみると男性としてのプライドが・・・みたいな。
○○家の墓?墓守?日本の古い家制度を見直すべきではと考える内容でした。
話の内容は面白く、どう落着するの?って、 -
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正に「病は気から」という言葉がぴったりの物語だった。作品には、自分では抱えきれない思いを心の奥に溜め込み、心身症のような形で表れてしまった三つのケースが描かれている。どのケースも表面だけを見ると、本人のどこに深い辛さがあるのか分かりにくく、むしろ本人に問題があるようにも見えてしまう。しかし、医師であるキワミ先生は、気取らずサバサバした性格ながら、患者の心の声を丁寧にすくい上げ、その背景にある苦しみを丁寧に読み解いていく。
キワミ先生の診断によって、読者である私も「なるほど、そういうことだったのか」と腑に落ち、登場人物が抱えていた痛みの深さに気づかされた。人の心は一見しただけでは分からない複 -
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悲惨な状況が書いてあるのではと読むまでは気が重かったが、読み始めたら一気読み。避難所のリーダーや遠乃の舅、義兄、福子の夫やら男性群には大いに憤った。こんな男尊女卑って、田舎にはまだまだあるんだと驚いた!
福子の人としての優しさ、アイさんの鋭いひと言ひと言が特に良かった!絆や和やら持ち出して段ボールの仕切りあってもつけないリーダーに対し、立候補する際のやりとりはうるっときた。みんなの要望をどんどん取り入れて状況が変わっていくさまに希望が持てた。山崎先生の飄々とした温かい言葉も良かった!
遠乃の夫はいい人だったのにこの舅と義兄は最悪。いろいろあったが、福子、渚、遠乃、昌也が新しい一歩を踏み出せ -
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ネタバレ夢の世界から、現実の世界になった!しかも、とっても現実的な、現実のお話になっている。
多くの人に、「なかったこと」「聞かなかったこと」にされる、親がいない、お金がない、という切実な問題。実際に私がそういう人に接したら、短期的な同情やお金ではとても解決できないし、やがて面倒になって離れてしまうんだろうなと思う。そして、苦しんでいる人たちは、そういう軽薄な人との別れを何度も経験してきたんだろうと思う。
そして、解決策の一つが、風俗であること。これも、解決策として提示してしまう潔さ。きれいごとでは食べていけない。でも戻ってこれないところまでは行かない。
貧困という、中身を知らない人が多い、でも知って -
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小説を読んでいると、世の中には本当にいろんな人がいるんだなぁと、自分が実際に傷を受けずして知ることができる。実際に、自分が想像をしなかった行動をする人と出会ったら、直接その人にその背景を聞くことはできないが(聞いても答えてくれないかもしれないが)、この知識のおかげで想像することはできる。想像できた方が、自分の中で納得することはできるかもしれない。納得できれば、受けた傷は変わらないが、忘れられる日が近くなるかもしれない。
顔がいいだけで中身がスカスカな男や、純朴な男をいいように利用する女など、描き方がうますぎて、ムカついて仕方ない。ちっぽけな自分は、読んで賢くなって、そういう人の思い通りにならな -
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東日本大地震での被災者の生活がとてもリアルに描かれており、こんな現状だったんだ、、これからどうなるの、?と先が気になり一気読み。
女性達が不憫すぎて応援しながら読んでいた。
絆だ、皆共同体だーと男女混合の環境にもかかわらず体育館の仕切りをつけない異様な空間が事実であることには信じられないとしか言いようがない。生き残った身内との問題が震災により浮き彫りになった。ラスト漆山遠野の亡き夫へのメッセージは涙が出そうになった。
物語としては3人が大きな決断をして前に踏み出せたことがすごく嬉しかった。
作者あとがきも良かった。本書は、重苦しい震災の話だが日本の女性は捨てたもんではないという希望のメッセージ -
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ネタバレ墓じまいという時代の変化の産物を通して人々の意識の変化や不満への気づきが流れていく。仏教の諸行無常にも準えてそれまで積み上げて来た価値観ゆえに受け入れ難い墓じまいや樹木葬といった新しい概念や近親者の死や謎のままとなってしまった内心などをを段階を経て咀嚼し受け入れ消化していく過程でもあった。作中に現れるような単純に無知や頑迷を責め立てるような場面も、古い価値観に共感を示した上で新しい価値観への理解や現実的な事例や落とし所を示していく場面も、変化には必要なのだろう。新しいものに拒否感があるのも古いものに愛着があるのも当然どが世界が変わりゆくのもまた当然、自らそれを受け入れる体勢を作り出していくと
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以前、「後悔病棟」を読んで、不思議な感動を覚えた。
「希望病棟」はまだ読んでいなく、先にこちらを読んだ。
不思議な聴診器で、心の内を覗くことができる。
今回は、女子刑務所が舞台。
金髪のキャラ濃い香織と看護師のマリ江の掛け合いが、
何とも楽しかった。
女子刑務所という、普通の人はほとんど知ることのないリアルを、とても細かく書かれている。
女性受刑者が少ないので、殺人から万引きまで、刑の重さや年齢に関係なく一緒の部屋で過ごす。
高齢で認知症などの介護が必要な者もいる。
海外では介護施設で過ごす国もある。
刑務官の過酷な仕事もとてもよく分かった。
なんといっても、村木厚子さんの解説文にさらに