垣谷美雨のレビュー一覧
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優しい人を病んでしまう理由〜
垣谷美雨『絶縁病棟』を読んで
『絶縁病棟』を読んで、病の多くは心のストレスと深く結びついているのではないかと改めて感じた。
この物語で印象的だったのは、主人公たちを苦しめる人物が、決してわかりやすい悪人ではないことだ。むしろ周囲から見れば「いい人」であり、その言動も善意や思いやりから発せられている場合が多い。
だからこそ厄介なのだと思う。
相手に悪意がないため、自分自身も「嫌だ」「苦しい」と感じる気持ちを認めにくい。そして、なぜ自分が疲れたり病んだりしてしまったのか、その原因さえ見失ってしまう。
私たちはつい、人に合わせたり、期待に応えたりすることを優先してしまう。しかし、本当に大切なのは、自分の本心に気づくことなのかもしれない。
何を望み、何を望まないのか。
誰かに決めてもらうのではなく、自分の人生に自分で責任を持つこと。
自分を大切にすることは、わがままになることではない。自分の心の声に耳を傾け、自分自身を尊重することなのだと思う。
『絶縁病棟』は、人との距離感や自分らしく生きることについて考えさせられる一冊だった。そして、健やかに生きるとは、自分の人生の主導権を他人に渡さず、自分で握り続けることなのだと教えてくれた。 -
Posted by ブクログ
この作品を読んで感じたのは、どんなに困難な人生であっても、諦めずに前へ進み続けることの大切さだ。登場人物たちはそれぞれに問題や葛藤を抱えているが、現実から逃げるのではなく、自分なりに向き合いながら歩み続ける。その姿に勇気をもらった。
特に印象に残ったのは、人生を好転させるために必要なのは、特別な才能や幸運ではなく、自分の信念を持つことなのだという点だ。やりたくないことを無理に受け入れず、自分の気持ちに正直でいる。そして、自分にも他人にも誠実であること。その積み重ねが、少しずつ周囲の環境や人間関係を変えていくのだと感じた。
人生は思い通りにならないことも多い。しかし、自分らしさを見失わず、真摯に生きていれば、道は開けていく。『希望病棟』は、そんな前向きなメッセージを静かに伝えてくれる作品だった。
読み終えた後、「自分も焦らず、一歩ずつ前に進んでいこう」と思える、心地よい読書体験だった。 -
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面白かった。
お金の話をこの人が書いてくれるとすごく面白い。自分も節約してお金を貯めなきゃ、という気分になります。
それにしてもこの主人公である女の人の子供、娘がひどい。頭は悪い、大学をやっと出た様子、結婚すると思ったら披露宴、新婚旅行、新居諸々で500万円親に出させる。母親に向かってダサいと言う。なんて調子に乗った娘なんだろう。馬鹿で愚鈍だった子がこんなに変わって、と親もびっくりしていたようです。悪く変わりましたね。旦那に暴力を振るわれているのではと母親が長いこと疑うことになるのですが、実際は逆で娘が旦那に暴力を振るっていた。なぁんだ、みたいな感じに終わっていますがそれだってDVですからね。いい加減にしろと言いたい。
かえって、後半に同居することになった夫のお母さん、要は姑との関係は案外上手いこといって、姑の茶目っ気、しっかりしたところが好ましく思えました。それを発揮するのが犯罪だとしても。
この人の本をもっと読みたいと思って次を買いました。楽しみです。 -
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病棟シリーズ第3弾。今回の主人公は、過去2作品の主人公ルミ子と摩周湖の先輩医師太田香織。そして、今までのシリーズにも出ていた看護師の松坂マリ江。
舞台は、女性が収容されている刑務所。香織は、暴走族あがりで一念発起して医師になったが、暴走族の時に仲間内に金を巻き上げられたりして、そんな奴らが刑務所に入っているだろうと、端からきめつけていた。
しかし、診察をして見ると囚人の女たちは、夫に暴力を受け、子供にも暴力をふるう夫を殺害したり、妻帯者の男にだまされ覚醒剤にはまり、風俗店で働き金を巻き上げられる女などが多く、生きるためにやむなく犯罪を犯してしまった普通の人がほとんど。考えを改めた香織。
マリ江とともに、囚人達の出所がうまくいくように、家族を呼び出したり、後輩医師を使い、囚人家族や彼氏を偵察させたりする。
大金持ちの放火犯、梢さんの家に何人かで住むことになり、お互いがお互いに犯罪防止効果に繋がるようになるなど、話は上手い方向に転がるが、一つだけ死体遺棄は皆目をつぶる感じで終わってしまいました。
香織医師だけでなく、今回はマリ江看護師も聴診器を使うようになる。2人で聴診器を奪いあったり、一緒にご飯を食べる時はマリ江は香織に高級食材買わせたり、料理が上手いマリ江に囚人からの手紙を読ませるかわりに、弁当を作らせたりするやり取りが面白かった。次の絶縁病棟も早く読みたいです。
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ネタバレ映画とはかなり内容が違うおかげで、二重に楽しむことができました。
これはハウツーではないが、自国で生きないといけない我々は決して目を逸らしてはいけない問題がてんこ盛り。何歳になってもどうなるかわからない怖さ、年金じゃ暮らしていけない老後の心寂しさ、家族間のトラブル。苦しい思いや既視感、苛立ちを感じながらもすごく面白かった。
篤子さんに苛立ちを感じた人はたくさんいるんじゃないかとおもう。自分はそんなことないと言いつつ、真性の見栄っ張り。
印象強いのはやはり、しっかり者の勇人より、人間性も難ありの社会不適合者であるさやかに対してだろう。(家の食料を持って行くシーンも非常識で信じられませんでしたね)
篤子さんは客観的にさやかのことを見ることは出来ても、なんだかんだ親心で心配をしたり、金銭面ではなんと500万も出してしまう。
極めつけは、何回も出てくる「あの子は得意なことがないから手に職をつけるために専門学校に入れてあげた方がいいだろう」だ。
私は篤子さんの世間ズレをここで強く感じた。
4大(しかも私立)をすでに出ていて、職からあぶれるのはさやか自身の責任であるというのに、それでもまた学校に行かせようとする。本人の希望でもないし貧乏なのに!
そんなのは自分で学校を行きなおすか、学費を援助しても富裕層しかやらないようなことだ。サツキさんという倹約家の友達が近くにいながらも、正しい距離感や金銭感覚を学ぶのがどうやら遅かったみたいだ。
それでも篤子さんは踏ん張る。姑も迎えいれ、夫がリストラされても怒らず労い、50を超えてから色々気づき始めても、後悔しながらも、現実を全部しっかり受け入れる。そして城ヶ崎先生にも、何かしてあげたいと言う。
とても優しくてまっすぐな人なのだ。
人間ってそんなもんじゃないか。
複雑だから愛おしい存在なんだと思う。
ダメダメで、失敗もたくさんして、姑みたいに不遜な生き方をしてる人もいて、サツキさんみたいに思い切ったことを頼んだり(マージンはかなりウけた)、たまに道から外れながらも、間違った選択が多くても、仕方ない。
葬儀屋や花の営業からくり、親戚との関係を勉強しつつ、そんなことも感じた一冊でした。 -
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ネタバレ俗に言う、結婚適齢期の子親を持ち、結婚相手の見つからない子供がいる親なら、親婚活の話、身に詰まされる思いで読んでしまうよね(笑)
友美ちゃん、結婚相手が見つかってよかった。
「イタリア語の勉強してる」ってハッタリ?からの《バイヤー姐さん》との出会いで、もう、結婚はしないのか?と、思っちゃったから。
それと、千賀子の友達のモリコの娘、里奈さんの結婚から離婚話。
里奈さんのお父さんの葛藤、あったよね〜と思う。
この手の話、世間にはあるあるだから。
あー、こんな話、あるよね〜の、垣谷美雨さんの作品が好き。
さて、次は何を読みましょうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は、前作「後悔病棟」の続編という感じで、主人公は早坂ルミ子から黒田摩周湖へバトンタッチされた感じ。摩周湖も、病院中庭にて聴診器を拾う。実は、ルミ子が仕組んだものでした。摩周湖は、ある末期癌患者2人を担当する
。1人は高校生の桜子、もう1人は国会議員の妻貴子。
2人は、治験で試した薬が劇的に効き、退院するまでに回復する。
桜子はみなし子で、施設で生活していたが、高校を卒業したら、施設をでなければならない。
そのため、当初就職のため工業系高校に行こうとしていたが、学力が高いためまわりの大人たちにトップ校に行くよう勧められる。しかし、それは施設職員のたんなるエゴに過ぎず、桜子の将来を考えてのことではなかった。こんなことから、桜子は大人をまったく信用していなかった。しかし、病院から退院し、大学進学を考え始める。そこには、高額な生活費と学費問題がたちはだかる。
一方、貴子は議員の妻である夫に嫌気が差していた。選挙の票獲得にしか興味がなく、政策など何も考えておらず、キャバ嬢あがりの自分を見下しているからだ。
摩周湖は、聴診器で2人の境遇をしり、かつ貴子は若かりし頃、子供を産んですぐに捨てた事実を知る。しかも、桜子が生まれて捨てられた熊本と知り、もしかしたら2人は親子ではないかと思い、遠回しにDNA検査を勧める。しかし、2人は親子ではなかった。
貴子は、貧しい生活をしている親子にであったり、病院で同じ治験を受けた桜子に自分を重ねたりして、こういった境遇の人達を助けるために、ソフトな風俗店をたちあげる。
普通のアルバイトより稼げるが、一定額をためたら辞めなければならないルールを作る。
最初は、激昂していた夫だが、時の総理に貴子の働きが認められて大臣に任命される。
姑とも関係が回復したりと、いい方向に進み話は完結するが、聴診器の謎がさらに一歩進み次回作が気になる終わり方をしました。
次回作たのしみです。