垣谷美雨のレビュー一覧
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早坂ルミ子は、神田川病院で働く医師。空気を読めないと周りからも言われている。ある日病院の庭で、聴診器を拾う。誰のものかわからずも、使ってみると人の心の声が聞こえる特殊なものだとわかる。さらに聴診器には患者に、過去に後悔した選択を、やり直すことができる扉を開かせる能力もあった。
患者は、皆末期癌患者でそれぞれ「芸能界デビューをあきらめきれない千木良小都子」「夫が死んだ後の金の話ばかりする妻を持つ日向慶一」「娘の結婚に反対したことを後悔している雪村千登勢」「中学時代の友人を裏切ったと思っている八重樫光司」最後は、自分や母を捨てた父の話へと続く。
過去をやり直しても、皆その後、違った悩みを持つように -
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久しぶりにとても、面白い本に出会えました。
日本のお墓事情、お話は面白いですが、我が身となると笑えない。考えさせられる内容です。
選択的夫婦別姓、まだ、日本では認められていませんが、夫と妻のどちらの姓を名乗るのかで、松尾家の娘ふたりが翻弄されますが、そこから相手の本性が見えてきて、ふたりの選択が間違いでなかった事に気づく。たかが苗字と言えなくないが、女性が苗字を変えることは、なんだかんだで女性の方が男性側の家に入るみたいな感じ。逆に考えてみると男性としてのプライドが・・・みたいな。
○○家の墓?墓守?日本の古い家制度を見直すべきではと考える内容でした。
話の内容は面白く、どう落着するの?って、 -
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正に「病は気から」という言葉がぴったりの物語だった。作品には、自分では抱えきれない思いを心の奥に溜め込み、心身症のような形で表れてしまった三つのケースが描かれている。どのケースも表面だけを見ると、本人のどこに深い辛さがあるのか分かりにくく、むしろ本人に問題があるようにも見えてしまう。しかし、医師であるキワミ先生は、気取らずサバサバした性格ながら、患者の心の声を丁寧にすくい上げ、その背景にある苦しみを丁寧に読み解いていく。
キワミ先生の診断によって、読者である私も「なるほど、そういうことだったのか」と腑に落ち、登場人物が抱えていた痛みの深さに気づかされた。人の心は一見しただけでは分からない複 -
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悲惨な状況が書いてあるのではと読むまでは気が重かったが、読み始めたら一気読み。避難所のリーダーや遠乃の舅、義兄、福子の夫やら男性群には大いに憤った。こんな男尊女卑って、田舎にはまだまだあるんだと驚いた!
福子の人としての優しさ、アイさんの鋭いひと言ひと言が特に良かった!絆や和やら持ち出して段ボールの仕切りあってもつけないリーダーに対し、立候補する際のやりとりはうるっときた。みんなの要望をどんどん取り入れて状況が変わっていくさまに希望が持てた。山崎先生の飄々とした温かい言葉も良かった!
遠乃の夫はいい人だったのにこの舅と義兄は最悪。いろいろあったが、福子、渚、遠乃、昌也が新しい一歩を踏み出せ -
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ネタバレ夢の世界から、現実の世界になった!しかも、とっても現実的な、現実のお話になっている。
多くの人に、「なかったこと」「聞かなかったこと」にされる、親がいない、お金がない、という切実な問題。実際に私がそういう人に接したら、短期的な同情やお金ではとても解決できないし、やがて面倒になって離れてしまうんだろうなと思う。そして、苦しんでいる人たちは、そういう軽薄な人との別れを何度も経験してきたんだろうと思う。
そして、解決策の一つが、風俗であること。これも、解決策として提示してしまう潔さ。きれいごとでは食べていけない。でも戻ってこれないところまでは行かない。
貧困という、中身を知らない人が多い、でも知って