垣谷美雨のレビュー一覧
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垣谷美雨の『病棟』シリーズ、これにてコンプリートです。
『希望病棟』は、他の三作とは異なり、患者は二人で、この二人が関わりを持っていきます。その過程に惹き込まれます。「どんな着地を見せてくれるのだろうか?」と。
摩周湖医師によるあの「聴診器」の使い方は、他の作品に比べると控えめです。
私が読んだ順は、『絶望』(4作目)→『懲役』(3作目)→『後悔』(1作目)→『希望』(2作目)でしたが、それぞれ独立して読めるようになっているので、時系列通りでなくとも問題なく、楽しめました。とは言え、時系列で読んだほうが、楽しめることも事実です。
大満足のシリーズでした。 -
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お父さんと同じ墓には入らないと宣言して亡くなった母。戸惑う夫と子どもたち。
遠方の墓を墓じまいするためには数百万かかることに悩む夫婦。
夫婦別姓を選択できないがために、姓でもめる中で婚約者に愛想をつかす女性。
いろいろな話が展開されて、そうだよなあと、自分事として考えてしまう。
あまりあったこともない遠方の先祖の墓を、私の子どもたちに任せるわけにはいかないし、そもそも私がみるのか?という問題もある。
放っておくのも一つですよ、と言い切る住職もすごい。
そもそも火葬の時に、拾うお骨は骨壺に入るだけで、残りは捨てられますよね。
そう思うと、全部捨ててもよいような気もしなくもないが、心も持ちようとしてそういうわけにはいかない。
だとすると、あまり多くない量を散骨したり、歴史ある今後もずっとありそうな寺社の共同墓地に納めるというのが、私にはよいような気がする。それこそ、縁もゆかりもないけど築地本願寺とか。 -
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なんでも意見をはっきり言う女と、思ってることすら口にできない女の対比。其々に生きにくさと幸福の種類があり、パーソナリティというものはなんとも複雑で、ヒトに正解不正解はないんだよなぁと改めて気付きます。
お医者さんも患者さんもみんな人間くさくていいですね。
非科学的な設定も全然気にならないです。
書評がすごく良くて、キレーに纏めてくれてます。
〈地獄とは他人のことだ〉
【地獄のような他人との悪縁を断ち切るには多大なエネルギーが必要になる。その悪縁が表向きは良縁に見える場合はなおさらだ。
絶縁しようとしている自分には良くないレッテルを貼られてしまう。けれど世間の目を恐れてはいられない。危険を察知したら、三十六計逃げるに如かず、ということを教えてくれる。
小説はハウツー本ではないが、作家の創造力の結晶だ。絶縁病棟の中にはさまざまな人間の思考と行動のパターンがつまっている。エンターテイメントとしてたのしみながら、災害みたいな人間関係に備える洞察力と気力を養いたい。】 -
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垣谷美雨の病棟シリーズを読み続けて3冊目になりました。『絶縁』→『懲役』と時系列で遡ってきたと思っていたら、『後悔』は『希望』よりも先に出ていたことに気付きました。プロローグで、あの聴診器が次は摩周湖の手に渡ることが書かれていたからです。
『後悔』での聴診器は、過去に戻ってやり直したらどういう人生になっていたかを知ることができる機能があって、『絶縁』、『懲役』よりもパワフルだったんですね。
一種のタイムリープものですが、本作品では、魔法の聴診器によってもう一つの人生を知ることで、現在に至る自分の人生に納得した上でお迎えを迎える、という点がポイントです。そして、KYな医師早坂ルミ子が、この聴診器の助けで末期患者に寄り添う医師として成長していく過程もポイントです。
ストーリーとしては、第4章のfriendがヒネリが効いていて面白かったです。
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素直に面白かった。
シリーズ第三弾だけど、問題なく。
後悔病棟も希望病棟も読んでみたいな。
刑務所の中の病棟。
刑務所内にある美容院は存在は知ってるけど近くにないので行くことはなく。
しかし、刑務所内の病棟はこれまた縁がなく…
あったらあったで色々あるか。
女性刑務所の話は外国のはあるけど、日本ってないよね?知らないだけかしら。
男性版だったら堀の中の面々とかってあったりしたけど。
様々ないことが女医と看護師の活躍で解決できてホッとした。しかし、あの聴診器の謎は教えてくれないのか。
そこは知りたかったなぁ。
続きはないのかな。
解説、村木厚子氏の文も良かった。リアルで。 -
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『絶縁病棟』を読んで、とても面白かったのでシリーズ作品を全部読もうと思い、今回は『懲役病棟』を読んだ。シリーズとしては、時系列逆で読んでるのかな?(各作品に繋がりはないので問題はなし)。
今回の主役の人物造形も、堪らなく面白い。元暴走族、パツキンの香織医師に漫才の相方のようなマリ江看護師。読んでいて、思わず笑ってしまう。
「走馬灯的人生透視」聴診器が明らかにするチョーエキたちの人生、そこに灯りをもたらす香織とマリ江。
香織のチョーエキたちな対する見方が変わっていくところも、マリ江との掛け合いで面白く読めた。
次は『後悔病棟』を読みます。