あらすじ
バブル崩壊前夜に買ってしまった分譲団地。20年近く経つ今もローンを抱え、織部頼子は節約に必死だ。その上、老朽化による建替え問題に振り回される日々。一方、娘の琴里(ことり)は27歳フリーター。ある日、友人の三起子にイケメン資産家の彼氏を紹介される。が、彼女は失踪し、いつしか琴里が彼と婚約することに。織部家、まさかの人生大逆転?! 一気読み必至の傑作社会派エンタメ長編。
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日常の生活の話からサスペンスの話になり、思わず本を放ってしまう程急展開な流れに驚き、引きつけられた。
3人目の朋美は、薫の特徴を上手く利用してある意味賢いなぁと思った。
捨てる神あれば拾う神あり?
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面白かった!続きが気になって気になってあっという間に読み終えました。
同じ団地に住み管理の為の話し合いをもっても、購入時期、価格、家族構成、年齢などが異なる世帯が一緒になって一つの結論を出すのはいかに難しいかを痛感しました。
マンションの建設ラッシュ、特にタワマンが多く新規分譲されている今を思うと、団地とはまた違う立て替え問題が予想され、どういう問題が起きるかを想像してしまいます。
黛と琴里、同級生の考え方を見ていると、親の執着する対象に子供たちの考えも影響されるのかなと感じた。
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今や負債となったバブル期に購入した団地をどうするか悩む母と、教育ローンを抱え仕事が決まらず悩む娘のデュアルストーリー。親子ともども、自分の欲しいものをしっかり認識したこと(特に娘)、家族に最低限の資産があったことで乗り切れた話、だと思う。自分自身が欲しいものは何か、それを手に入れるためにはどうしたらいいか、どの部分は諦め、もしくは割り切るのか、を決めることが重要だと思った。
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マイホームの問題、特に郊外のニュータウンの購入型集合住宅にスポットをあてたドラマ。人生で一番大きな買い物であろう住宅購入の闇を提示してくれる展開。バブル崩壊前に建築された郊外型マンションを購入した人なら似たような失敗(?)をしているのではないだろうか。少し前なら都市の中心には住む人がいないドーナツ化現象とか言われた事もあったが、住人がそのまま歳を重ねて建物の老朽化と自治会の高齢化が同時に押し寄せる恐怖。ヨーロッパの住宅事情なども盛り込みながら結末が大いにきになる展開です。
あまり住処に高望みはせずミニマルに暮らしたいと考えながら読みました。あとがきで作者の経験が元になっていると知り、リアルさに納得。
友達同士の彼氏の押し付け合いの結末も興味のひとつとして読めました。
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住宅を得ることの大変さ、結婚に対する考え方、友人にめんどうな男を押しつけてしまった罪悪感など描かれています。なんと言っても住むところを得るのはなんと大変なことかと思いました。
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読後感悪いわ~、登場人物が全員エゴであるが、限りなく一般人
話はバブル崩壊寸前に高額購入して老朽化を迎えたニュータウン分譲団地、夫は合併で一般職に降格したシステムエンジニア(実は最後に古い言語を使える希少価値で長く働けている)、主婦の頼子パートで節約三昧…なのに団地の理事に選出される、団地は老朽化が進み、修繕か建替えかで喧々囂々侃々諤々の話し合い、リアルに分譲団地買わなくて良かったと思う
主人公?頼子の娘の琴里も奨学金を抱えてバイト三昧、その最中友人の彼氏(ボンボン)に引き合わされオペラとか付き合ううちに友人が逃走(?)なぜかボンボンと付き合い始めるが粘着質でストーカー気質に恐怖を覚えて、次の犠牲者(コーラス部の仲良し三人組)に自分がされた様に彼氏とで合わせ・・・気持ち悪いわぁ、感情移入できん、あと作者は中年女性を議会に送り解決させ過ぎ、議員報酬を低賃金パートからの逃げ愚痴にしちゃうのも如何なものか
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感想
雪子はお茶汲みしかできないって言ってた割に一番しっかりしている。
資産家の黛もどこかズレていて危うい。
終盤に向かうに連れて暗雲が立ち込めるが、最後に幸せな結末になるのか?
あらすじ
織部頼子はバブル崩壊前に買った寂れた団地で暮らしている。旦那は、会社の吸収合併で部長から平社員に降格し、自分はパートに出ている。長男は家を出て、娘の琴里は、就職活動に失敗して寿司やでアルバイト中。
暮らし向きが上がらない中、20年に一度の団地の理事の番が回ってくる。
琴里は、親友の三起子とその彼氏の黛を紹介してもらう。三起子の代わりに黛とオペラに行くことになってしまう。その後、三起子に連絡が取れず、黛の家に行くことになってしまう。
黛の家は資産家の大地主で不動産の不労所得で暮らしている。琴里は付き合うことになったが、付き合いを続けるうちに自分の考えが絶対であるかのように振る舞うところや考え方が合わないところ、自分の行動が監視されていることなど気になりだす。
頼子は団地建て替えについて理事会で話し合う。建設業者が持ってきた案は素敵で修繕に比べて良さげに見えるように作られていた。雪子以外はみんな賛成で乗り気になる。
琴里は黛のストーカー気質が生理的に合わなくなり、別れを告げる。三起子は黛と別れたいがために全てを捨てて、琴里を人身御供にして別れたのだった。琴里は黛と別れるためにもう一人の親友だった朋美を紹介する。
団地の建て替えは、駅から遠いという理由でゼネコン各社が辞退し、暗礁に乗り上げる。雪子は、団地存続のために頼子に市議会議員に立候補して欲しいという。
時は流れ、琴里も結婚した。ロンドンで暮らす朋美の家に三起子と呼ばれる。朋美は黛と結婚したのだった。頼子は市議となって相変わらずニュータウンに住んでいた。建て替えも決まらない状態だった。
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バブルの最後にニュータウンのマンションを購入し、修繕の時期に来たけれど、修繕するのか、建て直してしまうのか?!と理事会で右往左往する話。
それと並行して、娘さんが友だちの彼氏を紹介されて、一緒にオペラを観に行くという話もあり、こっちの方に興味深々笑
面白くて一気に読んでしまいました。
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垣谷美雨さんの本は、身近な主婦目線の本が多く読みやすい。
バブル崩壊前に分譲団地を購入した母とお金持ちのおぼっちゃまに翻弄される娘のお話。
母の立場も娘の立場も自分に置き換えて考えてしまう…一戸建てじゃなくてアパート暮らしでもよかったかも…大金持ちと出会ってたなら…
まぁ考えてもしょうがないけど…
みたいに考えてしまうお話でした。
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●あまりにも描写が細かく感嘆していたら、やはり筆者の体験談だった。女性作家ならではの容赦のない人物描写は時として心地よさすら感じられる。
●最後には荒れまくるマンション理事会のシーンは圧巻。綺麗事で終わらしていない展開がまたいい。まあ、議員立候補は唐突感はあったが。
●やばい彼氏を友達間で押し付け合うなんて、そんな展開思いつかない。
●どうしようもならない、がんじがらめな庶民の気持ちに、何回も心がキュッとなってしまった。
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ニュータウンが舞台であるものの都会のキラキラに憧れた一般人の話、という感想。
ステータスとか名声だけに惹かれていても一時的にしか幸せになれないよねえ
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社会問題、個々人のの家に対するコンプレックス、結婚の選択方法、人生において大切にするものは何か、登場人物それぞれの苦悩が描写される。
特に、朋美の結婚に対する割り切り方はかなり大胆だと思った。また、琴里や三起子の「金持ちと結婚すれば…」という結婚に対するイメージは、やっぱりみんな持っているものだと思う。結局何の選択をしても、自分が納得するかどうか。正解はない。
ここからは、本と関係なく私個人の話。実家は、家を購入しても父親は単身赴任続き、一人っ子の私は、母から離れたいため就職を機に家を出てしまった。母親は単身赴任にも決してついていかなかった。家を守るという意識が強かったんだろうと思う。 2人で老後住むなら、もっと狭い家でもよかったのではないかとも思う。父と母はお金絡みで頻繁に対立していたが、先日ようやく住宅ローンを繰上償還すると、仲良くソファで居眠りしていた。幸せになるために、居場所をつくるために自宅を購入するはずなのに。などとこの本を読んで考えた。
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垣屋美雨さんの作品は本作が初めて。
映画『老後の資金がない』の原作者という事で、作品のイメージは何となくコメディタッチなものを想像。
実際に読んでみると、そう遠くない将来、いや実は今でも気にしている将来に対する不安を駆り立てるような内容で、読み進めずにはいられなかった。
新手の経済観念育成小説です。
この作家さんの他の作品も読んでみたくなりました。
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垣谷美雨さんの作品は3作目。毎回身近な問題を取り上げてくれて、参考になりました。主に家という資産をテーマに、複数の登場人物からの視点を見せてくれます。人によって考え方は本当に様々です。客観的には良い生活をしているように見えても
、当人からすればそうでもない。隣の芝は青く見えるとはこういうことなんだよな、と思いながら読んでました。読み終える頃には、とりあえずベストを尽くして生きようと前向きになれます。
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バブル崩壊の直前に購入した、郊外の団地に住む織部頼子がローン返済に頭を悩ませる様子や、それを身近で見ている、娘の琴里が友人から紹介された資産家の彼氏と付き合い始めるが、癖の強すぎる彼との関係について、話が展開していく。
団地の理事会や建替えを巡る状況は勉強になった。
一方で、別れたい彼氏を友人に紹介し、押し付けておいて、その友人が結婚に愛を求めず、資産だけを目当てに結婚したら、今度はどこかで負けたと感じる心理には、勝手すぎてついていけないが、女性の友人関係だとそういう複雑な心情も生まれるのかもしれない。
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頼子のキャラがあまり好きではなかったが、バブル期に家を買うのは大変だ。しかも当時は、今がバブルと呼ばれる時期でやがて弾ける、なんて思いもしないから難しい。
琴里をとりまく話もおもしろかった。
女友だちって怖い。この3人はもう会わない方がいいね。
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一気に読めます。
住宅事情の勉強になりました。
でも、着地点が中途半端な感じでした。
うまくまとめてしまわないほうが非現実的な物語ではなく、より身近な現実的な話として受け止められるという作者の意図だったかもしれません。
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ライトで読みやすかった。議員になったところはご都合主義を感じたが、その他は作者の実体験に基づいていることもあり悲壮感が伝わった。家を購入するの怖いなと思った笑
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10月-02。3.0点。
ニュータウンで産まれた、幼馴染み女子3人。一人が、彼氏を紹介すると言われ行くと。。
読みやすい。廃れていくニュータウンの状況描写が上手い。
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住宅について。誰もが一度は悩む問題ではないか。賃貸か購入か、一戸建てかマンションか、価格か立地か、人生で1番大きな買い物ゆえに失敗はできない。恐ろしく思いながら読み進めたのに、まさか著者の実体験からきているとは…リアルすぎて怖いよー!
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盛りだくさんの内容だった。
お母さんの話、その娘と同級生2人の話、ニュータウンに住む人、住んでいた人々の話。
5200万円で買った家が今は1500ま万円で売りに出されている。そんなに下がってしまうんだと驚いた。他人事ながら、それは厳しい。これでは幸せになることに貪欲になるだろうな。
Posted by ブクログ
バブル崩壊前夜に買ってしまったニュータウン戸建の詳細がとてもリアルだなぁと思っていたら、著者の実体験に基づく設定だと知り納得。
すっかり著者のファンな私だが、今回も面白かった。
解説で、この手の小説は「社会派エンタメ」というジャンルだと知る。リアルで、ためにもなって面白い、社会派エンタメ。もっと読みたい!
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バブル崩壊寸前に購入してしまったニュータウンの分譲団地。
夫の収入が下がり住宅ローンに四苦八苦しているパート主婦の頼子は、家を売却しようにも購入価格の3分の1にまで下がってしまっているので売ることもできず。
一方団地は老朽化が進み、理事会で建替えの話が出てくるも、建替え反対派の意見や各家庭の事情が複雑に絡まり、話し合いも進まない…。
もうねー、読んでて胸が苦しくなるほどリアルでそして勉強になる本でした。
大規模集合住宅の建替え問題は各住民の事情が絡むからめっちゃ揉めるんよ。と聞いたことがありますが、なるほどこりゃ揉めるよなーと。
住む人たちの年代や家族構成や懐事情などまっったく違うのに、住まいという生活の根底に関わるもので足並みそろえるのなんて絶対難しいに決まってる!
こういった住宅問題に加え、頼子の娘・琴里のボンボンモラハラストーカー気質男との結婚問題も絡んできて、お金のこと、生活のこと、住まいのこと、将来のこと…いろいろ考えさせられる内容が盛りだくさん。
登場人物はあまり誰にも共感できないというか、自分だけが可愛いある意味人間らしい人たちばかり。
内容も重ためなんですが、でもなんとなくシリアスになりすぎないというか、垣谷さんの文ってどこかユーモアを感じられるのですごく読みやすいんですよね。
最後もスカッとしたー!って感じられるようなラストでは決してないんですが、読んで良かったと思える作品でした。
将来の住まいのこと…自分がどうしたいのか、どんな老後を過ごしたいのか、まだ考える時間の余裕があるうちに真剣に考えてみよう〜
Posted by ブクログ
シビア…心がゾワゾワしましたが面白かったです。
世代間の認識の差を埋めるって難しいし、生きる・生きてきた階級に差があるとそれもわかり合えない。
だからといって関わりを断って蔑ろにするわけにも行かず…生きる事や住むって難しいな。
団地の理事会キツいし、終盤のロンドンでのマウンティング…特に全ての元凶の三起子がキツい。自分から手放したのに上手くやってる朋美を見ると羨んで、でも琴里よりは上だ!って安心して、琴里との友人関係を続けたいのも朋美の陰口と琴里へのマウンティングだろ?と穿った見方をしてしまいました。琴里は離れて正解。
「私っていいものばっかり持ってる」、そう思えるように明日からも生きていこうと思いました。
Posted by ブクログ
[☆3.5]
富裕層の男性の話をすると、「そんなやつは苦労知らずだ」とけなしていたのに、自分の娘の彼氏だと言った途端に母の態度がころっと変わったのがおかしかった。
娘は、奨学金を、親はローンを肩代わりしてもらうなんて、初めから公平じゃない関係はなんだかなぁとモヤモヤしてました。
後からタダより怖い物はないって分かりますけども。
母子がとても似てますよね、父と祖母が引き戻してくれてホッとしました。
中盤ぐらいでちょっと中弛みかな?という感じだったけど、そう思った瞬間に怒涛の展開で驚きました。
訳あり彼氏を友達に押し付け合って(まさか主人公もそうするとは…)、最終的に引受人となった朋美は結婚してセレブな生活をしていて幸せそうで、他の二人は羨む。
友人の想像を上回る裕福な暮らしを目の当たりにすると、「あの時私が黛と結婚していたら!?」とたらればを考えざるを得ない。
琴里が、三起子に言い放った「友達ではいられない」という台詞も予想外だったので驚愕。でも、本当の友人なら、訳あり彼氏を友達に押し付け合って放置なんてしないよな。
琴里自身も朋美に押し付けているから、再会したけど触れなかったし、後ろめたいからもう会わないって決めたんだろうな。
朋美も大切だと思っていた友達に裏切られて、マウント取りたかったというのもあるかもしれないけど、「二人が自分に押し付けた罪悪感があるなら、私は幸せだから気にしないで」っていうことを伝えたいという友人への気遣いのように思えました。会えないままだと一方的に罪悪感が残りますからね。
色々あったけど三人が再開してあけすけに語り合って、仲良しこよしで終わるという結末を予測していたので、最後まで息もつかせぬ予想外の展開の連続でタイトルからは思いもよらなかったです。
あと、過疎化したり、古くなったマンションの修繕費が高いことや持ち出し資金も多い事に驚愕しました。
マンションの購入についても、非常に勉強になる有意義な小説でした。