【感想・ネタバレ】ニュータウンは黄昏れてのレビュー

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Posted by ブクログ

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 社会問題、個々人のの家に対するコンプレックス、結婚の選択方法、人生において大切にするものは何か、登場人物それぞれの苦悩が描写される。

 特に、朋美の結婚に対する割り切り方はかなり大胆だと思った。また、琴里や三起子の「金持ちと結婚すれば…」という結婚に対するイメージは、やっぱりみんな持っているものだと思う。結局何の選択をしても、自分が納得するかどうか。正解はない。

 ここからは、本と関係なく私個人の話。実家は、家を購入しても父親は単身赴任続き、一人っ子の私は、母から離れたいため就職を機に家を出てしまった。母親は単身赴任にも決してついていかなかった。家を守るという意識が強かったんだろうと思う。 2人で老後住むなら、もっと狭い家でもよかったのではないかとも思う。父と母はお金絡みで頻繁に対立していたが、先日ようやく住宅ローンを繰上償還すると、仲良くソファで居眠りしていた。幸せになるために、居場所をつくるために自宅を購入するはずなのに。などとこの本を読んで考えた。

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2022年03月06日

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いるいる、こういう人!(自分もか…)と想像しやすい理事会。議員になってしまったのは驚きだったけど、小説だし、羨ましい行動力!
高額な家を買う前にしっかり考えることが大切ですね。

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2021年03月10日

Posted by ブクログ

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またまた垣谷美雨さん。
どれも面白いからね。

今回は、バブル真っただ中にニュータウンの分譲団地を買って、その後返済に大変苦しめられるというお話。
小説の中には書いてないけど、多摩ニュータウンの事だってわかるし、作者本人もその体験からこの小説を書いてるとあとがきにある。

私もちょうどバブル真っただ中に浜松で一戸建てを買った(建てた)が、東京は浜松の比ではないと思う。
私が大学の頃は聖蹟桜ヶ丘に住んでいたので、多摩ニュータウンも土地勘はあるが、やっぱり新宿、渋谷あたりに出るのは大変だったよ。
ちょうど多摩ニュータウンを建設中だったので、その後新しい路線が出来て多少は便利になったかもしれないけど。

都内の大地主の息子が出てくるが、これがどうしようもないボンボンで、お金に困っている人からすれば、つい引っかかってしまうんだろうな。
でも、この辺のくだりはちょっと怖い。

また、後編に一気に話が進むが、ちょっと希望が持てるような話なので救われる。

最近の映画やドラマ。
ストーリーに無理がある脚本とか、マンガを原作にしてるのとか、つまらない物が多いけど、垣谷美雨さんの作品を原作にしたら面白いドラマが出来ると思うんだけどなぁ。
人気俳優やアイドル使って視聴率稼ごうという安易なドラマや映画はやっぱりつまらないよ。

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2021年02月15日

Posted by ブクログ

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昔、家庭教師先のお母様が、バブルの頃に買った家だから金利が高いとよく愚痴っていた。大学生だった私はいまいちピンと来なかったが、頼子のような気持ちだったのかもしれない。
ニュータウン老朽化問題は社会問題だと思うが、きちんとメディアに取り上げられていない。一室をリノベーションして若者世代を呼び込むという対応策を取っているところもあるが、もっと国全体で考えるべき問題なのではないかと思った。
この話はただ団地住まいの主人公がローン地獄に苦しむ話ではなく、登場人物全員が時代に翻弄されながらも人生に向き合う話。そして黛の存在が良いスパイスとなり、一気読みできた。

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2020年12月16日

Posted by ブクログ

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シビア…心がゾワゾワしましたが面白かったです。
世代間の認識の差を埋めるって難しいし、生きる・生きてきた階級に差があるとそれもわかり合えない。
だからといって関わりを断って蔑ろにするわけにも行かず…生きる事や住むって難しいな。
団地の理事会キツいし、終盤のロンドンでのマウンティング…特に全ての元凶の三起子がキツい。自分から手放したのに上手くやってる朋美を見ると羨んで、でも琴里よりは上だ!って安心して、琴里との友人関係を続けたいのも朋美の陰口と琴里へのマウンティングだろ?と穿った見方をしてしまいました。琴里は離れて正解。
「私っていいものばっかり持ってる」、そう思えるように明日からも生きていこうと思いました。

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2021年11月26日

Posted by ブクログ

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[☆3.5]

富裕層の男性の話をすると、「そんなやつは苦労知らずだ」とけなしていたのに、自分の娘の彼氏だと言った途端に母の態度がころっと変わったのがおかしかった。
娘は、奨学金を、親はローンを肩代わりしてもらうなんて、初めから公平じゃない関係はなんだかなぁとモヤモヤしてました。
後からタダより怖い物はないって分かりますけども。

母子がとても似てますよね、父と祖母が引き戻してくれてホッとしました。

中盤ぐらいでちょっと中弛みかな?という感じだったけど、そう思った瞬間に怒涛の展開で驚きました。

訳あり彼氏を友達に押し付け合って(まさか主人公もそうするとは…)、最終的に引受人となった朋美は結婚してセレブな生活をしていて幸せそうで、他の二人は羨む。
友人の想像を上回る裕福な暮らしを目の当たりにすると、「あの時私が黛と結婚していたら!?」とたらればを考えざるを得ない。

琴里が、三起子に言い放った「友達ではいられない」という台詞も予想外だったので驚愕。でも、本当の友人なら、訳あり彼氏を友達に押し付け合って放置なんてしないよな。 

琴里自身も朋美に押し付けているから、再会したけど触れなかったし、後ろめたいからもう会わないって決めたんだろうな。

朋美も大切だと思っていた友達に裏切られて、マウント取りたかったというのもあるかもしれないけど、「二人が自分に押し付けた罪悪感があるなら、私は幸せだから気にしないで」っていうことを伝えたいという友人への気遣いのように思えました。会えないままだと一方的に罪悪感が残りますからね。

色々あったけど三人が再開してあけすけに語り合って、仲良しこよしで終わるという結末を予測していたので、最後まで息もつかせぬ予想外の展開の連続でタイトルからは思いもよらなかったです。


あと、過疎化したり、古くなったマンションの修繕費が高いことや持ち出し資金も多い事に驚愕しました。

マンションの購入についても、非常に勉強になる有意義な小説でした。

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2021年07月03日

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