鈴木光司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレどの段階で「そのこと」に気づいていたのか、それとももう幾分か感染の影響であったのか。ただし、完全にはそうとも言いきれず。人間側の意思とウイルスの意思の境界線はどこにあったのか。遺伝子が人間を支配しているのか、人間があっての遺伝子なのか。
塩基配列からここまでの問題提起を包含できるのはもの凄い。専門的な話題が多いにも関わらず、次へ次へと読む手が止まらないのは、主人公のPDCAサイクルの異様な速さにある。Cの段階で次のPが始まっているのだ。だから中断ができず平日の2日で読み終わってしまった。助かったような残念なような。
見たもの読んだものが脳からのどんどん抜けていく世代になってきているが。今回は流 -
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Posted by ブクログ
※映画とはまったくの別物です。
初めに犠牲者の視点、または犠牲者を客観的に見た人の視点で物語は始まります。冒頭、いきなり多人数視点構成という、今では流行りの書き方ですが、ホラー作品としてはかなり新進気鋭だったのではないかと思う。
VHSを駆使した呪いの拡散。死にたくなければ7日以内にビデオを観ていない新たな人に見せること。
というのが、リングの主な怪異なのであるが、当たり前になったこのシチュエーション。私は映画を観た時から疑問に思っていた。
『ルール、誰が作ったん?』
呪いのビデオの中で親切にそう説明した訳ではない。不気味な映像が流れるだけ。誰がルールを開拓した?
そうです。このビデオ、実験 -
Posted by ブクログ
ホラー小説は、あまり好きではない。しかし、植物がテーマならば読んでみる価値があると思った。
地球生命の全重量の99.7%を占める植物を、単なる「優しい、無害な存在」としてではなく、実は地球の生命の進化を操り、人類を含む動物たちを「利用」してきた主役であるという視点で書かれている。地球には、圧倒的に植物が多いのだ。
『ユビキタス』とは、植物が地球生命の歴史において支配的な役割を担い、人類の進化にも深く関わってきたということを意味する。植物の「遍在性」や「地球全体を覆う存在」という側面が強調され、情報技術ユビキタスとは異なる文脈で「ユビキタス」という言葉が使われている。
ほんのわずかな -
Posted by ブクログ
ネタバレふと思い立って約30年ぶりくらいに再読。内容はすっかり忘れている。映画の影響で貞子のイメージしかないけれど、風の噂で聞いていた通り、テレビから貞子が出てこない。ホラーじゃなくて、謎を追っていく点でミステリって感じ。タイムリミットがあって、ページをめくる手が止まらない。サスペンスとも言えるのか? たまたま最近読んだ『クラインの壺』と印象にてるかも。「ジャパニーズホラー」って言葉で騒ぎすぎちゃってないだろうか。貞子は、たぶん世の中一般に思われているような「悪」ではなかったし、境遇も悲しいものだった。この先のリングシリーズも読んでいきたい。そうそう、昔はカセットテープとかビデオテープって、書き込みで